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September 24, 2023
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カテゴリ: 教授の読書日記
『VIVANT』が終わってしまって、日曜日がとっても寂しいのですが、でも大丈夫! 『VIVANT』のすぐれた代用品をめっけました~!

 それはアイン・ランドという作家が書いた『水源』という小説。長いよ~。上下二段組で、1000頁以上あるからね。

これこれ!
 ↓

【中古】 水源/アイン・ランド(著者),藤森かよこ(訳者) 【中古】afb


 でもね、これが、まぁ~面白いの。そうそう、小説というのは、かように面白いものだったのね、と思い出させてくれる。

 これ、基本的には二人の若き建築家の話でね。一人は守旧派のキーティング、一人はモダン派のローク。キーティングは建築の才能というより人当たりの才能でのしていくし、ロークは人当たりの才能ゼロだけど天才肌。建築というのは、色々な文化領域の中でも世間の人が最も保守的になるものだから、私が今読んでいるあたりではキーティングは飛ぶ鳥を落とす勢いて、ロークはどん底にある。しかし、いずれこれが逆転する時が来るのでございましょう(来なかったら悲しい)。1920年代を背景とするアメリカ小説ですけど、19世紀のイギリスの長編小説、たとえばディケンズとか、そういうのを彷彿とさせるところもある。

 通俗小説だから、最終的には勧善懲悪になるのだろうけれども、しかし、だからといってキーティングの造形が月並みというわけではなく、ロークが常にいい子ちゃんというわけでもない。その辺の複雑さも十分に味わえます。

 まあ、でも、二人の建築家の争いっていうと、アレだよね、幸田露伴の『五重塔』を思わせるところもあったりして、その辺りを念頭に読むとさらに面白かったりして。

 しかし、とにかくね、肝心なことは、この小説が非常に面白いということ。文芸時評なんかやってて、日本の最近の小説のつまらなさにへきえきしている身としては、久々に面白い小説を読んでいるなという実感があります。

 ということで、本作は既に絶版のようですが、古本なら入手可だし、図書館という手もある。

 私と同様、『VIVANT』ロスに悩む御同輩には、絶賛おススメ、と言っておきましょう。





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Last updated  September 24, 2023 12:43:00 PM
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