教授のおすすめ!セレクトショップ

教授のおすすめ!セレクトショップ

PR

Profile

釈迦楽

釈迦楽

Keyword Search

▼キーワード検索

Shopping List

お買いものレビューがまだ書かれていません。
December 21, 2010
XML
カテゴリ: 教授の読書日記



 で、先ほど悪魔のささやきに負けてつい読み始めてしまったのが、小谷野敦(こやの・とん)さんの『現代文学論争』(筑摩書房)。で、これがかなり面白い。

 この本は標題の通り、ここ40年間ほどの間に作家や評論家の間で繰り広げられた様々な論争、それは文学論であったり、政治論であったり、私怨だったりするわけですが、そういうものの顛末を詳らかにしたものなんですな。

 で、何がすごいって、これだけのものを書くにあたって、著者が閲したであろう資料の膨大さです。ほんとに、よくもまあ読みも読んだり、という感じ。しかもそこで得た知見にうまいこと筋道をつけて、論争の成り行きを手際良く描写するんですからね。

 しかし、私が面白いなと思うのは、その内容と同時に、その書き方です。

 なにせ扱っているのが「論争」なんですから対象自体はすごくホットなわけですが、それを扱う筆致が割と淡々としている。こういう論争があって、この人がこういうことを言って、それに対して別の人がこういう反論をして・・・というのを、ずーっと同じペースで書いているわけ。事実にものを言わせる、という感じと言いましょうか。

 この書き方。これが新しいのではないかと。なんかね、この淡々とした記述法は、ちょっと聖書の記述みたいですよ。で、聖書のような記述法こそ、実は私が前から興味があった書き方でありまして。その意味で、この本の書き方にはすごく惹かれるものがある。

 で、淡々としているようでいて、是々非々で批判するところはちゃんとしている。めった打ちにはしてませんが、ここぞというところでピシっとやっていることはやっている。そこも、なかなかの芸というべきですなあ。

 というわけで、まだ読み始めたばかりなのですが、この本、当分楽しめそうな感じです。教授のおすすめ!と言っておきましょう。


これこれ!
 ↓
【送料無料】現代文学論争

【送料無料】現代文学論争

価格:1,890円(税込、送料別)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  December 22, 2010 02:35:59 AM
コメント(4) | コメントを書く
[教授の読書日記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: