三角猫の巣窟

三角猫の巣窟

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

コメント新着

三角猫@ Re[1]:戦争反対について考える(04/02) 四角いハムスターさんへ 四角いハムスタ…
四角いハムスター@ Re:戦争反対について考える(04/02) お久しぶりです。 コメントはしておりま…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 善本位制がうま…
四角いハムスター@ Re:善本位制について考える(08/02) 三角猫さんへ 中国は国家安全ために自国…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 私は宗教国家の…
2016.05.01
XML
カテゴリ: 小説
昭和53-63年に書かれた7作の短編集。

「闇にひらめく」は鰻屋の昌平が桂子に惚れられるものの、妻と間男を刺した前科を隠していたので恋心を抑える話。訳あり男と健気な女という定番恋愛パターン。

「研がれた角」は道楽で闘牛を育てている富太郎が息子の隆夫と家事手伝いの加代と牛を育てたり闘牛に出したりする話。

「蛍の舞い」は俊一郎が同僚の峰子と結婚するものの峰子が部下の藤川と浮気したので会社を辞めて離婚して、故郷で姉と暮らしているうちに蛍の人工飼育に興味を持って蛍の飼育をはじめると、姉に茶道を習っている宮子との縁談の話がくる話。弁護士を通さず慰謝料や財産分与の話もしないで離婚届を突きつけるというのはリアリティがない。間男に制裁もせずに面子を守るために会社には原因を秘密にしたまま仕事をやめるというのは面子を守るどころかむしろ尻尾を巻いて逃げたヘタレだろう。

「鴨」は鴨猟師の綾次郎と息子の民雄が川で入水自殺しようとしていた久子を家に連れて行くと、なんでもするから家に置いてくれというので仕事をさせると、民雄が久子に惚れる話。親方、川から嫁候補の女の子が!というご都合主義展開で興ざめする。

「銃を置く」は三毛別羆事件を5歳のときに目撃した弥一郎が猟師になって67歳で最後に羆を撃って引退する話。羆ネタの使いまわしのようでたいして面白くない。

「凍った眼」は島岡と息子の浩一は錦鯉を養殖していたものの、客の丹野が錦鯉を飼っていた床下の水槽で溺死したのでその錦鯉を引き取る話。

「海馬」は26歳のトドハンターの卓夫と船頭の鳴尾が羅臼でトド猟をしていると、卓夫の師匠の梅太郎の孫の由起子が東京に行ったもののレイプされて戻ってくる話。構成がごちゃごちゃしていて読みにくい。

●感想
大半は登場人物の職業がプロットに活かされるというわけでもなく恋愛を成就させて落ちをつける恋愛小説で、プロットとしては面白くない。ヒロインたちが控えめで自分の意見を言わずに男に従う人たちばかりで、恋愛オチ要員として無理やり物語にぶっこんだ感じで登場人物としてリアリティがない。昭和的ステレオタイプなけなげな女性像を物語に投影しただけで、漫画やアニメの萌えキャラやツンデレキャラが不自然なのと同様に、生きた人間を描写していない。「闇にひらめく」は昌平の妻が浮気、「研がれた角」は加代の婚約者が浮気して婚約破棄、「蛍の舞い」は俊一郎の妻が浮気して離婚、「鴨」は久子の父が浮気して久子が自殺未遂、「海馬」は由起子がレイプされる、という具合にどれも訳ありの男女がねんごろになるのを男性視点で書く展開で、恋愛小説として発想が乏しくワンパターン。恋していることを「特殊な気持ち」という言い回しで表現するのもワンパターン。男性の私でさえつまらないのだから、恋愛好きな女性読者ならいっそうつまらないだろう。恋愛以外の小説は「銃を置く」と「凍った眼」の2作しかない。
各分野のプロに取材して特殊な仕事の様子の細部を書いているあたりは唯一面白い部分なものの、取材したことを全部書こうとしたのかプロットに関係ない情報まで入れているあたりは若干邪魔くさい。せっかく特異な仕事に焦点を当てたのにとってつけたような余計な恋愛要素のせいでむしろ平凡な小説になってしまった。下手に恋愛小説にするくらいなら取材したことをそのまま書いてエッセイとして仕上げたほうがましだった。

★★★☆☆






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016.05.01 11:50:40
コメント(0) | コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: