つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2011.02.24
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カテゴリ: 児童文学・絵本
主人公は大学入試に落ちた18歳の三木少年。
水先案内人は知的障碍者の山形さん。
行先は…昭和18年の満州。

滅びた国の旅、って滅びた国の民、と発音が似ています。
いかにも詩人らしい語呂合わせです。
本当は、ほろびた国への旅、というのが内容的に正しい日本語ですからね。

三木さんはポリオで小児麻痺だと聞いたことがあります。
そのせいか本書は社会的弱者へのいたわりと優しさに満ちています。
<五族協和>といいながら、日本人は特権的長兄。
朝鮮人も満州人も蒙古人も漢人も弟分でしかないという現実。

なるほどそうだろうな…と思いました。

滅びた国は満州国。
滅びた国は大日本帝国。
砂上の楼閣。
挫折した国。
挫折した少年。
知的障碍者の山形さんは、明治の山縣さんを意識した言葉遊びでしょうか。


でもね。
今の中華人民共和国は、朝鮮族と満州族と内蒙古族と漢民族と…協和状態でしょうか?
少数民族にとっては、支配者が変わっただけではないでしょうか?


当時、日本は遅れてきた列強でした。
外国がやった植民地政策を、欧米に追い付き追い越せとしゃかりきになってやったにすぎません。
これは、中国や韓国の人には言いにくいことです。
けれども、日本のしたことは(利権の関係で列強からケチをつけられましたが)当時の世界情勢からしてそんなに大それたことではなかったのです。

こう考えてみましょう。
沖縄の人にとって、かつての琉球王国のように、独立して生きることができるなら、それが一番素晴らしい。
けれども、日本と中国と、どちらかの属国にならざるをえなくなったとしたら、どうするか。
…そういうことです。

当時も今も、中国に生きる少数民族にとって、状況はあまり変わりません。
彼らにとっては、日本軍か漢軍かの違いしかないでしょう。
暮らし向きがよくなったのは、漢民族の一部だけ。

では歴史的に中国大陸で漢民族がずっと支配者だったかというとそうではないのが、元とか清とかいう王朝からも明らかです。

もちろん、漢民族だけでも解放されたことはいいことなのですが、かつての大日本帝国を否定するなら、現在の中華人民共和国のあり方も否定しなければ嘘だ、と不具は思います。


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Last updated  2011.03.06 16:44:44
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