つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2009.03.29
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カテゴリ: 教育・思想・哲学
本書はいわゆる読書論ではない。実際的な読書技術を読書人に伝達するために書かれた本である。
いわゆる読書には三種類ある。楽しみ読み、調べ読み、考え読みだ。著者が説くのは最初のものを除くあとの二つ、就中後者を念頭に置いたものである。

要約と所感。

レベル1:初等読書。 日本でいえば、教育漢字を習得して新聞が読める程度。最近日本の大学生の学力低下を嘆く本が多く出版されているが、戦前のアメリカですでにそのような問題が起こっていたというのに驚いた。

レベル2:点検読書。 定め読みというか、本の品定めの技術が説かれる。本の表題、目次、索引の活用法について。自分にとって不必要な本を排除し、内容のあらましを知る技術が説かれている。

レベル3:分析読書。 ここでは著者を師匠として本に食らいついていく姿勢が求められている。まず読み通すこと。注釈は通読したあとで目を通すこと。批評は論理的に行うこと。著者とけんか腰にならないこと。言い換えれば、本と対話できるように、自らを高めることが語られる。

辞書や百科事典はコンピュータにすぎないこと。
小説は体験に学ぶものであって、教養書とはまた違うこと。

レベル4:シントピカル読書。 比べ読み、と言えばいいのだろうか、複数の関連する書物を比較検討して自分なりの判断を纏め上げることが肝要であると著者は説く。要するに知的生産技術の基礎のことなのだが、ここまで必要なのは学士以上に限られると思う。

結論。

本書は小説ではない。教養書でもない。実用書である。以上。


本を読む本






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Last updated  2009.03.29 16:23:46
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