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November 16, 2010
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カテゴリ: 教授の追悼記



 バイクで世界にその名を知らしめた後、まずは軽自動車で4輪の世界に進出、その後満を持して本格ファミリー・カーの市場に殴り込みをかけた時、ホンダの命運を背負って登場したのがこのシビック。そのずんぐりむっくりとしたハッチバック形式の愛嬌のあるスタイルは、トヨタ・カローラや日産サニーのようなセダンタイプのファミリー・カーとはまた一線を画した、新しい車の形を提示していたと思います。

 でまた、登場してきたのが日本の高度経済成長期とバッチリ重なっていたこともあって、初めての愛車にシビックを選んだ人も多かったのではないでしょうか。そう言えば私が中学生の頃、当時20代、30代だった若手の先生方が競ってシビックを買ったため、学校の駐車場における「シビック率」が異常に高かったことを覚えています。あの頃、先生方は得意になってシビックを乗り回しておりましたなあ。あれはたしかシビックが2代目にモデルチェンジした頃で、ちょっと年上の先生方は、シビックよりも少し高級な上級車種として投入されたアコードを買って、若手に差をつけたものでした。

 それに、シビックはエンジン内部に小さな副燃焼室を設け、そこだけ濃い燃料を噴射する形で実質リーンバーンを実現した「CVCC」という画期的なシステムを採用し、当時世界一厳しいと言われたカリフォルニア州の排ガス規制をクリアするなど、ホンダの「エンジン屋」としての技術力の高さも見せつけたハイテク・カーでもあったのでした。

 そして「ワンダー・シビック」の愛称で知られた3代目シビックが登場した時の衝撃ね。あの頃はホンダ・デザインが絶好調だった頃で、世界のどこにも類を見ないようなそのスッキリとした造形の美しかったこと。またワンダー・シビックの発展形として誕生したバラード・スポーツCR-Xも素晴らしいデザインでした。この両車は、日本のカー・デザインの歴史の中でもベスト10に入るのではないでしょうか。

 しかし、その後、シビックは長くホンダの屋台骨を支えたとは言え、そのことが逆に足を引っ張ったというべきか、デザインの点からは冒険性が消えて行った。そしてスポーツ性能に磨きをかけた「Type R」が車好きの心をくすぐったとはいえ、ミニバン・ブームやエコカー・ブームの影響をまともにくらって影の薄い車種となっていったことは否めず、さらにホンダの新たな稼ぎ頭となったフィット、そしてインサイトの登場によって、ホンダの入門車種としての存在意義自体が無くなってしまった。生産終了は時間の問題でした。

 それにしても懐かしいクルマの名前が消えるというのは、ちょっと寂しいですなあ。ブルーバードも、サニーも、シルビアも、コロナも、カリーナも、べレットも、ジェミニも、シティも、みーんな無くなってしまった。そしてついにシビックも。

 世界中で300万台も売れたクルマが生産終了になるのは、クルマの歴史の中では大事件。日本のモータリゼーション発展の一翼を担ったホンダ・シビックに、「お疲れ様、よく頑張ったね」の一言をかけてあげたいワタクシなのであります。合掌。





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Last updated  November 16, 2010 11:35:26 PM
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