Calendar

Profile

鳴らないシンバル

鳴らないシンバル

Free Space

Pocky Man
2008.04.23
XML
前回、私のブログの水曜日は こんな内容 でした。今日は、その時ご紹介したCDを聴いた感想について書いてみたいと思います。

まずは初めに、↓こちらを聴いてみたのですが・・・ いや~、何と表現したらいいのでしょう・・・

・UCCG3696(オリジナル盤?)




第一楽章冒頭の、あのあまりにも有名な旋律。
そのメロディを俗っぽく口ずさむと、一般的には「ジャジャジャジャーン」となりますが・・・
正確には、「 ジャジャジャジャーン」ですよね。

その「 」がこれ程までに強調され、第一楽章全体を包んでいる“苦悩”の色が著しく濃い演奏を聴いたのは、今回が初めてでした。
曲のテンポはやや遅め。一音一音を大事に大事にじっくり聴かせるベルリン・フィル。
その演奏は、フルトヴェングラー自身が体験した、長く苦しい時代(ナチス・ドイツとの対立、戦後の「ナチ協力疑惑」など)を物語っている様にも私には聴こえました。

第二楽章、そして、第三楽章。テンポは相変わらずやや遅めですが、とても明快な曲の解釈。その重苦しさは、曲が進むにつれて少しずつ取れていき・・・
第三楽章最後の部分、第四楽章へ向けて曲は、最弱音から徐々にクレッシェンドし・・・

その頂点、第四楽章の冒頭で、ついに運命の扉は開かれた、曲はそんな開放感でいっぱいになります。それはまさに、約2年間の演奏禁止処分期間を経てやっと楽壇に復帰できた、そんなフルトヴェングラーの喜びに満ちている様です。
明るさに満ち溢れ、曲のテンポは一転してやや早め。フルトヴェングラーは独特の“スピード感”溢れるテンポでフィナーレへなだれ込み、最後は、ベルリン・フィルとともに一音一音捺していく様な確実さをもって、曲は幕を閉じました。

まさに、凄まじいまでに骨太の「運命」。これが、フルトヴェングラーの真骨頂なのでしょうか。
↑こんなありふれた言葉の表現では、フルトヴェングラーに怒られるかも知れませんね。しかし今回、本当に久しぶりに「運命」の名盤に巡り会えた、そんな気がしました。

↑のCDと同時に購入した、↓こちらのCD。収録曲に若干違いはありますが、「運命」の素晴らしさにかわりはありません。↑の音源のリマスターによって、若干音がソフトになっているかな? そんな印象を私は持ちました。
私個人としては、恐らくは“より生音に近い”と思われる↑オリジナル盤の方が好みです。

・POCG3788(リマスター盤?)




流麗で華麗な印象の「カラヤン」とはある面非常に対照的な、骨太で情熱的な印象の「フルトヴェングラー」。二人の「運命」を聴き比べるのも、とても興味深いと思います。
これらのCD、今後も大切に聴き続けてその良さ、深さを堪能したいと思っているところです。
(次回水曜日の記事更新は、5月7日です)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.04.23 23:36:33
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07
2024.06
2024.05
2024.04

Comments

鳴らないシンバル @ Re[1]:今年の父の日(06/21) HIRO-MICKEYさん >良いですねぇ~♪ >プ…
HIRO-MICKEY @ Re:今年の父の日(06/21) 良いですねぇ~♪ プレゼントしてくれた気…
鳴らないシンバル @ Re[1]:GW2日目(05/03) ミンティ♪さん >国立科学博物館かな?と…
ミンティ♪ @ Re:GW2日目(05/03) 国立科学博物館かな?と思い調べてみたら…

Favorite Blog

アメリカン・ソング… New! TanakaTomokoさん

生どら焼き New! HIRO-MICKEYさん

いっぽいっぽ ミンティ♪さん
ろー・ふぁーむ・か… pridegreenさん
La Vie・音楽… かのん111さん

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: