御城プロジェクト 0
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「リーダーのお帰りだー!」そう叫ぶ船員の声が高らかに響く。わっと船内が賑やかになる。この船の主役でもあるユイシアが、連れ立った仲間と共に陸での調査から帰ってきたのだろう。専らスノウが一人になれて良いと好んでいる場所から、その様子を見た。船から降ろされた階段から、先頭を歩くユイシアの姿を見つける。その顔を見た途端、思わず階下へと走っていた。労りの言葉をかける仲間達に囲まれるその姿に向けて、スノウの足は止まらない。どうにか傍まで来た時、やはりと確信をした。「...ユイシア...っ!」そして、その両頬を自分の手で触れる。肌は白いが、炎のように熱かった。「ちょっ、あんた何して...!」ユイシアの後ろにいた少女が、スノウの突然の行動を咎めるが、それ所ではない。「どうして、こんなに。」ユイシアは、熱を持っていた。朝から体調が悪かったのか、敵との戦いで何かあったのか。無茶をしたのだろう。早く休ませなくてはと、その手を取ると。「説明しなさいよ!!ユイシア様、何処に連れて行く気!?」周りにいた仲間達も、船内で待機をしていた仲間達もスノウの行動に騒めき出す。しかし、スノウは叫んだ。「ユイシア、こんなに体調が悪いのに、何で気が付かないんですか!?」その言葉に、一同しんっとなる。「えっ、いつものユイシアじゃあ...。」「いつもの顔だぞ。」周りは困惑をしているが、関わるだけ時間の無駄だ。「気が付かないだなんて、信じられないです。」そうきつく言うと、早くユイシアを休ませるべく、彼の部屋へと手を引いた。スノウとユイシアが去った後には、いつもの無表情だよな?言葉数少なかったけどいつもの事だし、そう立ち尽くす者達で、戸惑いの声が響いた。「ユイシア、辛いだろうけれど防具を脱ごう。」部屋に着き、ベッドに寝かせようとまずは上着を脱がせる。それを椅子に掛けると、次に剣や防具を外したが、置く場所が分からないので、床に置いておいた。ベッドに横になると、ユイシアの口から一つ安堵をしたような息が漏れる。「体調が悪いなら、言わないと駄目だよ。ユイシア。」「......。」こくりとひとつ頷く。そんな彼に「待ってて。」と声をかけると、スノウは部屋を出て行った。船内にいてもあまり出歩かないスノウが唯一頼れるのは、毎日の食事を出してくれる食堂の人達だ。事情を話すと、「あらまあ!」と驚いた後、桶に水を汲んで、タオルを渡してくれた。世間知らずのスノウにも、分かる。「ありがとうございます。」と言って受け取ると、ユイシアの元へ戻ろうと踵を返す。「ユイシア様の事、頼んだよ。しっかり面倒見てやってね。」その言葉に振り向き、こくりと頷くとまた歩みを進めた。ユイシアの部屋に戻ると、起き上がっていて、驚いた。「こら、寝てなくちゃ駄目だろう。」「......。」ベッド横のサイドテーブルに桶を置くと、ユイシアの背中をさすり、横になるように促す。すると素直にユイシアは横になった。「...スノウがいなくなったから。」「食堂で、水とタオルを貰ってきたんだ。」「待っててって言っただろう。」と一つ溜息を付く。桶に入った水に、タオルを浸し、十分に水を吸い込ませてから絞る。小さく折りたたむと、寝ているユイシアの額にタオルを置いた。ほっと、息を吐く。手にその息が触れると、やはり熱かった。ベッドに椅子を寄せて座ると、手を伸ばしユイシアの髪を撫でた。「大丈夫かい?」「...うん。」その言葉は嘘だろう。だって、こんなにも顔色が悪い。「もう喋らなくていいよ。ゆっくりお休み。」「スノウは...?」縋るように見つめられて、また溜息を付く。「もう少し此処に居るよ。」その言葉に、安心をしたのかゆっくりとユイシアの瞳が閉じた。子供の頃にも、こんな事があった。家で使用人として働いていたユイシアは、その日も体調が悪そうなのにスノウの部屋に来て、スノウの仕度の用意をしようとするので、慌てて自分のベットに寝かせた。その時は、浴室に行き桶に水を入れて、自室の引き出しからハンカチを取り出し、冷たい水に躊躇いながらもハンカチを浸し、軽く絞り、不慣れな手つきで何とかユイシアの額にそれを置いた。自分が風邪で看病をされた時の事を真似したのだが、合っているのだろうか。心配だったが、ユイシアの表情が柔らかくなったので、安心をした。部屋を訪れた使用人がその光景を見て驚いていたが、父に知られたら怒られると思い、秘密にしてくれと頼んだ。スノウにとっては、ユイシアは同年代の気心知れる仲だが、あくまでもユイシアは使用人なのだ。それが使える主人の部屋で看病されているとあっては、不味いだろう。その使用人は、仕方が無いという様に頷くと部屋を出て行った。稽古や勉強で部屋を開ける時以外は、ユイシアの看病のため傍にいると、ぽつんとベッドから出された左手が寒そうで、両手できゅっと握ってあげた。ほっとしたようなユイシアの顔に、スノウは満足をした。早く良くなれと願いながら。夕方には、顔色の良くなったユイシアを見て安堵した。「...スノウ、ありがとう。」「体調がわるい時は無理しちゃだめだよ。」そう諭すように言う。「でも、スノウの支度があったし...。」「他の使用人に頼むか、自分でもできるよ。」そう言うと、何故かユイシアは傷ついた様な顔をしたので不思議に思った。「僕が...、僕がしたいんだ。」ぽつりと呟く言葉に。「だったら、体調を崩さなければいいさ。」そう言うと、こくりと頷いた。それからユイシアは、スノウに使えている間、驚くほど丈夫で健康だった。今から思えば、ハンカチから少し水が落ちていた。もっと水を絞ればよかったと思ったものだ。懐かしい頃を思い出す。あの頃は、ユイシアが使用人で当たり前だと思っていた。だが、今はどうだ。スノウは落ちぶれ、ユイシアは108人もの仲間を従えるリーダーだ。そして、船内には慕って集まってきた人々もいる。その事を思うと、苦い笑みが出た。考え事に集中していたからか、ふと我に返ってそろそろ席を外すかと思うと、スノウの右手が温かいものに包まれている事に気が付いた。見ると、ユイシアの左手に包まれている。「...ユイシア。」その手を離そうとするが、しっかりと握られていて取れない。仕方が無いなと微笑む。これは長期戦になりそうだ。ただ見ているだけではつまらない。そのベッドにぽすんっと上半身を乗せると、スノウもゆっくりと瞳を閉じた。ふと、スノウが目を覚ますと肩に暖かなものがあった。何だろうと疑問に思うと、いつの間にかスノウの肩にブランケットが掛けてあり、驚く。ユイシアを見ると眠ったままで、左手も未だにスノウの手を握ったままだ。良い香りに辺りを見渡すと、ベッドのサイドテーブルにはユイシアにだろう見てわかるほど柔らかく煮込まれたスープと、スノウの為か、野菜とハムが挟んであるパンとカップに入ったスープが置いてあった。船内の誰かが、持ってきてくれたのであろう。ユイシアを敵視していた僕に、こんな事をしてくれる人がいたとは。ユイシアに食事があるのは分かるが、自分の分まで、しかもブランケットまで、用意をしてくれた人がいた事に驚く。思わずベッドサイドに向けて右手を持ち上げるが、その手はユイシアが握ったままだ。孤独を気取っていたが、もっと船内の人々と交流をするべきかもしれない。ただでさえ、ユイシアは今回は危険がどれほどか分からないという事で、陸での調査には連れて行かなかったが、それ以外では、外でも船内でも必ずスノウを傍に置くのだ。勿論気まずそうにする相手もいるが、大体の人々はユイシアと一緒にいるスノウにも、にこやかに対応をしてくれる。仲間だと認めてくれている。「...ありがとう。」君は僕にたくさんの物をくれる。右手を握る熱い熱に、そっと左手も添えて包み込んだ。
