
最近近所を歩いていたところ、偶然レイン・ガーデンを見つけました。レインガーデンとは、雨水を効率的に集めることで水をやらずに管理できる植栽のことです。アイディアはとても単純でプランターを周辺部よりも低くすることで、周辺部に降り注いだ雨水を集めプランター内に流し込むことができます。
サスティナビリティ(持続可能性)の面からも評価されており、SUDS (Sustainable Urban Drainage) の一つでもあります。
SUDSとは地球温暖化により集中豪雨が増え、洪水のリスクが大きくなったことにより生まれた考え方です。従来の側溝 (Drainage) は路面に降り注いだ雨を集約し、短時間で川まで放出します。そのため雨が降るとその水が一気に川に集中し、洪水を引き起こします。
それに対し、SUDSは集約した雨水を一度土壌にしみ込ませます。降水量が多く土壌の許容量を超えた場合にのみ、地中に埋め込まれている排水管から水が排出されます。そのため、雨水が川まで到達する時間を大幅に遅らせることができます。

丁度この例では縁石の間隔を少し開けることで雨水をプランター内に誘引します。土にしみ込んだ雨水は時間をかけて少しづつ地中の排水管へと送られます。降雨量が少なければ植物に吸い上げられるか地表から蒸発していきます。自然のプロセスを生かした方法です。

もともと都市洪水は地表面がアスファルトなどの防水舗装を施されていることにより引き起こされます。そこでヨーロッパの都市では舗装面を減らすか、透過性のある舗装に変えることで洪水のリス クを下げる取り組みが行われています。土壌を透過した雨水は路面の汚染物質をろ過し、植栽は景観を向上させます。舗装面が減れば夏季の気温上昇を抑える効果も得られます。

レイン・ガーデンに植える植物は特殊な条件を満たす必要があります。それは雨が降っていない時期の乾燥に耐え、豪雨の時の湿潤な環境でも生き延びられる耐湿性を兼ね備えていることです。

また、湿度はレイン・ガーデン内の位置によっても大きく異なります。通常レイン・ガーデンは器のように中心部が低く周辺部が高い構造をしています。そのため中心に近くなる程水分が溜まりやすく周辺部ほど乾燥が強くなります。そのため植物の配置は周辺部が耐乾植物、中心部が耐湿植物というようになります。

あまり耳慣れないものかもしれませんが、こうした取り組みは都市環境向上のために有用なだけではなく家庭でも実践できるアイディアです。
今回の植物
ムーゼの森 ピクチャレスク・ガーデン 2018.11.26
フェントンハウス・ガーデン分析2 2018.08.19
フェントンハウス・ガーデン分析 2018.08.15