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2011/10/16
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 グラナダ行きの長距離バスは、RENFE(スペイン国鉄)ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ駅すぐ横にあるバスセンター( 写真右 )から出る。僕らは事前に席を予約しておいたので、後はバスの来るのを待つだけ。出発は午後1時だ。s-IMG_9767.jpg

 バスはカディスからヘレスに立ち寄って、そしてセビージャを経由してグラナダへ向かう。ヘレスからは僕らも含め10人ほどが乗り込むようだ。しかし、バスは午後1時を過ぎてもいっこうに現れない。鉄道と同じで一切のアナウンスはない。多少の遅れはスペインでは織り込み済みなのだろう。

 1時15分を過ぎる頃、ようやくバスが到着した。ヘレスで降りる人はごくわずかだ。乗客は運転手によって開けられた床下の荷物スペースに勝手に自分の荷物を入れる。長距離バスでも、途中の駅で他人の荷物を勝手に持って行ってしまう輩(やから)がいるので要注意と聞いていた。s-IMG_9774.jpg

 だから僕らは、荷物スペースに置いた2つのスーツケースの持ち手を自転車のカギ付きチェーンで結んだ( 写真左 )。ここまでしないと安心はできない(まさか重いスーツケースを2つ一緒に持っていく奴はおらんだろうし…)。

 乗車時に予約券のチェックはなぜかまったくない(結局グラナダで降りる時もなかった)。僕らの席に行くと、知らない若い男性(スペイン人かどうかは分からない)が座っていた。「クレオ ケ エステ エス ミ アシエント(ここは僕の席だと思います!)」と伝えた。s-IMG_9772.jpg

 すると、その男性は「ペルドン(すみません)」の一言もなく、堅いこと言うなよみたいな顔をして別の席へ移った。まったく油断もスキもありゃしない。もしこの席が予約されていなければ、タダ乗りもできるということか?

 グラナダまでの予定所要時間は4時間35分。海外でこんなに長時間バスに乗るのは初めてだ。電車の座席はきれいで、座り心地も良かったが、このバスはあまりたいしたことはない。電車に比べて料金が安いから文句を言うなということなのだろう( 写真右 =途中立ち寄ったセビージャの風景)。s-IMG_9811.jpg

 道路は渋滞もなく、バスはすいすい進んだ。しかし立ち寄ったセビージャのバスセンターでなぜか結構な時間待ち。セビージャからはたくさんの乗客が乗り込んできて、バスはほぼ満席となった。途中の車窓の風景は、鉄道でもそうだったが、オリーブ畑ばかりの単調なもの。見ていても飽きるので、ここは眠るしかないと思った。

 バスは約40分ほど遅れて午後5時15分頃、グラナダのバスセンターに到着。僕らは早速タクシーをつかまえて、今夜のホテルへ向かった。ホテルは市内中心部から少し南へ行った辺りにある「ホテル・コロナ(Hotel Corona de Granada)」。s-IMG_9821.jpgこじんまりとした造りだが、アメリカ人やフランス人の団体観光客が多いという感じ。ただし、周辺はややさびれた地区で、グラナダの観光スポットの旧市街からもやや遠い( 写真右 =グラナダのカテドラル(大聖堂))。

 チェックインを済ませた僕らはまず、アルハンブラ宮殿入り口にあるチケット交換所( 写真左上 )へタクシーを走らせた。日本から予約をした予約券は入場時刻(僕らのは「午前9時半」になっていた)の1時間前までに、入場チケットと交換する必要があると日本のHISで注意されていた。s-IMG_9840.jpg

 しかし、明日の見学当日に交換しようしても、当日交換の窓口で長蛇の列が出来ていて、1時間前までに交換できなければ自動的にキャンセルしたと見なされてしまうのだとか。だから、「前日のうちに交換した方がいいです。ただし窓口は夜7時までです」とアドバイスされた( 写真左 =カテドラルではたまたま結婚式がありました)。