2022.11.08
五条先生の任務に着いていった。無事に呪霊は祓われたが、遠い場所だったため日帰りではなくホテルに泊まることになった。「同室が良いです。」ホテルの入り口で、ぼそりと呟く。五条先生は非常階段のマークのような姿勢で止まった後、何故か深呼吸をしてから入り口をくぐり、ホテルのカウンターに向かっていった。それを離れたところで見る。少しそわっとする心を隠しつつ、たとえ別室でもいいとも思っていた。恵が欲しいけれど18歳までは我慢をすると、一日に一回は宣言をするが、それは五条先生の勝手だ。でも、大人としては何か考えがあるのだろう。.........多分。いや、五条先生にそんなデリカシーがあるのか?と悩み始めた時「行こうか。」その手のひらにあるひとつの鍵に安堵をした。同室だからといって、何かあるわけでもない。いつも通り。ご飯を食べて、別々にお風呂に入り、ソファでくつろぐ。伊地知さんに電話をしている五条先生の左手に触れつつ背中にある体温が心地よくて、うとうととしはじめると電話を切った五条先生に抱えてもらって就寝した。朝は弱いほうだが、はやめに眠ったからか、好きな相手が傍にいるという高揚と嬉しさからか、すっきりと目が覚めた。腕を伸ばして体をほぐしつつ隣のベッドを見ると、いる。五条先生が、眠っている。何も考えなんてなかった。ただ足が、隣のベットに向かった。にぎやかな日常も良い。でも。久しぶりの「ふたりきり」という状況に、浮かれていたのかもしれない。すうすうと眠る五条先生の横に静かに寝そべる。眠りを妨げないように気を配ったけれど、やはり気づいたのか、ぼんやりと水晶のような瞳が開く。状況がわからないような、寝ぼけつつもはてなマークが飛んでいる先生に一言。「おはようございます、ダーリン。」ぱちくりと大きく瞬きをした後、どんどん赤くなる。俺は、その顔を見て、笑った。
2022.05.13
「プチプラだけど評判のビューラー買ってみたから試させなさいよ」伏黒がぼおっとコーヒーを飲んでいると、釘崎が何か光るものを手に持ちながら横に立った。当たり前だが金槌ではない。何か華奢なものだ。「プチプラ?」あまり聞きなれない言葉に伏黒は聞き直す。「そこか!?」はぁ!?というように釘崎は一瞬顔をしかめたあと、まあいいわと光るものがある右手を見せた。「安いけど、機能もばっちり。でも、自分で見てみたって違いがよくわかんないからあんたで試させて」ちゃんと説明をしてくれる。乱暴に見えて、釘崎は面倒見がいいのだ。だが、釘崎が何をしたいのかが伏黒には分らない。「どうするんだ?」「ビューラー。これでまつげを挟むのよ」釘崎はビューラーをカシャカシャさせながら、ほらやるわよと手元を近づけてくる。「何のためにそんなこと...」まさかの言葉に伏黒は身を引いた。伏黒はまつげにそんなことをしたことなど、一度もない。「目を大きく見せるの。可愛くなれるの」釘崎は右手にあるビューラーを見た後、改めてこちらを向き近づいてくる。「あんた、まつげ長いし丁度いいわ」「気を付けるけど、まぶた挟んだらごめんね」「なっ!」「動かないで」まだいいと言っていない!と伏黒は内心思いつつも目というデリケートな場所のため動くに動けない。それに釘崎は真面目な顔だ。突然の行動とは裏腹に真剣に、慎重にしている。伏黒のまつげをビューラーで挟み、数回きゅっとする。時間にしたら、2秒か3秒だろうが長い時間に感じた。釘崎が離れていく気配がする。少しまつげが引っ張られるような感じがしたが、それだけで済んだようだ。「はーっ!?何その目力アップ!!喧嘩売ってんのかこら。買うぞ。」釘崎の情緒はせわしい。また、伏黒を見つつ顔をしかめている。伏黒には分らないが、釘崎の怒りを買ったらしい。「謝れ。全女子に謝れ。」「悪い。」「真面目か。」釘崎は大きなため息をつくと、「ありがと」と言葉にした。「いいわ、このビューラー。買ってよかった。」またビューラーをカシャカシャと音をさせると、釘崎は満足げに笑った。どうなったのかは分からないが、釘崎の期待には応えられたようだ。伏黒は安心した。「ねぇ、伏黒。昨日新しくリップ買ったんだけど...」私のきれいでかわいいお人形
2022.05.10
俺と五条先生は、付き合っている...らしい。らしいというか、付き合ってはいるのだが、なぜ五条先生のような人が俺を見てくれるのか、理由がわからない。大切にされている、とは思う。これ以上にないほどに。幼少からの付き合いで、その延長戦かとも思ったのだがそうでもなく「愛」らしい。いつも飄々としている五条先生が、耳まで赤くして「恵が好きだ」と言った時には驚きを通り越して、影に逃げてしまいそうになった。逃がさないとばかりに両肩をつかんだ五条先生の熱い手。怖いくらい澄んだ真剣な瞳。赤い頬と耳。いつでも思い出せる。そんな五条先生がよく言う言葉がある。「恵が18歳になったら、恵を全部ちょうだい。」笑顔で言った後、照れて少しうつむき何とも言えない口元をもにょもにょとさせてでも、幸せそうに言う。だから俺は、迷うことなく「はい。」そう、即答するのだ。その時が本当に来るのか。その時俺は五条先生の隣にいることができるのか。生きているのか。生きていられるのか、ざらりとした淀みを心にためつつ。その澄んだ瞳を見返して誓うことはできず、閉じてしまうけれど。できれば そう であってほしい。俺は心の隅で願った。
2022.05.07
五9年間の積み重なった思い恵何となく自分の好意に気づく 諦めるでも先生かまってくるぐるぐる虎杖と野薔薇も来て、自分だけの先生じゃないことに気づくでも先生は恵の「ねー硝子聞いてよ!恵ったらまた悠仁と野薔薇とお出かけだって!!」「良いことじゃないか。」「恵ったらさ、」「ちょーっと、ほんのちょっぴり気づいたみたんだよね!!」「悠仁や野薔薇と話していると、輪に入っていいのかきょどってて」「ウケるー!!」「少し視線を下げちゃうのがたまらないんだよね」「あんまりいじめてやるなよ。」呆れたようにしながらも、硝子の声音は本気だった。「だって9年だよ!?」「こーんなに五条さんに思われてるのに、今更気づくなんてまいっちゃうよね」「恵の顔が見たくなっちゃった!」「出かけているんだろう?」「呼び戻せばいいことデショ?」ポケットからスマートフォンを取り出しつつ、五条はドアへと向かう。きっと、あの子のことだ。五条が用事があるといえば、虎杖悠仁と釘崎野薔薇と別れ帰ってくるのだろう。「あの子はお前の所有物ではないんだぞ」その背中に釘を刺す。だが、五条は振り返りにへらと笑うと、「僕のものだよ」何よりも強い言霊が紡がれた。9年分の思いをまずは返してほしい。返してもらったら、今度はもっとドロドロにしたい。考えすぎな恵のことだから一人で暴走しそうだけれど、大丈夫。ちゃんと理解出来たら誉めてあげる。ずっと傍にいてあげる。そうじゃない場合はいざとなれば心中もあるしね!
2022.04.29
正常と異常の風景・おままごとその日は、ユイシアが出かけてから、ずっと押し殺した様な感情が扉の向こうから漂っていた。何かが起こるかもしれないし、起こらないかもしれないだが、期待感で胸が高鳴るような何とも表現のできない高揚感で、ぞくぞくとした怖気が朝から止まらなかった。何が始まる?その時、躊躇うように小さなノックの後、カチリと鍵の開いた音がした「.......ユイシア様が呼んでいます」「私共が案内いたしますので...」「すみませんが、貴方の存在に納得できていない者もいますので、 これで姿を隠してください」きっと嘘だ。納得できない者、それはそのまま目の前にいる人物達だろうもしかしたらもっと仲間がいて、その場所にいるかも知れない態々合鍵まで作って会いに来るような連中なら、この軍と敵だった頃に沈めた船の知り合いかもしれないし、ただ特別扱いされている者を弄りたいだけかもしれない。外は危ないんだよね、ユイシア。でも......面白い事は起きるだろう。くつりと喉の奥で思わず哂ってしまったが、それを誤魔化すように咳払いをして差し出された布を頭からつま先まで隠れるように身体に纏わせる「案内...よろしくお願いします」暗い部屋から一歩足を踏み出した。だってそろそろ退屈だったんだ。さぁ、どんなショウを見せてくれるのかな?これって、ユイシアの部分を「シキ」にすると、アキラ視点のED3のシキアキに早変わり~!......書ききれてない証拠だわ(汗)この後、どこか無人の船室で...なところを、きれたユイシアが暴走しながら助けに来るという流れかな...。何となく、エンドレスはできるけれど、これ以上の前後の場面は主スノで思い浮かばないのよね(苦笑)さくやってスノウに夢見すぎだから、公式のだめだめな性格のままには描けないし。でも、発売当時に読んだだけですが、公式の小説で主人公が、スノウの指などが荒れているのを見て、本当は傷なんて無い身分なのに!みたいな文章があったり、一心にスノウを信じてる描写があって「こんな嫌で情けないスノウに、なんて夢見てるの!?」とさくやが焦りながらも好きなのね~♪と、大いに萌えさせていただきました(笑)今思い出しても、貴族の息子と小間使いの領域を超えていた気がする...うん。スノウは甘ちゃんで不器用さを前面に出して描きたい時(公式のまま)と、卑屈さを武器(力)にして哂っている姿が描きたい時があります。ちなみに、マイナーだと思うので、「元貴族と元小間使いの下克上もの」として雰囲気が伝わればいいかなぁと。
2008.10.10
正常と異常の風景パタンと扉が閉まる。「.........ふぅ」小さく鍵のかかる音がして、それまで浮かべていた笑顔を消して、僕は溜息を吐きつつベッドに腰掛けた。朝だといっても船内の一室である部屋は、紋章球の光が無ければ真っ暗になってしまう。だが、掃除も行き届き、花や絵が飾られ綺麗に整えられたこの空間は、この船の中では一番の快適な部屋だろうと思った。最初にユイシアを裏切った僕が、このような手厚い待遇にあるのは、自分でも戸惑う。この船に乗せられた時も、今までの報いで処刑されるとばかり思っていたのに貴族の息子として贅沢に暮らしていたあの頃と、ユイシアが僕の家の小間使いだった時のままの日常が、此処には在る。「いや...あの頃よりも性質が悪い」この船に乗せられてから、息苦しいまでのユイシアの世話の焼き方に僕はうんざりしていたまるで一目でも目を放したら僕がどうにかなってしまうかのように表情は無邪気のままで、見つめる眼だけが笑っていない。裏切り、一時でも敵だったユイシアに情けをかけられるのが嫌で、散々殺せと喚いた所為か、今までの世話焼きに、監視という余計なものまで付いてしまった気がする。僕は恥を晒すのが嫌で投げやりな状態で終わらせて欲しいと喚いていたが、ユイシアも涙を浮かべながら、必死に何かを叫んでいた。「あの時の真っ青で呆然とした顔は見ものだったけれど」あの時を思い出し、くすりと笑いながらも、まさにあの時から始まったこの息苦しい生活を考えると、頭痛と苛々する気持ちが生まれてきて、僕を苛む。喚きながら興奮状態だった僕は、ユイシアも何も見えていなくて何かの紋章の力をぶつけられたような気がした後突然意識が無くなって、気付いた時にはこの部屋で、目の前には笑顔のユイシアがいて。繰り返されるおままごとのような子供騙しの嘘だらけの日常が始まっていた。「外は危ないから、此処にいてね」お互い、といっても主に僕のだが朝の支度をして、いつものように部屋から出て行くユイシアを見送る。明るく無邪気に言う癖に、眼の奥の心配でたまらないという感情が見えて可笑しくなった。「ユイシア、怪我をしないように気をつけて」無事に帰ってくるのを待っているよ、と儀式のように毎朝同じ言葉を吐いて光り輝くような笑顔で部屋から出て行きながら、毎日忘れずに部屋の鍵をかける時のカチリ...という音に、思わず扉に殴り掛かってしまいそうになる心を押さえ込んだ。外は危ないそうだ、ユイシアだってちゃんと解っているこの部屋から出れば、この船に集う皆のリーダーを裏切り陥れた僕は、たとえ、ユイシアが許すと公言しても、憎らしくてしょうがない存在だろう。それなのに、まるでそんな僕への呪詛の言葉や、空気が無いかのように振る舞い何も無い、気持ち悪いほど穏やかな日常を差し出す。この扉のすぐ先は、僕への悪意で溢れているというのに。鍵も、僕への警告と同時に、外からの侵入も警戒しているのだろう。まるでここは光しかない楽園だというような戯言を言う癖に、ちゃんと悪い事を自分がしていると、頭のどこかで解っている。僕に見せないように無邪気に笑いながらも、ひたひたと後ろから近付く悪意を人一倍気にしてる。僕はもう気付いているのに。ユイシア何故、この歪さを認めない?この船に乗る者達全てが、君に希望を託し、共に戦っているというのにその者達を表面的には悟られないようにしながらも捨てて、裏切り者に跪く異常さを。――ユイシア様に迷惑をかけないでほしい――さっさと船から下りてくれ――裏切り者が!!この部屋に来て少し経った頃、扉の向こうから怒鳴られた言葉を思い出す。男性も女性も、子供のような声も、遣り切れないだろう思いを叫んでいたそれは全てユイシアを慕う人々の思い。解ってる。解っているから、僕をどこでも良いから陸に降ろして欲しい。貴族の地位も信頼も何もかも失った僕と、紋章の力を手にし皆の為に戦っているユイシアこんなになってまでも消えない僕のプライドには呆れてしまうが、劣等感を大いに刺激されるユイシアの傍にいることは、酷く苦痛だった。「ごめんね、スノウ」――皆にはちゃんと説明したから。もう何も変な事言わせはしないから――その事を聞いたのだろう、ユイシアの床に這う様に必死になって謝る姿も同時に思い出す。...惨めさを実感して、益々憎らしくなるその姿を見て喜ぶほど、僕はまだ落ちぶれてはいない。ぼんやりと目を開けると、いつの間にか眠ってしまってたらしく枕元の、この部屋にある唯一の時計の針は正午過ぎを差していた遠くから靴音を響かせ近付く音がするどうやらこの音に起こされたらしい。