システムエンジニアの晴耕雨読

システムエンジニアの晴耕雨読

2011.04.24
XML
テーマ: お勧めの本(7415)
カテゴリ: 哲学・思想
西研・川村易「哲学のモノサシ」

日本放送出版協会

1996年刊



 古代ギリシアの哲学者たちは、万物の<おおもと>を考え、様々な答えを導いたが、

 かんじんの哲学は、その「答え」にはなく、彼らの抱いた「問いかけ」にあった。

 「世の中にはいろんな物があるけれど、それらはいったい何からできているんだろうか。
  神話や伝説はあれこれ語っているけれど、ほんとうのところはどうなんだろう」

 「ほんとうのところはどうなんだろう?」に、≪哲学≫のはじまりがある。




≪ ≪哲学≫という営みについて、ぼくは次のようなイメージをもっている。

 1.深く根本的問うて考えようとすること。

 2.じぶんのなかの風通しをよくすること。

 3.美しく真実なものへの意欲をもちつづけ・育むこと≫




≪「わたしが存在していることの理由」には、端的な答えはない。

 でも、「なぜその人はこう問うのか」は問える。≫

 つまり、より適切な問い方・考え方は存在する。

 哲学の歴史は、そういう問い方の変換に感心させられる。





≪物理的世界にはまったく「意味」というものがない。≫


≪科学はあくまで、世界を「人間」が説明しようとする仕方のひとつにすぎない!

 科学は、世界を説明しようとする人間の欲望と知性が生み出したものであり、
 人間が存在しなければ、科学は存在しないのだ。≫



≪「物理的世界こそ客観的真理だという考え方は、ひっくりかえっている」≫
 とフッサールはいう。

≪生きていること・経験していることが先である。
 科学や情報や説明はその後からくるのだ。≫



≪ ≪現象学≫は、「向こう側に存在するだろう唯一絶対の真理」をもとめることから、
 問いの方向を大きくじぶんのほうへと転換した。≫

 <なぜわたしにはこれが真実だと思えるのか?>と問う。




 じぶんのモノサシを持つことが大切である。

 でも、じぶんのモノサシをどうやってつくればよいか?


≪<蓼食う虫も好き好き>という言葉があるが、批評家というのはじぶんのなかの
 「虫」の認識育成に骨を折る人種のことだ>と小林秀雄がいっている。≫

 「じぶんのなかの「虫」の認識育成」をすることにつきる。



<目次>
哲学はどうやってはじまったのか
哲学するってどんなこと
哲学の特徴はどんなところ
考えても「無駄」なんじゃない
生きてる意味はどこにある
じぶんを問うこと・普遍的に問うこと
どこから・どうやって考えていけばいいのか
「科学」ってどういうもの
絶対にただしい知識なんてあるのかな
科学は世界を説明しつくせるか〔ほか〕

【送料無料】哲学のモノサシ

【送料無料】哲学のモノサシ
価格:1,529円(税込、送料別)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.04.24 20:29:38
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

コメント新着

モンゴル鎌倉サムライ@ Re:佐藤優「自壊する帝国」(08/09) ルパン三世のマモーの正体。それはプロテ…
toyopika@ Re:足立巻一「虹滅記」(06/18) 足立敬亭先生が逝去したことを知って悲し…
背番号のないエース0829 @ もし高校野球の女子マネージャー 『アルフィー「君が通り過ぎたあとに-Don…

お気に入りブログ

「錯視の表情」 New! lavien10さん

2024~25主力株概況3… New! みきまるファンドさん

後鳥羽上皇  さびし… New! くまんパパさん

自分が最高だと思い… New! よびりん2004さん

二輪車に関する私の… New! alex99さん

「130万円の壁」への… 山田真哉さん

算数について考える 三角猫さん

2年で2倍 MEANINGさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: