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2017年06月22日
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講演「ヒューマニズムの擁護」(真下信一)を読んで

戦後に生まれた私などにとって、敗戦前の戦前社会は実感しにくいものがあります。戦争法や憲法論議でも感じていたんですが。

そうした折、重ねるように共謀罪法案が強行されました。
この法案が国会で討議された際、国会議員の討議はもちろん、
参考人発言でも日弁連弁護士や学識者から問題点が指摘されました。

「治安維持法の復活になる」「内心を処罰するのは、憲法や刑法と相容れない」など。
しかし、にもかかわらず、手続きをふみにじってまでも強行成立されました。
今の政権は、戦前への回帰と、戦争をしたくて、それ以外の声を蹴飛ばしています。

前回、真下信一著『時代に生きる思想』(新日本新書 1971年)を紹介しましたが、もう少し、その全体的にその思想を知る必要があると感じて、探ってみました。

その結果、真下信一氏は著作集を出していたので、注文しておいたところ、本日、著作集4『ヒューマニズムの精神』(青木書店 1979年刊)が到着しました。

写真: DSCN5088

巻頭の一、「ヒューマニズムの擁護」ですが、これは1976年に行われた講演です。雑誌『部落』の1976年臨時号に掲載されたものだそうです。

最近の私などは、感じ出していたんですが。
〈戦前社会についての認識は与えられるものではなく、自ら探るべきもの。
ちょっと注意して周りを見れば、その跡はいくらでもみえてくる。〉
実感しにくいと思うには、今のそれなりの社会状況があるんですね。
しかし、ゴロゴロと材料が否応なく問われてきているのも、やはり最近です。

この真下氏の講演ですが、ズバリと体をはった具体的な生きた証言になっていました。
その中身は、共謀罪法を考える上で、重要なものでもあったと感じました。
いささか、遅いんですが。まぁ、ないよりはましです。
しかし、おそらく、こんな本は、ほとんど誰も見ることは出来ないでしょう。
また、残念ながら、私にはその中身を紹介するような力はありません。

しょうがないので、全体は24ページですが、
その講演の柱建てだけでも紹介しておきます。
 「はじめに
 戦時無法体制の思想=治安維持法
 治安維持法と私の体験
 ファシズムの思想=差別の論理」

その一部からですが、戦後31年がたった時点での感慨ですね。
「私は最近つくづくと、8月15日はまだ来ていないのではないかと思うんです。・・・
8月15日の事実は来ました。しかし、8月15日が意味すべき論理はまだ実現していない訳です。その論理、意味をいかに早く成就させるかが今日の民主主義の基本的な課題であるわけです。」

そして、このには、真下氏自身が受けた言論・思想弾圧の体験と、戦後の体験があるわけです。
その理不尽な拘束と取り調べの様子が、今回の共謀罪法が成立した場合に予想される問題が、ちょうど重なるかのように、危惧の念をもって拘束された体験が紹介されているんですね。

もっと、この本が、この経験が早く紹介されるべきだったと思います。
共謀罪法は成立しましたが、指摘された問題があるわけですから、しっかり問題を見据えて、民主的権利を侵害させないように、注視していく必要がある。
そのためにも、この証言は、大事な貴重な体験を伝えてくれていると思います。

私などは、もっと、戦前・戦後の歴史から学ばなければならないこと、
民主主義は自覚的に守る力がはたらいてこそ、権利を受けることが出来るということです。様々な形で侵害しようとする者とは、機敏にたたかわなければならないこと。
真下氏の経験と思想は、今に生きていると思います。






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Last updated  2017年06月22日 21時06分11秒
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