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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第24話「一世一代の決断」長秋(チョウシュウ)宮で五公主からいきなり罰を受けそうになった程少商(チォンシャオシャン)。すると駱済通(ルオジートン)が現れ、皇帝が程娘子を宴に呼んでいるため遅れてしまうととりなした。おかげで難を逃れた少商だったが、穏やかな皇帝や皇后を思うと五公主がなぜあれほど横暴なのか分からない。実は駱済通は長水校尉・駱住(ルオジュー)の娘で数年前から五公主の伴読だった。五公主は天下平定後に生まれた末娘のため兄姉ほど苦労を知らず、裕福に育ったせいでわがままなのだという。「宮中は掟に厳しい、貴人の噂話はこの辺で…家族にも災いが降りかかるわ」「ご教示ありがとうございます、でも幸い2度と宮中に来ることはありません」駱済通は少商を宴の席に案内して下がった。隣の席にはあの意地悪な王姈(ワンリン)が座っていたが、もはや少商にとって嫌味な王姈を負かすのは朝飯前。すると思いがけず犬猿の仲の五公主と三公主が舌戦になった。少商は手持ち無沙汰で隠し持っていた焼餅(シャオビン)を食べ始めたが、五公主に見つかり、焼瓶の盗み食いとは何事かと叱責されてしまう。これに乗じて王姈は出征した両親が娘を躾けず少商はただの野生児だと蔑み、初めての参内で宮中の掟など知らないと馬鹿にした。しかし少商は怯まず、開き直ってさらに焼瓶を頬張る。「これは瓶ではなく黍(キビ)ナンです、皇帝と皇后が倹約されているのにご存じないと? 確かに公主は驕(オゴ)り高ぶる尊い娘、毎日、宮中に閉じこもっていれば見識も狭くなりましょう(うっ)何だかお腹が痛くなって来た…失礼します」少商は公主をやり込め回廊へ出た。しかし後を追いかけて来た侍女が少商の履き物を取り上げ、放り投げてしまう。少商は相手にするまいと胸を張って堂々と取りに向かったが、侍女がさらに遠くへ投げた。すると前と後ろから現れた侍女がいきなり花瓶を放り投げ、少商の足元は割れた破片だらけになってしまう。その様子を公主たちが笑いながら見ていた。少商は破片を避けて行こうとしたが、突然、背後から侍女に蹴られてしまう。「あっ!」破片の上に顔から落ちていく少商、その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、危ないところで少商を抱き留めた。( ๑≧ꇴ≦)アルソック発動!凌不疑は少商を欄干に座らせ、自ら履き物を履かせた。思わぬ援軍の登場にざわつく公主たち、しかし偶然その様子を見ていた駱済通は心中おだやかでない。実は以前、皇后は駱済通を凌不疑に嫁がせたいと明かしたことがあった。凌不疑は悔しがる公主たちを尻目に少商を自分の横の席に座らせた。三皇子は皇太子のそばに若い娘を座らせるとは何事かと呆れたが、五皇子は愛らしい少商が気に入り、自分の妾にならないかという。「五殿下、ご心配なく、少商にはもう縁談話があります」「子晟(ズーション)偽るな、楼(ルオ)家とは破談になったであろう?」「そうです、つまり私が娶れるようになったのです」(´゚ω゚):;*.’:;.. ブハッ!<凌将軍、落ち着いて…少商は凌将軍の発言に思わず咳き込むと、ちょうどそこへ皇帝が両親や万(ワン)伯父たちを引き連れてやって来る。程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の姿を見つけて仰天、少商も目で父に助けを求めたが、話は意外な方向へ進んだ。凌不疑は席を立っていきなり御前で跪くと、皇帝に嘆願した。「陛下、陛下は私の親代わり、程四娘子へ縁談の申し込みを…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン@程家皇帝は意外にも早い展開に大喜びし、早速、程将軍に縁談を申し込んだ。言葉に詰まる程始、その時、蕭元漪が撤回を求めた。蕭元漪は夫と共に跪くと、若き英雄である凌将軍に娘は不釣り合いだと訴えた。「娘は幼少より躾に欠け、目も当てられません 私の帰還後も学問、練武、どれもだめで、女徳にかけ、口さがない 厳格にしたくとも目上の者に従おうとしません もし娘が他人なら、こんな嫁を程氏は決して迎えないでしょう 程氏の他の娘が陛下のご厚情を賜れば、我らは心から誇りに思います 陛下、少商は好戦的で容赦ありません もし凌将軍に嫁いだら大きな災いを起こし、程氏一家に累を及ぼすやも… 陛下、素晴らしい縁談でも少商にとっては身に余ります」程始はそもそも出征で娘の躾を疎かにした自分たちの責任だと少商をかばったが、蕭元漪は容赦無く娘を貶めた。「凌将軍は娘と出会って日も浅い、娘は聡明そうに見えて口八丁で軽率でもあります」傍観していた三皇子もさすがに驚きを隠せず、思わず口を挟んだ。「子晟に嫁がせまいとこれほど我が子を貶めるとは… 都中の女子が競って子晟に嫁ぎたがるが、程家だけが皇命に逆らってまで拒む 程夫人が悩み抜いたあげくか、子晟を恐れているからか」すると衆人の前で顔を潰された皇帝は憤慨、程始に罰を与えようとしたが、慌てて皇后と凌不疑が止めた。少商はこのままでは家族を巻き込んでしまうと焦った。「陛下、母の言うように私は問題児です、到底、従順な妻にはなれません 凌将軍、あなたは将来、私より何千倍も素敵な妻を娶れるはずです 私は強情で人の話に耳を貸さず、服従もしない、それでも妻にしたいと望みますか?」「もちろん、君にとって私がそんなに立派に見えていたとは…君とて同じ 私にとって程少商はこの都城で最も素晴らしい女子だ」不疑は少商が世間の理想の妻と違っても、自分にとっては誰より勝る女子だと訴えた。「君は純粋で果敢、感情を惜しみなく表し、唯一、自分と肩を並べて歩める女子だ この凌不疑、生涯、他の女子を娶ることはない」すると少商は一世一代の決断を下した。「臣女、厚かましくも凌将軍に応じます!」皇帝はすっかり機嫌を直し、これで誰も2人の縁談を反故にできないと釘を刺した。曲陵(キョクリョウ)侯府へ戻った少商、すると蕭元漪は勝手に縁談を承諾した娘への怒りがふつふつと沸き上がった。しかし少商は楼垚(ロウヤオ)との縁談を壊すため凌将軍を持ち出し、凌将軍が求婚すればまた不満なのかと呆れる。「不満なのは私が選んだ相手?それとも娘の私ですか?」蕭元漪は激高して机を叩いたが、程始が鎮めて代わりに説明した。実は凌不疑の実母・霍君華(フォジュンホワ)は霍翀(フォチョン)の妹として栄華を誇っていたが、哀れな末路を迎えていた。15年前、霍将軍は皇帝が危機の際、孤城で戾(レイ)帝の20万軍を足止めしたという。しかし城門が破られ霍家はほぼ全滅、霍夫人と凌不疑は行方不明になった。城陽(ジョウヨウ)侯は結局、寄宿中の母方の従妹・淳于(チュンユー)氏を後添えに迎えたが、成婚後1年も経たずに霍夫人が凌不疑を連れて戻って来たという。霍家の功績を思えば本来、離縁させるところだが、淳于氏が汝陽(ジョヨウ)王妃と昵懇(ジッコン)のためできなかった。蕭元漪は淳于氏という姑など心配の種の一つに過ぎないと言った。むしろ心配なのは凌不疑本人、楼垚と違って揺るがぬ意志を持ち、決めたことは貫くという。「あなたも強情なのに、頑固者同士で夫婦になれると思う?」確かに城陽侯府は虎穴なのだろう。しかし少商はあの時、他に選択肢などなかったと言った。「阿母は厄介な婿を拒みたいあまり、私を価値がないほどまでに貶めた でも私にも自尊心や誇りがあり、堂々と生きたい …阿母、縁談の相手が堂姉なら今日のように衆人の前で辱めましたか?」「ゥッ…姎姎(ヤンヤン)は心配する必要もない!」蕭元漪は自分でもやり過ぎだったと分かっていたが、娘に煽られやり返してしまう。そこで程始はこれも皇帝を説得するための苦肉の策だったと言い訳した。「いくら傷ついたからと言って意地になって応じるとは…」「意地じゃない、真剣に考えました」少商は例え誰に嫁ごうと母の心配が絶えないのなら、早く嫁いで憂いをなくしたいという。「嫁ぐ相手を間違えたら一生、不幸になるのよ?!」「皇命に背いて一門が没落するより私一人が不幸な方がましです …放置されたことを恨んだこともありました、でも分かったのです、私も孝行娘ではありません だからお互いに負い目はない、私を置き去りにして得た栄華を壊す必要はないわ それでは私が生まれたこと自体、滑稽に思えて来る…」少商の言葉を聞いた蕭元漪は何も言い返せなかった。「自分で決めた縁談に悔いはない、迷惑はかけません」「はお…はお!いいわ、凌不疑に嫁ぎたいなら希望を叶えましょう」つづく(´-ω-。` )おう…少商があまりに不憫で初めて挫折しそうになった…善見が出てこなかったのにwでも原作通り中身がタイムスリップ?した人だと思うと腑に落ちるわ
2023.09.02
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第23話「皇宮へ参上」療養中の凌不疑(リンブーイー)を見舞うため父と凌府を訪ねた程少商(チォンシャオシャン)。しかし広大な屋敷はいかつい黒甲衛(コクコウエイ)が警固し、殺伐とした正殿はさながら軍営のようだ。「女子の使用人もいない…」「君が女子では?」その時、ふいに凌不疑が現れ、程始(チォンシー)と少商は緊張のあまり身体を硬直させた。「…女子は君一人で十分だ」(°_°)ハイ?凌不疑は少商の来訪を喜んだが、程将軍を見ると不機嫌になった。少商は足が震えてどうにも落ち着かず、早々に引き上げようと父に目配せする。そこで程始はゆっくり静養するよう社交辞令でごまかし、娘を連れて逃げるように帰った。しかしあと少しで門というところで梁邱起(リャンチゥチー)に呼び止められてしまう。「これは女公子の落とし物ですか?半分が見つからぬため探して欲しいと…」少商は例の割れた玉佩だと気づき、仕方なく引き返した。すると父だけ黒甲衛に囲まれ、足止めされてしまう。「程将軍は怪力の持ち主で十人力だとか、教えを乞うても?」程始は自分が邪魔なのだと察し、家で用事があると断って娘を置き去りにした。(^ꇴ^)ノ″<嫋嫋(ニャオニャオ)~気をつけるんだぞ!(°_°).oO(そういう感じ?凌不疑は玉佩で少商を脅し、連れ戻した。「私が怖いのか?父親を連れて見舞いに来るとは…」少商は自分一人で来なかったことが不服なのだと気づき、うつむいてしまう。「古傷を痛めたのに見舞いも渋々か…」「…まだ痛みますか?」「武術に支障がないか聞かないのか?」「武術ができるかどうかは二の次でしょう?」凌不疑は驊(カ)県でも痛いかどうか聞いてくれたのは少商だけだったという。「君は特別だな」すると思いがけず皇太子が裕昌(ユーチャン)郡主たちを連れて見舞いにやって来た。少商はこの機に乗じて帰ろうとしたが、皇太子たちがすぐ正殿に到着し、逃げる機会を失ってしまう。袁慎(ユエンシェン)は皇太子をけしかけ、一緒に見舞いにやって来た。すると王姈(ワンリン)が皇太子に楼(ロウ)家と破談になった程四娘子だと紹介し、次の目当ては凌不疑かと毒づく。しかも自分の奴婢が程氏客桟のそばで少商と男が密会しているのを見たと辱めた。袁慎は自分のことだと思い出し、師匠の伝言を少商に託しただけで他意はないと釈明する。ただでさえ居心地が悪い中、王姈に侮辱され踏んだり蹴ったりの少商。「男女の卑猥なことしか頭にないから誰もが淫らだと思うのかしら? 袁公子とやましいことがあれば馬車にひかれて死ぬわ! 凌将軍、どうぞお大事に!失礼します!」袁慎も袁氏の栄誉に関わる流言だと憤慨、改めて説明を求めると言って帰ってしまう。不疑は少商との時間を邪魔され怒りが収まらず、王姈を節穴だと罵しり追い返した。その頃、凌府にちょうど三皇子と側近の小越(ユエ)侯が到着した。すると正門から皇太子が慌てて出て来る。「何かあったのですか?」「裕昌が子晟(ズーション)のことで傷ついてな…思い詰めるやもしれぬ」三皇子たちは皇太子を見送ったが、その間に医者らしき男が凌府へ入ったかと思うと正門が閉められてしまう。「若主公は休んだばかりのためお待ちを…」「ならば戻るとしよう、舅父が上等の薬を求めた、子晟に煎じてくれ」実はその医者は15年も行方知れずだった霍(フォ)家軍の伝令官だった。韓武(ハンウー)は凌不疑と面会、逃亡兵としてどんな罰でも受けると拝跪した。しかし逃げ回っていたわけではなく、同袍と接触すれば殺される危険があり、名を隠して市井に紛れていたという。「″凌 将 軍″…ご無事で何よりです」孤城が破られ霍家が全滅した時、韓武は救援を求め城外にいた。当時、孤城の兵器は劣悪な物にすり替えられ、抵抗するのも困難だったという。霍将軍は仕方なく伝令官を近くの越氏部曲と乾安(ケンアン)王の軍に派遣したが、結局、援軍は到着せず、孤城は陥落した。実はあの日、城外に瘴気(ショウキ)がこもり、越氏と乾安王が進軍不能となって3日遅れたという。確かに小越侯は一隊を率いて瘴気を探りに行くも全滅したと報告したが、韓武は後日、出動した戦馬が兵営にいたという目撃証言を得ていた。「瘴気に毒あらば、なぜ人は死に馬だけ無事だったのでしょうか?」妙なことはもう一つあった。瘴気が散ってから軍医たちが検視のため林に入ったが、なぜか軍医たちは全員、失踪したという。「私に軍医たちの捜索をお命じください」「許可しよう」少商と袁慎の噂は皇帝の耳にも届いていた。すると文(ウェン)帝は立ち話だけで噂になる袁公子に比べ、命を助けた子晟とはなぜ噂が立たないのかと苛立つ。( ゚ェ゚)<いやそこですか?@皇后「ようやく子晟の目に適う女子が現れたのだ、仲を取り持ちたい」そこで早速、程娘子に参内を命じ、接見することにした。翌朝、程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は少商を連れて参内することになった。凌不疑を見舞ったと思えばいきなり皇帝との謁見、蕭元漪は嫋嫋が何かやらかしたのではないかと気が気でない。そんな母の心配などどこ拭く風、少商は馬車に揺られながらこっそり持って来た焼餅(シャオビン)をつまんでいた。皇帝と皇后は正直で素直な少商を気に入った。蕭元漪は出征している十数年の間、娘の躾けが疎かになったと謝罪したが、皇后は学業が疎かになっていても賢いのかと感心する。「お褒めに感謝します、皇后ってなんて美しいのかしら…」少商は母と違ってありのままの自分を受け入れてくれる皇后を敬愛し、思わず口を滑らせた。慌てる蕭元漪だったが、皇帝はならば母と皇后ではどちらが綺麗かと聞く。「皇后!」「なかなか面白い子だ」皇帝は喜び、一家を家族の昼餉に招いた。そこへ万(ワン)将軍が参内して崇徳(スウトク)殿で待機していると知らせが来る。皇帝は程始たちも同行するよう命じ、少商は皇后の長秋(チョウシュウ)宮で休むことになった。長秋宮の偏殿、少商は普通の民家とは全く違う造りの宮殿に興味津々だった。書卓はどうやら楡(ニレ)の木で作られているらしい。「皇后は倹約しているのね…」その時、五公主がすごい剣幕で皇后の寝殿に入って行った。五公主は父皇が決めた縁談に不満があり、母を訪ねた。「父皇は越姮(ユエホン)とその子供しか眼中にない、朝廷内外でも越姮が真の皇后だと噂してるわ」「ふぁんすー(放肆)!」皇后は思わず声を荒らげ、人払いした。「誰が離間させるようあなたをそそのかしたの?」実は自由奔放な五公主は幕僚と称してお気に入りの郎君の出入りさせており、何かと噂が耳に入って来るという。皇后は縁談が決まった娘が郎君たちと往来することを叱責したが、五公主は縁談を断ると言い出した。「越姮の甥は三公主の宣(シュエン)氏駙馬にも劣ります、私には放蕩息子をあてがうなんて…」皇帝は娘を皇后の宣氏と越妃の越氏に嫁がせることで帝家の結束を強めたいと願っていた。三公主は母の寝宮を訪ね、五公主が慌てて長秋宮に駆け込んだと失笑した。自分が子晟を慕いながら父皇に命じられ泣く泣く嫁いだ以上、当然、五公主も断って良いはずがない。しかし宣氏駙馬は功績もあり清く正しい家門で人柄も立派、三公主にはもったいない相手だった。片や小越侯の息子は四六時中、花街に入り浸り、五公主でなくても嫁ぎたくないだろう。越妃は五公主に同情し、舅父の家で育った三公主が長秋宮への恨み言を吹聴されたせいで敵対するのだと分かっていた。「私の願いは静かで平穏な日々よ、騒ぎを起こさないで…でないと守ってやれないわ」五公主は凌不疑も身を固めていないと訴え、不公平だと言い出した。「実の子以上に寛容なんて…もしや凌不疑は父皇が外に作った子なのでは?!」皇后は娘の妄言に激高したが、わがままな五公主の暴言は止まらない。「霍翀(フォチョン)はたかが舅父ですよ?大勢死んでもそれは母方 自分の両親は生きているのに近づこうともせず、宮中に居座って私の両親を奪うなんて…」「お黙り!本当に罰を与えるわよ!」少商が偏殿の装飾品を見ていると、急に皇后の寝殿の門が開いて大きな声が聞こえた。<私は男子のごとく功績を立て、大事を成し遂げたいのです!婚姻を強要するなら死にます!<何ですって?!少商は何事かと様子を見てみたが、ちょうど激怒した皇后が五公主を置いてどこかへ行ってしまう。すると五公主が偏殿にいる少商に気づいた。「ちょっと!盗み聞きしたわね!…無礼者!」五公主は見知らぬ娘に罰を与えようとしたが、そこへ五公主の伴読が現れ、とりなした。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははははは~腹抱えて笑った!パパが好きだわ〜
