ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 16, 2023
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カテゴリ: 映画、テレビ
「加茂の流れに」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 京都を舞台にした日本の連ドラをネットフリックスで鑑賞。全九話。どうやら日本先行配信ではなく世界同時公開らしい。初めから国際市場を狙って作られたもよう。既に音声も字幕もかなりの言語から選べるようになってた。

 ドラマ設定としては、ぼくの苦手なNHK朝の連ドラ風。つまり、夢に向かって健気に前向きに生きる不器用女子が主人公で、そんな彼女の成長を日本国民老若男女が上から目線で温かく見守れるようにできた優しい作品。ぼくはてきぱきさくさく進行する作品を好むので、本作は多少いらいらしながら観た。少女たちのぎこちない台詞まわしも気になった。

 実際、最初の二話を観終えた時点で、もう観るのやめてもいいかなと思いかけた。登場人物がみんな性格のいい人ばかりで物足りなく感じたし、それに「ニッポン古来の丁寧な暮らし」をこってり見せつけられておなか一杯。作り物の世界とは認識しつつも、非現実的すぎるし、自分自身の丁寧じゃない暮らしが恥ずかしく思えてきて猛省を強いられる感じ。
 京都や舞妓の文化を知りたければ、ユーチューブとかに実際の現場を取材した動画とかがあるだろうし、そうゆうお勉強の教材として観るドラマでもない。

 でも第三話でサバサバした出戻り女子が登場し、やっと活気が出てくる。この松岡茉優さんという俳優さん、お見事。
 橋本愛さんもなかなかいい感じだった。ほかの脇役も、松坂慶子さん、常盤貴子さん、リリーフランキーさんなどの大女優、大男優さんら。どんな小さな役にもきちんとキャラ設定が組まれてて、おそらく原作ではいろいろと展開されてるんだろうと思う。続編が制作されるなら観てみたい気もするけど、悪役とかの強めのキャラを投入してもっとメリハリのある展開にしてほしいとも思う。例えば、その伝統文化とか閉鎖性とかに異議を唱えて反乱を起こす人物とか。

 あーだこーだ突っ込みながらも結局は最終回まで普通に楽しめた。どこからどこまでが実際に京都で現地撮影されたのか知らんけど、やっぱり絵になる。そうだ京都行こうと誰もが思うはず。

 総合演出は是枝裕和さん。なんとなく氏の名画 「歩いても歩いても」(2008年) に似た演出/撮影という気がした。調理の場面とか。

 あと背景に流れる音楽はかなり凝ってて、てか音楽が目立ちすぎでちょっと違和感あった。





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最終更新日  Jan 18, 2023 09:29:13 PM
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