寒かった数日の後に温かい月曜日がやってきました。
でも空は雲が出てきて南西の風が吹き始め雨がやってくるようです。
なんだか何にもする気の起きない月曜日、明日は冬至です。
北京の天壇ではその昔、冬至の日には皇帝が天に祈る大祭を天壇で執り行ったそうな..
不思議なパワーを感じる圜丘壇(かんきゅうだん)
皇穹宇(こうきゅうう)、そして祈年壇(きねんだん)...
夢の中のような不思議な気分で観光したのを覚えています。
今日はそんな天壇公園へ行ったことを書いてみます。
天壇公園
北京には皇帝が祈りをささげるために造られた場所がたくさんあると聞きました。
故宮を中心として東にある「日壇」西の「月壇」
南には「天壇」そして北の「土壇」が主だそうです。
その一つ「天壇」は古代中国の宇宙観に基づいた「南方北円」で造られ
広さは故宮博物館の4倍ほどで、いまは公園として一般に開放されています。
天壇は1420年に明の永楽帝が大祈殿を造ったのが始まりで
清の乾隆帝の頃に大整備が行われ現在に至っているとのことです。
南から北に徐々に高くなっている敷地の中の一直線上に三つの主な建造物があり、
天に近づいていく感覚で配置されています。
南門からまっすぐ北に延びる道をしばらく行くと「圜丘壇」につきました。
建物はなく漢白玉(玉石)で三層に造られた円形の祭壇で一番上は50mほどの直径です。
敷石、階段、欄干などはすべて陽の最高の数
9または9の倍数でできているというのには驚きました。
最上段の真ん中にに丸い石があって「天心円」と呼ばれています。
冬至の日に皇帝はこの祭壇の天心円の上に立ち、その年に起きたことを天に報告したそうです。
天壇には石と建造物の配置などで音が不思議に聞こえる所があります。
その一つがこの天心円です。
この上に立って唱えごとをすると天の声が聞こえてくるように感じるというのですが...
周囲の欄干に音声が反射してそう聞こえるのではないかと言われています。
少し行くと「皇穹宇」です。
中央の建物は祭祀の際に皇帝の祖先の位牌を安置するための建物でした。
建物に上がる階段の下には三つの敷石が縦に置かれていました。
これは「三音石」といい、一番目の石の上で手をたたくとこだまが一回聞こえ、
二番目では二回のこだまが、三番目ではこだまは三回になります。
「回音壁」という壁にぐるりと囲まれているので反響するのだそうですが
それにしても不思議でした。
皇穹宇を過ぎ「祈年殿」へ向かう「丹陛橋(たんへいきょう)」は上り坂になっていて
祈年殿に近づくにつれて天にのぼるような錯覚を生みだすように設計されているのだとか。
皇帝は皇穹宇での儀式のあとこの道を踏みしめ、
天にのぼる霊感を得ながら進んだのでしょうか。
記年殿は天壇で一番の高さのある木造建築で皇帝が五穀豊穣の祈りをささげたところだそうです。
1889年に落雷で焼失して1896年に再建されたが現在の祈年殿で
となりにある資料館でその建築の様子や歴史を知ることができました。
中央の三層の屋根を持った建物には釘が一本も使われていず
28本の柱で支えられていて、中央の4本は龍井柱と言われ春夏秋冬を表し
その周囲の12本は12ヶ月を、柱の間の24の空間は24節季を、
外の12本の柱は12時間を表しているのだそうです。
この建物自体が時間を形であらわしているのですね。
ここで皇帝は正月、夏至、冬至に五穀豊穣を願い天に祈りを捧げました。
上方が円形、基壇が四角く造られた構成は天と地を結ぶ造形であるとも聞きました。
祈年殿前で天からパワーをいただきました。
記年殿を後に帰りは七十二長廊を通って東門へと向かいます。
七十二長廊には小さな門をくぐって入りました。
5mの幅、350m(72間)の長さのある廊下は
昔は夜に祭祀の道具を運ぶために使用されていたようですが、入ってまあ、びっくり!
先ほどまでは観光客ばかりでしたのに地元の人がたくさんいます。
でもとても不思議でした。子どもがいないんです。
それになんで公園にきてわざわざそれをするの?とも思うことも思いました。
クロスステッチをしているおじさん、ビーズを編んでいるおばさん
手摺をまたいで将棋に熱中する人、トランプをする人、それをみてる人....

胡弓や古楽器の演奏で京劇のように歌う人
なんだかすごく不思議な回廊に紛れ込んだようで目を丸くしてしまいました。
みんなてんでんばらばら、あちらこちらでいろんなことやっています。
長廊が終わるところにある「七星石」の辺りではバドミントンに太極拳です。
ラジオ体操のように音楽に合わせて体操をしている中高年がいると思えば
中国風の音楽で社交ダンスを踊っているグループもいました。
とても厳かで宇宙との一体感が感じられ静かな圜丘壇あたりと比べると
年輩の市民の方たちがいっぱいでとても元気にそれぞれの楽しみに興じているのが新鮮でした。
後で知ったのですが退職すると「健康のため」に公園へ集まり好きなことをするのだそうです。
あっけにとられながら市民の憩いの苑をぬけ東天門へと向かいました。
ほんの20mほど来ただけなのに、この辺りに来ると
もう誰も遊んで(?)いないのもすごく不思議でした。
きっと場所が決められているのですね。
思ったより広く大きな天壇公園。
もっと時間を取ってゆっくりと「天壇の不思議現象」を探求したかったです。
太陽が生まれ変わる日、新しい生命の営みが始まる日
きっと天壇公園では明日の冬至の日に、皇帝のように天心石の上で
一年の出来事を天に報告する人がたくさんいることでしょう。
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