2023.09.01
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第8話100年に一度しか現れない無量金雷に見舞われた雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)。三月は離殊を突き飛ばして逃したが、離殊はすぐさま戻って三月を抱きしめかばった。しかし危機一髪のところで天君・汝鈞(ジョキン)が仙令を放って2人を金雷から救ってくれる。2人は無事だったが、金雷が直撃した仙令は身代わりとなって砕けた。三月は天君が先帝の法宝を犠牲にして自分たちを守ったと知り、どう償えば良いのか分からなかった。しかし汝鈞は罰を受けるなら使うと決めた自分だという。「今日1人を見捨て、明日は千人、万人の命を見捨てれば、私は永遠に衆生を救えまい 仙令や神兵がなくとも、世を救う決意は揺るがぬ」こうして新たな悟りの境地を開いた汝鈞、すると急に仙令の破片が飛び散り、また新たな図を示した。汝鈞は玉露霊芝(ギョクロレイシ)が成熟したと確認、自ら摘み取って三月に託した。「紀雲禾(ジーユンファ)に届けよ、いずれまた会おう」汝鈞は三月たちを見送ると、しみじみこれが合虚(コウキョ)神君の言う″縁″なのだと感慨深かった。一方、雲禾は林昊青(リンコウセイ)と一緒に逃亡を決意、呪符を使って烙印の効果を消した。「長意(チャンイー)…私は行くわ」ちょうど同じ頃、林昊青に呼応した御霊師が敵陣に夜襲をかけ、長意たちを引き付けた。雲禾はその間に無妄窟(ブボウクツ)へ潜入、護衛を倒して林昊青と合流する。しかし思いがけず狐王・卿玄(ケイゲン)が狐族を率いて現れた。雲禾は狐王が目を覚ましたと知り驚いた。ともかく和睦のために逃して欲しいと懇願したが、狐王の目的は長意を惑わし娘を苦しめる雲禾を始末することだという。「林昊青と紀雲禾を殺せ!」その頃、長意と空明(コウメイ)は高台から戦況を見ていた。しかし御霊師は進んでは戻り、挑発しているように見える。「陽動作戦か?…しかし目的は?」すると洛錦桑(ルオジンサン)が現れた。「大変よ、雲禾が林昊青と脱走して狐王に見つかったわ」「狐王?」雲禾はこのままでは術の効果が切れ、長意に気づかれると焦った。そこで隠魂針(インコンシン)を招喚、自分たちを解放するよう脅す。狐王は雲禾が妹の霊力を奪ったと誤解し、思わず襲いかかった。驚いた雲禾は咄嗟に師兄をかばって盾になったが、その時、卿舒(ケイショ)からもらった霊力が反応、狐王は激しく吹き飛ばされてしまう。狐王は九尾狐の霊力が雲禾を守ったことに驚きを隠せなかった。実は霊力はおのずと主を守る。林昊青はこれで卿舒自ら雲禾に霊力を与えたことが証明されたと言ったが、激情に駆られた卿瑤(ケイヨウ)は2人を殺せと命じた。林昊青は咄嗟に結界を開いて別の洞窟へ移動した。そこで偶然、谷主を心配して探しに来た思語(シギョ)と合流するが、すぐ追っ手に囲まれてしまう。すると知らせを聞いた長意が現れた。「これが目的だったのか…全ては逃げるための手段だったとは…結界を緩めるべきではなかった」雲禾の計画は失敗、結局、衰弱した身体で再び湖心(コシン)島に監禁され、林昊青と思語は牢に閉じ込められてしまう。狐王は卿瑤の与えた霊力で一瞬、息を吹き返しただけだった。すでに霊丹が砕けて死んだも同然だったことから、空明はもうもたないと宣告する。奇鋒(キホウ)はこれも全て長意が紀雲禾を連れて来たせいだと八つ当たりしたが、長意はそもそもなぜ狐王の蘇生を隠していたのかと怪しんだ。「その間、雲禾を監視し、牢へ行くのを見届け、牢破りの罪で殺すつもりだったのか?!」その時、狐王がふいに意識を取り戻し、紀雲禾の殺害を謀ったのは自分だと明かした。狐王は霊丹が砕けた長意を救ったのは自分ではなく娘だったと明かした。あの時、卿瑤は人像(ヒトガタ)を失う覚悟で自分の霊力の半分を長意に与えたという。しかし卿瑤は恩を売ることを嫌がり、これまで父が助けたことにして隠していた。狐王は娘の恩に報いて欲しいと哀願し、長意に卿瑤と北淵を託して死んでしまう。林昊青と思語の牢に長意がやって来た。長意は全て林昊青の仕業だろうと激怒、頑なに雲禾は渡さないと拒む。すると林昊青は雲禾が計画を明かそうとしないのは長意を他人だと思っている証しだと指摘した。「雲禾との縁は尽きたのだ、手放せ、お前では守れぬ」「紀雲禾は私が守る!」林昊青は長意が出ていくと早速、瞿暁星(クギョウセイ)に伝令符を放った。狐王の死で北淵と万花谷は一触即発、何とか衝突を避けなければならない。一方、大殿に集まった狐族は狐王の復讐を果たすべく、紀雲禾を殺して開戦しようと声を上げていた。知らせを聞いた長意は騒ぎを鎮めるため凄まじい法力を放って狐族を圧倒、紀雲禾に手を出すことは許さないという。そして恩返しとして卿瑤に自分の半生分の霊力を一方的に返した。「その霊力があればこの戦いで命を落とすことはない、北淵は私が責任を持って守る これで狐王との約束は果たした、その代わり誰も私から雲禾を奪うことはできぬ!」↓スタイリストさん、もうちょっと何とかならなかったのか朱凌(シュリョウ)は瞿暁星が林昊青の命令に従って勝手に動いていることに激怒した。「逆らえば皆、寒霜(カンソウ)で死ぬことになるぞ?」「寒霜とは何だ?」その声は長老の東濂(トウレン)と木沢(ボクタク)だった。2人は谷主が捕らわれたと聞いて駆けつけたが、そこで思いがけず朱凌の口から″寒霜″という流言を聞く。しかし朱凌は説明するのも面倒だと言い放ち、瞿暁星に北淵を攻めろと命じた。木沢は谷主の命にしか従わないと猛反発、すると激怒した朱凌は木沢の寒霜を発動させてしまう。「素直に従うんだな、私に逆らえばどうなると?」瞿暁星は解毒薬を渡すよう頼んだが朱凌は無視、木沢は見せしめとして死んでしまう。卿瑤は長意の仕打ちに動揺したが、空明は長意を追い詰めたのは卿瑤だと指摘した。北淵の敵は本来、仙師府であり、万花谷でも紀雲禾でもない。しかし卿瑤は長意が林昊青と結託して父を殺した雲禾をなぜ守るのかどうしても納得できなかった。「…世に矛盾は多く、人の心は複雑だ、時には目で見るより心で悟るべきなのでは? 狐王はもういない、今後どう歩むべきかは自分でよく考えて決めるしかない」雲禾は昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会した。すでに反発は心脈に迫り、余命はわずかだという。寧悉語はこれが万花谷と北淵の運命であり、雲禾には何もできないと言った。雲禾が目を覚ますと洛洛がいた。聞けば万花谷軍は朱凌が率いてすでに布陣しているという。卿瑤も敵討ちを叫び、今にも戦いが始まりそうだった。長意は雲禾を復讐から守るため恩返しという名目で半生分の霊力を卿瑤に渡したという。これまで運命に翻弄されて来た人生、雲禾は仙師が自分を手駒として使うつもりなら、徹底的に抵抗すると決意した。「洛洛、長意に会いたいと伝えてくれる?命が尽きる前に会いたいの…」洛洛は尊主の居所に駆けつけたが、長意は会わないと突っぱねた。「長意、前はあんなに素直だったのに、どうして心を隠すの?」「心を隠す?…隠しているのは誰だ?!」すると激高した長意は方術で洛洛を外に放り出してしまう。…雲禾、私は最初から間違っていたのか?…( ゚ェ゚)知らんがな長意に追い出された洛洛は回廊でばったり空明と出くわした。そこで願いを聞いてくれるならもう2度と煩わせないと誓う。「雲禾を逃して欲しいの」洛洛の涙を見た空明は情にほだされ、思わず同意してしまう。長意は雲禾に会う勇気がなかったが、外から雲苑を眺めていた。すると青(セイ)姫が現れる。「雲禾を自分のそばに置くことで満足できると思っていた しかし身体も心も弱り、生気のない姿を見ると考え違いをしていたのかと思う」「愛に正解も誤りもない、でも失って後悔するのは耐え難い苦痛になるわ」青姫は雲禾と長意には自分と違う結末を迎えて欲しいと期待したが、その時、万花谷軍の戦鼓が聞こえて来た。「前輩、行かなくては…この戦が終わったら紀雲禾を解き放ちます その時は2人であなたと酒を酌み交わしたい」雲禾は阿鳴(アメイ)に書簡を託し、全て終わったら渡して欲しいと頼んだ。そこへ突然、空明がやって来る。阿鳴は預かった書簡を持って帰ると、空明は洛錦桑に頼まれて来たと教えた。「北淵と万花谷が戦えば共倒れとなる、仙師と順徳(ジュントク)の思う壺だ それを阻止するため、君に手を貸そう」「昔のよう戦える方法はある?あるのでしょう?」確かに残った霊力を奮起させる丹薬があった。しかし体内の生気を全て失い、最後は激しい痛みの中で死ぬことになる。「自害と同じだぞ?」「護法としてそんな死に方も悪くないわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)師兄、ペース配分!結界を開いたならせめて林まで逃げて欲しかったわwww
2023.08.31
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第7話長意(チョウイ)は万花谷(バンカコク)軍から紀雲禾(ジーユンファ)の引き渡しを求められるも拒否した。そこで林昊青(リンコウセイ)をよく理解する雲禾が布陣を読み解き、3陣営を長意・空明(コウメイ)・青(セイ)姫がそれぞれ攻めてはどうかと提案する。空明は賛成したが、長意はもしや雲禾が自分に鮫珠を返すための口実ではないかと疑った。「そんな風に考えないで、総帥には強い霊力が必要でしょう?」「…はお、ならば必ず1時(トキ)で戻ってくる」「え?!それじゃまた口移しするの?!私も手伝うわ!」空明は洛錦桑(ルオジンサン)の思わぬ言葉に驚き、慌てて連れ出した。一方、敵陣から戻った思語(シギョ)は林昊青に北淵(ホクエン)との交渉が決裂したと報告した。紀雲禾が監禁されている湖心(コシン)島の警備は厳重、その上、紀雲禾の耳には鮫人の烙印がついていたという。「危機を感知する烙印だとすれば連れ去るのは困難かと…」「ならばこちらから出向くまでだ」林昊青も雲禾が攻めてくるであろう3経路を特定し、わざと囚われの身となって凌霜台(リョウソウダイ)に潜入すると決めた。明朝、空明と洛洛が出発、長意も雲禾から鮫珠を取り戻した。雲禾は笑顔で長意を見送ったが、激しい反噬(ハンゼイ)に耐えられず血を吐いてしまう。実はこれも昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会して当時の真相を聞くためだった。寧悉語は雲禾が自分と会うために鮫珠を取り出してわざと衰弱したと気づいた。『死の瀬戸際よ?』『ですから急いで話をお聞かせください…真相を確かめてから協力するか結論を出します』すると寧悉語は寧清との出会いから話し始めた。…あれは寧若初(ネイジャクショ)を連れて遊歴していた時のこと寧悉語と若初は人間界の竹林で偶然、ある少年を見かけた若初は自分たちに気づいて逃げ出した少年を悪霊だと誤解して追い詰めたが、寧悉語が止める実は寧悉語は少年に内なる霊力があると気づき、御霊師の末裔だと見抜いたなぜ人間界に落ちたのか分からなかったが、少年は両親も家もないという『私と一緒に来る?』寧悉語は少年を連れて万花谷へ戻り、″寧清″と名づけて直弟子としたしかし明るく活発な若初とは違い、孤独で卑屈に育った寧清は繊細で剣術に不向きだと分かるそこで寧悉語は寧清に剣術ではなく陣法を教え込み、2人の直弟子はそれぞれの個性を伸ばしながら成長したそしてやがてあの寧若初と青姫の騒動が起こる寧悉語は2人をかばったせいで指導が甘いせいだと非難を浴び、谷主失格だと断じられたこの機に乗じ、谷主の座を狙っていた林氏一派が皆を焚きつけ寧悉語を糾弾結局、寧悉語は修為を廃され、万花谷を追放されてしまう林氏は寧悉語を万花谷の汚点として痕跡を抹消し、やがてその名も忘れさられていった寧悉語は寧若初を苦しませないよう何も知らせなかったその後、自分を慕ってついて来た寧清と共に人間界を渡り歩き、かつて寧清が住んでいた人間界の家に逗留した時、風景や人々の暮らしなどを紀行文として書き残したという…雲禾は仙師が自分に読ませた紀行文が寧悉語のものだと知った。実は愛読していた広物書も寧悉語が万花谷で記したものだという。それにしても弟子になって情義に厚くなった寧清がなぜ暴虐な仙師になってしまったのだろうか。…寧悉語と寧清は人間界で御霊を行っていたすると寧清は次第に情け容赦なく、残忍な手段を取るようになったというこれも師匠が万花谷へ復帰できるよう、手柄を焦っていたせいだったそんな寧清を戒めようと思っていた矢先のこと寧悉語は林で凶暴な獣の悪霊に取り囲まれてしまう万花谷に助けを求めたが、救援が来ないまま深傷を負い、寧悉語は命を落とした寧清が師匠を発見した時にはすでに手遅れだった師匠を抱きしめ絶叫する寧清しかし身体が朽ちても寧悉語の元神は完全に消えることなく、広物集に一条の元神が残ったという寧清は寧悉語の死を受け入れられず、師匠を苦しめた者たちへの恨みを日に日に募らせた師匠を陥れた林氏、悪霊を放逐した万花谷、そして全ての発端となった寧若初と青羽鸞鳥(セイウランチョウ)の駆け落ち『誰一人、許すものか!この手であやつらを全員、葬ってやる!』寧清は万花谷に師匠の訃報を伝え、三日三晩の嘆願で帰還を許された思えばこの時から寧清は道を外れたのだろう寧清は寧若初を呼び出し、安住の地を得られると持ちかけて青姫を十方陣に封印させ、その後、寧若初を殺した…寧悉語は今や寧清に対抗し得るのは青姫だけだと訴えた。その時、不意に風が吹いて寧悉語は長意たちが勝利したと気づく。『そろそろ戻った方がいいわ』すると雲禾は寧悉語の瞳を通して戦況を見た。どうやら青姫と洛洛がいきなり本営に乗り込み、御霊師ではなく林昊青を捕縛したらしい。雲禾はこれも師兄の作戦だと見破った。それにしても寧悉語は青姫ではなく、なぜ自分に助けを求めたのだろうか。寧悉語は自分が天地の法則に逆らう存在であり、ここは五行の内ではないと教えた。『双脈という天地の法則に逆らったあなただけがここへ来ることができたの』『辛く苦しい運命だと諦めていたのに、こんな邂逅(カイコウ)が残されていたなんて… 少しだけ報われます』雲禾は協力を約束したが、その時、体内に鮫珠が戻って急に引き戻されてしまう。↓さすがにもうお腹いっぱいw長意は雲禾に口づけして鮫珠を戻した。約束通り1刻で戻るところは長意らしい。長意は気恥ずかしくて目が泳いだが、その時、ものすごい剣幕で空明が入って来た。「のんきだな!鮫人さえ無事に戻ればいいのk…(はっ)」空明は我ながら興奮して言葉が過ぎたと気づいた。聞けば洛洛が青姫と一緒に林昊青の陣へ行ったきり戻らず、心配らしい。そこへ洛洛が嬉しそうにやって来た。「雲禾!林昊青を捕まえて無妄窟(ブボウクツ)に閉じ込めたわ!」すると空明になぜ危険な真似をしたのかと激しく責められてしまう。雲禾と長意は空明が洛洛を心配するあまり怒っていると分かったが、当の本人は全く気づかない。「私が大手柄を立てたからひがんでいるの?」「…救い難いやつだ!」雲禾は林昊青と面会したいと頼んだ。長意は認めたが、その代わり1刻だけだと釘を指す。「過ぎたら踏み込むぞ」「分かったわ」しかし雲禾は約束の時間より早く戻って来た。「交渉はまとまらなかったの、状況は複雑ね、条件を話し合わなくては… 明日もう一度、ここへ来て話をするわ」「いや一度きりだ、あとは空明に任せる」その頃、林昊青は空気孔から伝令符を放った。…今夜、陽動作戦を決行せよ、騒ぎに乗じて紀雲禾を連れ出す…密かに伝令符を受け取った思語、そこへ焦った瞿暁星(クギョウセイ)が駆けつけた。「このままでは朱凌(シュリョウ)に軍を乗っ取られる、谷主を救出しよう!」思語は仕方なく伝令符を見せ、実は全て谷主の計画だと明かす。雲禾を解放すると知った瞿暁星は喜んで準備に向かったが、思語はまだ半信半疑だった。…谷主、本当に紀雲禾を手放せるのですか?…雲苑に戻った雲禾は笑顔だった。すると長意は嫉妬し、思わず林昊青と会えて嬉しいのかと聞いてしまう。「北淵へ侵攻しないと林昊青が約束したら大きな懸念が消えると思っただけ… どうしたの?妬いているの?」「…だとしたら?弁解すらしないのか?」雲禾は気まずくなって休むことにしたが、急に長意が腕をつかんで引き留めた。「誰とでも楽しそうに話をするのに、なぜ私にだけは胸の内を明かさぬ?!」「長意、あれほどはっきり告げたのにまた蒸し返すの?」その時、偶然、洛洛がやって来たが、2人の争う様子に驚いて中に入れなかった。「信じないと言ったら?崖で言ったことは本心じゃないと言ってくれたらすぐ信じるのに… 今までの言葉に1つも真実はなかったと言うのか? 言い訳ならいくらでも聞く!だから話してくれ…何とか言ってくれよ!」しかし雲禾は黙ったままだった。↓るおるおは見た!長意は何も言ってくれない雲禾に深く失望し、雲苑をあとにした。洛洛は慌てて雲禾のもとへ駆けつけ、長意は雲禾を信じているとかばう。「どうして話してあげないの? …誰かを愛したら心が躍るものだと思ってた、でも2人はいつも苦しそう」すると雲禾は愛にも色々な形があると教えた。「私はもう長くない、長意に悲しみを引きずらせたくないの…あなたもいつか分かる」「苦しいだけなら愛なんていらない」雲禾は空明のことをどう思うか聞いたが、洛洛にはまだ男女の情など分からなかった。「私が手柄を立てたのに頭ごなしに怒鳴るなんて何なの?! まあいいわ、それより薬を持って来る!」雲禾は長意のことを思うと胸が張り裂けんばかりだった。…長意、私にとってあなたは暗闇を照らす光、悲しみを渡る舟、だから巻き込みたくないの…林昊青があっさり捕縛されたのは自分に会いに来るためだと分かっていた。実は北淵を守る唯一の方法は自分を順徳(ジュントク)に差し出し、釈明するしかないという。『はお、師兄と共に行くわ』『いいのか?順徳の要求はお前の死なんだぞ』『私は先が短い、囚われたまま逝くより、皆の役に立てるなら幸せよ 私の亡骸で師兄の前途が開けたら本望だわ』すると林昊青は今夜、陽動作戦で雲禾を連れ出すと伝え、ある呪符を授けた。『時が来たらこの術を使え、鮫人の烙印を1時だけ封じられる』雲禾は結局、また長意を欺くことになると思うとやりきれなくなった。「これであなたは永遠に私を許してくれないわね…」狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は一向に反省する様子がない従兄・奇鋒(キホウ)に手を焼いていた。するとついに狐王が目を覚ましたと報告が来る。父との再会を喜ぶ卿瑤、しかし奇鋒は舅王が眠っている間に長意のせいで北淵を失いそうになったと吹き込んだ。経緯を聞いた狐王は長意を警戒、自分が目覚めた事を公表せず、林昊青と紀雲禾に怪しい動きがあれば誅すると決める。卿瑤は父が誤解していると気づき、長意と将来を誓い合った仲だと話したのは秘術を使うための嘘だったと明かした。しかし長意を救うため娘が多大な犠牲を払ったと知っている狐王は、北淵の尊主である長意が私心のまま行動すべきではないという。一方、岱輿(タイヨ)ではついに玉露霊芝(ギョクロレイシ)のかさの周囲が金色に変わった。これは成熟した証しだが、玉露霊芝は霊性が強く、身を守るための見せかけの成熟もあるという。雪三月(セツサンゲツ)はどちらか見極めるため霊芝に接近、その時、離殊(リシュ)が駆けつけた。「成熟したと思って来てみたんだが…」岱輿に突然、暗雲が垂れ込めた。驚いた天君・汝鈞(ジョキン)たちが外へ出ると、100年に一度の無量金雷が見える。「なぜ急に?(はっ!)雪統領のいる場所が危ない!」つづく( ゚Д゚)うわっ!急に腕をつかむからびっくりした~!←ぼ〜っと見てるのバレバレw
2023.08.30
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第6話岱輿(タイヨ)で玉露霊芝(ギョクロレイシ)の成熟をじっと待ち続ける雪三月(セツサンゲツ)。そこへ心配した飛廉(ヒレン)神君がやって来た。神君は三月が万花谷(バンカコク)を離れたと知り、天君に仕えてはどうかと誘う。そんな2人の様子を離殊(リシュ)の従者・大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)が盗み見ていた。「何かあってからではまずい、まとめて始末するか?」すると離殊が現れた。「何を企んでいる?私を騙せると思ったか?」大歓と小歓は仕方なくこれも世子のためだと訴える。「崇吾(シュウゴ)山にだって″業障(ゴウショウ)″に劣らない美女はいますよ!」2人は三月の恨みが消えれば世子は晴れて自由になり、山へ帰れると誤解していた。しかしその話を三月に聞かれてしまう。( ತ _ತ)<誰が業障じゃ!三月は離殊に釈明の機会も与えず、万花谷の雷符を放った。「今後、3丈(ジョウ)以内に近寄らないで」すると三月は霊芝の崖に戻ってしまう。離殊は再び三月を怒らせてしまったと動揺したが、飛廉神君は三月が霊芝に何か起こった場合、離殊を巻き込まないよう遠ざけたのだと分かった。万花谷との戦が迫る北淵(ホクエン)。狐族少主・卿瑶(ケイヨウ)は尊主のために作らせた鎖帷子(カタビラ)を差し入れたが、長意(チャンイー)はすでに見事な鎖帷子を持っていた。しかし長意は紀雲禾(ジーユンファ)からの贈り物だとは言えず、偶然、手に入れたとごまかす。その頃、無理を押して鎖帷子を作った雲禾は衰弱が激しくなり、横になるとそのまま昏睡した。雲禾は夢の中で自害を邪魔した謎の神仙と再会を果たした。『力を貸して欲しい、全てを見せるわ…』すると神仙は雲禾の腕を握り、楽游山(ラクユウザン)で談笑する青(セイ)姫、寧若初(ネイジャクショ)、寧清(ネイセイ)の姿を見せた。しかし寧清は兄弟子を万花谷へ呼び出し、十陣法で青姫を封印させた後、寧若初を殺したという。雲禾は思わぬ事実に困惑したが、急に苦しみ始めた。卿瑤は長意と軍務について話し合った。すると突然、話の途中で長意が血相を変えて飛び出してしまう。一方、謎の神仙は雲禾が極度に衰弱した時だけ会えると明かした。『夢が長引くとあなたの元神が滅びてしまうわ…』そこで雲禾は神仙に正体を聞いた。実はその神仙こそ仙師府の密室で見た姿絵の女子、雲禾はその神仙が寧若初と寧清の師匠・寧悉語(ネイシツギョ)だと知る。『青姫に伝えて、寧若初を殺したのは寧清、寧清を阻止しろと…』長意は洛錦桑(ルオジンサン)や羅策(ラサク)と一緒に外で空明(コウメイ)の治療が終わるのを待った。やがて長意は烙印の反応で雲禾が目覚めたと気づき、急いで部屋に戻る。卿瑤も長意の様子を心配して湖心島(コシントウ)に駆けつけたが、令牌を取り上げられた手前、雲苑には入らなかった。雲禾の意識が戻った。しかしいよいよ霊力の反発が心臓を圧迫し、死にかけているという。もはや一刻の猶予もないと気づいた長意は雲禾を引き寄せ、口移しで自分の霊力を鮫珠に送った。空明は戦が迫る大事な時に霊力を雲禾のために使った長意に憤り、出て行ってしまう。困惑した雲禾は鮫珠を返そうとしたが、やはり自分では取り出すことができなかった。「長意と2人で話をさせて…」雲禾は人払して長意と2人だけになった。「あなたは東海へ帰るべきだった、恨みに執着などせずに…」「執着しているのは最初から恨みではない」「…じゃあ何?」←気づかないw「当ててみろ」←どうしても言いたくないw「…長意、私の命が残り少ないのは自分の責任よ、無駄に霊力を使う必要はないの 鮫尾(コウビ)を断たれ、鮫珠も失い、どうやって北淵を守るの?」「鮫尾や鮫珠など最初から当てにしていない」すると長意は出て行ってしまう。卿瑤は雲禾が長意の鮫珠を持っていると知り、父が眠る洞窟で独り悲しみに暮れた。「とうに気づいていたのに自分を騙し続けた…でももう無理です 長意は紀雲禾が憎いと言いつつ、心の中では誰よりも大切に思っています もう彼を止められない、私はどうすればいいの?」その時、かすかに父の指が動いた。「父上、早く目を覚まして…長意を諭せるのは父上だけです」雲禾は長意の霊力のお陰で回復したように見えた。洛洛は喜んだが、青姫は一時的に元気になっても助かるわけではないという。長意も分かっていながら頑なになるばかり、しかし青姫は自分も長意のようにもう一度、錯乱してみたいものだと懐かしんだ。「でももうあの人はいない…」すると雲禾は夢のことを思い出し、寧若初と寧清は兄弟弟子だったと聞いたが、確執があったのか尋ねた。しかし青姫の話では2人とも師匠の元で家族同然に育ち、確執はなかったはずだという。実は2人の師匠である寧悉語は万花谷で唯一の女谷主だった。「前輩、まだ寧師祖を恨んでいますか?」「…恨んだわ、でも時と共に思いも薄れた、月日が経てば笑い話になるものよ」雲禾はせっかく過去を手放した青姫に真実かどうかも分からない夢の話など伝えるべきではないと断念した。空明は雲禾のために北淵を顧ない長意に腹を立てていた。しかし長意は初めから万花谷に和睦を持ちかける計画だったと明かす。もし万花谷が今回の遠征に不満があれば″緩み″があるはずだ。今の自分たちに仙師と順徳を倒す力量はないが、御霊師の長である万花谷と手を組めば勝算が見込めるという。「説得するために攻撃せずに待つ」空明は長意が尊主としての役割を忘れたことがないと分かり安堵したが、恨みであれ情であれ、執着は大局を見誤らせると警告した。「君だって洛錦桑が好きだろう?」「いっ、いきなり何を言い出すんだ?!」長意は動揺する空明に失笑しながら、公私ならわきまえていると自信を見せた。万花谷軍は北淵の森へ侵攻した。しかしそのまま全軍が敵の陣に入り、辺境の森で足止めされてしまう。仙姫に自薦して督軍となった朱凌(シュリョウ)は林昊青の失態を責め、兵符を渡せと迫った。その時、北部の部隊だけが攻撃して来たと報告が来る。林昊青は北淵の内紛だと気づいた。「北の峠から突破する」長意は阿鳴(アメイ)から雲禾が一睡もしていないと聞いて雲苑に駆けつけた。すると雲禾は万花谷との交渉に自分が行きたいと頼む。林昊青とは敵対していたとは言え一緒に育った師兄であり、今となっては最後の身内でもあった。「身内?…そんなに親密だったか?北淵から連れ出してくれると期待しているのか?」「そんな…」その時、空明が洛洛と一緒にやって来た。「大変だ、林昊青が陣を破って森から出た」実は北を守っていた奇鋒(キホウ)が卿瑤の話を聞かず、勝手に攻撃を仕掛けて反撃されてしまったという。「形勢は不利だ」しかし思いがけず林昊青の使者として思語(シギョ)がやって来る。雲禾と会わせてくれるなら交渉に応じるというのだ。実は林昊青の仙侍・思語は生きていた。長意は思語を雲苑に呼んで雲禾と会わせたが、交渉の条件として紀雲禾を引き渡して欲しいという。しかし長意は断固拒否した。「紀雲禾は絶対に渡さない、空明とて同じ、北淵で保護する者は誰1人として渡さない」雲禾は長意の姿に驚いた。…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、以前とまるで違う…交渉は決裂、空明と洛洛は思語を見送りに出た。「長意…」「言いたいことは分かっている、保護などされたくないと言いたいのだろう」「私が言いたいのはそうじゃない、堂々として立派だったと言いたかったの」すると雲禾は長意に協力すると言った。「一緒に戦いましょう」つづく( ゚ェ゚)またしても口づけするためだけの1話でしたっ
2023.08.29
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第5話旧友と再会し、久しぶりに笑顔が戻った紀雲禾(ジーユンファ)。長意(チャンイー)は少しでも雲禾が元気になればと思い直し、友人たちの出入りを認めることにした。しかし雲苑(ウンエン)の警固を任されている羅策(ラサク)は尊主が一体、紀雲禾をどうしたいのか分からず混乱してしまう。一方、洛錦桑(ルオジンサン)は青(セイ)姫でも雲禾を治せないと知り、深く失望した。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)が空明(コウメイ)より役立たずなんて(ボソッ」離殊(リシュ)は暴言を吐いた洛洛を叱り、青姫のこと本当は方法があるはずだと言った。すると青姫は岱輿(タイヨ)にある玉露霊芝(ギョクロレイシ)が手に入れば少しは命を長らえられるかもしれないという。「たとえ1日でもいいわ、ありがとう前輩!」雪三月(セツサンゲツ)は離殊に家を守るよう頼み、飛び出して行った。寧清(ネイセイ)は今日も激しい痛みを伴う塗り薬を持って仙姫府にやって来た。すると順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は治療を受ける代わりに褒美が欲しいという。「師父と同じ強い法術が欲しいのです」「お前が望むなら何でも与えよう」「では全ての御霊師を自由に使っても?」「もちろんだ」洛洛が嬉しそうに雲苑にやって来た。こうして自由に雲禾に会えるのも長意の誤解が解けたからだと思ったが、雲禾は違うという。「どうして本当のことを話さないの?」「私を恨んでいてもこんなに優しいのよ?真相を知ったらどうなるか…」雲禾は北淵の尊主となった長意はもはや自分だけの大尾巴魚(ダーウェイバーユー)ではないと言った。「でももう大丈夫、私たちが何とかするから!」「ふふ…洛洛、こうしてあなたに会えるって素敵ね」一方、離殊は三月が気になって上の空、得意料理さえ失敗してしまう。すると呆れた青姫は家なら自分が守ると安心させ、三月を探しに行くよう背中を押した。洛洛は三月が戻るまでひとまず空明をおだてて雲禾の治療をさせることにした。そこで居所に汁物を差し入れ、忙しい空明のため手伝いたいと申し出る。「薬を煎じるくらいはできるわ!」「そんな簡単な仕事じゃない、一瞬も目を離せないんだぞ?」「分かった!一瞬たりとも離さない!」すると洛洛は土瓶をじっと見つめ、瞬きもしなかった。空明は主に忠実な仙侍だと感心したが、洛洛は雲禾から″衆生に貴賤はない″と教えられたという。「私たちは主従じゃなく一番の友であり仲間なの、親友に尽くすのは当然でしょう? あなたにもいる?親友や兄弟分が…あ、長意は数えないでいいから」「…過去にはいた」「えー?死んだの?!マジか…でも私がいるわ!元気出して!」ね!>(๑•̀ㅂ•́)و✧ ( ̄▽ ̄;)<おおう…林昊青(リンコウセイ)は仙師の絵姿を利用して仙姫をあおったが、そのせいで次の解毒薬は遅れると連絡が来た。「こうなればあえて危険を犯さねば…」そこで再び仙姫を訪ね、今度は北淵を平定すべきだとけしかける。「私が仙姫の代わりに北淵を征伐します!」「認めるわ、その代わり紀雲禾を殺して!」すると汝菱は言葉に詰まった林昊青を法術で吹き飛ばし、顔を足で踏みつけた。「私につくなら誠意を見せるのね…」万花谷ではここ数日、御霊師が謎の病で相次いで死亡していた。北淵から流れてきた噂では″寒霜(カンソウ)″という病が原因らしい。万花谷に不安が広まる中、鹿台(ロクタイ)山からようやく戻ってきた谷主が北淵を攻めると言い出した。長老たちは反対したが、林昊青は相談ではなく軍令だと一喝、反感を買ってしまう。実は長老たちも自分たちが寒霜で操られているという事実を知らずにいた。寧清は林昊青を刺激するため、解毒薬を遅らせ、寒霜の噂を流した。思惑通り焦った林昊青は北淵の討伐を決めたという。霊力はこれで殺伐の気を得られると喜んだが、近頃、寧清はどこか上の空だった。一方、万花谷から宣戦布告を受けた北淵も一致団結していた。長意は自ら前線に立ち戦うと宣言、仙友たちも尊主と一緒に北淵を守ると誓う。そこで長意は雲禾の耳に入らないよう軍務は大殿で話し合うと決めた。しかし青姫と一緒に見舞いに来た洛洛が早速、雲禾に報告してしまう。すると雲禾は林昊青の行動を訝しんだ。「変ね…林昊青なら順徳と北淵の争いをあえて傍観し、漁夫の利を狙うはずよ?」「まあどっちにしても青姫がいれば私たちは無敵よ!」「ちょっと…1瓶の酒と1杯の甘酒で看病に果し合い、雑談まで付き合わされるの?」青姫は調子が良すぎると呆れたが、洛洛はあの酒なら命懸けで造ったと訴える。「あの日、空明と修練して何とか生き延びてね、お陰で美人になったの! あの時、光が差して、空明をこうやって押し倒して…」(  ̄꒳ ̄)<離殊にその能力があれば苦労しないのにねえ~@青( ̄ェ ̄;)<修練って…押し倒したってそういうことなの?@雲洛洛は雲禾のため空明の居所に足しげく通っていた。すると洛洛は美人になるためまた一緒に″修練″したいという。「修練したいのは美人になるためなのか?」「うん」空明は落胆し、仕方なく準備しておいた洛洛への贈り物だけ渡して追い返した。「わあ~良い香り!」珊瑚の粉をもらった洛洛は雲禾以外の人から初めて何かをもらったと喜び、空明の頬に口づけしてしまう。「本にあったお礼の仕方よ!間違ってる?」洛洛は呆然とする空明など気にする様子もなく、嬉しそうに帰って行った。長意は自ら雲禾のために薬草を採りに出かけていた。そうとは知らず雲禾は苦そうな薬だと顔をしかめながら、気休めと分かっていても飲むしかない。「長意、林昊青が攻めてきたらどうするの?」「心配するな、下手な根回しも必要ない」すると長意はまた大殿に戻ってしまう。「いいわ、どうせ私はもう戦えないし…」そこで雲禾は何もできない代わりに長意のために鎖帷子(カタビラ)を作った。↓ラバちゃんが〜夜なべ〜をして…編んでいますw岱輿に到着した三月は霊芝を発見、しかし偶然にも天君たちとかち合った。「友の命を救うためです、譲ってください」「譲るのは構わぬ、ただし触れてはならぬ」実は玉露霊芝は霊性があり、成長を阻止すればすさまじい力で反撃してくるという。「成熟を待ってから摘むしかない」汝鈞が試しに石を投げてみると、霊芝の霊力により粉々になってしまう。汝鈞は霊芝を必要としているのがあの紀護法だと知った。まさかそれほどの反発に苦しんでいたとは知らず、自分も縁ある紀護法を助けたいと願う。そこで霊芝が成長するまで自分の居所で待つよう勧めたが、三月はこの場で霊芝を見守りたいと遠慮した。一方、離殊は大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)と一緒に三月を探していた。しかし大歓と小歓は嗅覚で三月が他の男といると気づき、咄嗟に東の方角だと嘘をついてしまう。翌朝、軍務を終えた長意が雲苑に戻って来た。すると雲禾の顔色が悪いと気づき、糖蒜(トウサン)を卓に出す。「私の好物を覚えていてくれたの?」素直になれない長意は自分が食べたいだけだと嘘をつき、苦手なにんにくを食べる羽目になった。「ふふ、糖蒜に免じて贈り物をあげるわ」雲禾は鎖帷子を招喚し、これで少しでも身を守って欲しいという。「こんな物で機嫌を取るつもりか?」「要らないならいいの」しかし長意は慌てて受け取った。「…まだ用がある、遅くなるから待たなくていい」雲禾は笑顔で送り出したが、鎖帷子に霊力を使ったせいで体力を激しく消耗していた。つづく(  ̄꒳ ̄)まだまだ引っ張る…w
