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最近は自粛警察が行動自粛を求めて過激化して、器物破損事件などが起きていることが問題視されている。というわけで自粛警察について考えることにした。
・自粛警察とは何か
徳島県で県外ナンバーの車に石を投げて嫌がらせしたり、高円寺の商店街で営業している飲食店の窓ガラスを破壊して嫌がらせをしたり、パチンコ店に並ぶ客を罵倒する人がいて、こうした外出自粛や営業自粛を求めて過激な行動をとる市民がネットスラングとして自粛警察と呼ばれている。もちろん自粛警察に警察のような権限があるわけではないし、社会の役に立つどころかむしろ迷惑行為で治安を乱している。ブラジルだと政府は外出自粛しない方針にもかかわらず、スラムのギャングは住民が外出しないように自主的に監視しているそうだけれど、これも自粛警察といえる。
・なぜ市民が過激な自粛警察になるのか
ブラジルのギャングが政府の指示に反する行動をして自粛警察をしているように、自粛警察の動機は政府の指示に従わない人を罰しようとする愛国心や正義感というよりは、危険を感じた時に自分や共同体を守ろうとする生存本能が原因だと思う。
人間は危機に直面した時に本能的に攻撃か逃避のどちらかの行動をとる。脳の偏桃体が恐怖とかの生存本能に関わる強い衝動を呼びおこすけれど、前頭葉の理性は後から発達した部分で、機能が弱くて本能的な衝動を抑えきれない。それゆえに危機に直面して恐怖や不安を感じた人はしばしば理性をなくして非合理的な行動をとるようになる。さらに人間は将来の見通しが立たないと不安を感じるけれど、何もしないで待つと不安がつのるので、不安を解消するために何か行動したくなる。それゆえによく考えずに動く無能な働き者となって、自粛警察活動に邁進して脅威を攻撃するようになる。アメリカでアジア人差別が深刻化しているようだけれど、アジア人に殴りかかったところでコロナウイルスを退治できるわけではないのはたぶん10歳児くらいの知能をもっていれば理解できる。しかしアメリカは元々銃を肯定して自己防衛意識が高くて攻撃的な国民性なので、本能的に攻撃態勢をとって差別によって共同体から脅威を排斥しようとしているのだろう。日本の自粛警察も攻撃性の表れといえる。宇都宮市でコロナウイルスの症状が軽い感染者を収容しているホテルが放火されたけれど、犯人は感染者を社会の脅威とみなして攻撃しようとしたのかもしれない。
というわけで頭が悪い人(前頭葉の働きが弱くて本能的な衝動を抑えられず理性的に行動できない人)が、自分が何の目的で何をやっているのか自覚しないまま、自分や共同体を守ろうとして恐怖に対して本能的な攻撃衝動に従って行動して、それを正義と勘違いして正当化した結果として自粛警察の過激化につながっていると思う。
・政府の対応のまずさが自粛警察が出てくる原因
テレビ東京の「ガイアの夜明け」で「日本が今中国から学ぶこと」として中国のコロナウイルスの対応を特集していた。中国は政治の権力が強くて人権を無視していることもあって感染の疑いがある人を強制的に隔離して、市民も政府の政策と協調して電車のどの車両に乗ったとかの行動履歴を提出して、コロナウイルスから徹底的に逃避したので封じ込めに成功した。中国市民は最初はマスクを購入しようとしてドラッグストアに押し掛けたりして騒動が起きたものの、政府が逃避の方針をはっきり示して、それに従えば脅威が取り除かれて不安が解消されるのだと国民が理解したことで、コロナウイルスを収束させて経済活動を再開させることができた。日本のコロナウイルス対策の失敗は何をやるにしても中途半端なことである。発熱後4日間自宅待機ルールに医学的根拠が乏しくて方針を変えたり、給付金が30万から10万に変更されて給付が遅れたり、営業自粛要請の補償が乏しくて効果が薄かったり、不要不急の外出自粛要請に違反しても罰則がなくて効果が薄かったりする。補償がないがゆえに倒産しないために営業する店がでてきて、罰則がないがゆえに不要不急の外出をして遊びに行く人が出てきて、そこで感染が広がってだらだらと感染者が増えるので緊急事態宣言が延長されて、いつコロナウイルスが収束して経済活動を再開できるのか見通しがつかなくて経済的な不安が解消されないし、保健所や病院がPCR検査の基準に満たないといって検査を拒否するのでちゃんと治療を受けられないのではないかという生命の不安もあるし、日常の行動が制限されることによるストレスもたまる。その不安が攻撃衝動に転嫁されて、自粛していない攻撃対象に対して政府が要請した以上の自粛を求めて威嚇行為をするようになる。政治家がリーダーシップをとって迅速に適切な対策をしていてれば、市民の不安は軽減されていたはずだった。
・自粛警察はやめよう
未知のウイルスの危機に直面して現状に不安を感じるのは当然だけれど、他人への嫌がらせや器物破損は違法で社会の不安を助長するうえに、コロナウイルスの収束につながらない自己満足にすぎない。感染しているのに自宅待機せずに山梨県に旅行してバーベキューをして感染を広めたあげくに事情聴取に嘘をついた感染者に対してはネットで特定されて容姿などの中傷が起きていて、無責任に感染を広める行動への批判はよいけれど容姿や家族の中傷はよくない。飲食店の従業員にも生活があるし、補償をできるわけでもない他人が政府が要請した以上の自粛を求めて嫌がらせをするのは営業権を侵害していてよくない。民主主義の法治国家の国民だという自覚があるなら、法的権限がない警察ごっこで他人を不当に攻撃するのでなく、批判は政治家に向けて休業補償や三密違反の罰則強化などの対策を要求すればよい。国民の不安が解消されないのは政治が原因なので、不安を解消したかったら政治家を動かして合法的に問題を解決しないといけない。そのために我々は選挙で投票して税金で政治家に給料を払っているのである。
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