 チケット交換所に行くと、またまた愛想の悪そうなおばさんが窓口にいた。僕らの予約のペーパーをちらりと見て、端末でチェック。そして機械的に入場券を2枚発行してくれた。でも、最後に「グラシアス アスタ マニャーニャ(有難う また明日ね)」と挨拶したら、「アスタ マニャーニャ」とニコっと笑って応じてくれた。笑顔を見せようと思ったらできるじゃんと言ってやりたくなった。s-IMG_9836.jpg

 無事、入場チケットを入手した僕らは、アルハンブラ前から赤い色したかわいい小型の路線バスに乗り、再び旧市街へ。今回の旅ではこのアルハンブラのチケット入手が一番心配だったので、これでひと安心。アルハンブラから旧市街への道は坂が多く、とても狭い。小型バスでも四つ角を曲がる時など、両側の建物にもう少しでこすってしまいそうになる。

 中心部のヌエバ広場近くで降りた僕らは、晩御飯まだ少し早いのでぶらぶら散策した。すると、中心部のカテドラル近くのバル街で、老舗っぽい陶器屋さんを見つけた。イスラムっぽい柄のモダンな陶器類(皿や壷など)をたくさん売っている= 写真右 s-IMG_9853.jpg

 店内に入って、商品に見入っていると、まるでアルハンブラの壁画のような雰囲気を持った、素敵なブルーの大皿を見つけた。「パスタなんか盛っても合うね」ということで、少し高い買い物だったけど、グラナダの思い出に1枚購入)。

 さて、グラナダ初日の晩飯はどこにしようかと、候補店をあちこち、店の外側から偵察。で、僕らが選んだのは、 「ラ・クエーバ・デ・ミルノベシエントス」(La Cueva de 1900) 写真左 =という変わった名のバル(直訳すれば「1900の洞穴」?)。sa-IMG_9850.jpg

 外から見る限り、結構客の出入りが激しく、賑わっている。ここの名物も生ハムらしく、天井から下がった生ハム・ブロック(豚の足)の数の多さには度肝を抜かれる(いったい何本あるんだろう?)= 写真右

 とりあえず2人用のテーブル席を確保。店内のカウンター席はスタンディングだ。グラナダのバルの特徴として聞いていたのは、アルコール類を頼むと、必ず何か一品タパスの付き出しが添えられてくるということ。スペイン広しと言えども、このサービスはグラナダ周辺だけという。s-IMG_9844.jpg

 だから、グラナダでは最初からタパスをたくさん頼むと失敗すると言われた。とりあえずタパスは一つ頼んで様子を見てから、と。数あるメニューに少しそそられたが、ポテト・サラダをまず注文。

 やがてビールとともに出てきたタパスを見て、腰を抜かしそうになった。かなり大きめのパン2個と2~3種類のハムが付いている( 写真左 )。日本のバルじゃ立派に1人前だ。s-IMG_9849.jpg

 2杯目のお代わり(ティント・デ・ベラーノとベルモット)をしたら、また違うパンとハムの盛り合わせが付いてきた。普通のバルだと1品目と2品目で付き出しの種類を変えてくれるというが、ここはハムが売りの店なので、やはりハムらしい。

 こんなに出されたら困るんだけど思いつつ、そこは悲しい性(さが)で残すのは忍びないので食べる。で、残念ながら、結局あともう一品しか頼めなかった。アンダルシア地方の名物料理の「サルモレホ」( 写真右 ))。

 「サルモレホ」は、基本はサラミなど具の入った冷たいトマトスープ(若干ニンニクも効いている)だけど、複雑な味なのでトマトだけじゃなく他の野菜も少し入ってそうだ。例によって、このスープも量は半端じゃない。これだけ食べて飲んで、お勘定は信じられないけど2人で25ユーロほど。スペインのバルは本当に懐にも優しい。

 さて、明日はいよいよ世界遺産の「アルハンブラ」が生で見られる。人生最初で最後かもしれないアルハンブラを僕らはしっかりこの目に焼き付けようと思う。


【グラナダ編<下>へ続く】

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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