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2022.08.29
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最近は給付金詐欺をした詐欺集団のマイニングエクスプレスの佐藤被告は「老後に2000万円をためなければいけないと聞いて、不安で金が欲しかった」と犯行動機を語ったそうな。捕まって仕事をなくして前科がついて生涯賃金が減る不安よりも老後の不安のほうが勝るとは妙な話である。​ 宗教について考える ​という記事や​ 日本の陰謀論について考える ​という記事でも考えたけれど、変な意見に騙される人は死とかの不安が背後にあると思う。というわけで不安について考えることにした。

●不安とは何か

不安は恐怖と心配の二種類に区別される。恐怖は具体的な刺激に対して反応して、特定の手掛かりによって生起して、合理的な脅威があって、始まりと終わりが明確で、覚醒状態が持続しないのに対して、心配はその逆である。例えば布団の中にムカデが入ってきたら、足にカサカサしたのが触れた刺激が恐怖の始まりとなってびっくりして飛び上がって、ムカデを退治したら恐怖が終わって覚醒状態が持続しない。その一方でまたムカデがでたらどうしようという心配は長時間持続する。恐怖は原因が具体的で短時間で終わるのである程度ストレスがかかるにしても対処可能なのに対して、心配は持続していつ終わるかわからないのが問題である。心配が制御困難になると社交不安症やパニック症などの精神疾患になるし、母親は子供を心配し過ぎて育児ノイローゼになったりする。
日本人の68.2%がセロトニントランスポーターSS型で、いわゆる不安遺伝子を持っている人が多いので、セロトニン量が少なくて不安を感じやすい。日本は地震や台風とかの天変地異が多いので、不安を感じにくい人が淘汰されて、不安を感じやすい人が災害を逃れて生き延びたのだろう。そう考えると不安を感じることは決して悪いことではないけれど、不安を理性で制御できないと不安ばかり感じてストレスになってしまうので、不安に向き合って対処する必要がある。

●不安をなくすためのステップ

・不安の原因を明確にする
芥川龍之介みたいに漠然とした不安を持っていたところで何が不安なのかわからないのでは対処しようがないので、まずは不安の原因になっているものをリストアップして明確にする必要がある。

・現在起きている危機か、近い将来起こりうる危機かどうかを分類する
不安の原因をリストアップしたら、次はその危険性に応じて優先順位をつけていく。現在起きている危機と、将来起こりうる危機は優先して対処する必要がある。例えば飲み会の帰りに夜中に治安の悪い繁華街を通らないといけないなら悪人に絡まれることは十分にありうるので、明るくて人が多いところを歩くとかの対策が必要である。現在起きていないし、近い将来起こりうる可能性がないけど後で起こるかもしれない危機については差し迫った問題でないので後回しでよい。例えばもし死んだら遺産相続や墓の管理をどうしようかという不安は余命宣告されていないなら後回しでよい。もし自宅に飛行機や隕石が落ちたらどうしようとかの現在起きていなくて将来もあまり起こりそうにない架空の危機は不安に思うだけ時間の無駄で暇人の杞憂なので、危険がないと判断したことについては考えるのをやめるべきである。

・何が起きるかを知る
現在起きている危機か、近い将来確実に起きる危機があるなら、その危機はもう避けられないので受け入れて、どう対処するかを考える必要がある。何が起きるかわからなくて自分が状況をコントロールできなくてなすがままになることが不安になるので、問題が起きた時に次に何が起きるか詳細を知ることで、具体的な対処方法もわかるようになって、自分で状況をコントロールして不安を軽減できるようになる。例えば何か体に異常があるなら、重病だったらどうしようと悶々と考えたところで無駄なので、病院に行って診療してもらってどういう手術をして薬にどういう副作用があって治療費がいくらかかるのかを知れば、いま治療のどの段階にいるのかとかいつごろ手術が終わるのかとかを自覚出来て、情報不足による漠然とした不安が減ることになる。

・自分で対処できる問題か、自分で対処できない問題かを分類する
自分で対処できる問題なら、あとは問題解決のために行動するだけなので、行動すれば不安は減る。自分で対処できない問題については他人や行政に頼って解決策を探すか、あるいは他人や行政でも対処できないものとして受け入れるしかない。
南海トラフ地震はそれほど遠くない未来に起こりうる危機だし、何が起きるかはある程度わかっている。耐震性の低い建物は崩れるし、地割れや土砂崩れが起きたり電柱が倒れたりして通れなくなる道もできるだろうし、地震が起きる時間帯によっては火事も起きるし、沿岸部では津波も起きるし、会社も潰れるだろうし、株価が下落して金融資産も失うことになるだろう。備蓄や保険の加入や耐震補強や避難経路の確認は自分で対処できるけれど、避難所の整備は自分では対処できないし自衛隊の救助がいつ来るのか、いつ自宅に戻ったり仮設住宅に移ったりできるのかは実際に地震が起きないことにはわからない。自分が対処できることを最大限やっておけば不安は軽減されるし、自分が対処できない問題は不安に思ってもどうしようもないので、そういうものとして受け入れるしかない。

