フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2014年01月21日
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欧州選手権を驚異的なスコアで初制覇したリプニツカヤ選手。本当におめでとうございます!今季は初戦から見事な演技を披露されていましたので、欧州選手権優勝という知らせにも、あぁやっぱり、という感じでしたけど、それにしても得点には驚きました。FS139点・・う~ん、ここに来てこの得点。これは恐いなぁ・・昨夏、私は「覇者になるのは誰か?」と題した記事を書きましたけど、あの時点で想定していた覇者は、浅田真央、キムヨナ、コストナーの3人でした。この3人が金メダル候補で、後はワグナー、ゴールド、鈴木明子、これらの選手がどの程度状態を上げて来るか、どの程度金メダル争いに加わって来るのか、が大きな見どころだと思っていました。リプニツカヤの事は、正直全く想定していませんでした。昨季、シニアデビューした彼女の演技は、確かに高難度ジャンプやスピンの技術は圧倒的でしたけど、如何せん肝心の「滑り」が拙く、まだまだ子供だと思ったし表現面も同じく全くの「お子様演技」だった。前評判の割には大したことないと思ってしまい、彼女が大きな脅威となって真央ちゃんの前に立ちはだかる、などと言う事態は、昨夏の時点では、正直全く想定していなかった。

しかしリプニツカヤは、このシニアデビューのシーズンに、大きく学ぶところがあったのだろうと思う。ジュニアで圧倒的な成績を収め、自信を持って臨んだであろうシニアの舞台。しかしそこでは厳しい現実を突き付けられた。勿論彼女の演技は高く評価されはし、GPFへの切符も掴んだ。シニア一年目にして、凄い事だ。しかし彼女は(彼女の陣営は)このままでは「勝てない」という事に早くも気が付かれた。今のままでは勝てないと、勝つことは難しいという事に、昨シーズンの時点で気づいておられたのだと思う。ここが凄いと思うのだ。リプニツカヤは賢い。シニアの舞台でどうしたら評価されるのか、どうしたら「勝てる」選手になれるのか、という問題に、早くも答えを見出した。「滑り」の技術と、「表現力」を磨くこと。ジャッジの心を掴む選手になる事の意味の大きさ、に早くも気が付かれた。
今季初戦、スケートカナダでの彼女の演技を見て、私は本当に驚いた。昨季とは本当に、あらゆる意味で「別人」だったからだ。勿論彼女の高難度ジャンプや彼女にしか出来ないもの凄いスピンは健在で、それはそれで凄い事なのだが、何と言っても「滑り」が別人のように進化していた。恐らくもの凄い努力をされてきたのだろう、と推察する。まだまだ「超一流」の滑りではないけれど、「一流」には近づいておられた。少なくとも「子供の滑り」では全くなくなっていた。昨季は正直見ていてもつまらないだけだった彼女の演技は、土台となる「滑り」が見違えた事で、別人のように煌めき、生命が吹き込まれたかのような印象を受けた。相変わらず小柄で見た目は完全に子供なのだけど、とにかく「一変」したのだ、風景が。リプニツカヤは変わった、否、進化した。これ程鮮やかに、目に見える変化、じゃない「進化」を成し遂げた選手を私は知らない。今まで見たことがないと思った。真央ちゃんの場合は、ゆっくりと、時間をかけて、気が付いたら何だか凄い高みに上ってしまっておられた、という感じで、今季のリプニツカヤのような「進化」とはまた種類の異なる進化だと思うから。

「フィギュアスケート」のファンとしては、これ程嬉しい事もそうそうあるものではないと思った。これ程の才能に恵まれた選手が、「滑り」の技術を磨き、更に更に「表現」というものに対しても大きな拘りを持って、「参戦」して来る。これは本当に胸が高鳴る、大きな喜びだった。
「語りかけるような演技がしたい」と彼女は言ったという。そういう想いは、確実に見ている方にも伝わるものだ。小さな身体を一杯使って、彼女は観客に語りかける。仔細に見れば、そりゃあまだまだ「子供の演技」でしかないところもあるけれど、それはある意味当然だし、仕方がない。それよりも私は、彼女には表現しよう、語りかけようとする意志が確固として存在し、それを実行に移せるだけの力があることに驚嘆している。言うは易し、思うは易しだけど、実際に競技の場で、氷上でそれを実行に移せるというのは並みの選手には出来ないことだ。リプニツカヤは確かに「天才」なのかも知れない。秀才を兼ねた天才と言う印象を受ける。これは凄いし、恐ろし過ぎる存在だと思う。確かに、プログラムに恵まれたという大いなる利点もある。ワグナーの事を思うと、余計にその思いは強くなる。「愛は真心」「シンドラーのリスト」、どちらも素晴らしい。「シンドラーのリスト」は彼女の代名詞となりそうな位の嵌りプロだし、リンクにハート?を書くところから始まる「愛は真心」にも私は心を鷲掴みにされてしまう。見れば見る程、彼女が細かい所にまで本当に気を配って、心を砕いて演じているのが分かり、この若さでよくもまぁこれだけの演技が出来るものだと感心するばかりなのだ。独特の「雰囲気」を持っているのも強いね。美少女と言うよりも「美少年」という風情で、侵しがたい「品」がある。「小さな貴婦人」と言った印象を強く与える少女。こういう雰囲気を持った選手というのもちょっと珍しいと思うので、そういう意味でも私は好感を抱く。彼女はさて、このまま金メダルに向かって突き進むのだろうか。金メダルはともかく、表彰台に乗れる可能性は非常に高いでしょうね。ロシア選手は、ソチのリンクを使って五輪本番まで練習出来るという、他国の選手にはない、大きなホームアドバンテージがあるのだ。これは大きい。唯、警備上の問題等でどの程度自由に使えるのかは分からないけれど・・

あと、リプニツカヤにお願いしたいこと。仮に五輪金メダリストに成れたとしても、引退だけは、絶対にしないで欲しい。彼女の才能はまだ開花したばかり。これからどれだけ成熟して行かれるのか、どれだけ演技に深みが増して行くのかを、私はこの目で見届けたい。タラ・リピンスキーやサラ・ヒューズの三の舞?だけは勘弁して欲しい(リプニツカヤはジャンプに高さがなく、成長期を乗り切れるのか?という疑問もかなりあり、ソチ五輪はもしかしたら最初で最後の大舞台になりそうな気もするのだけど・・)。





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最終更新日  2014年01月22日 05時38分47秒
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