2023.08.28
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第4話湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)に居を移した長意(チャンイー)。紀雲禾(ジーユンファ)は部屋の中を埋め尽くすお宝を眺めながら、奢侈(シャシ)に流れると尊主の地位を失うと笑った。すると雲禾の治療を頼まれた空明(コウメイ)が現れ、長意が散財するのを見るのは初めてだという。実はお宝は全て雲禾の身体を癒すための宝器だった。空明は雲禾の容体を見たが、余命ひと月だと宣告した。それでも長意はあきらめがつかず、天命さえ変えてみせるという。呆れた空明は無垢の者なら全力をかけて助けるが、悪党などどうなろうと構わないと言い放った。しかし長意は仙師府から仙友たちを解放したのが雲禾だと明かし、そもそも雲禾を苦しめる原因となったのは寒霜だと指摘する。「君なら道理が分かるはず…違うか?」天君・汝鈞(ジョキン)は岱輿(タイヨ)で修行することになり、姉に別れを告げにきた。岱輿と言えば師匠と初めて出会った場所、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)はふと当時のことを思い出す。「あの時、猛獣に襲われたことを覚えている? 師父が現れ、私たちを天庭へ送り、私を弟子に迎えてくれた」「姐姐、あの時は姐姐が命懸けで私を守ってくれたことしか覚えていません」すると汝鈞は修行が終われば自分が姉を守れると伝え、出発した。汝菱は居ても立ってもいられず、仙師府に駆けつけた。ちょうど寧清(ネイセイ)は留守、そこで林昊青(リンコウセイ)から聞いた話が事実かどうか調べることにする。汝菱は法術で密室の場所を探し当てると、確かにそこには自分とそっくりの絵姿があった。「師父が私に重ね合わせていた女ね?」その時、寧清が現れる。「汝菱…戻りなさい、2度とつまらぬことをしてはならぬ」「私は身代わりにはならない!」師匠の裏切りに激怒した汝菱は絵姿を燃やそうとしたが、寧清が阻止した。すると寧清は汝菱を仙縄で縛りつけ、再び激痛を伴う治療を始めてしまう。空明は雲禾に薬湯を差し入れた。しかし善良な長意を騙して傷つけても悔いる様子がない雲禾を見て憤る。長意は策を練り、好機を見て仙師府から雲禾を救い、尊主の就任式典の時も雲禾の自害に気づいて飛び出したという。雲禾は長意がそんな無茶をしていたと知ったが、空明も本当は雲禾が長意を守っていると見抜いた。ただし大業のためには雲禾の存在が大きな障害となり、長意にとりなすつもりはないという。「とにかく早く薬を飲んでくれ、長意が来る」仙姫府では汝菱が酒を飲んで荒れていた。仙侍・朱凌(シュリョウ)たちは手が付けられず殿前で控えていたが、そこへ林昊青が現れ、勝手に寝殿に入ってしまう。「仙姫、このまま引き下がるのですか?」憤慨した汝菱は床に杯を投げつけると、林昊青は躊躇なく破片の上にひざまずいた。「仙師があなたを見る目には情がありません…」すると汝菱は孤独な胸の内を明かした。「父母は落命する前、汝鈞の養育を私に託したわ…それ以来、私は責任だけを求められた 1人で閬風巔(ロウフウテン)を守る私を誰も顧みず、私の望みなど意に介さなかった 弟を育てるのが唯一、私が存在する価値だった、でも師父は違った ″自分らしくあれ″と言ってくれたの、それなのに… 何も知らない方がよかった!なぜ私を覚醒させようとするの?!」汝菱は激怒して剣を招喚、林昊青の首に突きつけた。しかし林昊青は怯むことなく、どれほどの苦痛が伴っても知らない方が惨めだという。「もしあなたが強い力を持てば愛する者を留めておけます」一方、尊主となった長意は政務に追われ、夜も寝ている様子はなかった。さすがに雲禾も根を詰める長意が心配になり、自分から折れることにする。「私が以前と同じように接すれば言うことを聞いてくれる?」「考えすぎだ。あり得ない」すると雲禾は優しく長意の腕に手を乗せた。「試してみない?」「そうか…では試してみよう」長意は突然、雲禾を引き寄せ口づけしてしまう。その時、急に戸が開いて空明が入ってきた。雲禾はふいに現実に引き戻され、慌てて身体を離し、うっかり薬をこぼしてしまう。「試したが無駄だったな」( ゚д゚)おおう長意は気恥ずかしさから今夜は空明の居所で戦術を練りたいと頼んだ。しかし雲禾との口づけが頭から離れず、上の空になってしまう。一方、雲禾は長意が自分を恨んでいながらなぜ口づけなどしたのか分からず、独り悶々としていた。長意は夜が明けてから雲苑に戻った。すると一睡もせず待っていた雲禾がなぜ口づけしたのか尋ねる。「敵との口づけは鮫族の掟破りじゃないの?」「私が掟を破ることはない、君は永遠に私のものだ 鮫人の烙印は私と君の五感を繋ぐもの、君がどこで何をしているか私にはいつでも分かる 鮫人が心に決めた者に与える印だ」「だから死にかけた時、駆けつけられたのね…長意、私は一体、何?あなたの影?」「違う、檻の中の獣だ、烙印を使い閉じ込めておく」「どうかしてる…他の伴侶を求めず、私を一生、監禁するの?」情愛に疎い雲禾に長意の本音が分かるはずもない。長意はため息をつき、雲禾を寝台に寝かせて結界で閉じ込めた。「ねえ答えてよ」「眠れ」『余命が短くて良かった、私が死ねば彼は孤独な一生を送らずに済む でも鮫人は後妻を娶らないはずよ?…もういいわ、今は休もう』『雲禾、閉じ込めないと留めることができないなら、あえてそうするしかない…』洛錦桑(ルオジンサン)は冰湖(ヒョウコ)を眺めながら雲禾の身を案じていた。すると偶然、狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)と侍女が現れ、2人の立ち話を耳にする。「…式典の日の騒ぎも尊主を惑わす手管では?」「死にかけたのは本当よ、尊主にも考えがあるの…今は待ちましょう」雲禾が死にかけたと聞いた洛洛は驚き、空明の居所に押しかけた。空明は長意に頼まれ雲禾の薬を準備していたが、余命はひと月だという。「林滄瀾(リンソウラン)に施された術で身体に異変が起こったんだ 君が混乱すると思って言えなかった…私では治せない」しかし洛洛は空明が雲禾への復讐で治療をしないと誤解した。「冷酷ね…もう顔も見たくない!」洛洛は青(セイ)姫に事情を説明し、雲禾を診て欲しいと訴えた。青姫は相変わらず情のもつれには関わらないと断ったが、離殊(リシュ)の説得のかいもあって重い腰を上げる。「私が後悔しているのは皆に乗せられ、この子の酒を飲んだことよ」長意は洛洛たちが来ても雲禾に会わせようとしなかった。衰弱した雲禾にとって感情の高ぶりは命取りになる。しかし何も知らない洛洛は空明に雲禾を救う気がないなら青姫に診せるべきだと迫った。離殊も今の雲禾にとって友との楽しい語らいこそ一番の薬だと訴える。「最近、雲禾の素直な笑顔を見たか?」雲禾は洛洛たちと再会を果たした。「これは夢なの?…青姫まで来てくれるなんて」万花谷から別れて色々なことがあったが、こうして集まると何も変わっていないような気がする。久しぶりに心からの笑顔を見せた雲禾、しかし青姫にも雲禾を治す手立てはなかった。「早く楽にしてあげるべきよ…」長意は雲禾を休ませるため、治療法がないなら帰れと洛洛たちを追い返した。しかし雲禾の幸せそうな笑顔を思い出し、雲苑の結界を解くことにする。つづく( ゚ェ゚)ただ口づけするためだけの1話?話は全く進まずw
2023.08.27
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第22話「天子のやきもき」皇帝に招待され、涂高(トコウ)山の祭典にやって来た程(チォン)家。易占に傾倒する少商(シャオシャン)の双子の兄・少宮(シャオゴン)は喧騒を離れ、独り林の中で妹の縁談を占っていた。「お?嫋嫋(ニャオニャオ)は楼垚(ロウヤオ)以上のご縁に恵まれそうだな」←( ゚д゚)おっ!そこへ突然、道に迷った班嘉(バンジア)が現れる。「すまない!山道はどこか分かるか?」少宮はせっかく並べた卦(ケ)を蹴散らされ、これで良縁がおじゃんだと落胆した。←( ๑≧ꇴ≦)えー!騎射場へやってきた少商は思いがけず楼垚と何昭君(ハージャオジュン)にかち合った。するとここぞとばかりに王姈(ワンリン)と楼縭(ロウリー)が少商たちの隣の席に移動して嫌味を言う。「破談になってもよく顔を出せるわね~」憤慨した楼垚は思わず席を立ったが、冷静な何昭君が制止し、結局、2人は静かに帰って行った。萋萋(チーチー)は少商をかばって王姈と喧嘩になり、2人は騎射で勝負することになった。もはや止める気力もない少商、すると萋萋の席に天敵の袁慎(ユエンシェン)が座る。「平素より得意満面の程娘子(ニャンズー)も意気消沈する日がきたか?」相変わらず嫌味な師匠に少商も視聴者もへき易、相手をする気分ではないと席を立ってしまう。程姎(チォンヤン)は思いがけず想い人と2人になれる好機を得たが、袁慎は少商を追いかけて行った。しかし少商が袁慎を足止めしようと企む。「あ!袁善見(シャンジエン)公子よ!」すると息女たちが一斉に袁公子を取り囲み、袁慎は身動きが取れなくなってしまう。( ತ _ತ) 本当イラつくわ〜w一方、少宮は方向音痴の班嘉を連れて騎射場へ戻ろうとしていた。やがて山道が見えると、ちょうど息女たちに追い回されている袁慎を見かける。班嘉は人が多いと怖いと訴え、息女ならなおさらだとぼやいた。しかし一行の姿が見えなくなると、独りぽつんと取り残されている息女が見える。班嘉が一目惚れしたのは姎姎だった。少商は気晴らしに馬で散策に出かけた。やがて石段を見つけて登ってみると、雁回(ガンカイ)塔という建物にたどり着く。建築に興味がある少商は見事な柱の作りに感激し、そのまま階段を登った。窓から見る景色は壮観、不思議と破談などたわいない事だと思えて来る。しかしその時、最上階から誰かの話し声が聞こえて来た。…何楼両家を縁組させた陛下は楼家に対し後ろめたいゆえ、さらに楼一族に肩入れするだろう…平素より楼太傅が東宮を笠に来て寒門出身の官吏を抑えつけていることも追求せぬ…東宮は無能だ、必ずや廃嫡を働きかけねば少商は思いがけず反太子派の密談を耳にし、慌てて戻ることにした。その時、うっかり腰牌を落とし、音を立ててしまう。「誰だ?!」少商は玉佩をあきらめ、階段を駆け降りた。すると突然、凌不疑(リンブーイー)が現れ、少商を捕まえる。不疑は咄嗟に窓から飛び出し、少商を抱えたまま片手で屋根にぶら下がった。その時、密談者たちが窓を開けて外を確認する。「この辺りから聞こえたはずだが…どこへ消えた?」「下へ行くぞ」ありがとうアルソックw凌不疑と少商は屋根によじ登り、無事に塔の中へ戻った。しかし無理をした不疑は驊(カ)県での古傷を痛めてしまう。少商は密談者の話を聞いていたが、不疑はここへ来たことも全て忘れるよう言い聞かせた。一方、萋萋と王姈の騎射勝負は萋萋の圧勝だった。「王姈、最後を射たところで負けだし、条件を下げてあげる 馬を止まらせたままで的に当ててもいいわ~ふふふ」すると王姈は矢をつがえたかと思うと、突然、萋萋の馬の足元に向かって矢を放ってしまう。驚いた馬は萋萋を乗せたまま暴走、咄嗟に馬にまたがった頌児(ソンアル)が追いついたが、止めることはできなかった。このままでは崖から転落してしまう。頌児は仕方なく萋萋に飛びつき、2人は坂道を転げ落ちた。頌児のおかげで萋萋は無事だったが、萋萋をかばった頌児は足を怪我してしまう。「阿頌!歩けなくなったら私が一生、養うから!」軍営で血を見慣れている萋萋は頌児の怪我を確認しようと衣をめくり上げたが、思いがけず下履きが破れて太ももがあらわになっていた。(; ꒪ω꒪ ;)<ぁ…( ̄▽ ̄;)<無理やり見るからだろう?一生、責任とってくれよ?凌不疑は少商が落とした玉佩を持っていた。「あ、私のです、幼名も刻まれているわ」「…弱弱(ルオルオ)?面白い幼名だな」「ルオルオ?違うわ嫋嫋(ニャオニャオ)よ」実は少商が落とした玉佩は真っ二つに割れ、不疑が拾った玉には女偏がなくなっていた。少商は玉佩を取り返そうとしたが、不疑は自分が預かると言って返してくれない。一方、文(ウェン)帝は騎射場や袁公子の騒動を聞いて憤慨していた。皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)は一族の娘である王姈の失態を詫びたが、越(ユエ)妃・越姮(ユエホン)は皇后の責任ではないとかばう。「そもそも大したことではありません、私たちも若い頃は色々ありましたよ?」天幕の外では王将軍、万将軍、程将軍が子供たちと一緒にひざまずいていた。その時、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が慌てた様子で天幕へ入って行く。「陛下!凌将軍が戻りました!しかも程四娘子と一緒です! 何でも程四娘子を命を賭して助け、古傷が再発したそうです! 程四娘子は涙を流し、凌将軍に命で償うと…」皇帝は子晟(ズーション)がまた程娘子を助けたと聞いて急に機嫌が直った。「そうかそうか…まあ今日の目的は祈祷と娯楽だ、若い頃は行き過ぎてしまうこともある」すると皇帝は嬉しそうに天幕を出ると、なぜか程始(チォンシー)だけ連れて行ってしまう。程始は訳もわからず皇帝に同行し、凌将軍の天幕へやって来た。すると驚いたことに嫋嫋が一緒にいる。不疑と少商は崖から落ちそうになったところを助けてもらったと口裏合わせしていたが、いざ皇帝を前にすると少商は言葉が出なかった。子晟の想い人に興味津々の皇帝、しかし何を聞いても子晟が口を出す。仕方なく皇帝は程父娘に子晟への恩を一瞬たりとも忘れず感謝し、その恩に報いるよう命じて帰した。ウーレイのモフモフ皇帝は子晟を宮中で静養させるつもりだったが断られた。子晟が屋敷で治療したがるのは程娘子が原因だろう。しかし見たところ程娘子は凡庸だった。すると黙って聞いていた越妃は子晟が禁欲過ぎれば心配し、ようやく想い人が現れれば凡庸だと難癖をつけると呆れ、面倒臭くなって皇帝を追い出してしまう。皇帝は仕方なく皇后の天幕を訪ねたが、慎ましやかな皇后は何を聞いても皇帝の決定に従うとしか言わなかった。「朕の苦しい心中を誰が知ろうか…まったくどいつもこいつも役に立たん!」皇帝一行は帰京した。程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は凌将軍がまた嫋嫋を助けたと聞いて動揺を隠せない。偶然にしてはあまりに不自然だが、皇帝から恩を忘れぬよう命じられた手前、挨拶に行かねばならなかった。「ここはお前が付き添っては?」「将軍、今でなければいつ父親の出番が?」家塾の講義にも身が入らない少商。やっと退屈な時間が終わって席を立ったが、袁慎に呼び止められ、独りだけ居残りになった。「人としての道理を学びなさい、婚姻を利用し自由を求めるなど、何と浅はかなのか 嫁げれば一族を逃れ、束縛されないとでも?別の者に束縛されるだけだ しかも門閥世家だぞ?楼家の件で何も学ばぬとは… そんなに急いで凌不疑に近づく必要があるのか?!」少商はとんだ言いがかりにふつふつと怒りが込み上げてきた。「誰が婚姻を利用した?いつ凌不疑に近づいたのよ?…あなたどうかしてる」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<そうだ!どうかしている!すると袁慎はあくまで学のない少商への忠告だと言い訳し、凌不疑から離れるよう説得した。その時、少宮が駆けつけ、父が呼んでいると伝える。「少商、阿父が凌将軍府へお礼に行くから一緒に来るようにって…」袁慎は口惜しさから思わず背を向けた。「両親の命では夫子も阻めないのでは?」「…程娘子は破談の傷が癒え、痛みも忘れたようだ、将来、後悔しないように」少商は激情に駆られ拳を振り上げたが、思い留まって出て行った。o(`ω´ )o<なぜ殴らなかった!殴ってくれたらすっきりしたのに!wつづく
