流れ星と羊飼い

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君に

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2021.10.14
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カテゴリ: その他
十代のうだつのあがらぬ俺を唯一叱咤激励と
励ましてくれた先生が若くしてこの世を去った。

哀しくて、哀しくて、哀しくて、哀しくて、ひたすらに哀しく
魂の一部分をもがれた思いで、

己の人生を鑑みれば失うという事自体は慣れたる事で、
だからとそれらを単にこれもまたよい思い出であったと割り切るにはあまりにそれは寂しい事であり、
だからこそと苦痛を伴う事は重々理解したうえ、それらを切り離す事なく心の一部分とし存在しうるものとする事で
それが己に取っての特別であり、自身の命に確たる根ずくものとそこに存在し得る永遠性で、、、


損ない失う事と、

居ないと言う事はあまりにかけ離れていてこの上哀しく、、、

その先生と同じに手に鉛筆を握り自然と、
長年意図してやめた絵を描いた。

胃を壊し酒は呑めず、
歯はボロボロと、
食は細くやせ細り、
片足もしびれ悪くして随分と粗悪雑に生きたもんで、、、






先生によく言われてた。

あなたは本当に主人公(先生の作品の)みたいで誰よりも一番その彼を解ってくれてると、、、




耳にはアヴェ・マリアだけを流し込んで

そこには夢も希望も未来とする事なく

ただ純に描くと言う行為そのもの自体に想いが宿り、、、

俺の消失点、、、、

全ての事が一つの点に集約され遠く先に見えてる何かで
それはネロがどうしても見たかったルーベンスの絵と同じようなもので、
(俺は絵で金が欲しいとか成功したいとか有名になりたいとか人を感動せるもの描きたいとか注目されたいだとかそんなのではなく
ただ描く行為の果てを見てる何かであってそれは誰にも解り兼ねるその偏屈さであったり)

十代の頃の親友や仲間達や振られた子は今もヤンキー事が好きなのだろうか。
(東京リベンジャー流行ってておもろいし。マイキー君の他人には理解しがたい拭えぬ黒い衝動の表現いいよな。)

二十代前半絵売り以前のアルバイト時代の仲間や親友に女の子達は今頃は夢や希望を掴み暖かい家庭を築いているだろうか。

路上の絵時代に触れ合い携わった皆々は今も尚思い描いた人生に命を繋ぎ止め明るい毎日を得てるだろか。

酒を呑み歩き訪れ関わりあった一人一人の子たちは語りあった心の一つ一つを叶え果たしただろうか。

洋楽好き、レゲエ好き、酒好き、映画に猫が好きだった子、犬好きの子、ムショ上がり、警察官の家系の子、
田舎から出てきた子、路上にクラブと歌を聴かせて涙した子、部屋一杯に沢山の絵を贈らせて貰え微笑んでくれたヒト、
誉ぬ関係性での触れ合ったひと、スケボー好き、外国に帰った一人一人、夜逃げして生き別れたみんな、
その他多くの人々、、、

ただ居てて欲しい。

てめえ勝手にわがままな言い分と知るつつも前向きに明るい日の差すその世界で存在してて
思い思いの夢を抱き絶え間ない笑顔の先を見てる事を願ってたり。

そしてそれを(素敵だと思え心暖まる世界に人生)敬い憧れ羨ましくも焦がれながらも
決してそれは俺が望み欲しいものと成り得ない事で(自身の人生において)、

辿り着き、

そして見たいものではないのが充分理解してるからこその物いえぬ感情の節々。


先生が居なくなり、

数十年前にした、
捨てる以外に方法がない、
使用もない何のチラシの裏面か光沢の白一面に好き勝手の落書き。


ネロが見たかったルーベンスの絵。

集約される消失点を見る事への望みが足取りを進ませる。

皆がちゃんと居るんだと信じつつ願いながら。





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最終更新日  2021.10.14 10:28:25
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