フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2005年07月24日
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あ~、コジョカル観られて良かった~。この日のチケット取っておいて良かった~、というのが16日の舞台を観終わった後とにもかくにも実感したことでした。
コジョカルは「シンデレラ」も降板しているし、「マノン」でも降板する可能性が捨てきれない状態でしたが、そのことは私にとってとりわけ問題になるものではありませんでした。コジョカルの特別なファンというわけでもなく、ただ「マノン」という演目自体が好きだからとにかく沢山のキャストで観たい、でもギエムは嫌(ギエム本人が嫌いというわけではなくて「マノン」としてのギエムが想像できなかったから)となるとコジョカルをはずすわけにはいかないなぁ、というごくごく単純な理由で彼女の日のチケットを購入したに過ぎなかったのです、正直な話。特別期待もなにもしていなかった、というのが本当のところでした。
しかし、コジョカルは嬉しいことにこちらの期待を遥かに超える、素晴らしい舞台を見せてくれたのです。テクニック的なことはもちろん(つい一週間前に怪我で舞台を降板したとはとても信じられない!)踊りもしなやかで流れるような身振り手振り、マクミラン作品を踊りこんでいるマクミラン・バレリーナとしての面目躍如たるものがありました。とても軽やかでそれでいてポワントでの超高速移動(物乞いの姿に驚いて後方にポワントで引き下がるところ)などテクニックにも強靭なものがあることを充分に伺い知ることができました。(と言っても彼女がかなりのテクニシャンであることは前回のバレエ・フェスで観ているのでわかってはいたつもりでしたが、やはり全幕で観るのは違いますね)くどいようですがコボーとのパートナーシップは素晴らしく、最初の出会いのパ・ド・ドゥ、続く寝室のパ・ド・ドゥでは流れるように美しいマクミラン特有のパ・ド・ドゥの美しさを堪能させていただきました。デ・グリュ―が手紙を出しに外出しようとする時には「ちょっと、忘れ物があるでしょ?」とでも言うように腕を腰に当てすねたような様子でデ・グリュ―にキスを迫るのが可愛らしかった。
コジョカルのマノンも当然富に惹かれてGMの愛人になることを選択するのだけれど、パーティー会場でデ・グリュ―と再会した時からあきらかに動揺を見せ始める。近くにデ・グリュ―がいることをものすごく意識していて、表面努めて冷静を装いながらもその動揺を隠し切れない、といった態。GMとお酒を飲み興じながらも心底から楽しめてはいない様子だった。もちろんGMには甘えたり楽しそうに寄り添ってはいるのだけれど。この場面ではコジョカルのマノンはGMの膝の上に座ることもしなかったと思う。バッセルは当然の如くGMのお膝に座りこんで、さらに脚まで投げ出してものすごくGMに甘えて楽しんでいた。デ・グリュ―と再会する(パーティー会場で)ところでは明らかにデ・グリュ―と認めながらも完全無視を決め込み、殆どその姿勢を崩すことはなかったと思うのだけれど、コジョカルのマノンはそれに比べると明らかに動揺している。多分GMの愛人になってから今日この時までデ・グリュ―のことなどすっかり忘れていたに違いないのだけれど、彼と再会して彼を愛していたということを初めて思い出した、彼と一緒にいた時はそういえば幸せだったわ、幸せだったけれどGMの愛人でいなければ贅沢三昧に遊び暮らしていくことは出来ないし今の暮らしを捨てたくはない、でも彼のことも気になる・・・というような「葛藤」がコジョカルのマノンの心中には確かに存在し
た、と私は感じたのですが。パーティー会場で女王の如く踊るマノン、そこにデ・グリュ―が進み寄る、と辛そうに顔をそむけて(手で顔を隠すようにしていたかもしれないのですが記憶が大分薄れていて自信なし)後ろに引き下がるマノン。こうまであらわにデ・グリュ―のことを気にするマノンというのは前日のバッセルとは大違い。バッセルのマノンもデ・グリューのことが全く気にならないわけではないけれど、でもそんなことよりも今現在享受している生活の方が遥かに楽しくて嬉しくて、自分にこんな良い生活をさせてくれるGMのこともそれはそれでけっこう好きだったりするんですね。だからGMには思いっきり甘えていちゃついている。一度だけデ・グリュ―の存在に心が揺れる瞬間があったけれど、お酒を一気に飲み干してもう一度この享楽の世界に戻っていった。でもコジョカルのマノンはデ・グリュ―の存在が気に懸かり、パーティーでも心から楽しめてはいない。デ・グリュ―と再会したことで彼への「愛」が心中に復活した、とまでは言えないかもしれないけれど、GMの愛人になることでえられる「富」と(もちろんこの「富」は絶対に失いたくはない)デ・グリュ―への「愛」、この二つの間で板ばさみになりどうしてよいのかわからずに苦しんでしまう・・・そんな印象を受けました。なんというか、コジョカルのマノンはある意味月並み、平凡な解釈かもしれないのですが、事実私もマノンとしてはつまらない、マノンにこんな「良心」はいらない、これじゃあふつ~の女だよ、と思わなくもないのですが、コジョカルが演じるとそれを素直に納得させてくれるんですね。これはやはり彼女の容姿、若さに拠るところが大きいんだろう、とは思うのですが、それでもパーティー会場でそれまで黙ってマノンを見つめていたデ・グリュ―の感情が爆発するところ、そこでデ・グリュ―が懇願するようにひざまずいてマノンを見つめマノンがそれを立ったままテーブルを後ろに見つめ返すシーン、ただ見つめ合うだけなのに、このシーンなど2人の言葉にならない言葉、叫びにならない叫びが聞こえてくるかのようで。白眉でした。やはりマノン、デ・グリュ―の間に「愛」があったからこそ、こんなシーンを観ることができたのだろう、と思いましたね。そう思うとコジョカルのマノンはこれはこれでよいのだ、という気に素直に認められる気になって。3幕なども2人の間に「愛」があったからこそ、あんなにも感動できたのだろうなぁ、と思えますし。





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最終更新日  2005年07月24日 20時02分11秒
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