リーダーの部屋の前を、音も気にせず走れるのは、この部屋の主だからに他ならない。始まる、また繰り返しが。ベッドから立ち上がり、扉の前へ進むと、ユイシアが喜ぶ顔を作った。扉の近くにいると、一瞬表情を歪ませる事に気付いている僕にできる、この退屈な日常のささやかな意表返しだ。「スノウ!!」「おかえり、ユイシア」飛び込んでくる僕よりも少し小柄な身体を、受け止めるように両手を広げた歪さはいつか壊れるそれまではこのままで。繰り返そう眠るまでの時間を、いつものように。君が見た景色を、早く僕にも見せてくれないか?早く外に出せということです(苦笑)スノウはぜーったいこんな性格ではありませんが、友情のようなものがありつつもはっきりと「使用人に負けるなんて...!」という気持ちでいっぱいな子...だと思いますプレイヤーは主人公をどうするかで、関係も大きく変わるだろうなぁと。(悟らせて許すか、今までの恨みをこれでもかという位やり返すか)ゲーム内でも、仲直りから処刑まで、仲間にしてからも綺麗な服を着せたりぼろぼろの服を着せたりと、スノウには色々なシチュエーションがあるので(汗)でも、さくやはスノウ好きーなので、生あたたかくて優しい展開を考えてしまいます。しかし...どうも公式を見ると器用な子じゃないのよね~(苦笑)ただの甘やかされた愚かな坊ちゃまという感じで。さくやも、途中のスノウには思いきりむむっとさせられたし。
2008.10.10
タイトルは逃げました(上手く思いつかなかった・笑)主人とおもちゃ箱と犬枕元の時計から、一日のはじまりのベルが鳴った一音目ですかさずベルを止めて、ぼくはううーんと思いきり伸びをする船の中の部屋だから、朝が来てもまぶしいという事は無いけれど、ぐっすり眠って起きると、とても気持ちがいい。ゆっくりベッドから出て音をたてないようにぼくは手早く自分のしたくをすると、急いでお湯とタオルを用意した。これからたいせつなお努めをしなくちゃいけない「起きて、朝だよ.........スノウ」「...ん」「スノウ、ごめんね」ぼくのとなりで眠っていたスノウに、大きな声でびっくりさせないように静かに話しかける。気持ちよく眠っているのに、起こしてしまうなんて、なんてぼくは酷いのだろうほんとうはずっと眠らせていてあげたいけれど、スノウはそういうしっかりしないのは嫌いだもの。それに、悲しいけれど、ぼくはきょうの分の「用事」を片付けるためにもうすこししたら部屋を出なくちゃいけないほんとうはずっと一緒にいたいけれど。「あぁ......おはようユイシア」ぼんやりとしながらも、ぼくの声に応えて、ゆっくりと目を開けてくれるそれを見る瞬間、ぼくは毎朝しあわせでむねがいっぱいになってしまう「おはよう、スノウ」「もう朝なんだ...?」「うん、ごめんね、部屋にまどがあればもっと朝だってわかるのに」ぼくのみぎてでスノウのみぎてを引いて、ひだりてで背中を支えるようにして起こすとスノウはくるしいような表情でわらった。「ひとりでも起きれるよ...」「お世話したい、お世話させて」しょうがないなという感じで、くすりと笑う表情さえ、まいにちのことなのに嬉しいなぜかわからないけど、ちょっとでもさわりたい。だってこういう機会じゃないと、さわれないもの。きれいなきれいなスノウ。ベッドに腰掛けさせて、ゆっくりと熱く無いようにさましたタオルで白い小さな顔を拭く。くすぐったそうにくすくす笑うけれど、ちゃんと首まで拭くまでがまんだからね白く輝く髪に櫛を入れる。スノウの髪はやわらかいから、ちょっとしたことで癖がついちゃうささくれなんて絶対無いように爪のかくにんとお手入れも入念にして。長くて白い脚に傷ひとつないことをたしかめて。「できた」「ありがとう、ユイシア」完璧だ!もちろん、寝起きでぼんやりしていて、髪の毛がほわほわしているスノウもとてもとてもぼくにとって、しあわせになるのだけれど。スノウは最初はそんなことしないでくれって困った顔で言ったけれど、ぼくはどうしてもこの朝のやりとりを止められなかった。――昔はずっとぼくの役目だったんだもの―。騎士団に入団してから、宿舎に入ったぼくはスノウとはなれてしまって、朝も会えなくて、いつも会えなくて。かなしくて、どんなに泣いたか。どんなに、今スノウの傍にいるかもしれない人間を憎んだか。ころしてしまいたかったか。スノウはきれい。だから、ぼくにきれいにさせて欲しい。ぼくにスノウをつくらせてほしいお湯を捨てて、スノウがつかったタオルを誰かに使わせるなんてゆるせなくて紋章で燃やしてから、いつもながらすばらしい朝に高揚した気持ちをおさえながら朝ごはんを食堂から持ってくると、ぼくの気配に部屋のとびらが静かにひらくとびらをあけながら、スノウがやさしくわらっていた「ありがとう、ユイシア」ふたり分のご飯を持って両手がふさがってしまうからしょうがないけれどこの瞬間はぼくはきらいだ。スノウが少しでも部屋のそとに近付くと思うと、こころがもやもやしてしまう。机に朝ごはんを置いて、スノウとぼく、向かい合って椅子にすわる。ほんとうはスノウと一緒に食べるなんて、ぼくにはもったいない位のことだけどいつもスノウは一緒に食べようと微笑んでくれる。ぼくはそれがうれしくてうれしくて!お屋敷で食べていたご飯よりもぜったい見た目も味もわるいのに、キレイ(上品)に食べている姿を傍で見るだけで、ぼくはむねがいっぱいになってしまってお腹もいっぱいになってしまう。ずーっとみつめていると「...ユイシア。ちゃんと食べなきゃだめだよ」苦笑いしながら、スノウがぼくを注意してくれた。ああ、ぼくはしあわせだしあわせでしあわせでスノウがぼくを見てくれる。まいにちぼくをみてくれる。じゃあ、いってくるねすぐ帰ってくるから、待っててねそとはあぶないからここにいてね。はやく用事をすませて、スノウのお世話をしなくっちゃ!...........さくやにとって初、幻水4の主スノです(汗)マイナー、マイナー♪と歌って踊れるくらいマイナーCPなのだろうなぁ。というか、今頃「幻水4!?」という感じですが...はふー。ご飯のところとか、結構いらない場面と言葉が多いのだけれど、SSにするには説明をつけなくちゃいけないのよね...と悩みつつ書いたら、変に長くなったのが悲しい(苦笑)簡潔に「朝」と「いってきます」だけで、書きたかったのだけれど。主人公は英雄に祭上げられる元小間使いで、スノウは没落した貴族...でいいかな?色々とオリジナルを書いていたら、突然下克上が書きたくなって、主スノが浮かんでこんな感じになりましたが.............幼児性と気味の悪い狂気を描きたかったのでひらがなを多めに、壊れた感じを狙ったけれど途中から飽き始めて...(笑)これは恋愛とかではなくて、主人と仕える者だった関係の、仕える側の依存性と、一度失くしたと思った主人が戻った時のわんこの狂喜を...うーん。使用後のお湯を飲む位の描写が書きたかったけれど、それは違うと思って消しちゃいました。(あと、きれいな脚~のあとの、ごにょごにょ~な描写とか)キレイにしたって誰にも見せないのに、それを毎日繰り返す異常さが描きたかったのです...たからものだからとじこめた、みたいな。目の前で慕う人が消えてしまうかもしれない恐怖と混乱を極限まで味わって生まれてしまった人格。自由に名前が決められるので、うちの主人公は「ユイシア」くんです子供の時から仕える側だから性的なことには疎いかなぁと思って、(そういう事を理解すれば実行すると思うけれど)今はまだ、たからものを鍵をかけてしまうことしか方法を知らない怖さが書けたら...。
