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December 21, 2010
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カテゴリ: 教授の読書日記

 忙しい時ほど案外本が読める、というのは本当で、何となれば辛く面倒な仕事を山ほど抱えている時ほど、何か楽しいことに逃避先を求めるからでありましょう。私も、年末全般の忙しさに加え、今は卒論指導の追い込みで死ぬほど忙しいのではありますが、その割に3日に1冊くらいのペースで本を読む、読む。

 で、先ほど悪魔のささやきに負けてつい読み始めてしまったのが、小谷野敦(こやの・とん)さんの『現代文学論争』(筑摩書房)。で、これがかなり面白い。

 この本は標題の通り、ここ40年間ほどの間に作家や評論家の間で繰り広げられた様々な論争、それは文学論であったり、政治論であったり、私怨だったりするわけですが、そういうものの顛末を詳らかにしたものなんですな。

 で、何がすごいって、これだけのものを書くにあたって、著者が閲したであろう資料の膨大さです。ほんとに、よくもまあ読みも読んだり、という感じ。しかもそこで得た知見にうまいこと筋道をつけて、論争の成り行きを手際良く描写するんですからね。

 しかし、私が面白いなと思うのは、その内容と同時に、その書き方です。

 なにせ扱っているのが「論争」なんですから対象自体はすごくホットなわけですが、それを扱う筆致が割と淡々としている。こういう論争があって、この人がこういうことを言って、それに対して別の人がこういう反論をして・・・というのを、ずーっと同じペースで書いているわけ。事実にものを言わせる、という感じと言いましょうか。

 この書き方。これが新しいのではないかと。なんかね、この淡々とした記述法は、ちょっと聖書の記述みたいですよ。で、聖書のような記述法こそ、実は私が前から興味があった書き方でありまして。その意味で、この本の書き方にはすごく惹かれるものがある。

 で、淡々としているようでいて、是々非々で批判するところはちゃんとしている。めった打ちにはしてませんが、ここぞというところでピシっとやっていることはやっている。そこも、なかなかの芸というべきですなあ。

 というわけで、まだ読み始めたばかりなのですが、この本、当分楽しめそうな感じです。教授のおすすめ!と言っておきましょう。


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Last updated  December 22, 2010 02:35:59 AM
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聖書のような記述法  
藍毘尼 さん
ちょっと気になりますね。
うちの夫と24歳の息子はすごい読書家でして、暇な時間があれば本を読んでいますね。
息子にこの前一万数千円分の商品券をやったときに間髪入れずに「これで、本買おう」と言ってましたから(笑)

> なにせ扱っているのが「論争」なんですから対象自体はすごくホットなわけですが、それを扱う筆致が割と淡々としている。こういう論争があって、この人がこういうことを言って、それに対して別の人がこういう反論をして・・・というのを、ずーっと同じペースで書いているわけ。事実にものを言わせる、という感じと言いましょうか。

こういうのが割と面白そうですね♪

(December 22, 2010 07:09:45 AM)

Re:聖書のような記述法(12/21)  
釈迦楽  さん
藍毘尼さん

 本を読むのが好き、という息子さん、頼もしいですね。やっぱり、読書は人間形成に大きく貢献すると思います。

 私も、ゼミ生たちには「君らも将来親になったら、子供を塾に通わせるより、自分自身が本を読んでいるその背中を子供に見せなさい。そうすれば子供はきっと本に興味を持ち、その結果、大物に育つんだよ」とアドバイスしているんですよ。 (December 22, 2010 05:02:03 PM)

Re:小谷野敦著『現代文学論争』を読む(12/21)  
中村隆一郎 さん
これは、75年に同じ筑摩書房から叢書として刊行された臼井吉見の『近代文学論争』の後を受ける形で、かかれているために筆致を似せているのだと思います。 (January 15, 2011 03:07:19 PM)

Re[1]:小谷野敦著『現代文学論争』を読む(12/21)  
釈迦楽  さん
中村隆一郎さん

なるほど、そういうわけですか。でも筆致を似せるって、それもまた一つの芸当ですね! (January 15, 2011 03:23:08 PM)

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