よくテレビで、結婚する者に喜びを伝えるとき、幸せになってねというシーンがある。
私には結婚イクオール幸せという考えは宙に浮いた言葉のような気がする。
どのドラマでも結婚したあとの苦労や寂しさを主題にしたものが多く、それほど結婚は幸せとは程遠いのである。
好きだという気持ちと、結婚が幸せということとは全く別物なのだ。
つい先日からテレビを騒がせているニュース、26年目の殺人犯逮捕。
それは犯人の心中にじっと温めてきた愛から出た発想ではなかったのか。
その相手が結婚していると知ったとき、自分の中の愛のカタチがそのまま先方の家庭に投影し、まるで夢のように幸せな生活と思えたのだろう。
隣の芝生は青い。
枯れた芝生でも隣に生えていれば青いのだ。
私の夫を憧れている私の友人がいた。
彼女は(私の)旦那さんに結婚してもらったら今の家庭を明日にでも捨てると言っていた。
側からみて私はさぞ幸せな人間に見えたことだろう。
だが自分の晩年までの道のりを振り返ると幸せだなあと思った時間はどれほどあっただろう。(前編)