2008.10.10
二個もあるのー?(汗)という感じですが、あともう一個暗いのが(苦笑)それはまた、後でにしようっと♪...このページを早く進める為にも、日記を書かなくっちゃ(変な気合)秀にはアイスコーヒー、僕はミルクティー「秀のコーヒーちょっとちょうだい」ふたり別々のものを頼んだのだから、半分こも楽しいよコーヒーの苦味も、ミルクの甘さも一緒にでも、むっとした顔をするから、慌ててコーヒーに伸ばした手を止めるそうか、僕だけがもらおうとしちゃだめだ!「あっ、ミルクティー秀も飲む...」「オレ、別にオカマと付き合いたいわけじゃないんだけど」「...え?」「いちいちお前、言ってる事女みたいで嫌だ」おっと、何か痛い、痛い痛い僕は僕のままで、ただ喋っているだけだけど、何か可笑しかったのだろうか?難しい。とりあえず、ミルクティーを飲みつつ、にへらと笑ってみるけれど確実に大きな大きな傷が、秀には見えないだろうけれど、できた指が震えちゃって、目も鼻もつんっとするけれど、僕はミルクティー越しに笑顔をつくった僕は変わっていないはずだ抱かれているうちに何かが変わってしまったのだろうか?ああ、でも確かにテレビで映る恋人同士のやり取りを羨ましいと思った彼氏としたいと思った...そんな事を言う秀だって、無意識に僕の役割を「女」だと思っているくせにBLでは「可愛い受け」が、たくさん描かれるけれどどこかみんな女の子チックだなぁと思って(ファンタジーだからね・苦笑)よく食べ物を半分ことかの描写があるけれど、本当にこういうやり取りがあったら、男性同士だと意識的に違和感があるんじゃないかと。面倒とかで全部丸ごと渡すくらいの勢いじゃないかなって(笑)あとは、これはさくやの間違った偏見かもしれないけれど「受け側」だと、お姉さん言葉だったり、女性に仕草を似せたりとか男性同士だけど...うーん、なんて言ったら良いのかな。同性同士なのに役割を決めているような雰囲気が...上手く言葉に出ない~っBLは好きだけれど、あくまでも「女性視点」の綺麗だけな世界が多いのがしょうがないけれど、もやーんとしますでも、このふたりは攻めが「同じ男なのに、それでも好きになった」という気持ちでいっぱいなので、受けは解って無くても、一番ラブラブだと思いますだからこそ、型通りの「受け」になっていく受けが許せないというか...何だろう(汗)男の子同士で良いじゃん...みたいな。
2008.09.12
時間的にも気持ち的にも、書きたいことはあっても書けないのでパソちゃんに眠らせておいた言葉を。冷房をずっとつけているわけにもいかず、1階ではないからまあいいかと窓を開け熱風と、それに混じる静かな夜の空気の気持ち悪さに眠るのを苦労していると、喉の渇きを覚え、部屋の電気をつけてキッチンに向かった大気や地を切り裂くような勢いで、雷が鳴り響いている冷蔵庫からペットボトルを出し、コップに移そうとした所で部屋の電気よりも明るい光と、爆発音のような雷の後、全ての電気が止まった溜息をこぼし、闇に目を慣らしつつ、明かりが無いのは心許無いものだなと思う自分に苦笑いして、それでも雷光があれば良いかと窓の方に振り返ったとき人影がいた「......」治安の悪化とかセキュリティとか、散々叫ばれている昨今だけど何も野郎の一人暮らしの家に侵入しようとする奴がいるとは思わなかったな...。ご丁寧にも右手らへんで光っているものは、刃物なのだろう如何にもなぼろい学生向けの、男しか住まない様なアパートを狙わなくても良いだろうに金目の物なんか、勿論無い。だったら...。「...とりあえず」奴は窓辺に突っ立ったままだけど、明らかに殺意とも何ともいえない意識を向けられているのが解る「喉がすげえ渇いているから、一杯飲ませて」ナイフの刃先が、自分に向かっているのをさり気なく見つめるカーテンの隙間から漏れる微かな光に反射して、キラリと輝くいつまでも停電なわけじゃない数秒か、数分後か。この部屋に明かりが再びともった時、こいつの顔が照らされる時終わっているのか生きているのかを思うとじわじわとくる奇妙な高揚感に、自分の何かが軽くなった気がした。雷をずーっと聞いていて思っていたのだけれど、最初は家族とか仕事とか何もかも無くして、借金だけ押し付けられて絶望している青年の部屋に停電と共に誰かが侵入してきて、あんまりにも自分が可哀相に思えて自棄で色々と愚痴をこぼしつつ、とりあえず縁だからと誰かにもお茶を出してあげて暗闇の中、テーブルを挟んで人生を一方的に喋りつつ、テーブルの上に置かれて自分へと向かって刃先が光っているナイフに、どこか安楽を求める...というのが書きたかったのだけれど、テーブルに座らせられなくてすぱっと短文に(苦笑)うーん、雰囲気だけになっちゃった。何かされるかもしれない誰かと喋る滑稽さとか緊迫感とか、艶やかさとかが書きたかったのだけどなぁ。ちなみに、思っていたのは↑なのですが文字にしていたら、実は誰かは青年の事を好きな後輩とかで、酷い振られ方をしていて青年が大学を辞めてしまった事を、逃げられたと思って思いつめて...というBL展開が浮かんできたのですが(この場合青年は暴言で傷つけた自覚はあるので、奴か...という感じで)書きたかったのは、「緊迫した空気」だけなので余計な言葉は消して、このままで。書こうとすると説明とか、色々と入れて長くなってしまうのでとにかく短い「場面」が書きたかったの...でも、BL風味は後付なので、結局は他人同士でバッドエンドです
2008.09.11
ちょっとした息抜きの旅行を仲間達で馬鹿騒ぎをしながら楽しんだ数日後ユキヒトの鞄に俺の物が紛れ込んでいたとかで連絡を受けそれならと、俺はユキヒトがアキラと共に住む部屋に出掛けていった。紙やら日用品やらが床に散乱している汚ねえ奴等の部屋の、辛うじてスペースのある片隅に待機させられながら、今俺は何で此処に来ちまったのかと、後悔していた。「片付けないからこうなるんだよ!」「だから、俺だけの所為じゃないって言ってるだろう!」ユキヒトとアキラは、言い合いながら部屋を手や足でかき混ぜていく...どう見ても「掃除」じゃねえ。どうやら、あまりの部屋の汚さに、俺がこの部屋に着く前に俺の忘れ物を紛失してしまったらしい。無くしたのはこいつ等だが、自分の友人達が自分の事で喧嘩状態になるほど気まずいものは無い。「おい、アキラ...」ふと、何かを思いついたように、でも探している手はそのままでユキヒトがアキラの名を呼ぶと「ほら」アキラがユキヒトに向けて、何かを放り投げた。「悪い」掌に受け取ったものを確認すると、満足げにズボンのポケットにしまうなんだ?何か、自分の探し物でも思いついて、アキラに聞いたってとこか?そういえばさっきもアキラがユキヒトの名前を呼んだら、返事と同時に何か投げていたな...。...........