つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2025.05.25
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カテゴリ: 徒然日記
病院で
草木も眠る丑三つ時だった。
看取ったものは、ただわれ一人。

兄弟は、いない。
親戚も、高齢だ。
夜中に電話して来てもらうのは危険だと判断した。
とりあえずJAのやすらぎセンターに電話した。
こういう時のために、JAに積立していたのだ。
会員になれば割引制度もある…という触れ込みだった。

簡易な死後処理は病院にしてもらった。
葬儀屋さんは未明に来た。
霊柩車らしくない霊柩車に乗せられて、病院の霊安室から、センターの遺体安置所へ移動。

昨日の夕方、親戚から聞き出した携帯の番号にかけたのが明け方。
それから2時間ぐらいして親戚はきた。

一応の関係者がそろったところで、今後の打ち合わせをする。
葬儀は家族葬と決まった。
予算を抑えるためでもあるし、アフターコロナだし。
職場の人にぞろぞろ通夜に来てもらうのが心苦しかったせいもある。
要職についているならともかくね。通夜は、家族葬用のこじんまりした部屋が空いていないというので、遺体をそのまま一泊させることにした。追加料金3万円。大きい部屋なら今日空いているが、追加料金20万円。一泊を選んだ。

お寺に電話して枕経。
そんなことがあることもこの時初めて知った。

住職さんが帰られた後、花とか、棺とか、骨壺とか、会葬礼状とか、返礼品とか、こまごましたこと。
不具の場合、一人暮らしが長かったのでそうでもなかったが、同居していた家族だったら冷静な判断ができなかったろう。

この次喪主になるときには、事前に打ち合わせしておこうと、思った。
まあしないかもしれないが。

死亡届とか、火葬許可証とか、親子関係を証明する書類とかは、自分ですることにした。
どうせ明日の通夜までは、ひまなのだ。

迷ったのは、湯灌だ。
この世での、最後のお風呂。
「しなければならないというわけではありませんが」

あとで調べてみたら、宗派にもよるらしい。
禅宗では一般的だが、わが家は浄土真宗だ。
それに簡単な清拭なら、病院で済ませている。
だが…

入院してからこの方、家族はずっと機械浴だった。
もう遺体になってしまったけれど、最後の入浴くらい…と思った。
オプションで6万円だった。

湯灌師は午後1時にやってきた。
20代から30代のきれいな女性だった。
「儀式」の大半は曇りガラスの向こう側で行われたので、つぶさに観察することはできなかったが、仕上がり具合を見て、とても丁寧に湯灌してもらえたのだろうと想像できた。
所要時間、約2時間半。
さすが、6万円。

最初から最後まで付き合ってくれたのが、高齢の親戚だった。
死んだ家族の弟にあたる。
彼も、「こんなのは初めてだ」と言っていた。
そうだろうそうだろう。

一連の「儀式」の進め方において、何が大切かはわからない。
所詮は遺族の自己満足である。
ならば、喪主が満足できるようにすればいい。

家に来るようにという親戚の誘いを断って、夕方からは一人で帰った。
親戚も独り暮らしではない。
三世代同居なのだ。

不具は一人になりたかった。





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Last updated  2025.06.01 13:52:03
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