2023.08.26
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第21話「それぞれの選択」一族の敵を討ち、肖(シャオ)世子の首を取った何昭君(ハージャオジュン)。程少商(チォンシャオシャン)はその境遇に同情しながらも、やはり楼垚(ロウヤオ)を譲ることはできないと伝えた。しかし何昭君はもはや情愛など問題ではないという。「阿父は最期に私の頬を叩いて言ったわ ″もう何家でお前を守れる者はいない、将来の何家と幼い弟にはお前だけが頼りだ″と… 程少商、もう昔の私とは違う… 私が阿垚を好きだと思う?私だって自分の幸せを犠牲にするの 父や兄が戻ってくれるなら楼垚なんて惜しくもない!」その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、程娘子(ニャンズー)に食ってかかるなと割って入った。「ふっ、こんな憐香惜玉な十一郎(ジュウイチロウ)を見るのは初めて… 程少商、凌将軍がいるんでしょ?なのに楼垚まで奪うの?!」何昭君の怒号が響き渡り、少商は思わず身をすくませた。すると不疑は少商に自分の馬車で送ると伝え、先に車に乗せる。「安成君、父兄の忠勇に今は皆が何家姉弟を哀れむが、時は移ろうもの… 敵を作るか、善意で接するかは安成君の心がけ次第だ」アルソックw少商は馬車の中で凌将軍から馮翊(ヒョウヨク)郡の話を聞いた。馮翊郡は何将軍たちの命懸けの抵抗があり、驊(カ)県のような惨劇は免れたという。「だからと言って破談を勧めているわけではない 私の本音はひとつ…程娘子がどう選ぼうと全て正しい」すると少商はなぜ自分ばかり運が悪いのかと号泣してしまう。( ;∀;)ァァァ…にゃおにゃお…楼垚は曲陵(キョクリョウ)侯府の前で少商を待っていた。すると少商がなぜか凌将軍の馬車で帰って来る。実は少商は何昭君と一緒に肖世子の処刑に立ち会っていた。「何だって?!抗議して来る!」しかし少商が止める。「阿垚…しばらく来ないで、独りで考えたいの」楼垚は少商の背中を見送ったが、思わず呼び止めた。「少商…点心の新しい店ができたんだ、落ち着いたら食べに行こう」少商は笑顔を見せたが、うなづくだけで精一杯だった。楼垚は夜まで曲陵侯府の前に立っていたが、少商が現れることはなかった。…少商、約束しただろう?決して離れないと…程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は楼垚の一途な想いに胸を痛めたが、結局、嫋嫋(ニャオニャオ)とは縁がなかったのだろう。しかし程家には楼家との縁談をどうしても諦められない者がいた。程老夫人董(ドン)氏は先走って孫が皇太子の夫子の家に嫁ぐと言いふらし、破談に反対して楼家からの聘礼(ヘイレイ)を手放そうとしない。蕭元漪は仕方なく今日は婚姻の相談に行くだけだとごまかしたが、そこへ少商がやって来た。「阿父、阿母、大母…阿垚とは破談にします」(꒪ꇴ꒪〣)ガーン!@老太太少商は両親と共に楼家を訪ね、破談したい旨を伝えた。寝耳に水の楼垚は少商が何昭君から脅されたのだと疑ったが、少商は否定する。すると少商にまで見限られた楼垚はこれまでの鬱憤が爆発した。「誰もが大義をかざして仁義の行いや恩に報いることを説く… でも我慢を強いられるのはいつも私だけ! 私の代わりにもなれぬくせに、なぜ私だけを犠牲にするんだ? 少商、なぜ君まで私を追い詰める?」楼垚の苦しい胸の内を誰より理解しているのは少商だった。「阿垚、2人だけで話があるの」 ( ;∀;)あーやお…楼垚は激しく反発、破談にはしないと断言した。しかし少商は悲しみをこらえ、楼垚を説得する。「前に何昭君のことは嫌いだけど何将軍には可愛がられたと話してくれたわね 五公子とも親しい間柄で、弓術を教わったのでしょう?」少商は馬車の中で凌不疑から聞いた何家の壮絶な死に様を教えた。実は五公子は賊から数十の矢を受け、回収した亡骸は穴ばかりだったという。他の息子たちは馬に踏まれ、亡骸の欠けている者もいた。「今回、馮翊郡の民は驊県とは違ったそうよ 何将軍が息子5人を率いて矢面に立ったから、民を守り災いを阻むことができたの 何将軍は国のために散った、将軍の前では男女の情なんて取るに足りないことだわ」そうは言っても犠牲になるのは楼垚、少商は代われるものなら自分が代わってあげたいと涙した。「…少商、君は正しい」楼垚は驊県での辛い体験から民を守れるようになりたいと誓っておきながら、少しの我慢もできないと反省する。すると少商が未来なら変えられると励ました。「阿垚、何昭君を娶ったらただの夫ではなく、兄であり、寄る辺となる だから大切にして教え導くのよ、彼女が過ちを犯したら譲歩してはだめ、言いなりにならないで」「…また強情を押し通せば何将軍の墓前で反省させるよ」楼垚は少商と一緒に破談を決めたと報告した。安成君を娶ればこの先、十余年は何家の部曲が二房の指示に従うことになる。楼垚は大房の干渉を牽制し、もはやこれまでの怯える二房公子の面影はなかった。「程叔父、程叔母、今後は私を身内と見なしてください…少商、これからは私を兄と呼んでくれ」「はお、今後は順風満帆で、いつか外地で仕官し、高く飛べるように祈っているわ」「私も祈っている、君が良い人に出会い、共白髪となって添い遂げ、情愛を貫くと…」こうして2人は笑顔で別れた。汝陽(ジョヨウ)王妃は孫の裕昌(ユーチャン)と凌不疑の仲を取り持つため、城陽(ジョウヨウ)侯府を訪ねた。しかし城陽侯凌益(リンイー)が皇帝に上奏して息子を呼び寄せていたにもかかわらず、子晟(ズーション)は現れない。王妃と郡主は仕方なく帰ることにしたが、話題は自然と楼家の縁談話になった。裕昌はさすがに巻き込まれた程娘子に同情し、もう良縁はないだろうという。すると汝陽王妃は強情で品行が悪い程少商の心配など必要ないと冷たかった。その時、ちょうど門前に凌不疑が現れる。「皇帝が望んでまとまった楼何両家の縁談にとやかく言うのは天下の罪人だ …先日、陛下より半年の俸禄を召し上げられた、その理由をご存知か?」慌てた城陽侯妃淳于(チュンユー)氏は中で食事をしようと話題をそらしたが、不疑はそんな気分ではないと一蹴した。「皇帝を煩わせずとも今後は頻繁に会いに来るつもりだ そうだ…程娘子の縁談だが心配には及ばない、彼女の婚姻は私が責任を持つ」←唐突に何?wその頃、曲陵侯府では老夫人が楼家との破談を知って大泣きしていた。 皇帝は涂高(トコウ)山での祭典に曲陵侯と夫人、子供たちの随行を認めた。程始はちょうど嫋嫋の気晴らしになると喜んだが、少商は祭天の儀にも出ずにひとり鬱々としている。そんな少商を心配した万萋萋(ワンチーチー)は少商と程姎(チォンヤン)を騎射場に誘った。「班(バン)侯がひ孫を紹介したくて若い息女たちを招待したの でも班侯もお気の毒よね、戦乱で子も含めて一家が亡くなり、5人の孫まで失うなんて… だから唯一の子孫・班嘉(バンジア)を宝のように溺愛しているらしいわ でも身を固める年頃になって初めて遠出し、都も不案内ときてる」すると少商は何昭君と似たような境遇だと気づき、かえって気落ちしてしまう。騎射場の貴賓席には少商がお目にかかる機会などない公主たちが座っていた。唯一、天下平定後に生まれた五公主は末娘ということもあり溺愛され、天敵の王姈(ワンリン)と仲が良いという。五公主と犬猿の仲なのは越(ユエ)妃の娘・三公主。生まれてすぐ小越侯に育てられ、派手好きは萋萋と良い勝負に見えた。実は皇帝が宣(シュエン)越両族の婚姻を決め、五公主は三公主の従兄に嫁ぐことになっている。「従兄を怒らせないことね、気が短いの、屋敷の″幕僚″をどう片付けるのか考えたら?」一番、落ち着いて見えるのは二公主だった。二公主は騎射を見ないなら駙馬と囲碁でも打てと三妹を叱り、五妹をかばう。その中でただ一人、装飾品も身につけない質素な貴賓がいた。実は皇帝が天下平定前に皇太子に娶らせた太子妃だという。「実家は貧しく田舎の出身でね…」その時、程頌児(チォンソンアル)が萋萋の頭をこずいた。「口は災いの元だ、嫋嫋に皇族の秘話など吹き込むな」すると運悪く騎射場に何昭君と楼垚がやって来た。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ←思いの外、あーやおショックが響いている管理人w
2023.08.25
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第3話長意(チャンイー)が紀雲禾(ジーユンファ)に烙印をつけたと知り、慌てて話をつけに来た山猫族世子・離殊(リシュ)。しかし烙印だと思っていた″鮫人の印″は互いの五感を繋ぐものだった。離殊は長意が雲禾を諦められないと分かったが、長意は決して認めようとしない。「…まだ好きだと言ったか?」「口に出さずとも心は分かっているはずだ」一方、空明(コウメイ)は長意から押し付けられた洛錦桑(ルオジンサン)に手を焼いていた。すると長意が苛立ちながら戻ってくる。「長意、あんまりよ!雲禾が自由を望んでいると知っているくせに!」「外の状況を知らぬのか?!」実は北淵(ホクエン)では雲禾が卿舒(ケイショ)を殺したと言う流言が広がり、今、自由にしても狐族に復讐されかねないという。「監禁と復讐とどちらがましだと?!」長意は空明と洛洛をつないでいた仙縄を解くと、洛洛は大人しく帰って行った。空明は確かに紀雲禾が身を隠すには雲苑(ウンエン)が最も安全だと気づいた。北淵の外に出れば仙師府に追われ、北淵内では狐族に狙われる。「ようするにまだ諦められないのだな?」「…執念でも未練でもいい、必ず生かし続ける」空明は長意と雲禾、雪三月(セツサンゲツ)と離殊、どちらも情のもつれから抜け出せないと嘆いた。( ;∀;)ちゃんいー三月は長意を説得する離殊の姿に深く感銘を受けた。するとちょうど離殊が冰湖(ヒョウコ)から戻って来る。雲禾を想いながら決して認めようとしない長意と釈明もしないで辛い現状を受け入れている雲禾。三月は2人の意地の張り合いに自分の姿が重なり、後悔する前に素直になろうと決めた。「長意に話していたでしょう?好きな人を喜ばせることが愛情だと…」離殊は三月が全て聞いていたと知った。「だからあなたをもう不安にさせたくない…私はあなたが好き、やり直しましょう」三月は傷ついた自分を遠くから見守ってくれた離殊の深い情に応え、勇気を持って前進した。一方、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は激しい傷の痛みに苦しんでいた。すると万花谷(バンカコク)谷主・林昊青(リンコウセイ)が薬を差し入れてくれる。「仙師が鎮痛薬を与えないのはあなたの痛みに無頓着だからです 仙師の懸念はその顔のみ…仙姫も疑ったことがあるはずです 仙師が大事なのはあなたか、別の誰なのか?」汝菱はふと思い出した。確かに鮫人の美しい鱗で作った袴で舞を披露した時、師匠から厳しく叱られたことがある。激高した汝菱は思わず鞭で林昊青を打ちつけ、自分たちを反目させるつもりかと迫った。「これも忠誠心ゆえ、お疑いなら仙師の書斎にある密室へ…答えはそこにあります」林昊青はいずれ仙師と対する時、仙姫が最上の武器になると踏んでいた。狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は北淵の安定のため、仲間たちの同意のもと長意を新たな長に推挙した。空明は長意の性格からして断ると思ったが、長意はためらいながらも結局、引き受けることにする。一方、微妍(ビゲン)は長意が尊主になったのは少主を想ってのことだと喜ばせていた。卿瑶もまんざらでもないが、ともかく早く就任の式典を行い、長意の威厳を示して一族の士気を高めたいという。毎日、欠かさず父に自分の霊力を注いでいる卿瑤、しかし未だ父が目覚める様子はなかった。その頃、長意に烙印を押された雲禾は絶望の淵にいた。しかしこれまでどんな圧力にことごとく抗い、屈したことはない。「最期くらい自分で選ばせてもらうわ」雲禾は思い立って帷(トバリ)を外し、梁(ハリ)に引っ掛けようとしたが、運悪く長意が現れた。( ತ _ತ)<何をしている?(^ꇴ^)、<…埃を落とそうかな〜なんて( ತ _ತ)<やれ(^ꇴ^)、<…もう終わったわ雲禾は今日も長意に監視されながら食事を始めた。…首を切るのは痛すぎる、飛び降りてもせいぜいお尻を打って終わりよね…絶食したくてもこれじゃ無理だし、喉を詰まらせて窒息?ダメか…部屋に火をつけてみるのは?でも長意に氷漬けにされて終わりよねその時、雲禾はある方法を思いついた。「長意、ここ数日、冷え込んできたから練炭をもらえない?」すると羅策(ラサク)が世子を迎えにやって来た。卿瑤少主が呼んでいるという。長意が席を立つと、急に雲禾が呼び止めた。「長意、あなたは私が出会った中で一番美しく、一番優しくて、一番善良な人よ あの崖の1日がなければ大好きなままでいられた、生涯の伴侶になれたかもしれないわね」しかし長意はなぜ今さら雲禾がそんな事を言い出すのか分からない。「…明日は重要なことがあり来られない、しかと薬を飲んで食事を取れ」「ええ…安心して」雲禾は最後に伝えたいことが全部、言えたと安堵し、独り涙を流した。翌日、雲禾は窓を全て閉め切り、紅羅(コウラ)炭を焚いた火鉢を並べて横になった。「最期にあの美しい尾ひれを夢で見られたらいいのに…」一方、長意は狐族や仙友たちが見守る中、尊主就任の儀に臨んでいた。しかしふいに鮫人の印が雲禾の異変を知らせる。驚いた長意は矢も盾もたまらず、卿瑤が止めるのも振り切って大殿を飛び出して行った。その頃、雲禾の魂は肉体を離れ、まさに混沌に帰ろうとしていた。しかし急に面紗(メンシャ)で顔を隠した仙女に止められ、引き戻されてしまう。「…まだ生きている」目を覚ました雲禾はいつのまにか窓が開き、風が吹き込んで練炭を消してしまったと分かった。そこへ式典を抜け出した長意が駆けつける。「本気で死のうとしたのか?」長意は雲禾の無事な姿に安堵したのか、寝台に腰をかけた。すると雲禾が長意の冠からかんざしを引き抜き、自分の首を突き刺そうとする。焦った長意は咄嗟に阻止、雲禾の首をつかんで押し倒した。「雲禾、勝手に命を絶っていいと言ったか?!」「長意、あの崖で懲りていなかったの?…ふっ、私の筋書き通り東海へ帰ってくれたら良かったのに 結局あなたを傷つけ、私は順徳に捕まったわ、あなたを順徳の下僕にしたくなかったから」「黙れ…黙れっ!」「復讐したら?…憎いのなら殺せばいい、殺してよ、殺して!」「いくら望んでも死なせない」雲禾は誰が自分の邪魔をしたのか分からないまま憎しみを募らせた。一方、長意は雲禾が自分との時間より自害を選んだことに落胆を隠せない。空明はひとまず長意が体調不良だったと取り繕っておいたが、これで尊主としての権威が失墜したのは事実だった。しかし長意と言えば雲禾が自害しようとしたと嘆き、衰弱が激しいので治療して欲しいという。空明は仕方なく治療を引き受けたが、長意に一途な想いを抱く卿瑤には自分で釈明するよう言い聞かせた。卿瑤は仲間たちの信頼を取り戻すためにも雲禾を追放するよう提案した。「尊主のそばに置くにはふさわしくない」長意は雲禾を追い出す口実に自分を尊主に祭り上げたのかと疑ったが、卿瑤は誤解だという。「今日から私がしかと彼女を見張る、騒動は起こさせない」「構わないわ、強要するつもりはない、ただ尊主と北淵のために言っただけよ」一方、閬風巓(ロウフウテン)では天君・汝鈞(ジョキン)が仙令の示した模様に頭を悩ませていた。ひとまず模様を図に写してみたが、それが何を表しているのか見当もつかない。その時、偶然、風にあおられた図が碁盤に乗り、その上に碁石が落ちた。「岱輿(タイヨ)へ行くべきだ」合虚(コウキョ)神君の助言を聞いた雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君はこの図が地図とも限らないと首を傾げたが、汝鈞はこれも巡り合わせだと確信して出かけることにした。雲禾は騒がしい音で目を覚ました。すると侍女たちが雲苑に荷物を運び込み、忙しく準備をしている。「何をしているの?」「尊主がこちらに越して来ます、議事や巡視以外の務めは全て雲苑で行うとのこと 睡眠の邪魔にならないよう結界を張って音を遮りますのでご安心下さい」「これ以上どこに結界を増やす…(はっ)まさか寝台の周りに?」「そうです」…やってくれるわね、私を見張るためここまでするなんて…雲禾は自由に死ぬこともできず、解放どころか居場所は寝台ひとつ分だけになった。つづく(  ̄꒳ ̄)ちゃんいー、やってくれるわね~
2023.08.24
