ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 6, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「お・も・て・な・し」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 スウェーデンに移り住んだアフリカのソマリア難民たちが、スケートの経験もないのに氷上競技バンディの世界選手権出場をめざす様子を取材したドキュメンタリー。
 日本では 国連UNHCRの難民映画祭のサイト で紹介されている。

 とても良く作られてて、最後まで興味深く観られた。てか、人口5万人の小さな町に3千人もの難民が住んでるというのも驚いた。地元の保守的な白人住民のなかにはガイジン住民のことをよく思ってない人も多いことが映画の冒頭で紹介されるので、ヒヤヒヤしながら観た。

 いわゆる「重いコンダラ」系スポ根ドキュメンタリというわけぢゃなく、さくさく軽快に編集されている点も好感が持てた。ぼく自身は、過度に政治的な権力とカネにまみれてしまっているオリムピックとかにはもはや興味はないのだけれど、商業主義抜きにこうゆうスポーツの持つ偉大な力を見せつけられると、やっぱし感動してしまう。

 登場する人たちのキャラも良かった。みんなして愛おしい。多少のヤラセや演技もあるんだろうけど、スポーツを通じて難民との共存を謳おうとするヤリ手の町おこし事業家や、同じ移民仲間として資金援助をする香港人実業家、そして何より、母国の親と離れて暮らすソマリア難民たちが純粋な若者ばかりで、自ずと応援してあげたくなる。

 厳寒のシベリア、イルクーツクで行なわれた世界選手権の場面も見応えがあった。競技自体はバンディという地味なスポーツ(←氷上ホッキ―に類似)で観客数も少ないのだけれど、地元市民たちがいきなりソマリア人チームを応援しだす場面には心打たれた。ぶっちゃけ、ソマリアは大会ではウクライナにも日本にもモンゴルにも惨敗しており、強豪ドイツにも負けるであろうことは誰の目にも明らかだったのに、地元の人は温かく彼らを受け入れ、必死に応援する。

 最後の最後に故郷ソマリアに選手が帰省する場面も映し出される。泣ける。





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最終更新日  Mar 7, 2021 06:37:02 AM
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