・誰かに相談する
問題を他の人と共有することで、自分とは違う視点から客観的な解決策が出てくることがある。ひとりで対処法を考えるのと複数人で対処法を考えるのでは効率も違うので、問題の解決がはかどる。相談するにしても相手に主導権を取らせず、自分が状況をコントロールするのが大事である。
不安障害とかで臨床的な治療が必要なら心療内科に相談すればいい。芸能人とかの人気があって金がある人でも将来仕事がなくなるのが不安で心療内科に通院していたりするので、心療内科に行くのは恥ずかしいことではない。心療内科に行くほどでもないけれど不安な場合はなるべく信用できる人に相談するほうがよい。占い師やカルト団体に相談すると弱みに付け込まれて洗脳されることがあるし、しばしば芸能人や資産家とかの悩みが多い金持ちが洗脳されて金づるにされているので、特に金がある人は相談相手を厳選しないといけない。

・過去の成功体験を思い出す
受験や面接のように以前経験したことがある問題についての不安なら、過去にうまくいったことを思い出すと不安を軽減できる。あるいは初めて経験する場合でも事前に模試や模擬面接とかでシミュレーションをしてうまくいくプロセスを確認しておくと、やるべきことがわかっているので不安が軽減される。受験に落ちたらどうしようとかの結果についての不安は自分ではどうしようもないことなので考えてもしょうがない。

・他のことに没頭する
不安をずっと抱えているとストレスで脳のパフォーマンスが落ちるし、考え過ぎて寝れなくなったりして慢性的に疲労が蓄積していく。趣味に没頭していったん別のことに思考をそらすと、その間は不安を感じずに済んで頭を切り替えることができる。過食や飲酒やギャンブルや買い物などで不安をごまかそうとすると摂食障害やアルコール依存症やギャンブル依存症や買い物依存症とかの別の問題が起きるので、読書や楽器の練習や筋トレやヨガとかの金がかからなくてリラックスできて健康によいことをやるとよい。

●不安を煽る人や救済を喧伝する人に注意する

不安は生存本能による感情なので理性よりも強く働いて、不安になった人はしばしば判断を間違える。不安につけこんで詐欺をする人が後を絶たないので、不安と金銭を絡めた話をする人には注意するほうがよい。
振込詐欺は息子が会社の金を落としたとか事故に遭ったとかで現在危機が起きていかのように演技して不安を煽って判断力を失わせてすぐに金を振り込まないと間に合わないと急かして金を振り込ませるので、まずは本当に危機が起きているかどうかを確認すれば詐欺を防げる。
パソコンやスマホがウイルスに感染したとかの偽のメッセージを出してアプリをインストールさせようとするのもパソコンに疎い人の不安に付け込んだ詐欺である。
カルト団体や陰謀論者は家族が不幸になって死ぬとか核戦争が起きるとかの危機をでっち上げて不安を煽る一方で救済手段を与えて物を買わせたり相手を支配したりするマッチポンプが常套手段なので、そういうのに騙されないためにはそもそもそんな危機は起きないのだと科学的に正しい事実を理解する必要がある。子供が幽霊が怖くて夜に1人でトイレに行けないのは幽霊は存在しないという科学的な事実を理解していないからで、小学校の高学年くらいになると幽霊がいないと理解して夜にトイレに行けるようになる。それと同様に、カルトや陰謀論に対しても主張の根拠を検証すれば科学的に間違っていたり根拠がなかったりすることがわかる。一酸化二水素(DHMO)を危険な化学物質だと誤解する人がいるように、人間は抽象的な概念を誤解しやすいので、科学的な事実を確認するだけでなく認知のバイアスにも注意を払う必要もある。
スピリチュアルヒーリングやレイキや遠隔ヒーリングやホメオパシーなどの非科学的な治療法で病気が治ると主張して不安を取り除いて金儲けしている人たちもいる。本人は善意で人助けをやっているつもりなのだろうけれど、医師免許がない人が科学的な根拠がない治療行為をやっている時点で詐欺である。
投資詐欺は今投資しないとチャンスを逃すと機会損失の不安をあおって、借金させてでも金を振り込ませようとする。投資に時期が大事には違いないけれど、自分で投資せずに儲け話を他人に教えて投資させたがるのはたいていポンジスキームか出資法違反の詐欺である。
財務省の官僚は緊縮財政派の政治家は財政破綻すると不安を煽ってデフレ不況下にやる必要のない消費税増税やインボイス制度導入をしようとしていて、自分がデフレ不況を長引かせて大勢の失業者や自殺者を生み出している元凶になっている自覚がない悪人である。悪人が不安に弱い日本人をコントロールしようとして財政破綻論を言っているだけで実際は財政破綻はしないので、円が紙くずになってハイパーインフレになったらどうしようと不安に思う必要はない。侵略戦争をしたロシアは欧米から経済制裁されて政府の信用がなくなってルーブルが紙くずになるどころか、天然ガスをルーブル建てでしか売らないので天然ガスが欲しいヨーロッパはルーブルを買うしかなくてルーブル高になっているように、特定の通貨でしか買えない物やサービスがある限りその通貨を買って取引せざるをえないので、大災害で産業が破壊されるとかクーデターや内戦が起きて政府がなくなるとかのよほどのことがないかぎり通貨が大暴落してハイパーインフレになることはない。





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最終更新日  2022.08.29 17:05:40
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