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2022.05.22
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今どきの若者はニュースを見ないそうで、自分とは関係ないニュースを見ても意味がないとか、政治に興味ないとか、SNSを見てニュースを見る時間がないとかが理由のようである。これはいかんと思うので、ニュースについて考えることにした。

●ニュースとは何か

ニュースとは珍しい出来事や新しい情報のことで、あらゆる分野でニュースがある。テレビやラジオのニュース番組や新聞はその日あった出来事を報道しているけれど、マスコミからの情報でなくて企業や個人が発信する情報でもニュースといえるし、例えば企業のプレスリリースもニュースの一種である。ニュースにする価値がある情報を英語でnewsworthyという。
良いニュースであるためには、取材して裏付けをとって正確に事実を伝えること、出来事が起きてからすぐに報道すること、日付や記者の名前が特定できることが必要である。

●ニュースを見ることのメリット

・最新情報を得る

ビジネスパーソンにとっては何かを知ったからといって得をするとは限らないけれど、何かを知らないことはすぐに損失につながる。農家や漁師や大工は天気次第でその日の作業内容が変わるので天気のニュースに敏感だし、税制や免許とかの法改正を知らなければ業務が違法になるかもしれないし、補助金とかの制度を使いそびれるかもしれないし、政策や日銀の方針を知らなければ輸出や輸入で為替差損が出るかもしれない。

・時代の感覚を得る

今何が起きているのかという情報がなければ、自分が今どんな時代に生きているのかという時代に対する共時的な感覚がなくなる。時代の感覚がなければ、2000年代はどんな時代だったとかのように通時的に過去を振り返ることもできなくなるし、グローバリズムの失敗からナショナリズムに移行しつつあるとかの大局的な時代の動きも見えなくなる。

・知識を得る

大前研一がポストセブンの記事で文系の知識はスマホですぐ検索できるから文系知識の価値は5円と言ったのはネットが正しいと信じている情報弱者みたいな発言で、検索したら出てくる知識が正しいか間違っているかを判断するのにも文系の知識がいる。それゆえに歴史や文化や宗教や政治とかの文系知識を持ったジャーナリストが現地を取材して情報を取捨選択することに価値があるし、その取捨選択の過程で何かしらのバイアスがかかるし、実績があるジャーナリストでないと取材相手の信用を得られないので、ソースによって信用度が違う。信用度が高い大手メディアのニュースはだいたい正確な知識を伝えているけれど、朝日新聞の慰安婦報道や日経新聞の財政破綻論煽りみたいにバイアスがかかった記事もあるので、複数のソースを比べることでより正確な知識を得やすくなる。

・判断材料を得る

企業の決算や統計とかのニュースは景気や政策の効果を判断する指標となる。どこかの川でボラが大量発生したとかの普通の人にとってはどうでもいいようなニュースでも、学者には温暖化や環境汚染の影響を調べたりするのに役立つ研究材料になるかもしれない。

・インスピレーションを得る

例えば田舎で従業員全員が高齢者のレストランがオープンしたとかの自分と関係なさそうなローカルニュースでも、どういう食材や料理があるかを知るだけでも創作のインスピレーションになったりするし、どういう立地でどういう客層で客単価はいくらでFLコスト比率はどれくらいだろうかとニュースでは伝えていないところを考えれば起業や商品開発のアイデアにつながるかもしれない。自分が直接体験できないことをニュースで偶然知るセレンディピティが新しい発見につながる。

・他人の失敗から学べる

日常生活だと他人の失敗を目の当たりにする機会はあまりないけれど、ニュースだと重症や死亡につながる重大な事故を報道しているので、他人の失敗を教訓にして、どうしたら事故を防げたのか、どうしたら救助できたのかを考えて、自分の失敗を防ぎやすくなる。
他人の事故を自分とは関係ないと思っている人がいるからこそ毎年バーベキューをして川で泳いで死亡する人や振り込め詐欺に騙される人とかが出てくるけれど、ニュースを見て気をつけていればこうした事故や事件は防げた。

・次に起こりうる事態を想定できる

進化とは必ずしも今あるものを高性能にすることではなくて、想定外の変化に適応して生き残ることで、事前に変化を想定して対応できるかどうかで生存率が変わってくる。ニュースは炭鉱のカナリアのようなもので、環境の変化をいち早く知らせてくれる。例えば危機察知能力が高い人はロシアがウクライナに侵攻する半年前にロシア軍が国境付近に集結して演習しているというニュースを見てロシアのウクライナ侵攻がありうると想定していた。道路が陥没したとか水道水が濁ったとか温泉や湧水が止まったとかは個々のニュースとしては些細なものだけれど、近々大きな地震や地滑りが起きるかもしれないと想定するのに役に立つ。

●時間の無駄の境目

・スポーツや趣味に関するニュース

野球、サッカー、相撲はたいていのニュース番組のスポーツコーナーでとりあげるけれど、興味がない人にとっては優先順位が低い情報なので時間の無駄になる。営業マンなら取引先との雑談に付き合うために相手の趣味に合わせた情報収集も役に立つかもしれない。

・芸能ニュース

芸能ニュースは巷で話題のアイドルの音楽を聴いたり流行を知ったりするぶんにはインスピレーションを得られるところもあるけれど、交際発覚や不倫や離婚とかのゴシップは文化的な価値がないので芸能人のファン以外には時間の無駄になる。

・動物ニュース

毎日重大事件が起きるわけでもないので、テレビ局は尺を埋めるためにTwitterでバズった動物の動画の紹介とかの重要でないニュースも流したりする。ストレス解消にはなるだろうけれど、新しくもないしたいして珍しくもないので、わざわざ見るほどのものでもない。

・情報バラエティ番組

情報バラエティ番組はニュースに対するコメンテーターの意見がメインで、厳密にいえばニュース番組ではない。コメンテーターが専門家なら詳しい解説とかがあって有意義だろうけれど、門外漢の芸能人がコメントをする番組はニュースに対して付加価値がないので時間の無駄になる。

●大人は時間を割いてでもニュースを見るべき

ニュースを見ない人や投票に行かない人は自分が社会の一員だという当事者意識が欠如している。SNSを見るのを優先してニュースを見ない若者は、現実世界の問題は自分が何もしなくても他人が何とかしてくれるというお客様気分が抜けていないんじゃないかと思う。新型コロナウイルスへの政府の対応とかのニュースを聴きそびれると仕事や人生に重大な影響を及ぼすし、今何が起きているのかを知らなければこれから自分はどうするべきかという方針も定まらないので、自分の仕事に関係する分野のニュースや国家全体に影響を及ぼす政策には高い感度を持って情報収集するべきである。仕事の後に国会や市町村議会の中継の録画を全部見る時間はなくても、何が審議されてどんな法律が可決されたのかという答弁のハイライト程度はニュースを見て確認しておくべきだろう。
就活の面接で時事問題のニュースについての質問はフィルターとして重要で、ビジネスでは他人の役にたつ商品やサービスを提供することで対価をもらっているので、自分のことだけを考えて他人や社会に興味がない人はビジネスに向いていない。これは象牙の塔にこもっている人も同様で、勉強熱心な医者でも病院の経営は下手で反社会的勢力につけ込まれて病院を乗っ取られたり、頭がいい裁判官が世事に疎くて常識外れの判決を出したりするように、社会を知らないと結局は自分の仕事にも悪影響を及ぼしうる。学生は就活のときだけ付け焼刃でニュースを見るのでなくて、普段から時事問題について関心をもって少しずつ政治経済の知識を増やすほうがよい。
私のお勧めはYouTubeで24時間ライブ配信している英語のニュースで、世界情勢を知ることができるうえに英語の勉強にもなって一石二鳥である。株のニュースはBloomberg、ヨーロッパのニュースはDWニュース、中東のニュースはアルジャジーラとか使い分けるとよい。シンガポールのCNAは日本の特集もしているので日本人にもとっつきやすいと思う。





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最終更新日  2022.05.22 06:22:19
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