Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/01/22
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カテゴリ: 今宵も、BARへ…
その7:カウンターでの話題

◆まずは会社や仕事は忘れよう
 BARのカウンターに座ったら、とりあえず会社や仕事の話は忘れよう。居酒屋では、仕事のグチや上司の悪口は酒の肴になるかもしれないが、BARではそういう類の話は野暮というものだ。酒もまずくなる。BARは、美味しいお酒や会話を楽しむ非日常の世界。日常の象徴である会社や仕事の話題を口にすれば、永遠に非日常空間には浸れない。

◆お店の人とは何をしゃべったら…?
 BARに行き慣れていない(あるいは初めて行った)貴方は、カウンターの目の前に来たバーテンダーと何をしゃべったらいいのか迷うに違いない。そんな時にはまず、例えば、貴方が訪れたそのお店をどこで知ったのかを、マスターやバーテンダーさんに話してみるのがいい。「BARの初心者であること」もはっきり伝えよう。

 「****(雑誌名)で紹介されているのを見て…」「BARに詳しい友だちに教えてもらって…」「Bar****のマスターに紹介されて…」「ネットで検索していたら、たまたま出合って…」等々、きっかけはさまざまだろうが、それが会話の糸口になる(貴方が初めての人だと知っている店側も、実は、自分の店の存在をどうやって知ったのかを知りたがっている)。At the Bar7

 目の前のバック・バーの棚にある様々なお酒(ボトル)のことを話題にすることも無難だ。ボトルを指さして「あれは何のお酒ですか」と尋ねたり、「ジンって何から作られているのですか? ウオッカとの違いは何ですか?」「ワインとシェリーの違いは何ですか?」と聞いてみるのもいい。

 また、「お店で人気のカクテルは何ですか?」「お酒に強くない女性にも飲みやすいのはありますか?」「モルトに挑戦したいんですが、初心者へのお勧めはありますか?」とか具体的に尋ねてみてもいい。バーテンダーは客との会話も商売だ。あれこれ質問されることをいやがる人はまずいない。何かを尋ねたら、そこからまた会話が発展するはずだ。

◆他の常連客のことを話題にするのはやめよう
 たとえ貴方がそのBARに何度か来たことがあったとしても、他の常連客のことを話題にするのは避けた方がいい。もし貴方が、自分がいない場で話題をされていると想像すれば、貴方だってあまりいい気分ではないはず。悪口やうわさ話ではなく、誉め言葉であっても避けた方がいい。誉めたいのなら、次回本人と出会った際に直接言えばいい。その方のうわさ話をしていたら、実は、その本人が店にいてずっと話を聞かれていたなんて気まずい事態にならないとも限らない。

◆政治・宗教の話題はNG
 BARではとくに、思想信条にかかわる政治や宗教の話は絶対にやめた方がいい。結論の出る話でもない。BARは思想信条を戦わせる場でも、宗教勧誘の場でもない。政治を議論し始めるととめどなくなり、激論となり、ケンカに発展することも珍しくない。声が大きくなり、周囲のお客のひんしゅくを買う。

 また、特定の宗教を熱心に語ると、信者勧誘と誤解されて敬遠されるだけ。逆に特定の宗教に批判的なことを言った場合、もし店の客にその信者がいれば気まずくなる(マスターが信者である可能性だって、ある)。何度も言うが、BARは静かに、楽しくお酒を味わう空間である。政治や宗教は極力持ち込まないのが賢明だ。

◆スポーツ、芸能、旅の思い出、故郷…
 逆に、BARでの話のテーマにぴったりなのは、スポーツ、芸能(ゴシップ系)、芸術(映画や美術、文学など)、自分の趣味(趣味の内容にもよるが…)、旅の思い出、故郷の話など。この辺りは一応無難だ。ただし、無難だと言っても、自分が嫌いなチームや嫌いな芸能人の悪口はNG。相手がそのチームや芸能人のファンだとも、客にファンがいないとも限らない。

 関西のBARだと芸能人やプロ選手らに遭遇することはほとんどないが、東京では店に芸能人やタレント、プロスポーツ選手が来ていることが少なくない。「ある芸能人の悪口を言っていたら、その本人がカウンターにいた」という笑えない話も聞いたことがある。くれぐれもご用心を。

◆自分の仕事や商売にからめるな
 「ひとつ頼みがあるんだけどねぇ…」「これイチオシ商品なんだけど、できればためしに買ってみてくれない」などと、BARで時々、自分の仕事にからめて、商談まがいの話をしている輩がいる。言われた相手はちょっと困ったような顔をしている。貴方が一緒に飲みに行く相手が会社関係以外の場合、常連客も含めBARで出会う人たちには、さまざまな職業や肩書の方いるはずだ。

 仕事も、地位も、性別も、国籍も関係なく、一緒に楽しく飲める。それがBARの醍醐味だ。会社での地位や権限だって、本人の個人的な経済状態だって、1人ひとりみな違う。そこに仕事(ビジネス)上の利害、経済的利害をからめてしまうと、時には貴重な友人関係が崩れ、美味しい酒もまずくなる。BARという空間では、個人的な仕事の利害は持ち出さないことが肝要だ。At the Bar8

◆下ネタは嫌われる
 居酒屋などには、酔うと下ネタを連発するオヤジが必ず1人や2人はいる。うらんかんろも、実は下ネタは決して嫌いではない(笑)。だが、オーセンティックBARは下ネタを肴に盛り上がる場所ではない。気の利いたジョークなら喜ばれるだろうが、下ネタは時と場所を選ぶ。

 もし調子にに乗って下ネタを連発すると、貴方は店側や周囲の客にひんしゅくを買い、嫌われることは間違いない。場合によってはマスターから「店の雰囲気を壊さないでくれ」と怒られる羽目になる。ジョークや駄洒落ならまだしも許されるだろうが、下ネタはやはり、居酒屋やスナックの方がよく似合う。くれぐれもご注意を。

◆お酒やBAR関連の情報は店と共有しよう
 貴方がもし全国、いや世界各国のBARやお酒や酒屋さんについて、相当詳しくなったとする。そういう場合は、貴重かつ役立つ情報ならばもったいぶらずに、馴染みのBARのマスターやバーテンダーさんに教えてあげよう。店の人たちも、ありとあらゆるお酒の知識がある訳ではない。全国各地のすべてのBARや酒屋さんについて詳しい訳ではない。

 「**県のBAR****はこういう店でしたよ」「***というお酒屋さんではいま*****を安売りしてますよ」「*****の蒸留所はこんなところでしたよ」「****蒸留所のHPでは、ネット通販限定の珍しいモルトが買えますよ」などと教えてもらえると、バーテンダーだって人の子だから、とても嬉しいのだ。

 もし、貴方が海外の蒸留所を訪れることがあったら、写真を見せてあげよう。パンフレット類を持って帰ってきてあげよう(できれば相手が気を遣わない程度のお土産も買ってくれば、喜ばれること間違いない)。パソコンや外国語が得意であれば、時にはマスターに代わって、海外から珍しいお酒を取り寄せてあげよう。そうした関係を築くことでBARとの連帯感が生まれ、マスターからの信頼も厚くなる。

◆他の店との比較はしない
 BARのオーナーやマスターは、自分のBARを最高の店にしようと日々努力している。しかし、そのBARにはそのBARなりの掟(おきて)や流儀があることも事実だ。そうした流儀がもし貴方の好みに合わないからと言って、「あそこの***というBARではつくってくれたんだけどなぁ…」「***というBARでは、何でもハーフ(・ショット)で飲めたのになぁ…」「定休日は*曜日がいいんだけどなぁ…」などとお店の人の前で、他店と比較してグチを言うのはやめよう。

 どのBARのマスターだって、他の店と比較されることはあまり気分のいいものではない。できるだけそのBARの良い部分を育ててあげよう。もし不満な点があれば、「他の店では…」という言い方ではなく、「こんなことしてくれたら嬉しいんだけど…」と言い方をソフトに変えてみよう。建設的な提案であれば、マスターは取り入れてくれるかもしれない。でもそうは言っても、やっぱり流儀(商法)は変えないBARもある。その流儀がどうしても貴方に合わなければ、その店とは別れて、他のお気に入りの店をまた見つければいいのである。

【その8へ続く】

【おことわり】 写真は本文内容とは直接関係ありません。

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Last updated  2010/08/21 09:44:55 PM
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うらんかんろ

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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