サヨコの土壇場日記

2006.10.12
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カテゴリ: 日記

『水曜の朝、午前三時』蓮見圭一著 新潮文庫

帯文に惹かれて、買ったの。

水曜の朝、午前三時

あら?私が買ったのと帯文が違うわ!


 私の本の帯文

「こんな恋愛小説をまち焦がれていた。

わたしは、飛行機のなかで、

 涙がとまらなくなった……」

  児玉清氏、絶賛!!




ところが……私めは感情移入が出来なかった!




ヒロインは、大阪万博の時代に、万博コンパニオンで、

万博の協会本部で出会った、

京都大学言語学研究室に在籍する「臼井」という男性に恋をする。

彼は10カ国語を話せるし、

イケメンだし、上品だし、カッコイイし、

コンパニオン達が取り合いをするような男性である。

ところが、彼が在日の人だと分かると、

その恋心を封じ込めて、

親の薦める見合い相手と結婚してしまう。




「あなた、朝鮮人の子供を生むつもりなの?」(211頁、ひえ~っ!)

と、言われてひるむヒロインにがっかりしてしまったの。

大阪万博のコンパニオンは、

容姿端麗はもとより良家の子女でないとなれなかったらしい。

世界中からみえるお客様をおもてなしするために、

家柄がとても重んじられた!




でも、見合い結婚した相手とも、ちゃんと愛して、娘が生まれる。

その娘に、ヒロインが死ぬ間際に(45歳で夭折する)

結婚は出来なかったがそういう恋人がいたということを

4巻のテープにして残したのだ。





とても理不尽に感じられて、腹がたった(怒)

結婚相手にも、また生まれた娘にも、失礼でしょう?

そんな気持ちを墓場まで持って行ったのなら、

理解してもあげましょう。

彼が、在日で、

優秀な男性にもかかわらず悲哀を背負っているとしたら、

それでもそのカレと愛を貫いたヒロインだったら、

私も、涙がとまらなかったことでしょう。

さっさと、家柄の良い他の男と結婚しておきながら、

(推測するに、たまには元カレとも逢っていたような……)

「もし、あの人との人生を選んでいたら……」ナンテ、

「選んでいたら……」生まれてはいなかった娘に、

そんな残酷なことを遺言で伝えるなんて……

あーっ!腹が立つ!

しかも、表題の『水曜の朝、午前三時』は、

その元カレの妹が自殺した時間なんだ!

「兄をお願いします」と、言った妹を裏切ったヒロインめ!




児玉清氏が推薦したように、

これって、男性の側からみると

涙がとまらない悲恋なの?





世間に辛い風を当てられながら、

在日の元カレは、

それでも立派に日本にいて、大学の教授として学者人生を生き切っている。




ひょっとして、作者はここを読んでほしかったのか?

(299頁)
「北朝鮮というのはどういう国なんですか」

 会話が途切れたところでそう訊ねると、彼は意外そうな目で僕をみつめ、

「君はあの国のことをよくしらないんだな」と言った。

「俺はあの国には一度も行ったことがないんだよ」

「そうだったんですか」僕には、それこそが意外なことに思えた。

「もちろん、行ってみたいとは思ったし、行くこともできた。

 でも、行く以上は、帰って来られないのを覚悟して行くしかなかった。

 たまに再出国の許可が下りることがあっても、それは年にほんの数人だ。

 さあ、君だったらどうする? 行くか? それとも自分の国でもないところで、

 ずっと違う名前で生きていくか」






「臼井」さんは「李哲秀(リ・チョルス)」さんだったのだ。

そこになら、私は涙を流す。

だが、恋愛小説としては嫌だな!

ラブストーリーにするなよ!

帯に、そう書いてあったら、

私のような女が間違えて、愛を貫く主人公を期待して買うじゃないの!

中東問題の次は北朝鮮問題か~~~




土壇場は忙しい~















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最終更新日  2006.10.14 03:43:27
コメント(9) | コメントを書く


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Re:ラブストーリーだと思ったら……(10/12)  
takenokoisya  さん
全面的に貴方に同意します。 (2006.10.13 07:22:48)

Re:ラブストーリーだと思ったら……(10/12)  
kei恵0112  さん
うん、恋愛小説じゃないよね
愛を貫くのが恋愛、氏素性で引いてしまうのは恋愛じゃ無いのに、足跡を残す程に在日の男性を愛したとは思わない
捨てた過去にすがって生きて来た
只の傲慢な女でしょう、ヒロインには成れないね。 (2006.10.13 07:36:09)

Re:ラブストーリーだと思ったら……(10/12)  
中東の後は北朝鮮問題に取り組むのですね・・・。
其の後は、日本の同和問題ですか・・・?
でも、昔の簡裁を舞台にすればこんな恋愛は、実際にあったでしょう。
でも、娘にこんな形で残す事はありえなかったでしょう・・・。
作為的過ぎる小説も、興ざめするものです・・・。
オイラは読む気が起こらない・・。 (2006.10.13 08:32:01)

おはようございます。  
朝のご挨拶に… (2006.10.13 08:45:44)

Re:ラブストーリーだと思ったら……(10/12)  
秋さん7942  さん
本当に寂しいの?
言い切れ具合だよ。いつもながら。

今朝、丁度、出社途中の車中で、出戻りのことを考えていた。
友人の妹だ。
おれの妹は出戻りどころか、亭主の存在が。。

ご指摘はごもっともです!
愛を貫け私のように。
(2006.10.13 12:28:40)

当時は・・・  
とし狸  さん
差別感情が激しい時代だったですからね~。

とし狸は、あまりそのような経験がありませんでしたが、父が教えていた地域ではあったようです。

あちらの人との結婚を考えられない時代だったのでしょう。

それにしても・・・売るためとはいえ、帯が悪いですよね。

何故、そこをとらない~あたっくちゃ~んす。 (2006.10.13 13:51:19)

だから、この小説は問題作なんですよ。  
Heik  さん
まずは時代設定。これが現代ならヒロインは愛を貫くでしょう。でも昭和の大阪万博の時代では?
それに在日の彼って、単なる在日じゃなくって、スパイじゃないかってボカして書いてあるでしょ?
そして不治の病の病院で、遺言まがいのカセット・テープ。

……ってこれ著者は完全に計算しているんですよ。万博のノスタルジーと貫けない
恋愛をテーマにしているんです。挫けた醜い女。

だから今流行りの純愛小説などとは一線を画した、変体的ロマンス小説になっているわけ。

この小説に反感を抱く女性は貴方だけでなく、沢山の女性がそうだと思う。
女性の醜さだけを描いて、男性の醜さには殆ど触れていないんだからね。アンフェアだよね。

でも、こういうトリッキーな小説がベストセラーになってしまうってのは、
ちと苦いね。そして、帯の文章は確かにインチキだね。 (2006.10.13 15:47:43)

Re:ラブストーリーだと思ったら……(10/12)  
女将修行中  さん
帯のキャッチコピーは信じて飛びつくよね?
何だか誇大広告のインチキ通販みたいな後味の悪さ?

そんな女は横っ面を引っぱ叩いてやりたい。
・・・と思ったら、作者の思う壺?

しかし・・・
サヨコさんは実にインターナショナルでんな?
勉強家のサヨコさんはオシャベリしてても次々と話題が尽きないでしょうね? (2006.10.13 20:13:24)

Re:ラブストーリーだと思ったら……(10/12)  
RYO0112  さん
リアルです・・・
でも読んでみたい本です・・・
本って一言では語れないくらいのジャンルがありますね。 (2006.10.13 20:36:47)

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