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2015年08月16日
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『ドイツ・イデオロギー』〈二〉に関連して ( その 8)


『ドイツ・イデオロギー』は、マルクスとエンゲルスが唯物論的な歴史理論を初めて提起した著作です。出版しようとしたけれど、出来なかった草稿です。

唯物論的歴史観とは何んなのか、それがどのように描かれているのかです。


 当方にとっては『ドイツ・イデオロギー』は、簡単に読み取ることは出来なかったんですが。初めて提起する理論だからでしょうか、草稿という未完成な性格もあるんでしょうか。もちろん理解力の問題もあります。
そこで、迂回してみました。この時期をふりかえって後年に二人が書いた論文がいくつかあります。それで基本をおさえつつ、挑戦してみることにしました。


写真: DSCN3520


今回は、よく紹介される論文で、エンゲルス『共産主義者同盟の歴史によせて』 (1885 10 8 )

です。

「私 ( エンゲルス ) がマンチェスターでまざまざと見せつけられたのは、

1 、これまでの歴史叙述では何の役割も演じていないが、あるいはとるに足りない役割を演じているに過ぎない経済的諸事実が、少なくとも近代世界では決定的な歴史的力であるということ。 2 、この経済的諸事実が今日の階級対立のなりたつ土台であること。 3 、大工業のおかげでこれらの階級対立が十分に発達した国々、したがってとりわけイギリスでは、この階級対立はさらに政党形成の、党派闘争の土台となっており、こうしてまた全政治史の土台になっているということである。

( 以上はエンゲルスがイギリスで見たことから得た見解ですが、さらに続きます )
マルクスはこれと同じ見解に達していたばかりでなく、すでに『独仏年誌』 (1844 ) で、それを次の様に一般化していた。
すなわち、 1 、総じて、国家が市民社会を条件づけ規制するのではなく、市民社会が国家を条件づけ規制するのであり、 2 、したがって、政治と政治史とは経済的諸関係とその発展によって説明すべきものであって、その逆ではない、ということである。

・・・ 1845 年の春にわれわれがブリュッセルで再会したときには、マルクスはもう右の原理を展開して、彼の唯物論的な歴史理論の大要を完成していた。そこで、新しく獲得した見方を種々さまざまな方面に細目にわたって仕上げることに、いまやわれわれはとりかかった。」
これは「歴史科学を変革する発見」だし、「当代の労働運動にとっては直接に重要なものであった」ことを具体的に述べています。
また「われわれの見解を科学的に基礎づける義務をもっていたが、プロレタリアートをわれわれの信念の見方にすることも同じように重要だった。われわれは、まず自分に自分の考えはっきりさせるとすぐ、仕事にとりかかった。」 (ME 全集第 21 )


エンゲスルが紹介している「一般化」された「原理」ですが、これはマルクス自身が書いた『経済学批判』「序言」を念頭にしているようです。『独仏年誌』には「ヘーゲル法哲学批判序説」が発表されていますが、そこにはこの直接的な表現はありません。あるのは『ヘーゲル法哲学の批判から』の本論 (ME 全集第 1 ) で、そこで検討が行われています。序説の基礎にはこの獲得された一般的認識があるということです。

このヘーゲル法哲学の批判から「一般化」され獲得した「原理」ですが、そこからさらに進んで、マルクスは 1845 年春の時点では唯物論的な歴史理論についての大要を見解として述べていたんですね。
『ドイツ・イデオロギー』は、 1845 11 月から 46 年夏までに書かれたそうです。ここで唯物史観を文章として最初に刊行しようとしていたわけです。そこでは、〈一〉が最後に書かれた清書稿とのことです。今回の〈二〉は、草稿段階ですが、最初にまとまって書かれたものだそうです。

以上、〈二〉を読んでいく上で参考になれば、ということです。






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Last updated  2015年08月16日 19時17分55秒
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