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鳴らないシンバル

鳴らないシンバル

Free Space

Pocky Man
2009.03.31
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テーマ: 吹奏楽(3437)
カテゴリ: 吹奏楽関連
(先週火曜日の“前編”の続きです)


三番目の演奏団体は、佐藤正人指揮 川越奏和奏友会吹奏楽団でした。
昨年の“響宴”でも、その柔らかいサウンドが魅力的だったこの団体、今年は、地元・川越の小学校と高校4校の合唱団、総勢約150名との“共演”でした。
演奏された曲は、菊池幸夫作曲「銀河鉄道の夜~吹奏楽、合唱、ナレーションによる音楽童話~」でした。

昨年も、「スーホの白い馬」というお話を題材にした曲がナレーション付で演奏されましたが、今回この曲のナレーションを担当されたのは、水野潤子さんというプロの方でした。

・・・申し訳ありません。私、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」、恥ずかしながら、読んだ事がないんです。なので、小説と音楽がどの様にマッチしていたのかは、お話できないんです・・・




でも、合唱が神秘的な宇宙というものをうまく演出し、ある種幻想的な“舞台”をつくり上げていた事は確かだと、私は思います。
バンドと合唱、そしてナレーションのコンビネーションもバッチリだったと思います。

これだけ大勢のメンバーが参加する演奏。想像を絶するほど練習が大変だったと思いますが・・・
ここまで素晴らしい舞台に仕上げられた事に対し、改めて拍手を送りたい気持ちです。

(この後、この団体によってもう1曲演奏されたのですが、その件は<追伸>にて)


四番目の演奏団体は、小澤俊朗指揮 神奈川大学吹奏楽部でした。
連続12回、毎年この“響宴”のホストバンドとして出演している(裏方もやっている)この団体。その独特のサウンドは今年も健在でしたが・・・ 『今年は多少、そのサウンドが“明るめ”かな?』と思ったのは、私だけでしょうか。
この団体が演奏した3曲中、私は、延原正生作曲「吹奏楽のための“賛歌”~悠久の時を超えて~」が最も印象に残りました。
今回の“響宴”で、恐らくこの曲が“難解さ”では一番だと、私は思います。

プログラム記載の、作曲者ご本人による曲目解説には、こんな事が書いてあります。

「明確な4拍子による主要主題と6/8拍子による中間主題を持ち・・・」

私の認識が正しければ、この曲の中間部あたり、その「4拍子」と「6/8拍子」が同時に出てくる箇所がありました。あるパートは「4拍子」で演奏し、またあるパートは「6/8拍子」で演奏し、指揮は“2拍3連”っぽく振っている・・・
私自身、“視覚”と“聴覚”がごっちゃになり、頭の中が混乱してしまいました。しかし・・・

そんな「カオスを経た後に、主題の再現が行われ(曲目解説より)」何事も無かったかの様に曲が閉じる様は、まさに圧巻でした。


最後の演奏団体は、熊崎博幸指揮 海上自衛隊東京音楽隊でした。
記憶に間違いがなければ、自衛隊音楽隊の演奏を生で聴くのは、私は今回が初めてでした。
最近は自衛隊の音楽隊も、著名な作曲家に作品を委嘱するなど、活発に活動している事はご存じの方も多いでしょう。
この団体が演奏した4曲中、私は、片岡俊治作曲「木曜日の行進曲」が最も印象に残りました。

いや~、まずは、今でもこんなマーチが作曲されている事が新鮮で、私は率直に驚きました。
コンクールの課題曲などでよく耳にする、いわゆる「コンサートマーチ」ではありません。

そんな呼び方があるのかどうか分かりませんが・・・
この曲は、言うなれば“J.P.スーザ型”のマーチでした。

第一主題があって、第二主題があって、第一主題に戻って、Trioに入って、D.C.で曲の頭に戻って、途中からコーダに飛んで、華々しいフィナーレを経て、おしまい。
という感じで(実際のパート譜がどうなっているのかは分かりませんが・・・)、純粋な「複合三部形式」とは少し違ったかも知れませんが、作曲者を知らないまま「この曲、スーザのマーチだよ」と言われたら、私は信じてしまったと思います。

そんな風に、音楽形式上はスーザの曲によく似ているのですが・・・
各楽器で奏でられる旋律、裏旋律、フレーズ等には『あっ、ここスーザの真似してるかも』と思わせる箇所が全く無く・・・ その点は、本当に“脱帽”でした。

公演時間が、普通の演奏会に比べてやや長い“響宴”。やや気持ちが弛みかけたタイミングでこの曲を聴き、気持ちが“ピンッ”と引き締まり、背筋が“シャンッ”と伸びた、そんな気がしました。



全体を通じて今回の“響宴”、演奏された曲は昨年と比べてとても秀作揃いで、かつ、曲調がバラエティに富んでいたと思います。聴いていて、私は昨年以上に楽しめました。

やはり、吹奏楽のサウンドって、いいですねぇ・・・

来年の第13回“響宴”にも、ぜひ足を運びたいと、今から思っている私でございます。



<追伸>
今回の“響宴”で、三番目に演奏した川越奏和奏友会吹奏楽団。
その“2曲目”は、清水大輔作曲「ロスト・ムーン~マン・オン・ザ・ムーン エピソード2」でした。
1960年代後半から米国で行われた、有人宇宙飛行計画「アポロ計画」中、宇宙船乗組員が宇宙からの“奇跡の生還”を果たした、“アポロ13号”の事件がモチーフになっています。

この曲は、“響宴”の第1回から事務局の仕事をボランティアで務められ、昨年10月31日に急逝された、富永啓之さん(享年37)に捧げられました。
富永さんは「播堂力也」というペンネームで、これらの本の執筆にも関わっておられたそうです。




謹んでご冥福をお祈り致します。








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Last updated  2009.03.31 05:24:22
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鳴らないシンバル @ Re[1]:今年の父の日(06/21) HIRO-MICKEYさん >良いですねぇ~♪ >プ…
HIRO-MICKEY @ Re:今年の父の日(06/21) 良いですねぇ~♪ プレゼントしてくれた気…
鳴らないシンバル @ Re[1]:GW2日目(05/03) ミンティ♪さん >国立科学博物館かな?と…
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