その会話にはいつも「物」の名前は無いような...?...考えれば考えるほど、不可解な会話だと気付く。何を探しているとか、そういう会話は一切無いのに、こいつ等どうして当たり前のようにやり取りをしているんだ?それって何か...。こう、何か当てはまるような言葉が浮かびそうになるのだが、モヤモヤと霧が掛かる様にはっきりしない。片隅でひとり、答えが出ないまどろっこしさに唸っていると「う、わっ!?」アキラが床に散らばる紙で滑りそうになり、体勢が崩れる俺は慌てて助けに行こうかと思ったが、それより先にユキヒトの腕がアキラの腰に回り空を舞ったアキラの手を掴んだふぅ...、と一瞬安堵の様な溜息を吐いた後、「...ドジだな」と呆れた声でユキヒトが苦笑いをする「...わ、悪い」アキラもまだ動揺があった所為か、静かにユキヒトに支えられているそう、支え.........長くねえか?俺の視線に気付いたのか、バッとふたりは離れると、また部屋を捜索し出したでも、何ともいえない微妙な空気が漂う説明するには難しいような...これって何なんだ?「あのよ、俺......ここにいても、大丈夫か?」訳が解らない気まずさに絶えかねて俺はぼそりと言った。「......は?」アキラが手に紙を大量に掴んだまま、何を言い出すんだという顔で俺を見つめる「お前、何言ってんだ? そりゃ無くしたのは悪いとは思うけど、ぐだぐた言ってんじゃねえよ。黙って待ってろ」無くした原因のひとりでもあるだろうに、探すのが面倒になったのかヤケなのか、苛々した口調でユキヒトが俺を睨み付ける俺は言われるがまま、また部屋の片隅でおとなしく出来るだけ小さくなって早く俺の物が見つかって帰れるように誰にとも無く祈っていたが...何か訳わかんねえ空気というか、背中や尻がむず痒いというかモヤモヤした気持ちは消えないどころか、益々増していく......ダニかノミでもいるのか、この部屋?...何だそりゃ(汗)というお話ですが、ユキヒトルートをクリアした方は絶対思いつく雰囲気だと思います2つ枕に、トウヤは気付いているのか?とか(苦笑)もしユキアキでも、本人たちから積極的に報告するとは思えないのでトウヤは気付かないのだろうなぁとか。不器用な弟ふたりを見守る、ちょっと鈍感なお兄さん的存在がトウヤだと思うのでその微妙な空気を書きたいなぁって。「俺の物」って書きましたが、本当はライターとか小物類を出したいのだけどトウヤが喫煙者か解らないし、まだユキヒトルートの詳細は、公式設定が(出るとしたら)これからだと思うので、あまり固定的なことは書きませんでした。一端眠ろうと思ったのですが、ユキヒトルートの感想を書けた所為か、さくやの中である程度消化できたのか(今だったら神谷さんが出演しているBLCD「すべてはこの夜に」も聴けると思うし)どうしてもお話が思い浮かんでしまって、書いてしまいましたちなみに、ぽっけってポケットでいいのかな?ずーっとぽっけという言葉しか思いつかなかったのですが、咎狗の雰囲気にそれは無いだろうと思って(笑)お友達にメールで聞こうと思ったけれど、4時近いし(苦笑)思い浮かんだ言葉を書いてしまうので、読み辛くてごめんなさいっ男性的な言葉にしようとしたのですが、すごく難しかったです「じゃねえ」とか、「え」が小文字なのがちょっと悩んで引っかかっちゃったし。何となく雰囲気が伝わったら嬉しいですあと、あまり「馬鹿」って言葉は使いたくないのですが(この日記でも避けています)青年達の逸る気持ちを表現するには、使わないといけない言葉なのかなぁって。他に合う言葉が無いというか。「騒ぎ」だけだと弱い気がするしうーん、言葉って難しい(苦笑)では、ちょっだけでも寝ようかな♪読んで下さった方、ありがとうございます
2008.06.06
お話は完成していないけど、朝どんどんイメージが出てきたので日記にメモメモ(苦笑)まだ文章が纏まらないのと酷い受けのお話なので、見なかった事にしてください~!3日くらい前から言葉が浮かび始めていたのだけど、何時まで経っても「どこまでも残酷になれる気がした」という言葉と流れが消えないので...本当にメモだなぁ(笑)でも、このお話は文章へたっぴさくやだけど、つくりたいと思ったので。後で無かった事にして消すか、完成してこっそり書き込みしていると思います(苦笑)間が空いていて、思いついた順の言葉の羅列だけど何となく雰囲気が伝われば.............良いなぁ(汗)とこまでも残酷になれる気がした崎谷 紫 由宇希蒼一 楓襲われた受け 崎谷攻めの謝罪酒酔ってなんかいなかった今だったら解る信頼を裏切った何でもする女と付き合え「ごめん...」でも、あの女とやったんだろう?「だって...崎谷が......崎谷がしろっていったから...」俺の事が好きなくせに、命令されてこいつがどんどん壊れていくのが解る。どこまでも残酷になれる気がした「どうだった?」こんな真昼間の喫茶店で、女を抱いた感想を聞くのも、ある意味羞恥心を引き出す倒錯したプレイみたいだ。自分でも見れない様に、 シーツを掴むまるで抱いた後の女の仕草其の侭だか、薄いシーツで身体を覆っているだけでも何物にも変え難い様な、まるでこの無機質が守ってくれるような気がした。何の言葉も頭に入らない。必死で土下座をして謝る蒼一の姿は、その時の俺には得体の知れない化け物に見えた。俺を好きだと、ふざけた事を言ったこいつをぶち壊してやろうと思った。怒りと男に襲われたという身体の痛みを俺を滅茶苦茶に抱いた後、勝手に許しを請いながらオトコしか愛せないと涙しながら告白をしたこいつを壊すには、最適じゃないか?目の前から消えればいいと思ったが驚く事に、蒼一は要求を呑んだ。「それでも...傍にいさせてくれるなら、崎谷の姿が見れるなら...」何でもするんだろ?テーブルにぽつぽつと水の粒が落ちる両手を握り締め震わせながら、俯く蒼一の歯軋りと嗚咽を聞いても何も感じない。それだけの事を、こいつはしたのだ。何年にも亘る友情、信頼、今までの全てを裏切った。...親友だと、そう思っていたのは俺だけだったけれど。「だったら、次の女紹介してやるよ」ビクッと大柄な身体を震わせて、おずおずと青褪めた顔を上げる。――――拒否するなよ?にやりと、多分今では性質の悪い笑みだろうけど、前から蒼一が好きだといっていた「笑顔」を見せてやる。友情は友情でしかなく、真正面から告白されていたら、とか奇麗事は言わないがまだ違っていたと思う。そういう意味では、大切だった。だが、無理矢理「女」にされたというこの何とも言えない喪失感と疵は消えないこいつは最も最低な事をしたのだ。万が一かでも在ったかも知れない、差し出されたかもしれない俺からの手を、こいつは自分から力の差を見せ付けて汚したのだ。今あるのは憎しみだけどこまでも残酷になれる気がした。...あっ、オリジナルです。ついに二次だけではなく手を出しちゃったよ~!名前も二つずつあるし、全然決まって無いけど(笑)一番信頼している人が裏切ったら、尚且つそれでも依存して執着して自分を求めていたら人間って容赦なく残酷になれるだろうなぁと思って。さーて、一日を始めなくっちゃ!
2008.05.07
アキラの理性が壊れるには時間は掛からなかった。元々、快楽と痛みに弱い愚かなカラダをしていたのだ。シキは只切っ掛けを与えただけでしかない。鬱屈したトシマでの苛立ちと退屈さへの憂さ晴らしの様な、簡単な遊びの道具だったが、ここまでアキラという人間が、自分の中に入り込む様な存在になるとは思わなかった。呆気無く消されるだけの弱者の分際で、酷く気に障る強い眼を向けてきたそのアンバランスさに、自分は気紛れを起こしたのだ。其れ以上でも、其れ以下でも無い。ふらふらと城の兵士共を誘う以外には、以前の面影が無い程に従順になったアキラだがトシマを出て、自我を完全に無くすまでには下らない抵抗を度々繰り返し、苛つかせた。カラダは直ぐに支配されながらアキラの傍で事切れていた人間が持っていたというタグを、放そうとはしなかった。様々な陵辱を繰り返されてもまるでこれこそが自分を救ってくれるのだとばかりに、握り締めて縋りつく滑稽さに最初はそのプライドの無い愚かな姿が可笑しく、蔑む様にそのままにしていたが次第に酷く癇に障るようになった。快楽に涙し喘ぎながら、無様に繋がられているこの場では無く何を見出しているというのかその先には何が要るのか...。溺れつつも朦朧とした意識に支配されぬ様に、何時もの様にそれに縋ろうとするアキラよりも先に鎖に手を掛けると、貫かれつつも今までの熱を忘れたかの様にシキの手に爪を立て暴れ、抵抗をしだした。苛つくままに加減等一切せずに殴り、力尽くで奪い躊躇いも一切無く投げ棄てたが鎖の千切れる音と、何処かで落ちる音がしたのと同時にぱたりと抵抗していたアキラの手はベッドに落ち、呆然と口を明け目を開き涙を流したままの表情で天井を見つめていた。そしてアキラは完全に壊れた。弱い者らしく呆気無く、たった一つの偶像が無くなっただけで。............支配者たる俺だけのモノになった...筈だった。珍しく誰も部屋に引き込まず、人を寄せず何かで遊んでいるという報告を聞き深く思う事も無く寝室を開けると、ベッドから楽しげな声が聞こえる壊れたアキラは作り物か本物か、時に酷く幼い行動や口調を出す。それまでこの部屋はアキラの世界だったのだろうが、構わず靴音を響かせ現れたシキに気付くと、羽織っているだけの乱れたシャツの姿に適当にシーツを絡ませたまま起き上がり、何時もの様に駆け寄る事も無くニッと質(しつ)の悪い笑みを浮かべる「おかえり...」返事は返さないと分かっていながら、どこで覚えたのかいつの間にか自分に向けて言い出した、言葉遊びの様に毎度紡がれる気だるげなそれに、視線だけを投げかけ様として、アキラの纏う雰囲気に違和感を感じる。堕落し従順さを出しつつもどこか近付かせない空気を作りながらシキを嘲笑っている、不快なもの。「...なんだ」怪訝そうに睨みつけるが、益々アキラの静かな笑い声は煩わしい程になっていく「みつけたんだ...」クスクスと表面的には笑ったまま、ゆっくりと唇が明くぴちゃっとわざと淫らな音をさせながら舌が此方に向けて出される。赤い舌先とたっぷりの唾液が視えるしかし、その舌の上と歯に挟まれているモノは鈍く銀色に光る、あの......。「...っ」思わず光に向けて刀を抜きかけ、しかし場所が場所だけに苛立ちつつも動きを止める今にも斬り殺さんばかりのシキを見ながら。ニヤリ、とアキラの唇の端が上がった。...ゲームしていたら眠れなくなっちゃって(苦笑)今回はパソちゃん。あっ、苦手な方には本当にごめんなさいっ!!大丈夫な方も、見なかったことでお願いします~っタイトルは「愛情ゲーム」シキは理解とか言葉にはしたくないけどちゃんとアキラをみていて、アキラも微妙なこころと血に惹かれるものはあるけど、それだけじゃなくて。力で押さえつけるのでは無くて、もっと違う方法だったら想いにも支配にも隙は無いかもしれないけど自分を下に見ているシキに気付いていて、仕返ししたいなぁと(ありえない・汗)結構、今日シキルートのケイスケのシーンとか改めて見て、怒りが強いにしては簡単にシキに支配されちゃったなぁと。だったら、妄想でもずーっとケイスケを思うアキラたんがいても良い筈!(笑)結構前にお邪魔したサイトさんで、ケイスケを探しに城を抜け出すアキラのお話があって(絶対あったはず・汗)、すっごく萌えだったのでこのアキラもひょいっと抜け出しては、逃亡して欲しい!そして何事も無いかのように内心は焦りながら、シキが捕獲しに来ると♪(でもそうすると、ゲーム設定と全然違う事に・笑)でもふたりは完全に依存の関係で、愛憎があって表面には出さなくてもシキは苦しむって解っていながらも、偶には悪戯しちゃうみたいな?ケイスケを今でもという訳でもなくて、ある手駒のひとつみたいな。みつけた...と支配者たる~は余計だと思うのだけど、その言葉がないと流れと想いがまとまらないかなって。まぁ、「赤い舌先と~」からの数行が書きたかっただけで他は付け足しなので、流れが変なのは解ってます(涙)にぃっと笑いながら、口から唾液塗れのタグを出す描写がしたかったの...!ゆっくりと口角を上げながら笑うのがふと思い浮かんだのですごく思いついたらゾクゾクしちゃってただそれだけなのっだから、あの行間を入れての9行はさくや自身も萌えが凝縮してあって好きだけどあとはぐだぐださん...(汗)何で口なのとか。最初はシキに気付かれない様に、タグのままだと捨てられるだろうからアキラが飲み込んだり、鎖だけでも下にいれて(汗)隠しておいたり色々あり得る事を考えたけど、ファンタジーなんだから現実的はぽいっ!でも、咎狗の血ってある意味お話を作りやすいなぁもちろん公式設定もあるけれど、サイドストーリや表現がいっぱいあるしある程度もう出切っているから自由があるというか。周平×裕太も書いてみたいけど、まだコイビト遊戯はこれから公式でも続々と動きがあるかと思うと、迂闊に書けない...。いや、さくやが書かなくていいんだけど(笑)
2008.04.16
全ての王様全ての支配者ガタクタのお城の真っ赤なおめめの我儘坊や「シキ……」遠征から帰って来たシキを後ろから抱き締める。余程手応えが無かったのか、燃え盛るでも無く、トロトロと燻る炎がまだシキの身体の中にある様。折角の綺麗な顔なのに…。憮然とした表情のまま、空を見つめる。こっちなど、見向きもしない。あぁ、でもなんてキレイな紅い…思わず、その二つの紅いモノに、ゆらりと手を、爪を刺し入れ様とすると、加減無しの力で振り払われた。痩せ細って体力の無い自分等、ひとたまりも無く振り払われるままに、倒れる。「………シキ…、御機嫌ナナメ…?」理由なんて解っている。言葉にされる事が、どんなに煩わしいのかも。でも、シキがクダラナイ支配者遊びに出ている間、おとなしく待っていたのに。酷い。ちゃんと、オレは待っててあげてるのに。ラインを使い、人形の様な兵士を増やし、領土を増やす。敵う者等いない、解りきった戦。媚び諂う愚者共。血で繋がれた、空っぽの絆反乱分子の討伐も、ほんの刺激的な遊びにしかならない。業と生かして、このゲームを長引かせる。大切なモノたち既に退屈でしょうがなくなっているんだ。シキも、……………オレも。