フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

フィギュアスケート時々バレエ~浅田真央とパトリック・チャン応援記

2014年05月22日
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浅田真央の休養表明。それ自体は、前から予想されていた事であるので何の驚きもない。これまで唯ひたすら全力疾走を続けて来た真央ちゃんには、本当に心行くまでゆっくりして欲しいと願っているのですが、唯一つ、気になることがある。勿論休養中の事にまでファンが一々口を差し挟む権利などない。それは十分分かっているし、本当に身勝手なファンの我儘以外の何物でもないと、自分でも重々承知しているのだけれど、それでも気になるので敢えて言わせて貰う。
真央ちゃんは、休養後の進退については全く不明だと言っている。気持ちは十分過ぎる位分かるし、それで当然だとは思う。ソチを目指して走り続けたこの4年間、それこそ血の滲むような苦労を重ねて来られた。ソチで集大成の演技が出来る事を信じて。それだけを信じて走り続けて来られたのだ。そして彼女はソチで、集大成の演技を演じきった。
やり切ったと、彼女が心から思える演技が出来たのだ。彼女がやり切った!と心底思える演技が出来たこと、これ以上の喜びは無いし、私は心から満足もしたものだ。もう真央ちゃんを、「自由に」してあげたい、「解放」してあげたい、そう心から思ったし、これからの人生、彼女の好きなように、望むがまま生きて行って欲しいと願っている。それは本当に真実の想いであり、偽りなどあろうはずもない。
けれど・・もしも彼女が、現役復帰に少しでも「可能性」を見出しているのであれば、勿論今の時点でそんなことは考えることも出来ない、先の事は分からないとしか言えない状態であるというその事は、重々承知ではあるのだけれど、もし彼女が競技に復帰すると言う可能性を完全に捨て切れていないのであれば、私は彼女に、氷上でのトレーニング、特にジャンプの練習~勿論軽度のものでよい~、を継続して頂きたいと思っている。そんなことは言わずもがなで、当然の如く彼女は氷上でのトレーニングを続けるのかも知れないけれど、もしそれをしないで完全に「休養」ということになってしまったなら、浅田真央はもう、競技者として試合の場に出てくることが不可能になってしまうのではないか?そう危惧するからだ。
浅田真央は「天才」ではない。勿論素晴らしい才能に恵まれてはいる人だけど、天才揃いのトップアスリートの世界においては、語弊があるかも知れないけれど私は彼女を「凡人」だと思っている。「凡人」の彼女がここまで長きに渡り、世界トップで闘い続けて来られた最大の理由は、ただひたすら、毎日の精進の積み重ねによる、そう思っている。浅田真央は正に「努力の人」以外の何物でもない。努力こそが、日々の修練こそが、浅田真央を世界トップレベルのスケーターにまで押し上げ、その地位を不動のものとさせていたのだ、と思っている。それは逆に言えば、日々の修練を重ねなくなったら、その時点で浅田真央は浅田真央ではなくなってしまう可能性が高いという事だ。ここで言う浅田真央とはあくまで世界トップレベルの選手としての浅田真央という意味であり、彼女がもうその地位からは解放されたい、一人の人間としての浅田真央、或いはプロスケーターとしての浅田真央という人生をあらたに選択するというのなら話は別で、それならそれで全く問題ないし、新しい「浅田真央」を、私は心から応援していきたいと思う。
けれど、競技者としての「浅田真央」に少しでも未練があるのなら、完全に休養するということからは少し距離を置いて、ゆっくり休みながらでも彼女のペースで十分なので、氷上でのトレーニングを続けて欲しいと思うのだ。
でなければ、「通用」しなくなる、とまで考えてしまうのは私が人一倍心配性だからだろうか。
けれど考えても見て欲しい。真央ちゃんは9月で24歳になる。普通に競技者レベルの精進を怠らない日々が続いたとしても、これから身体能力は確実に落ちる。落ちて行くばかりなのだ。高難度ジャンプは確実にどんどん跳べなくなる。普通の競技者レベルのストイックな生活を続けて行ったとしても、この件ばかりはどうしようもない。この年齢からはジャンプのレベルを上げるなんてどころではなく、現状をいかに「維持」出来るか、ジャンプの難度、質の低下を招くことは避けられない宿命なのだから、その低下の速度をいかにゆっくりとしたものに出来るか?が問題になって来ると思う。要は24歳になる真央ちゃんの身体能力はこれから落ちて行くばかりだという事、その「現実」を彼女がどこまで深刻に捉えているか、ファンの方もいつまでも選手は若くはないという、厳然たる、当たり前の事実にどこまで腹をくくって付き合っていくことが出来るか、そうしたことがこれからは問われてくるのだと思う。
