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A氏
: ISO9001
をちょっと読んだけれど、「 検証
」という言葉が出てくるね。
例えば「 7.4.3 購買製品の 検証
」の規格文を読むと「 必要な『 検査
』又はその他の活動
」とある。
「 検証
」と「 検査
」はどう違うのかね。
私
: 用語定義集
の ISO9000
(ISO9001ではなく、最後の1は0である)では「 3.8.2 検査
」のところに、「 必要に応じて測定、試験又はゲージ合わせを伴う、観察及び判定による適合性評価
」とあるね。
それから、「 検証
」は、「 3.8.4 検証
」で「 客観的証拠を提示することによって、規定要求事項が満たされていることを確認すること
」とある。
A氏 :ということは、「 検査 」は 現物を扱う現場作業的な内容 になっているのに対して、「 検証 」は 事務的な仕事内容 を感ずるね。
私
:その通りで、「 検証
」は必要だが、「 検査つきの検証
」と「 検査なしの検証
」が考えられるね。
ISO9001の 94年版
では「 購入検査・試験
」という項目があって、
「 購入検査の量及び内容
を決めるにあたっては、 下請負契約者先
( 2000年版
から『 供給者
』に変更)での 管理の程度
及び 提供された適合の証拠を示す記録
を考慮すること」
とあった。
これが外注から納入品に添付される「 検査記録
」で、これにより、 その書類添付の確認で合格
として、「 検査
」を省略できたね。
一時、I SO9001
の拡大とともに、外注の「 検査記録
」が流行したね。
A氏
: 94年版
ではなにか、「 検査
」という言葉が多いような気がするね。
私
: 2000年版
の 大改訂
で、「 検査
」という言葉が基本的になくなり、「 監視及び測定
」に置き換わった。
それは ISO9001
を サービス業
にも使いやすいようにということで、サービス業であまり使われない「 検査
」という言葉をなくしたんだね。
A氏
:しかし、逆に「 検査
」という言葉になれている 製造業
では「 監視及び測定
」という日常使っていない用語になって、かえって分かりにくいね。
私
:しかも、「 監視及び測定
」の用語は定義集にないしね。
94年版
では「 検査
」という言葉は 40個
くらいあったのが、 2000年版
では 2個
になった。
君が「 7.4.3 購買製品の検証
」で見た「 検査
」は、その 2個中の1個
だね。
A氏 :何故、残ったのかね。
私 :10年もたってそのままだが、修正漏れだろうね。
ところで、「 検査
」という用語は、日本の JIS
では、「 品物をなんらかの方法で試験した結果を、品質判定基準と比較して、個々の品物の良品・不良品の判定を下し、又はロット判定基準と比較して、ロットの合格・不合格の判定を下すこと
」とあり、「 検証
」という言葉がないね。
日本語では「 検査
」は「 検証
」を含んでいるようだね。
明確に分離していない。
A氏 :何故だろう。
私
:「 検証
」と「 検査
」という言葉の 分離
から、「 検証者
」と「 検査員
」を分離できるね。
これは日本の「 検査員
」は 合否判定
までしているが、 欧米
の「 検査員
」は 測定データだけの提供
で、合否の最終判定は「 検証者
」が行うという分業となっているようだね。
「 検査員
」は ブルーカラー
、「 検証者
」は ホワイトカラー
と考えると分かりやすい。
日本ではその区別は明らかでないがね。
言葉というのはその 文化的な背景
を無視できないね。