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Ryu-chan6708

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2006.12.12
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カテゴリ: 読書感想


:評判の小川洋子の作品はどういうものか、知的興味で読んでみたよ。
 翻訳されて外国でも読まれているらしいね。

A氏 :君の知的街道の若い作家の作品街道になるかね。
柴崎友香著「フルタイムライフ 長島有著「泣かない女はいない 」、 伊藤たかみ氏の「八月の路上に捨てる 」の流れだね。

:たまたま、図書館で大文字文庫といって、大きな字の文庫があり、この小説が3巻からなっているのが空いていたのですぐに入手できた。
 単行本は予約待ちが長そうなのでやめた。
 大きな文字なので読みやすく、4時間くらいで一挙に読み終えた。
 文章はわかりやすく読みやすく、ストーリー展開もさわやかでよかったね。

A氏 :2004年のベストセラーで映画にもなった小説だね。
 博士というのは 数学の博士 で、交通事故で頭をやられ、 80分で記憶がなくなるという 設定らしいね。

:そうだね。
 主人公はその面倒を見る家政婦だ。
 そして、その10才になる息子だ。
博士、家政婦、その息子の3人が主人公 とも言えるね。

A氏 :数学が出てくるの?

:出てくるが、話の道具としての登場だね。
 うまい使い方だね。

 すでに2年前のベストセラーだし、映画にもなっているので、インターネットで見るとたくさんのコメントがあるね。
ほとんどがべた褒めだね。
 きわめて少数派が、スラスラ読めるだけに何か残らないという感じを指摘しているね。
 なんでこの本が100万部も売れたのかというコメントもあったね。
 それとタイガースや江夏の大々的な登場がストーリーとしては違和感があるというコメントもあったね。

A氏 :君はどうだったの?

:何かきれいごとのような、幻想的な童話のような感じは否めないね。
 おそらく著者は、数学にヒントを得て、現実と非現実をたくみにつないだのだろうね。
 それは成功しているね。
 しかし、作者自身が自己撞着しているような感じだね。
 映画は現実的になるので、映画向きではないの?
 俺は映画を見ていないがね。
 それに、タイガースや江夏の仰々しい登場は、たしかに違和感があると言えば言えるね。
 最近、人気の小説とはどんなものかという流れを知り、読んで損はしなかったがね。

A氏 :主人公が短時間の記憶しかできないという外国映画が確かあったね。
 題名は忘れた。
主人公は忘れないように盛んにメモする

:この本の場合は、博士は80分で記憶がなくなるというのが大前提だが、 頭の悪い俺にはどういう意味か理解できないね

A氏 :記憶したことが80分で消えるんじゃないの?

:具体的に考えてみよう。
 例えば、家政婦が朝7時、博士の家に来て会うとする。
 家政婦に対する博士の記憶はそこから始まる。
 しかし、 の挨拶の会話の記憶は80分たつと記憶がなくなるから、8時20分には消えることになる
 家政婦が夜7時に帰るとする。
帰りの挨拶の記憶は家政婦が帰ってからも80分は残ることになる

A氏 :なるほど、連続して80分ずつずれて記憶が消えて行くことになるね。
日中でも、家政婦が80分、別の部屋にいて顔を合わせないともう家政婦であることを忘れる
 不法侵入者と間違えられるかもしれない。
 家政婦はそういう事態を避けるためには、常に時計との勝負だね。

:そういう緊迫したシーンはなかったような気がするね。
 秒単位で80分ずつ記憶が消えて行くのか、分単位で消えて行くのか、それとも10分くらいのブロックでずれて消えて行くのかね。
 5分ずつ記憶が消えて行くなら、日中でも家政婦は5分単位で博士にメモを書いてやらないといけない。
アナログなのか、デジタルなのか?

A氏: 外国映画の場合は、アナログ的にどんどん忘れていくような設定だったような気がするね。
 本人は、ものすごく不安になっているね。

 なんだか、この小説の大前提が崩れるような気がするね。

:とにかく、この小説には、 日本の政治、経済や文化的なことはあまり深く関わっていない
 そういうことを話題にしないで、タイガースや江夏を話題にする。
 その頃は、 日本が歴史的な高度成長時代 であるから、その点と現代の比較をさらりと入れてもらいたかったね。

A氏 :昨日の「 超・格差社会 アメリカの真実 」の著者の大学時代のアメリカの友人との話題のように、面白いけれど軽い気がするのと似ているのかね。

:作者の小川洋子氏がこの本が数学を扱っていることで、 数学者でもある「国家の品格」の藤原氏と対談したらしい
 そしたら、ある女性読者が藤原氏が女性天皇を認めていないことに小川洋子氏はどう思っているのかと、インターネットのコメントで疑問を投げつけていたね。

 そこでこの街道は、明日は 今月号(新年特別号)の文藝春秋 に特別寄稿している 藤原氏の「国家の堕落」 とつなげたいね。
 この寄稿で藤原  氏は猛烈に怒っているね

 内橋氏同様、 新市場主義を批判 しているから、格差街道にも関係するね。





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Last updated  2006.12.12 05:53:08
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