「ねぇ、シキ…」憮然としたままのシキに、絡み付く様に腕を回すその怒りを、オレにぶつけてもいい手酷く抱いても構わないだから…だから。アンタが壊したオレにまで、終わりを感じさせないで。それなのに…。「……。」頭上から、溜息。全てが飽和してしまった様な。唇を噛む。血の味がする。アンタが…アンタが望み、全てを壊したくせに…!抱き付いていたシキの身体を思い切り突き飛ばす。オレにこんな力が残っていたのかと、驚く表情を見るとクツクツと嗤いが込み上げて来る。「シキぃ…カワイソウだねぇ…」項垂れ、視線だけ上げてシキを睨みながら、零れる嘲笑が止まらない。「…なんだと?」キツく睨む紅い眼あぁ、何て綺麗ゾクゾクする…。だけど、これが曇り始めているなんて…!「ふふふっ…、もう全部がシキのモノ」そう、実行すれば全て人間をライン浸けにしてしまえば、全てはシキのモノになる。無駄な遠征ゲームでしかない行為言うが侭の人間以上でも以下でも無い意思…全ての終わり。だから怖い望んだのは自らのくせに、今更現実が見えている。怖がって、怯えている愚かな支配者。「もう逃げられない程、終わりが見えているのに気付いたんだろう!?何したらいいかどうしたらいいか解らなくて、怖くて、退屈でしょうがないんだ!」見たくない。そんなシキ何て見たくないんだ。「あははははっ!ははっ、シキってかわいそうっ!かわいそうっ!かっ…」狂った様に叫びながら嗤うオレの首に、シキの両手が潰さんとばかりに絡み付く。「がっ…」条件反射のまま力無く、口から唾液を垂らしながら、首に巻き付く指を掻き毟る「…だまれ」キツくオレを睨みながら、首を絞める指に力が入るだけど…、その声の微かな震えを、戸惑いをオレは聞き逃せない。聞き逃せないんだ…シキ。ちゃんとオレは解っているんだ。可哀相なシキだって……、オレは同じものを見て来たんだ。ずっと傍で。世界が崩れ始めて楽しくてしょうがなかった時も、虚しさを覚え始めた時も。シキと同じものを。ずっとそんなオレを唯一、ラインの血にも負けない、本当には言いなりにならないオレを殺せないって事。あぁ、声にはならないだろうけど、可笑し過ぎて笑いが込み上げる。胸がゾクゾクする…。絶対、息が止まる前に指が離れる事を知っているから。シキは…ひとりぼっちではいられないくらい弱いから。可哀相な絶対的支配者。オレは何時でも壊れたままで、シキを待っていてあげるのに…。………わぁお(汗)あっ、またごめんなさい~!今回も見なかった事で、お願いします(涙)逆に言われる方が戸惑っちゃうし駄目になるから…ううっ。源泉視点を書こうと思ったけど、何故かシキアキ(笑)夜中に思い付いたまま打って、時間にして1時間30分くらいなので、正直意味不明文です(苦笑)えっ○は楽天ブログは無理だろうと思って消去(笑)在り来たりなネタかなぁとも思うけど、シキとアキラたん(軍服といんびたん)のEDは容赦無く未来が無いと思います(苦笑)アキラも「壊れた」としても、逆に何か達観している気がする。どのEDのアキラとも違う成長をして内心はシキのやる事を、しょうがないなぁって微笑んでいるような。ちなみに、「空」はお空じゃなくて、空間で最後は「壊れていくシキを」にしてたのだけど壊れ~を消し。響きでは要らないと思っちゃうけど、説明としては必要かなぁ(汗)うーん、難しい!あっ、半月後くらいにふたりの世界は終わると思います(苦笑)全てをライン塗れにして、兵士達の事なんて考えないで城の奥でひっそりと。昼間だったら、いちゃいちゃラブラブなお話が思い浮かぶだろうけど、夜中だとどうしようも無いなぁ(汗)途中でシキのをしようとして、振り払われるとかにしたかったけど、此所ではやばいでしょう(笑)タイトルは、思い付かないけど「ラスト」とかかな?潔くて(苦笑)「幼い終わり」とか。アキラを無くせないシキが書きたかったの♪ただその場面が書きたかっただけなので、意味不明です(笑)
2008.04.12
きっと長い間一緒にいる俺らは、既に家族なのだろう。ただ、俺が理解出来ないだけで。トシマを脱出して、源泉と逃げる様に転々と居場所を変えながら、暮らし初めて、如何に自分の見ていた世界が小さかったのかと実感した。これでは、ガキ扱いをされて当然だ。トシマにいた時は、源泉の一々からかう態度に、激しく反発心が生まれたが、正しく源泉から見たら、俺は何も知らない赤子の様だったに違いない。食事はソリドでも充分なのに、温かな物も、冷たい物もあって。ソレを食べる事に、酷く戸惑う。以前は自分の身体ひとつで、同じ人間を叩きのめして、金を貰ったりしていたけど、外を見れば、そんな奴など此所にはいない。CFCと日興連の衝突で、一番の被害者の、その土地に生きてきた者達は、争うよりも必死で助け合い生きている。だから、たとえ源泉がいつもの無精髭で笑いながら、無骨な暖かな手でアキラの手を引いて、この場所に溶け込ませ様としても、ふとした瞬間、息の仕方を忘れてしまう位苦しいんだ。この生温い空気に耐えられない。だけど、源泉はこの空気に馴染んでいて。俺だけが黒い疎外感という錘が何重にも纏わりつく様に、身体が重い。これが、ボーダーラインか?何処へでも行ける者と。その場所でしか生きられない者の。外の世界に飛び出してみれば、自分の無知や無力さを痛感するばかり。思わず苦笑いをする。源泉が俺の声に反応して振り向くが、あまりいい表情では無いだろうから、下を向いて無視をする。監視されているのとは違う胸をざわつかせる視線。源泉の傍にいたい気持ちは嘘じゃない。求められれば、返したい。理解したい。ただ……止められない衝動のまま、源泉の手を振りほどきナイフを握り締めて、壊れた様に叫びながら生温さから逃げて、あの薄汚れた場所に帰りたくなるんだ。あまりにも此所は幸せ過ぎて。うふふ(苦笑)寝れないから何となく携帯で打ったから、後で見たら恥ずかしくて消すだろうなぁ(笑)お話にもなっていないし。初めて咎狗(苦笑)何となくタイトルは「home.sweet home」アキラの帰るおうちは向こうだよという(苦笑)読むのが好きだから源アキとか探すけど、微妙な雰囲気とか別れとかは無いなぁと思って。(この場合でもオイちゃんはアキラ溺愛で!・苦笑)EDと思い切り違うけど(笑)殺伐と生きていたアキラが、普通の日常に順応するのって難しいと思うのよね。源泉はどんなに愛おしんで守って包んでも、結局は大人視点で見るだろうし。身体は青年だけど、源泉の常識と外れた部分に今までいた分、見た目に誤魔化されがちな、成長しきっていない未熟さというか。だから源泉の手は取りつつも、自分やケイスケがいた、自分のルールで生きれた元いた場所が恋しいんじゃないかと。あと「家族」が分からないんじゃないかなぁと。でも源泉が言うなら…と追い込まれていく様な。あっ!ラブラブが一番大好きですよ~!源泉が包容力あって、優しいから困らせたくなっただけのお話(笑)携帯で打つのって、言葉の前後が解らなくなっちゃって難しい…。全く…日記に何書いているのだか(苦笑)
2008.04.10
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