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A氏 :例の PISA で常に上位のフィンランドを選んだというわけかね。
私
:それが全く違うんだね。
著者は、個人的にヨーロッパに関心があって、 たまたま、申請した国がフィンランド
というだけで、 2003年にAFSの審査をパス
する。
ところが、翌年、出発する頃までには、 フィンランド教育がPISAで有名
になる。
日本は2003年の調査で順位を大きく落とし、教育の見直し論争
が始まり出す。
A氏
:日本では「 ゆとり教育
」だね。
しかし、その後の 2006年のPISAでもまた順位を落とし、教育の見直し
が叫ばれ、 最近、授業時間の増加など、中教審の方針転換
となっているようだね。
私
:この本が貴重なのは、 1年間のフィンランドの高校生活の実体験
が語られていることで、今まで、俺が得てきたフィンランドの教育内容とは違った 貴重な情報
を得たね。
まず、 第1
に フィンランドの学校教育は「 教
」を重んじて「 育
」はあまりかかわらない。
親も学校に「 育
」は期待しない。
A氏 :それはどういう意味?
私
:日本の学校では生徒は先生にときには 親代わりになり
、あるときは、 友だちのように
接してほしいと考える。
親もそれを期待する。
日本の先生は 生徒の格好
をあれこれ注意する。
学校に5分遅刻するとその理由をしつこく聞く。
A氏 : 日本型は金八先生 だね。
私
:しかし、 フィランドの先生
は「 教
」に徹しており、「 教
」のプロとして期待されているだけだ。
だから、 先生はあまり高給でないのに、尊敬される。
しかし、 私生活までの尊敬ではない。
A氏 : 日本の先生 は親が給食費を払わないと、夜遅くまで家庭を訪問して督促する仕事までやる。
私
:それに フィンランドの先生
は押し付けはしない。
いかに生徒が授業に自発的に興味をもって集中できるかのテクニックに磨きをかける。
だから、日本のような指導要領による画一性は少なく、 先生の自由度が高い。
生徒も「 学校は勉強する場所
」という意識をもっているという。
A氏 :「 落ちこぼれ 」はどうしているの?
私
: 留年
するだけだというから、 留年が多い。
著者が ホームスティした家族
にほぼ同じ世代の3人の男の子がいたが、 次男は中学を2年留年、3男は1年留年
だったという。
しかし、 親は無理に学校に行かせたり、「 勉強しなさい
」と言ったりいうこと絶対ない。
著者はそれに驚いたという。
掛け算だって割り算だって小学3年生までに完璧でなかったら「落ちこぼれ」ということでなく、 10才歳でも11歳でも時間をかけていいから完璧にしようという考え
だという。
「 留年させてでもおちこぼれを作らない
」という 基本理念
だね。
A氏 : 日本 では 6歳で小学校 、 12歳で中学校 、 15歳で高校 、 18歳で大学 、 22歳で就職 という 画一的な年齢 がひっかかってくる。
私
:就職にも年齢がひっかかってくるからだね。
しかし、 フィンランドは年齢よりも経験が重視
される。
A氏 :要するに、「 個」の重視 だね。
私
: フィンランドは小国
だね。
だから、隣りの大国とつきあっていかなくてはならない。
教育は「 国民
」というよりも「 個
」を重視した教育だという。
明日は、 フィンランドの英語教育 と 若者の職業選択 についての著者の体験にふれよう。