ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 16, 2021
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「突然変イ」

 おうち時間有効活用特別企画、今週はエルガーの1番。

 なかなか演奏されないけど名曲。ぼくは一度だけ、四半世紀ぐらい前に弾いたことあり。第二バイオリンで弾いたのだけど、そのときたしか会場はS和女子大学人見記念講堂、オケは第一バイオリンと第二が向かい合う「対向配置」式。この曲ではこの配置が実に効果的で楽しく弾けた記憶がある。両パートが対等に掛け合うとこが多くステレオ効果を演出できるので。
 弦の最後尾プルトのみが弾く箇所もある。

 今回ぼくは第一バイオリン(しかもケツプル)という設定で数日間練習ののち、今日ついに動画に合わせておひとりさま妄想本番。

 こんなに難しかったとは。いろんな意味で強引な曲。音域だったりテンポだったり転調だったり。

 楽想用語もあれこれ丁寧に書かれてる。sonor-eというのはおそらくsonoramenteのことか。朗々と響かせて、という意味?
 あと、RとかLとかAとかも見受けられて、以下の略とのこと。
 R: ritardando
 A: accelerando
 L: largamente

 1楽章に書かれてるNobilmente e semplice(高貴にそして素朴に)という表現にはしびれる。

 2楽章は譜面がシューマン交響曲2番スケルツォ(チョー難曲!)にも見えて冷や汗。

 3楽章は、前の楽章から一音のみでつながってて、全く違う調で曲が始まる。エニグマのニムロッドへの導入でも使われている手法。お見事。

 4楽章も難曲。この楽章だけじゃないけど、4分の6拍子、しかも旋律がいちいち裏拍(弱拍)から始まるってのに慣れるまでが大変。アウフタクトという意味じゃなく。

 ちなみにぼくはこの曲がフラット四つの変イ長調だったことを最近知った。ころころ転調するので、基本調が何なのかわかりづらいというのもある。
 てか、エルガー様ってば、なにゆえにこんな奇異な調で交響曲をお書きになったのか。ぼくの知る限り、変イ長調の交響曲は古今東西この曲のみ!

<追記> ウィキに「変イ長調の交響曲まとめ」というページを発見。やはりこの曲以外にほとんどない。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_symphonies_in_A-flat_major





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最終更新日  Jan 17, 2021 06:25:43 AM
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