羊の墓場

羊の墓場

2004.01.05
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随分前の話。半分親戚のような奴との会話。

「自分よりも30近く年上の人が愚痴ってて、それを聞いてた」
「何の愚痴だよ?」
「一個下の学年の奴の人間性のなってなさについて」
「それをそいつと同じくガキのあんたに?愚痴った人も大人げ無いな」
「うん。半分せせら笑いながら聞いてたんだ。言葉だけは同意して。周りに人いたから、少しうんざりした感じをギリギリで出して」
「後でその愚痴ってた人と同じように見られない為に?用心深い事だ」
「さっき思い返したんだ。あの時あたしは自分の行動が大人気無いとは思ってなかったんだよ。卒無く全部やり過ごしたと思ってたんだ」
「うん」
「だけど、あの時のあたしの頭の中は企み事してるガキと大差無いんだ」
「・・・そうか?」
「うん。」
「それ以外にどう出来た?」
「わからない」
「可笑しいだろ。“あの頃ガキだった”てのは成長した後に言う事だろ。つまり答えを見つけてからだ。」
「でも何か違うってのは判るんだよ」
「そんだけ分の成長?じゃあ訊くが、もしその時と全く同じ状況になったらどうするんだよ」
「…面と向かって言うのはスマートじゃない。あの子のフォローする義理も無い。…やっぱり同じ事するかなぁ。微笑んで聞いてる」
「変わんないだろ。何処がガキだなんて言えるのかよ」
「心の中で笑わない分だけマシだと思わない?」
「行動に出なけりゃ同じだね」
「そうかなぁ。私は笑わなきゃやってられなかったんだ。“どうしようもねぇ”って思ってたから。…笑わなくても大丈夫になったら成長だと思う」
「笑いは感情の緩衝剤かよ」
「かもね」
「…そのくらいは大人でも」
「目指す大人の理想は程遠いんでね」
「あんたが目指してるのは大人じゃなくて菩薩だよ」
「それも面白いね」

いつか、その“大人”ってのに会いたい。
緩衝剤が足りなくなって、感情が擦り減る前に。
誰かの背を見つめられたら。





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Last updated  2004.01.05 22:44:31
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