繰り返すが浅田真央は「天才ジャンパー」ではない。安藤美姫や金妍児や羽生結弦のような天才ジャンパーとは全く異なるのだ。この人たちは、ある程度のブランクがあっても大丈夫だろうと思うし、実際大丈夫だった。けど浅田真央は違う。天才どころかむしろ不器用で、特にジャンプに関しては課題を残したままだ。ソチでは確かに素晴らしい演技を見せてくれた。しかしジャンプには課題が残されたままであったのは残念ながら事実であり、4年かけて一から矯正し直してもそれでもやはり彼女にとって、ジャンプは鬼門であったという事を明白に物語っている。と言うかそもそもまだ「修正」の途中ですよね?
そんな彼女がジャンプの練習を止めてしまったら・・これまでとほぼ同じ質、量の練習をしなくなればどうなるか?身体能力の低下と相まって、最悪の場合ジャンプが殆ど跳べなくなってしまう可能性だってゼロではない、と思う。流石にそれは言い過ぎだとしても、競技に復帰し世界と闘えるレベルのジャンプは維持出来なくなる可能性は高いと思う。それに彼女のジャンプは元々それ程評価されてはいない。「質」が決して「良くはない」からだ。回転不足の心配も常に付いて回る。佐藤コーチの元で彼女はそうした自らの欠点と真正面から向き合い、少しずつではあるが評価されるジャンプへと、ジャンプの質を向上させて来た。それは素人目にも明らかで、折角ここまで進化させて来たジャンプの質が、休養することにより元に戻ってしまわないか、非常に不安なのだ。彼女が「天才ジャンパー」ならこんな心配はしない。する必要もない。しかし彼女は天才ジャンパーどころかジャンプがむしろ「弱点」とも言える選手だ。確かに彼女は高難度ジャンプが跳べる。けれどただ「跳べる」だけでは不十分で、いかに「見事に」跳べるかが今のフィギュアスケートにおける評価基準となっているのだから私は彼女のジャンプを心配せずにはいられない。私は真央ちゃんには常に傍らに専門の方がいて、彼女のジャンプについては特に厳しく見て頂かないといけないと思っている。「自己流」で痛い目にあった過去が過去だけに、二度と同じ轍を踏んではならない。休養ということは、当然暫くは佐藤コーチともお別れするということだろう。あくまで「暫く」ではあるけれど、この「暫く」がどのように働くか、どのような結果をもたらすかが、非常に気がかりでならないのだ。
正直な所、これを良い機会として、高難度ジャンプに見切りを付け、低難度であっても加点の貰える華麗なジャンプを物にすることに情熱を注いでくれることにならないかな、と思っていたりもします。浅田真央のあの美しいスケーティングに質の良い華麗なジャンプが加われば、どんなに素晴らしい世界が見られることか、それを想像するとワクワクするのです。

勿論今述べたようなことはど素人の戯言であり、「リスク」に関しては真央ちゃん本人が一番良く理解しておられる筈です。その上での休養表明に反対など出来る訳がないし、私も彼女が休養してくれることを心から願ってもいる。
先の事を部外者がどれだけ気に病んでも仕方がないし、休養に伴って必然的に生じるリスクは真央ちゃん本人が負うべきものであり「自己責任」以外の何物でもない。このまま競技者人生を終える事を決意されるのだとしたらなんの問題にもならないし、それも彼女の人生、彼女の新しい人生の始まりを私は心から祝福したいと思っている。
真央ちゃんにはプロスケーターに成って欲しい、私はそう思っています。ショーなどでの彼女は実に生き生きしているし、心から「表現すること」を楽しんでいるように見えるから。彼女の「幸せ」を考えたなら、それがベストな選択であるようにも思うのですが、僭越過ぎますね、すみません・・





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最終更新日  2014年05月22日 10時19分10秒
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