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鳴らないシンバル

鳴らないシンバル

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Pocky Man
2009.01.20
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テーマ: 吹奏楽(3437)
カテゴリ: 吹奏楽関連
これまた昨年の話で、恐縮です。

昨年の12月27日(土)、東京国際フォーラム(ホールA)へ、 「ブラスの祝典」 と題された演奏会を聴きにいってきました。

内容を簡単に説明しますと・・・

国内を代表するプロ吹奏楽団、「東京佼成ウインドオーケストラ」と「シエナ・ウインド・オーケストラ」、この2つの吹奏楽団のジョイントコンサートでした。
指揮は、両吹奏楽団でタクトを握られた実績をお持ちの、金聖響さんでした。


H20.12.27東京国際フォーラム1




(「東京佼成」演奏の部)
デイヴィッド・マスランカ:マザー・アース
ジョナサン・ニューマン:ムーン・バイ・ナイト
フランツ・リスト(編曲:田村文生):バッハの名による幻想曲とフーガ

(「シエナ」演奏の部:オール“ジョン・ウィリアムズ”プログラム)
オリンピック・ファンファーレとテーマ
ハリーの不思議な世界
スター・ウォーズより 「ダース・ベイダーのテーマ」、「フラッグ・パレード」、「メイン・タイトル」


(合同演奏の部)
坂本龍一:地中海のテーマ(バルセロナオリンピック開会式楽曲、吹奏楽版世界初演)
アルフレッド・リード:アルメニアン・ダンス パートI
オットリーノ・レスピーギ(編曲:鈴木英史):ローマの松

(アンコール)
J.P.スーザ:海を越える握手(だったと思います・・・)
オットリーノ・レスピーギ(編曲:鈴木英史):ローマの松より 「アッピア街道の松」



ステージはまず最初に、「東京佼成」の演奏で幕を開けました。

私にとっては、3曲とも初めて聴く曲。決してポピュラーな曲ではないと思うのですが、私の耳には、心地良く、すんなり入ってきました。

曲間のMCでも話題に上がっていましたが・・・

まさに「大人の演奏」と言うに相応しい、貫禄のステージだったと思います。
あれだけ整然と、かつ落ち着いたサウンドというのは、(誤解を恐れずに言えば)一昔前の東京佼成には無かったと、私は記憶しています。本当に、充実した演奏を聴かせてくれました。


次に、「シエナ」の演奏が始まりました。

こちらは、とてもポピュラーな“ジョン・ウィリアムズ作曲”作品がズラリ。サービス精神旺盛なシエナならではの、楽しいステージだったと思います。

シエナといえば・・・ 客席に「ガンガン」「ビュンビュン」飛んでくる、躍動感溢れるサウンドが特徴的ですよね。今回の指揮は金聖響さんという事で、多少“理性的”だったとは思うのですが・・・
それでも、“シエナらしさ”は健在でした。華やかで明るい演奏、堪能しました。


休憩を挟み・・・ 全く性格が異なるサウンドを持つ2つの吹奏楽団の“合同演奏”が始まりました。
総勢約100人。プロのブラスとしては、恐らく“最大級”の“大合奏”・・・


1曲目の「地中海のテーマ」が開会式で演奏されたバルセロナ五輪が開催されたのは、1992年。当時私は、開会式での演奏は聴き逃してしまったのですが、その後、オリジナル版を「題名のない音楽会(まだ、黛敏郎さんが司会をされていた頃)」で聴いた事があります。
“教授”らしいコード進行というか、“和音”の延ばしが印象的かつ華やかな曲なのですが・・・

今回の“吹奏楽版”、その和音の延ばしが、まさにパイプオルガンの様な“分厚さ”で非常に迫力がありました。選曲自体も、2つのプロ吹奏楽団の“初”合同演奏を飾るに相応しかったと思います。


2曲目は・・・ 改めて説明する必要はないですよね。
曲の冒頭、シンバルとともに金管楽器のファンファーレがホールに響き渡り・・・
私は、鳥肌が立ちました。

私自身、この曲に関しては、本当に色々な解釈の演奏をこれまでたくさん聴いてきましたが、この日のマエストロの解釈は、今まで私が聴いた事が無い解釈で、とても新鮮した。

「ためてためてためてぇ・・・ どっか~ん

という感じの演奏が最近多い中(そんな演奏も私は大好きなんですが)、今回のマエストロの解釈は、“音楽の流れ”に重点を置いた、とても爽やかな演奏だったと思います。
ひとつ間違えば淡白になり勝ちな、そんなマエストロのつくり出す音楽に、私は、(正直に申し上げますと)数年前までは一種の“物足りなさ”を感じていたんですが・・・
この日の“アルメニアン・ダンス”は、素晴らしかったと思います。
1曲目とは異なり、バンドの豊富なサウンドを“厚く”重ねるのではなく、“広く”大きく観せてくれた、そんな気がしました。


そんなマエストロの“音楽”の特徴が最大限に発揮されたのが・・・
プログラム最後の、「ローマの松」だったと思います。

その演奏は、間違いなく“吹奏楽編曲版”のハズなんですが・・・
演奏中、私は、オリジナルの“管弦楽版”を聴いている様な感覚に、何度も捉われました。
金管楽器のサウンドがシャープで華やかな事はもちろんなんですが・・・ 木管楽器の、深くて、広くて、豊かなサウンド。それは限りなく、弦楽器のそれに近かったと思います。

「東京佼成」と「シエナ」の合同演奏。それはまさに「1+1=2」ではなく、「5」にも「10」にも「20」にも豊かに膨れ上がっていた、そんな気がしました。

それはとりもなおさず、サウンドの性格は正反対ながら、「吹奏楽」という同じ向きで演奏している双方の楽団のプレーヤーの技量の高さ、そして・・・
マエストロの、両楽団を大きく包み込む様な、豊かな音楽性・・・

これらが実現させた、(少しオーバーに言えば)奇跡の演奏だったと思います。


今後、頻繁に、とはいかないでしょうが・・・
またこんな素敵なイベントが、実現して欲しいです。そして・・・

その時はまた、指揮台にはマエストロに立っていて欲しい、そんな事を思いながら家路についた、私だったのでした。


H20.12.27東京国際フォーラム2




<追伸>
今年の4月から、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任されるマエストロ。
どんな音楽を聴かせてくれるのか、楽しみですね






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Last updated  2009.01.20 22:07:01
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鳴らないシンバル @ Re[1]:今年の父の日(06/21) HIRO-MICKEYさん >良いですねぇ~♪ >プ…
HIRO-MICKEY @ Re:今年の父の日(06/21) 良いですねぇ~♪ プレゼントしてくれた気…
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