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第2話仙師・寧清(ネイセイ)の密室にある姿絵が万花谷(バンカコク)谷主・林昊青(リンコウセイ)の知るところとなった。実は姿絵に封印された霊力は早く元の姿に戻りたいと焦り、仙師を焚き付けるため自ら誘き寄せたという。寧清は戻りたければおとなしく待つよう言い聞かせたが、霊力は開き直った。「もし従わなければどうする?私を殺すのか?」しかし寧清は霊力と血の契りを交わしているため、約束を破れば死が待っている。わずか1000年で修為がここまで激増したのも霊力から授かった力だった。「殺すわけがない…ただ大乱を起こすならとことんやらなくては…」( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!一方、湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)に監禁された紀雲禾(ジーユンファ)は今日も窓際で外を眺めていた。すると食事を運んで来た侍女がいきなり襲いかかってくる。雲禾は咄嗟に赤い狐火で応戦、隠魂針(インコンシン)を放った。「(はっ!)なぜ姑姑の隠魂針が使えるの?!」「姑姑?」雲禾は卿舒(ケイショ)が狐王の妹だったことを思い出し、侍女が実は狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)だと気づいた。そこでこの霊力は卿舒からもらったと釈明したが、卿瑤は信じられず、叔母の敵を討つという。しかし危ないところで長意(チャンイー)が駆けつけ、卿瑤を連れて出て行った。「ふふ、噂通り美人ね…」雲禾は卿瑤が長意を好きだと分かったが、急に霊力を使ったせいで反噬に襲われてしまう。「生きられる日も残り少なくなって来たわ…」卿舒は愛する林滄瀾(リンソウラン)のため自分の霊力を雲禾に差し出し、自害していた。「やはり御霊師は人心掌握術に長ける…」卿瑤は叔母が林滄瀾に惑わされたと落胆し、もしや長意も雲禾に惑わされているのではと心配する。しかし長意は雲禾に自分の苦しみを味わわせるまで死なせたくないだけだとごまかした。そこで卿瑤からも令牌を取り上げ、雲苑を立ち入り禁止にしてしまう。凌霜台(リョウソウダイ)では奇鋒(キホウ)に焚き付けられた狐族が集まっていた。卿瑤は雲禾なら叔母を殺していないと報告したが、奇鋒たちはどちらにしても御霊師を生かしておくのは危険だという。すると卿瑤は長意への反発を押さえるため、軍心を乱した罰として奇鋒に20日間の禁足を命じた。長意は独りで雲禾の世話をすることにした。しかし雲禾は衰弱が激しく、身体が薬を受け付けない。驚いた長意は咄嗟に鮫珠(コウジュ)に霊力を送ったが、その時、雲禾は一瞬、無垢だった頃の大尾巴魚(ダーウェイバーユー)の面影を見た。「…紀雲禾、あの時、崖の上で何があったんだ?」雲禾は言葉に詰まり、話をそらしてしまう。「知っているのになぜ聞くの?…長意、もう時間がない、最後の数日だけ自由にして」すると失望した長意は雲禾の望みを叶えるつもりはないと言い放ち、出て行ってしまう。…長意、今さら真相を伝えて何になるの?恨まれたままでいい……紀雲禾、君の愛が本物だったのか、なぜ教えてくれないんだ…( ;∀;)ちゃんいー卿舒にまつわる噂が広がり、雪三月(セツサンゲツ)はこのままでは雲禾が危険だと焦った。そこで凌霜台の前で長意を待ち伏せ、力づくでも雲禾を連れて帰ると迫る。しかし離殊(リシュ)が駆けつけ止めた。「長意、お前とは争わないが、雲禾のことは後日、話し合おう」凌霜台では騒ぎを聞きつけた空明(コウメイ)が長意を待っていた。空明は雲禾への執着を捨てるよう言い聞かせたが、長意は何を吹っ切れても雲禾だけは無理だと吐露する。「本当に知りたいのは当時の真相なんかじゃないんだろう?」長意は空明に心を見透かされ、思わず疲れたとごまかして帰ってしまう。( ;∀;)ちゃんいー離殊は道すがら三月を説得した。例え今、雲禾を解放しても、北淵を出れば仙師府に追われるだけだという。「慎重に考えた方がいい、俺から話してみるよ、とにかく身体が冷えるから帰ろう」離殊は魚汁を作ると言ったが、三月はもう自分の面倒を見る必要はないと突き放した。「あなたはもう私の仙侍じゃない、山猫世子に世話をさせるなんて恐れ多いわ」「なぜそんな言い方を?!…わだかまりを解くには時間がかかるだろう 三月、とにかく信じて自然に身を任せよう」しかし三月は素直になれず、独りになりたいと頼んだ。(´-ω-`)ウム…離殊は一足先に山荘へ戻り、厨房で魚汁を作り始めた。すると楽游山(ラクユウザン)に置いて来たはずの従者・大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)が現れる。2人は雪三月のため自ら料理をする世子の姿に困惑し、どうすれば世子を解放してもらえるのか考えあぐねた。長意は雲苑で調べ物をしながら雲禾を監視していた。やがて時間になると薬湯を招喚、すると雲禾は自分が死んでも閉じ込めたままなのかと聞く。「こんな方法で私を苦しめるのは絶望させるためなのね…成功よ」雲禾はもはや抵抗する気力もなく、素直に薬湯を飲み干した。哀れな雲禾の姿、長意は居たたまれなくなり席を立ったが、ふと思い立ち、以前、雲禾からもらった広物(コウブツ)集を出す。「まだ持っていたの?」雲禾が微笑みかけると、長意は気恥ずかしくなったのか、慌てて出て行った。( ;∀;)ちゃんいー雲禾はこのままおとなしく死期を待つつもりなど毛頭なかった。そこで霊力で結界を壊そうと試みるも、簡単に破れるはずもない。その時、仙師府から逃した地仙・阿鳴(アメイ)が食事を届けにやって来た。「北淵にいたのね?」「狐族世子の側近は立ち入りを禁じられたの、代わりに私がお世話するわ」一方、洛錦桑(ルオジンサン)は九寒洞で図らずも一夜を共にしてしまった空明に協力を頼むことにした。空明は突然、居所に乗り込んで来た洛洛にたじたじ、しかし涙ながらに雲禾の解放を訴える姿を見て情にほだされてしまう。…女子に手をつけておいてうやむやにはできないしな…「洛錦桑、責任はと…」その時、洛洛がいきなり空明を押し倒して馬乗りになった。「本当だ!本で読んだ通りね!男は同情を引けば油断するものだって!」洛洛の目的は空明から湖心島の令牌を奪うことだった。「持ってないって!」そこへ何も知らずに長意がやって来る。洛洛は悪びれる様子もなく退散したが、焦った空明は洛洛と一時の関係があったと認めた。「責任を取ろうとしても、あっちは恋愛感情が欠落している!」雲禾は阿鳴の協力でついに結界を破り、最後の力を振り絞って雲苑を抜け出した。しかし空明と辺境の防衛について相談していた長意が結界の異変に気づく。すると外で様子をうかがっていた洛洛は雲禾が逃げ出したと知って部屋に飛び込んだ。「帰ったと思ったでしょう?…ここにいてもらうから!」洛洛は雲禾を逃すため鱗粉(リンプン)を放ったが、長意は咄嗟に回避、洛洛と空明の腕を仙縄でつないでしまう。長意は雲禾が嬉しそうに走っている姿を見た。しかし雲禾は雪山までたどりつけず、あと少しというところで氷の上に倒れ込んでしまう。それでも自由を味わった雲禾は幸せだった。「解放された…やっと自由になれたわ!」冰湖(ヒョウコ)に響き渡る雲禾の笑い声、その時、長意が現れた。「やはり…こんな方法は甘かったわね…でも価値はあったわ」長意は雲禾を仙縄で縛り、連れ帰ることにした。雲禾は隙をみて逃げようとしたが、今の霊力では長意に叶わない。すると憤慨した長意はいきなり雲禾を引き寄せ、耳に噛みついた。「覚えておけ、天下広しと言えど、君の居場所は私の目の届く範囲のみだ」この様子を偶然、大歓と小歓が見ていた。離殊は2人から長意が雲禾に烙印を入れたと聞いて呆然、慌てて長意に会うことにする。「三月には秘密だぞ」しかし三月は離殊が慌てて出て行くのを見ていた。長意は雲禾が再び逃げないよう、雲苑の中にも結界を敷いて出ていった。すると阿鳴が雲禾の耳にある烙印に気づく。雲禾は長意が自分の所有物だと思い知らせるため印をつけたと気づき、深く傷ついた。「私は私自身のもの…誰にも操られず、支配もされない…長意でも無理よ…」( ;∀;)ラバちゃん…世子を迎えに冰湖へやって来た羅策(ラサク)、すると世子の耳に印があると気づいた。「世子?!鮫人の印を誰に?!…(はっ!)まさか紀雲禾ですか?!」長意は否定も肯定もしなかったが、それが答えだった。「鮫人の印は互いの五感を繋ぐんですよ?!紀雲禾の反噬の苦しみを分かち合うつもりですか?!」すると離殊が現れた。「雲禾を忘れられないんだな…生涯、守りたい人に出会えただけで幸運だ だが自分に縛りつけて死なせるな」「そういうお前こそ、縛られているのでは?」しかし離殊は自分と長意では全く違うという。「俺は三月に疎まれ、捨てられたら潔く諦めるね、だがお前はどうだ? 殺しもせず、こんな所に監禁して…彼女は何より自由を欲しがってる 北淵に引き留めたければ監禁するな、少しは譲歩しろよ」その話を三月が聞いていた。つづく( ゚ェ゚)…必ずどこかで誰かが見ているw
2023.08.23
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驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第1話…万花谷(バンカコク)の最強御霊師・紀雲禾(ジーユンファ)ある日、雲禾は順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)が捕らえた鮫族世子・長意(チャンイー)の教化を任される心を通わせるうち、互いに惹かれ合うようになった雲禾と長意長意は寒霜に冒された雲禾を救うため、自ら尾ひれを切り落とすという鮫族の禁忌まで犯してしまうしかし雲禾は自分の命がわずかだと知り、長意だけでも逃そうと考えたそうとは知らず雲禾に胸を刺され、海へと突き落とされてしまう長意運良く従者と再会し、元仙師府の空明(コウメイ)に救われるも、自分を裏切った雲禾への憎しみは募った長意は新天地を求め北淵(ホクエン)へそこで仙師府と対抗している青丘の残党を助け、手を組む青丘は長意と空明のおかげで凌霜台(リョウソウダイ)を奪還、狐王を解放したさらに仙師府に捕らわれた仙友たちを救おうと計画する長意は絶大な霊力を誇る青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青(セイ)姫の協力を得て鹿台(ロクタイ)山へ侵攻しかし思いがけず仙師に捕らわれた雲禾が策を巡らせ、ひと足先に地仙たちを逃していた長意は矢も盾もたまらず雲禾を救出再会を喜ぶ雲禾だったが、長意が自分を深く恨んでいると知る雲禾は自分なら間もなく死ぬと安心させたが、長意はこれから雲禾の命は自分のものだと言い放った『私が死んでいいと言うまで生きなくてはならない』すると長意は裏切りの代償を払わせるべく、満身創痍の雲禾を北淵へ連れ去ってしまう…ここは北淵にある氷に閉ざされた湖・冰湖(ヒョウコ)。長意は意識のない雲禾を湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)で休ませていた。すると雲禾の容体を見た空明はかろうじて脈はあるものの、骸も同然の身体だという。「天仙と地仙、両極の力が注入されているのは寒霜を解く手段だろう それが体内に双脈と霊丹を生んだ、だがこの方法は禁忌だ ゆえに寒霜は解けても体内で大きな反発が起こっている」長意は雲禾の話が本当だと知って驚いた。ともかく誰も近づかないよう湖心島の周囲を禁域に決めるが、羅策(ラサク)と空明は反対する。「無妄窟(ブボウクツ)に置かず、ここで静養させるのですか?」「長意、それは反感を買うぞ?」しかし長意は自分に考えがあると突っぱねた。狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は父の仙体を前に悲しみに暮れていた。一族を救うため自ら霊丹を取り出し犠牲になった狐王・卿玄(ケイゲン)。かろうじて凝丹(ギョウタン)術で経脈を保つことはできたが、目覚めることは難しい。しかし卿瑤はどうしても諦められず、空明の助言に従って仙体を凍らせ、父が目覚めるのを待つことにした。その頃、洛錦桑(ルオジンサン)と雪三月(セツサンゲツ)は雲禾を追いかけ北淵にいた。ひとまず青姫の居所に身を寄せたが、雲禾が監禁されていると知り困惑する。すると長意が訪ねて来た。長意は青姫の助力に感謝したが、青姫は感謝されるほどの働きはできなかったという。実は仙師・寧清(ネイセイ)は青姫が封印されていた1000年の間に修為が激増、そのため青姫の霊力をもってしても寧清が仙師府へ戻るのを阻止できず、負傷していた。「あれほど強くなるなんて、何か裏がある気がするわ」そこへ羅策が駆けつけ、紀雲禾が目覚めたと知らせた。長意は慌てて帰ることにしたが、すかさず洛洛が止める。「どうして雲禾を閉じ込めるの?!…雲禾はあなたを逃して捕まった、何て恩知らずな!」「恩か仇かは私が決めて片をつける、君は関係ない」その時、厨房にいた山猫世子・離殊(リシュ)がやって来た。「長意!…滋養のある魚汁ができたところだ、飲んでいけよ」しかし長意は魚汁を奪って、帰ってしまう。洛洛と三月は雲禾の身を案じた。しかし青姫は″情のもつれ″には関与できないと冷たい。三月は腕づくでも雲禾を解放させると息巻いたが、離殊が止めた。「様子を見よう、長意が雲禾をいたぶるとは思えない、さっき魚汁を奪ったのは誰のためだと思う?」雲禾は窓を開けて外を見た。「雪だわ!大尾巴魚(ダーウェイバーユー)の計らいかしら?私が雪を見たいと知ってるから…」しかし腕を伸ばすと結界に触れてしまう。そこへ卿瑤侍女・微妍(ビゲン)が食事を届けにやって来た。「立場をわきまえるのね、ここは湖心島の雲苑、あなたは監禁されているの」雲禾は自由を手に入れたわけではなく、牢から牢へ移動したに過ぎないと知る。「食事があるだけ上等よ、面倒をかけないで」微妍が帰ると入れ違いで長意が現れた。「長意…」雲禾は過去のことを謝罪し、解放して欲しいと頼んだ。しかし長意は食事をしろの一点張り、他には何も話そうとしない。「喉を通らないの…もう霊力を養う必要もないし…」「自分で食べるか、法術で食べさせるか、好きな方を選べ」憤慨した雲禾は卓をひっくり返そうとしたが、もはやその力もなかった。仕方なく食事を済ませて寝台に横になった雲禾、すると長意は黙って出て行ってしまう。「本当に帰った…私と話す気もないのね」すると長意は法術を放って日の光を隠し、代わりに満点の星空にして帰った。その頃、仙師府では顔に深傷を負った汝菱が目を覚ました。しかし付き添っているのが師匠ではなく弟の天君・汝鈞(ジョキン)だと知って深く落胆する。すると顔の怪我を思い出し、寝台から飛び出して鏡を見た。「この顔は…?!だから師父は会いに来てくれないのね」汝菱は包帯だらけの顔に激しく動揺し、すべて弟のせいだと八つ当たりしてしまう。「知ってるわ、あなたが元凶よ…紀雲禾の勝手を許して罪仙どもを逃したでしょう? 私の顔が傷ついたのもあなたのせいよ!全てあなたの過ちよ!」汝鈞は確かに全て自分の過ちだと認めた。「私が放任したせいで姉上は善悪も分からなぬ者になってしまった…」ここは閬風巓(ロウフウテン)。合虚(コウキョ)神君は以前、天君が置いた石を碁盤から浮かせて聞いた。「こうなると前もって知っていれば、ここに打ちましたか?」すると汝鈞はまた同じ場所に石を置いてしまう。親も同然の姉が苦しむ姿には確かに気が咎めるが後悔はしていなかった。「私は弟である前に天君なのだ」汝鈞はついに父から仙令を得たことで自信がついたが、まだ神兵を招集するほどの修為はない。その時、仙令から不思議な模様が飛び出した。「父上はこの模様で何をお示しなのだろうか?」一方、仙姫を救った万花谷の谷主・林昊青(リンコウセイ)は仙師府に傷の治りを良くする荀草(ジュンソウ)の実を差し入れた。姫成羽(キセイウ)はありがたく受け取り、師匠が戻るまで待って欲しいと頼む。その頃、寧清はようやく仙姫府を訪ね、治療を始めることにした。敬慕する師匠の来訪を喜ぶ汝菱、しかし寧清が回復を急ぐあまり荒療治を行い、激痛に苦しむことになる。「これも全て紀雲禾とあの鮫人のせいよ…必ずや悲惨な代償を払わせてやる!」雲禾が窓を開けて外を眺めていると、微妍が薬を届けにやってきた。寒い中、憎き御霊師の世話を任され不満が募る微妍。そこで半ば強引に窓を閉めることにしたが、雲禾の狐火で吹き飛ばされてしまう。微妍はこれに激怒、雲禾に立ち向かうも長意が現れ、窓から放り出されてしまう。雲禾は数日だけでも外へ出たいと頼んだ。しかし長意は認めてくれない。「私が死ぬのを待たなくていいわ、ひと思いに殺してちょうだい」「紀雲禾、君は死なない、私が苦しめる間は決して死なせない」雲禾は仕方なく薬草を食べ始めた。…ばかね、毎日あなたに会えるのに苦しいわけがない、短い余命の中で最大の喜びよ…仙師府に突然、悪霊が現れた。実は悪霊を放ったのは林昊青の仙侍・思語(シギョ)。三月に解毒薬を奪われた林昊青は姫成羽が悪霊退治に出かけている隙に解毒薬を盗もうと計画した。しかし解毒薬はどこにあるのか。その時、誰かの気配を感じた。林昊青は幻覚でも見たのかと思ったが、戸棚の隙間から不自然に風が出ていることに気づく。そこで戸棚を押してみると、隠し部屋が現れた。寧清はちょうど悪霊退治を終えた姫成羽と合流、林昊青が待っていると聞いた。足音に気づいた林昊青は慌てて隠し部屋から飛び出し、危機一髪のところで間に合う。「碁の盤面を見ていました、戻し忘れがあればご容赦を…」一方、微妍は主に紀雲禾が奇妙だと訴えていた。囚徒と言いながら鮫族世子が頻繁に通っており、今日は雲禾が赤い狐火を使ったという。卿瑤は世話係を変えると安心させたが、なぜ御霊師が狐火を操れるのか分からなかった。「詳しく話して」赤い狐火を操れるのはかつて林滄瀾(リンソウラン)に従い万花谷へ行った叔母の卿舒(ケイショ)だけだった。すると卿瑶の従兄・奇鋒(キホウ)は紀雲禾が叔母を殺して霊力を盗んだと疑う。「表哥、私に調べさせて、本当に紀雲禾が凶手ならその時は許さない」林昊青は結局、解毒薬を見つけられず万花谷へ戻った。それにしてもあの密室にあった絵姿は誰なのか。一見すると順徳に似ていたが、その顔には順徳にはない英気があった。聞けば仙師は順徳の治療に幽虫(ユウチュウ)を使っているという。思語は驚いた。確かに幽虫は腐肉を除いてくれるが、薬性が極めて強く、火に焼かれるより激しい痛みを伴うという。林昊青はもしや仙師が愛しているのは順徳の顔だけではないかと疑った。「今日の最大の収穫はあの絵姿だ…」寧清は林昊青が密室に入ったと気づいていた。「お前が招き入れたな?」「だから何だ、お前が約束した大乱が始まらぬゆえ、足元に火をつけてやったのだ これ以上、引き延ばすな!私を元の姿に戻らせよ!」絵姿に封印された霊力は不満を爆発させた。「戻りたくばおとなしく待て」「もし従わなければそうする?私を殺すのか?」つづく( ゚ェ゚)幽虫ぶ…w
2023.08.22
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love最終話「嫁ぐ日」上元節、庫狄琉璃(コテキルリ)と裴行倹(ハイコウケン)は一緒に過ごせない代わりに手作りの切り絵を交換した。于(ウ)夫人はこれでは自分がまるで2人の仲を引き裂く西王母(セイオウボ)だと苦笑い、そこへ蘇定方(ソテイホウ)がやって来る。「実は守約(シュヤク)と賭けをした、守約が勝てば2人で外出してもいいぞ」蘇定方は琉璃と背格好が同じ侍女を4人ほど集めさせた。そこで琉璃を入れて5人にすっかり同じ白い外套を着せ、仮面をつけさせる。一見すると誰が琉璃か全く分からないが、これが裴行倹との賭けだった。「誰がお前か見抜ければ守約の勝ちだ」すると于夫人は琉璃のかんざしを外し、別の娘の髪に挿してしまう。蘇家は揃って灯籠祭りに出かけた。仮面のせいで美しい夜景が堪能できず落胆する琉璃、その時、舞を披露する一団が一行を取り囲む。その時、蘇定方は琉璃を連れ去ろうとする裴行倹に気づいた。「(はっ)こわっぱめ!」蘇定方は見事な軽功で裴行倹の行く手を阻んだが、仮面を剥ぎ取ってみると裴行倹の従者・阿成(アセイ)だと知る。実は本物の裴行倹はすでに琉璃を連れて姿を消していた。琉璃は裴行倹がなぜかんざしを挿していなくても自分だと見抜けたのか不思議だった。しかし裴行倹はどんな格好をしていようと琉璃の姿はすぐ分かるという。「君に会えない苦痛に耐えて来たが、こうして会うともっと苦しくなる…」「苦しい?苦しいなら耐えなければいいわ」すると裴行倹は琉璃に口づけした。裴行倹は臨海(リンカイ)大長公主が琉璃に屋敷を贈ったことを知っていた。確執があるとは言え河東(カトウ)公府に恩があるのも事実、別に屋敷を買えば盾をつくことになってしまう。何より吏部(リブ)に移動すれば配下の宿舎も必要になり、今の屋敷ではまかなえなかった。「屋敷を買おうと思っていたが手間が省けた、この件は私に任せてくれ」屋敷も決まり婚礼を待つだけとなった琉璃、しかしまだ側仕えの侍女が見つからなかった。そこで顔の広い伯父・安四郎(アンシロウ)に相談する。確かに中眷裴(チュウケンハイ)家の一族と河東公府の難しい関係を思えば如才ない侍女が必要だった。さらに琉璃は洛陽にある裴行倹の資産を密かに調査して欲しいと頼む。一覧を見た安四郎は莫大な資産に驚いたが、洛陽で長年、店を営んでいる琉璃の大叔父に現状を調べてもらうと安心させた。琉璃は実家から嫁ぐため、婚礼の前日に庫狄府に戻った。河東公府に嫁ぐと決まった珊瑚(サンゴ)は媵妾(ヨウショウ)とは言え県令の妻より上だと無視していたが、曹(ソウ)氏が娘の尻を叩く。「大長公主の命があるでしょう?」「(はっ!)そうだった!忘れてた!」庫狄延忠(コテキエンチュウ)は今頃になってやっと珊瑚が裴如琢(ハイジョタク)に嫁ぐと伝えた。琉璃は父が決めれば良いことだとあえて何も言わなかったが、珊瑚には嫁いでも分を守るよう釘を刺しておく。すると曹氏がこれまでの償いとして婚礼祝いに侍女を贈ると言い出した。しかし阿春(アシュン)と阿桃(アトウ)は身なりも身のこなしも上品で明らかにただの奴婢ではない。珊瑚は伯父が探してくれたと嘘をついたが、琉璃はこれが珊瑚に縁談を持ち込んだ大長公主の目的だと分かった。「伯父上が仕込んだ侍女なら琉璃が頂くわけにはいかないわ、珊瑚が連れて行くべきです」その時、安四郎が琉璃を訪ねて来た。明日の婚礼を前に安四郎も琉璃に侍女2人を贈った。焦った珊瑚は反対したが、安四郎になぜだめなのかと怪しまれ、口ごもってしまう。その時、琉璃は侍女が阿霓(アゲイ)と小檀(ショウダン)だと気づいて驚いた。阿霓は如意衣装店の番頭、琉璃は侍女にできないと断ったが、安四郎は阿霓が自ら申し出たと教える。実は阿霓は以前、高陽(コウヨウ)公主の側仕えの宮女として公主府を管理していた。しかし駙馬(フバ)の夜伽を断ったせいで不興を買い、人買いに売られたところを安四郎に救われたという。臨海大長公主は琉璃が自分の間者となる侍女を断ったと聞いて激怒した。崔(サイ)夫人はこれで珊瑚との縁談を破棄できると期待したが、大長公主は琉璃と犬猿の仲なら使い道があるという。「どうやら庫狄琉璃は痛い目に遭いたいようね…」翌日、裴行倹は花嫁を迎えに庫狄府へ向かった。琉璃は皇帝から賜った宝飾品で美しく着飾ったが、最後に母の形見である腕輪と耳飾りをつける。…喜びの日なのに阿母がそばにいないなんて、この心の痛みは言葉にできない…天から見守っていてね、愛する人と出会えて私は幸せよその頃、花婿一行が庫狄府に到着した。しかし花婿が迎えに来ても、慣例によりなかなか花嫁とは会わせてもらえない。まずは花嫁の部屋を探し出し、次に立派な雁(カリ)を贈る。そして美しい詩を詠んで客人たちが認めると、やっと美しい花嫁が姿を現した。裴行倹と琉璃は裴府に入り、拝礼の儀が執り行われた。そこへ宮中から孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)が駆けつけ、昭儀・武媚娘(ブメイニャン)からの祝辞と祝いの品を届ける。「しっかりやるのだぞ、もう義父も武昭儀もいないのだからな」「ご安心を、琉璃はこの裴行倹が守ります」琉璃は義父に拝礼して感謝を伝えることにしたが、孫徳成はひざまずこうとした琉璃を止めた。琉璃と裴行倹は晴れて夫婦となった。2人は固い絆で結ばれ、永遠に離れることはない。終わり終わった~!・:*+.\(( °ω° ))/.:+/.*・ って…え?!終わってねぇぇぇぇ~!そうです!実は2季があるんです!しかしまだ配信されていない?もしかすると裴行倹が実在の人物だけに検閲でダメだったのかもしれませんねえ~( ゚ェ゚)ま、いいか ←いいのかいw
2023.08.20
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第20話「火花散る婦女たち」孤城でも兵器を横流ししたと認めた雍(ヨウ)王。しかし当時、皇帝の征戦に追随した自分たち老臣の苦悩を若い凌不疑(リンブーイー)が分かるはずもないという。当時、群雄が競い情勢が見通せない中、皇帝が天下に号令をかけると誰が予想できただろう。「私はただ予防線を張り、帰郷するという退路を残しただけだ 密かに兵器を横流ししたが、まさか一度だけであの惨事を招くとは…孤城陥落は私の本意ではない 霍翀(フォチョン)は援軍が来るまで持ちこたえると思った、だが誰も現れなかった 孤城陥落の原因は私一人ではない、陛下はなぜ援軍が到着しなかったことを責めぬ?」すると雍王は急に高笑いした。いずれにせよ皇帝の性分からして凌不疑の望み通り徹底的に解明してくれるはずがないという。急に静かになった牢に梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)が入った。するとはりつけにされた雍王がめった刺しにされ、すでに事切れている。若主公が自らの手で霍(フォ)家の敵を討ったのは明らかだった。廷尉府が検視すれば追及されるのは必至、しかし凌不疑は雍王が自害したと報告するよう命じる。「それから雍王が教えてくれた、当時、孤城は援軍を要請するも兵器が粗悪で数日で陥落 つまり援軍を求めた者はまだ生きているやも…2人でその者たちの行方を探せ」その夜、凌不疑は霍家の祠堂にいた。正気を失った母・霍君華(フォジュンホワ)は植木の手入れをしながら、不疑の話を聞いている。「阿母、兵器を着服した者はすでに突き止め、この手で葬り去りました、ご安心を 我ら霍家の仇は決して忘れません、いつの日か孤城の真相を突き止めます 全ての罪人たちの息の根を止める、一人残らず…」その時、君華の脳裏にふと孤城で目の当たりにした惨劇が蘇った。「…流れた血は血で贖(アガナ)う」君華は無意識に恨みを募らせ、うっかり棘のある枝を握りしめて手を切ってしまう。「血が…手当てしましょう」「いいのよ、阿狸(アーリー)、昔から血が苦手だったでしょう?手を切った時も気絶したじゃない?」「私は成長しました、戦場で敵も殺せます」「戦場?(はっ!)戦場はだめ!兵器が壊れてる!彼らを倒せないの! 彼らは誰一人来てくれなかった!」すると不疑は動揺する君華を強く抱きしめた。「大丈夫、兵器を壊した者は全員、殺しました…来なかった者も一人一人見つけ出します」祭壇に並んだ霍家兄弟の位牌、その後ろには孤城で無念の死を遂げた将士たちの位牌がずらりと並んでいた。凌不疑の私刑は皇帝の耳にもすぐ入った。不疑はすでに3時(トキ)ほどひざまずいている。「お前を甘やかしすぎた!審理前に殺すとは、君主を欺く罪だぞ?!」「雍王父子は無辜の将士と何(ハー)将軍一族を殺した、それを始末して何の罪が? 他の事案にも関わっているのです!」「死者は戻らぬ!なぜ執着する?…お前を甘やかすのも天下の民の安逸が前提なのだぞ? 戾(レイ)帝が世を乱して数十年、民は平穏な日々を待ち望んでいた それなのにまた朝堂を乱して天下を混乱に陥れると?!」「…滅相もない」頑なだった不疑はようやく自分の過ちを認め、罰として半年の食邑(ショクユウ)没収と半等級の降格を命じられた。その頃、破談問題で揺れる程(チォン)家に楼(ロウ)家から話し合いたいという旨の書簡が届いた。程家から破談にして欲しいという思惑は明らか、少商(シャオシャン)は楼太傅ではなく楼伯夫人の企みだと気づく。「はお、話を聞いてやろうじゃないの!」憤慨した蕭元漪(シャオユエンイー)は早速、嫋嫋(ニャオニャオ)を連れて楼家に出かけることにしたが、婦人の問題につき程始(チォンシー)はひとまず留守番になった。「我らが楼家と格闘になったら、止めに来くればいいわ」(; ̄▽ ̄).oO(格闘する気満々だな…@父楼家では楼伯夫人と娘の楼縭(ロウリー)が待ち構えていた。案の定、楼伯夫人は栄誉ある何家との縁談は楼垚(ロウヤオ)にとって身に余る光栄だと言いのける。母娘は楼太傅の権勢を笠に着て程家を見下し言いたい放題、しかし相手が悪かった。蕭元漪は理不尽な物言いに呆れ、けりを付けるなら外へ出ろと圧力をかける。驚いた楼伯夫人は使用人たちを呼びつけ対抗、皇太子の太傅である楼府での狼藉だと責めた。「母娘して楼府でのさばるとは…ギギギギ!いい度胸ね!」「そもそも求婚してきたのは楼家、本来なら楼太傅が謝罪に来るのが筋でしょう? 楼伯夫人が口を出すことかしら? 私たちがのさばる?…その言葉、そっくりそのままお返しするわ」楼垚は少商たちの来訪を聞いて慌てて母たちと母屋に駆けつけた。すると興奮した大夫人と楼縭が金切り声を上げる。「阿母!早くこの人たちを追い出して!程家の出入りを禁じて…」「何をしてるの?!早く追い出しておしまい!…出て行けぇぇぇぇ!」絶叫しながら程伯夫人に迫る楼伯夫人、その時、蕭元漪が思い切り楼伯夫人の横っ面を張り倒した。「今までは姻戚になる手前、顔は立ててやった 破談となった以上、この一発を境に2度と来るもんですか!足が汚れるわ!」激怒した楼縭は母の敵を討とうとしたが、すかさず少商が引っ叩いた。「阿母の出る幕でもない、あんたは私が片づける」「行くわよ」蕭元漪は引き上げることにしたが、二房たちが引き止めた。↓鼻セレブの会…少商は楼垚が足を怪我していると気づき、楼大夫人の仕業かと疑った。しかし二房夫人が否定し、実は息子が塀を乗り越えようとして落下したと教える。安堵した少商だったが、その時、ようやく楼垚を支えているのが袁慎(ユエンシェン)だと気づいた。「なぜここに?」「楼大公子とは良朋(リョウホウ)でな、弟御が負傷したと聞いて見舞いに来た」( ತ _ತ).oO(いつも騒ぎを嗅ぎつけるのね…ボソッすると板挟みとなった二房夫人はいっそ少商と何昭君(ハージャオジュン)を一緒に娶ってはどうかと持ちかけた。蕭元漪は呆然、程氏三兄弟で側室を取った者はいないと憤慨して出て行ってしまう。そこで少商は最後に楼垚の考えを聞くことにした。楼垚は絶対に昭君を娶らないと拒否、改めて少商との破談はないと断言する。( •̀㉨•́)<絶対に嫌だ!(๑•̀ㅂ•́)و✧<約束よ?( •̀㉨•́))<うん!少商は楼垚の気持ちを確認し、ひとまず帰ることにした。しかし短気な母が自分たちを置いてさっさと帰ってしまったと知る。門前で途方にくれる少商、すると思いがけず袁慎が自分の馬車で送ると言った。袁慎は馬車に揺られながら、何将軍が昭君をなぜ楼垚に嫁がせたかったのか説明した。今は昭君が何家の遺産や一族の孤児たちを管理しているが、いずれは成人した末子が引き継ぐことになる。それまでの十数年、遺産を守るためには権門の楼家に嫁ぐことが最も安全な選択だった。「だったら袁夫子、あなたはどう? あなたなら何家の財は狙わないし、才覚も学識も容貌も阿垚より何倍も勝る あなたなら何昭君もきっと…」すると袁慎は少商の無神経な提案に憤怒、急に馬車を止めて少商を降ろしてしまう。( ತ _ತ).oO(送ったり降ろしたり…マジで何なん? ←分かってないにゃおにゃお洛陽の城門、少商と楼垚は帰京した何昭君に縁談を諦めてもらうよう説得することにした。この機会を逃せば皇帝が楼垚との縁談を賜る可能性がある。すると馬車から昭君が顔を見せた。少商は大事な話があると切り出したが、昭君はこれから重大な用件があるという。「程娘子、どうしても話したいなら同行して」驚いた楼垚は少商を責めるなとかばったが、昭君は亡き父に誓って危害は加えないと安心させた。「阿垚…大人になったわね」安成君の馬車は廷尉獄の前で止まった。恐る恐る昭君の後を追って門をくぐった少商、すると中庭の執行台ですでに肖(シャオ)世子がその時を待っている。世子は見送りに来た昭君に気づき、夫婦の誼で肖家の者を善処して欲しいと頼んだ。「誼?どんな誼かしら?大兄と四兄の首を槍に刺して阿父を挑発した誼? それとも五兄を射(イ)殺し、身籠もっていた嫂嫂を突き刺した誼?!それとも乳母を惨殺した誼?! …陛下は慈悲深いわ、肖家の功績を鑑み、屍は残すつもりだった でも私が訴えたの、さらし首にして欲しいとね! 今日から肖氏は代々、首を切られた逆賊として世人に唾棄(ダキ)されるのよ!」「何だと?!」肖世子は昭君の思わぬ仕返しに激しく抵抗したが、もはやどうにもならない。すると昭君は往生際の悪い世子の顔を引っ叩いた。「急いで帰京したのはお前の首が落ちるのをこの目で見るためよ!」少商は昭君にそろそろ執行の時間だと知らせた。しかし昭君は皇帝が敵討ちを許可してくれたと明かし、執行台へ上がってしまう。「私の手で…あの世へ送ってやる!」昭君は執行人の手から剣を受け取ると、いきなり振りかぶった。驚いた少商は咄嗟に背を向けて逃げようとしたが、誰かにぶつかってしまう。「…怖くない、私がいる」少商を抱き留めたのは凌不疑だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!最後にブチギレた何昭君が全部もっていった~それにしても善見、本当イラっとするわw
2023.08.19
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第19話「急転直下」晴れて楼(ロウ)家との縁談がまとまった程少商(チォンシャオシャン)。凌不疑(リンブーイー)は想い人のために皇帝に嘆願し、少商を楼家で表彰することで花向けとした。そんな事とはつゆ知らず、少商は突如、社交場の花となり、まんざらでもない。一方、楼家二房の楼犇(ロウベン)は弟を連れて人目のない回廊へ来た。恐らくあの詔書は凌不疑が皇帝に頼んだのだろう。楼垚(ロウヤオ)はならば少商と一緒に感謝を伝えに行くと言ったが、楼犇は必要ないと止めた。「凌将軍も知られたくはないだろう、今後、将軍との往来は控えよ」↓可愛いピンク阿垚(๑´ω`๑)♡楼犇が弟を宴席に帰すと、凌不疑が現れた。実は不疑は尺素(セキソ)を交わす㭌(モウ)先生の正体が楼犇だとすでに調べをつけていたという。「やはり子晟(ズーション)は騙せぬな、ふっ」すると不疑は馮翊(ヒョウヨク)郡の地形を熟知している″㭌先生″に地図を描いて欲しいと頼んだ。「力になってくれたら今後の道は大きく開かれるだろう ただ同袍(ドウホウ)となれば往来を控えることは無理だが…」楼犇は不疑が弟との会話を聞いていたと知り、率直に弟を傷つけてまで餌に食いつくつもりはないと牽制した。しかし不疑は今夜、馮翊郡へ向かうと教え、目的は地図だけだと安心させる。楼犇は安堵して不疑を見送ったが、振り返ると伯父の姿があった。( ゚ェ゚)え?Benは不疑が少商が好きだって知ってるの?蓮房(リエンファン)は女公主に凌将軍の伝言を伝えた。何でも女公主に話があり、もし来なければ縁談をぶち壊しに行くと脅されたという。警戒しながら指定された雑木林へ向かった少商、すると木漏れ日の中でたたずむ凛々しい凌将軍の後ろ姿が見えた。凌不疑は人払いしたので誰にも見られていないと安心させた。「少しだけ話をしたくて…」少商は戸惑いの表情を浮かべていたが、不疑から嫁ぐ以外に将来、何をしたいのか聞かれると目を輝かせた。「医者を集めて医術や経験を書にまとめて人々に役立てたい 重い農具の改良も…労力を減らして、多くの収穫を見込めるわ それから鍛冶場を作って器械を設計する、何か作り出せるかも…」不疑は戦場で殺し合いに明け暮れる自分とは全く別人だと笑った。「当然です、あなたはあなた、私は私です」「そうだな、君は君、私は私だ…」すると不疑は少商と会うのは今日が最後になると伝えた。「今夜、発つ、命を賭した戦いになるだろう 程少商、楼垚と外地に行くにしても焦ってはいけない、私が陛下に頼み、安住の地を探そう」その時、ふいに風が吹いて銀杏の葉が舞い落ちてきた。しばし落ち葉を眺める2人。「思えば君の笛の音を聞けなかった」「危険な戦なので御身大切に、お望みなら凱旋後に笛を吹きましょう」「…やめておこう、笛は夫に聞かせると良い、安心して嫁げ 凱旋できたとしてもこの先は他人だ、会うこともない」その夜、凌府に楼大公子から地図が届いた。しかし推挙は辞退するという。凌不疑は楼太傅の横槍が入ったと分かったが、楼家二房がここまで非力だと思うと少商の行く末が心配になった。…危険な戦なので御身大切に、お望みなら凱旋後に笛を吹きましょう…少商の言葉を胸に馮翊郡へ出発した不疑、その頃、少商もなぜか凌将軍との別れが頭から離れず、眠れぬ夜を過ごしていた。凌不疑は呉(ウー)将軍と合流、馮翊郡を平定し、雍(ヨウ)王父子を捕らえて凱旋した。しかし一足遅く、孤軍奮闘した何(ハー)家父子は国に殉じたという。文(ウェン)帝は忠臣の死を心から悼み、朝堂は悲しみに包まれた。すると呉将軍は臨終前の何将軍から遺言を託されたと報告する。何将軍は最期まで幼い息子と娘の昭君(ジャオジュン)を案じていた。何昭君は成婚前、楼垚公子の許嫁だったが、肖(シャオ)賊が捕らわれたことで婚姻も消滅、楼家と再度、縁組したいと言い残したという。恐らく何将軍は楼垚の程家との縁談を知らなかったのだろう。朝廷は紛糾した。程家と懇意の万松柏(ワンソンバイ)は真っ先に難色を示したが、一方で何氏一族の忠勇に鑑み、何将軍の遺言に応じるべきだと訴える大臣もいる。その頃、少商は何も知らずに家塾で不貞腐れていた。楼垚が程家の家塾を辞めた。少商は師匠・袁慎(ユエンシェン)の嫌がらせだと嘆いたが、そこへ萋萋(チーチー)が駆けつける。「少商、大変よ!参内した阿父から聞いたけど馮翊郡の戦は勝利したって! でも例の何将軍一家は戦死したらしいわ」「それはお気の毒ね…でもそれが私と何の関係が?」万松柏は程始(チォンシー)たちに朝議での騒動を説明した。卓にうつぶしたままぐったりしている少商、そんな娘の姿を見た程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は憤懣やるかたない。「私は運が悪い、だから不思議だった、なぜ縁談が順調に進んだのか…(ボソッ」少商の失望は大きかったが、深く傷つきながらも冷静だった。楼家が意思表示しないのは恐らくどちらの縁談の方が得られる利益が大きいか天秤にかけているからだろう。あと一歩で自由な生活を手に入れられるはずだった楼垚、しかも望まぬ相手を娶らねばならない。「一番辛いのは阿垚よ…」その夜、楼垚は裏庭の塀を登って楼家から逃げようとしていた。しかし伯父に見つかり、焦ってはしごから落下、足を負傷してしまう。↓にゃおにゃおと視聴者の姿…_(:3 」∠)_何昭君は安成(アンセイ)君に封じられた。大局を重んじた楼太傅は結局、楼垚と昭君の縁組を決める。楼大夫人は負傷した楼垚を見舞ったが、今回ばかりは二房も黙っていなかった。いつもは怯えている仲夫人も楼家に嫁ぐなら相手が阿垚である必要はないと猛反発、王延姫(ワンイエンジー)も大夫人が自分の息子可愛さに阿垚に押し付けていると非難する。すると楼垚は重い身体を起こし、きっぱり縁談を断った。「これ以上、強いるなら婚礼の日に賓客の前で明かす 大房が縁談を押し付け、自分たちが何昭君を娶らない理由を… そうすれば皆が楼家大房のしたたかさを知るはずだ」しかし楼大夫人は程家に書状を送り、向こうから破談にさせると言い放って帰って行った。王延姫は楼垚が大夫人と堂々と渡り合う姿に驚いた。「程四娘子と出会ってから本当に変わったわ、理詰めで争えるようになるなんてね」「少商が言ったんだ、望む暮らしは自分で勝ち取ると…」楼垚は少商との婚姻を諦める気は毛頭なかった。一方、廷尉府大獄では凌不疑が侍衛を全て引き上げさせ、はりつけにされた雍王と向き合っていた。雍王は全て自分一人の責任だと訴え、息子の命だけは見逃して欲しいという。「…全て?全てとは孤城の件も含まれるのか?」もし肖世子が兵器を売っただけなら、皇帝も雍王の謀反までは信じなかったはずだ。しかし当時、孤城でも兵器が横流しされ、皇帝の義兄一家全滅を招いたとなれば話は別だろう。「陛下は絶対に許さない」「なるほどな…」雍王は息子が許尽忠(シュージンジョン)から兵器を入手したと聞いていた。「許尽忠がお前に捕らわれてから隠し通せないと覚悟していた 奴が私を裏切り孤城の件を吐かねば、半生の功績を犠牲にしてまで挙兵すると思うか?!」雍王は不疑に誘導され、うっかり先走った。実は許尽忠は審理する前に自害し、何も語っていないという。「陛下は釈明の機会を与えるために呼んだのだ、お前は許尽忠が裏切ったと疑い、挙兵した」「違う!陛下は私を殺そうとした!だから挙兵した!私は間違っていない!」「因果応報だ!」不疑は孤城での惨劇を思い出し、ふつふつと怒りが込み上げた。雍王の利益のために霍(フォ)家は全滅、孤城で無念の死を遂げた将士や離散した民を思うとやるせない。「あの日から悪夢にうなされず、安らかに眠れているか?」つづく( ๑≧ꇴ≦)うわあぁぁぁぁ〜!まさに急転直下!
2023.08.18
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第39話「もう一人の庫狄家の娘」晴れて裴行倹(ハイコウケン)との縁談が決まった庫狄瑠璃(コテキルリ)。しかし裴行倹の財産を預かる河東(カトウ)公府の女主人・臨海(リンカイ)大長公主が横槍を入れて来るのは必至だった。臨海大長公主はかつて裴行倹が陸琪娘(リクキジョウ)を娶ると知った時、琪娘を養子に迎えたという。当初は善意からだと疑わなかったが、実は琪娘に資産を管理させるその裏で手を回し、故意に大きな損失を出させていた。生真面目な琪娘は誰にも打ち明けられず思い悩み、無理が祟って亡くなったという。それ以来、臨海大長公主は裴行倹が親兄弟だけでなく妻子まで破滅させる疫病神だと噂を流し、縁談が来るのを阻止していた。↓大長公主の破壊力ハンパないwww裴行倹の親代わりである蘇定方(ソテイホウ)と于(ウ)夫人は安全のため婚礼まで琉璃を蘇府で預かることにした。それだけでなく于夫人は琉璃を養女に迎えたいという。琉璃は叩頭して義母に挨拶し、実の母を亡くした自分が再び母の愛を受けられると喜んだ。裴行倹は縁談の報告のため河東公府に臨海大長公主を訪ねた。しかし対応に出た崔(サイ)夫人からちょうど昼寝している時間だと断られてしまう。「実は恩師の命により于夫人の養女を娶ります、代わりにお伝えください」「その養女とは誰なの?」「許嫁は庫狄琉璃と言い、兵部録事(ロクジ)・庫狄延忠(エンチュウ)の長女です」「庫狄延忠…庫狄延忠…はっ!もしや崇化(スウカ)坊の庫狄延忠のこと? 庫狄延忠の長女と言ったわね?なら他にも娘がいるというの?」すると裴行倹は正妻の安(アン)氏の娘である琉璃が長女で、側室が産んだ義妹もいると説明した。「名は珊瑚(サンゴ)です」崔夫人は以前、裴如琢(ハイジョタク)が側室に迎えようとしたが断られ、大恥をかかされた庫狄家だと思い出し、今さらながら娘が2人いたことを知った。琉璃は蘇府で婚礼の日を待っていた。裴府とは屋敷をひとつ隔てただけだが、用心のため裴行倹とは会えずにいる。そんなある日、如意衣装店に蘇府の馬車が止まり、帷帽(イボウ)で顔を隠した令嬢が現れた。「この店の馴染みの客です、奥で話をさせていただいても?」帷帽を外した令嬢は琉璃だった。琉璃は伯父の安四郎(アンシロウ)と阿霓(アゲイ)に再会、ようやく母の敵を討って皇宮を出たことを報告した。裴行倹との縁談もまとまったが、中眷(チュウケン)裴家との婚礼は名家・河東公府に関わるため、伯父たちを巻き込まぬよう訪ねるのに時間がかかったという。安四郎は琉璃にも生涯の伴侶が見つかったと安堵し、亡き妹も喜んでいるはずだと言った。「婚礼が済んだら2人で伯父と伯母に挨拶に来るわね」衣装店からの帰り道、琉璃の馬車が急停止した。驚いて外を見てみると、裴行倹の従者・阿成(アセイ)が馬にぶつかって倒れている。すると裴行倹がそっと車に近づき、琉璃を馬に乗せて連れ去った。裴行倹は参内の帰り、皇帝の話を琉璃にも伝えようと蘇府へ向かった。するとちょうど如意衣装店に出かけたと知り、帰路で琉璃をさらう策を講じたという。実は皇帝の寵愛を一身に集める昭儀(ショウギ)・武媚娘(ブビジョウ)が皇后や妃嬪に恨まれ、攻撃の的となっていた。皇帝はこの事態を重く見て廃后を考えているらしい。確かに愛し合う2人が結ばれることは幸せなことだが、裴行倹は友としてなら喜べても臣となれば話は別だと言った。↓一応、史実通り裴行倹は反対なのね庫狄延忠は珊瑚から如意衣装店の前で琉璃を見たと聞いた。風に揺れた面紗の隙間から見えたのは確かに琉璃、蘇府の馬車に乗り込んで帰ったという。「于夫人の養女だと人が噂していたわ」延忠はもしや琉璃が実家にも挨拶に来るかもしれないと待っていたが、予想外に妹の庫狄五娘(コテキゴジョウ)が訪ねてきた。五娘は河東公府から世子と裴炎(ハイエン)が同時に見初めたのは珊瑚ではなく琉璃だったと聞いた。驚いた五娘は実家に駆けつけ、兄を追求する。「琉璃は生きていたの?嫂嫂の汚名をすすいたのは琉璃なのね?!」焦った延忠は人づてに琉璃が宮中で生き延びていたことを知ったと嘘をつき、今は皇宮を出て蘇府の養女になったと聞いたばかりだという。しかし琉璃のことが原因で珊瑚が双方の縁談を辞退したのは明らかだった。「珊瑚をぜひとも都尉府に嫁がせたいと頼んでおいて…私を馬鹿にしているの?!」曹(ソウ)氏は五娘をなだめようと全て琉璃が悪いと罪をなすりつけたが、その時、馬のいななきで馬車が到着したと分かった。琉璃は出迎えてくれた実家の使用人たちに祝儀を渡した。「陛下から賜った絹なの、みんなで分けてね」「感謝します!陛下からの賜り物なんて私どもには見る機会もない品です!」使用人たちは琉璃の心遣いに感激したが、琉璃が屋敷へ入ると、早速、曹氏に横取りされてしまう。延忠と五娘は曹氏と珊瑚そっちのけで琉璃を歓待した。琉璃のおかげで官職を得た延忠は上機嫌だが、中眷裴家と臨海大長公主との確執を知る五娘は素直に縁談を喜べない。「命に関わることよ、良く考えて」五娘はかつて兄が安氏と琉璃の命を顧みず屋敷から追い出したことを思い出し、欲の皮を突っ張らせ、出世のために琉璃を疫病神に嫁がせるつもりかと憤慨した。「姑姑(ココ)のお心遣い、心から感謝します 阿母の恨みを晴らすのに十数年もかかりました もう阿母と琉璃は庫狄家のお荷物ではなくなった、この家に借りもありません」すると延忠は安氏の位牌に″正妻″と書いて庫狄家の祠堂に納めてあると教え、自分が間違っていたと謝罪した。琉璃も庫狄家から裴府に嫁ぎたいと話し、過去は水に流すという。「だけど忘れないで、自分の利益のために娘の幸せを犠牲にしないでね」「そうだな、約束するよ」臨海大長公主の使いで崔夫人が蘇府にやって来た。確かに琉璃は噂に違わぬ美しい容姿、しかし才気煥発には見えない。崔夫人はしょせん庶民の娘だと高を括り、大長公主からの婚礼祝いを渡した。化粧箱に収められていたのは永寧(エイネイ)坊にある屋敷の証文で、東西160丈・南北250丈とある。「蘇府よりも大きな邸宅です、とても受け取ることはできません」驚いた琉璃は慌てて辞退したが、崔夫人は大長公主からのほんの気持ちだと笑った。「守約は河東公府で育ったのよ、大長公主は家族と見なしているわ 前妻の陸琪娘に贈った屋敷はこの5倍もあったわ、素直に受け取ってくれたわよ?」すると崔夫人は琉璃の顔をじっと見つめ、うつむいた様子が前妻に良く似ているという。「急に婚姻なんて言うから驚いたけれど、そういう理由だったのね…」琉璃はあらかじめ臨海大長公主の悪辣さを聞いていたおかげで慌てずに済んだ。…受け取らなければ敵意があると疑われ面倒ね…「分かりました、せっかくのご厚意ですから頂戴いたします」しかし話はこれで終わらなかった。「そうだ、忘れるところだった…近々、庫狄家とはもっと近い関係になりそうよ?」実は臨海大長公主は琉璃を牽制するため、琉璃と犬猿の仲である義妹・珊瑚を如琢の側室に迎えると決めていた。上元節を迎えた。その夜、蘇府では琉璃が義母に教わりながら縁起物の切り絵を作っている。「女媧(ジョカ)が人を作った際にはまず1日目に鶏を、2日目に犬を作った 3日目には豚、4日目は羊、5日目は牛を、6日目は馬を作り、7日目にやっと人ができたそうよ だから正月7日は″人の日″と言われている 長安では髪や屏風に切り絵を飾る習慣があるわ、色とりどりの絹や金銀の紙を人の形に切って…」器用な琉璃は初めてながら見事な美女の形を作った。于夫人はその切り絵を侍女に託し、裴府へ届けるよう頼んでくれる。すると以心伝心のように裴行倹が琉璃のために作った公子の切り絵が届いた。つづく( ゚ェ゚)あれ?これ切り絵の話だっけ?…違う違うw
2023.08.17
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第38話「縁を結ぶ白い鳩」永徽(エイキ)5年。皇帝・李治(リチ)は寵愛する昭儀・武媚娘(ブメイニャン)と尚服局の大家・庫狄琉璃(コテキルリ)を連れて万年宮にいた。避暑にやって来たものの連日の雨、そんな中、長安の県令・裴行倹(ハイコウケン)が急に訪ねて来る。拝謁の目的が琉璃だと察した王伏勝(オウフクショウ)は帰るよう説得したが、裴行倹は激しい雨にもかかわらず、梃子でも動かなかった。困り果てた王伏勝は翌朝、ちょうど回廊に出ていた武昭儀に事情を説明し、判断を仰ぐ。すると武媚娘は皇帝には知らせないよう命じ、侍女・玉柳(ギョクリュウ)にある頼み事をした。李治は琉璃が献上した新しい衣に袖を通した。王伏勝の話では庫狄大家が暑がりの皇帝のために改良した絹の紗(シャ)で夏用の衣を作ったという。未だ琉璃を手放すことができない李治、しかし琉璃は避暑に来ても皇帝を避けるように山頂の梳粧(ソショウ)楼に移っていた。そこへ武媚娘がやって来る。「陛下、宝児(ホウジ)がいなくなりました」その頃、玉柳は主に頼まれた通り裴行倹に鳥籠を渡していた。万年山は7日間も雨が降り続いていた。鄧七娘(トウシチジョウ)は止むどころか激しくなっていると心配したが、琉璃は山道がぬかるめば誰もここまで来ないと安堵する。その時、王伏勝が差し入れを届けにやって来た。「炭と油が御入り用だとうかがったので…陛下は夜が寒いのならふもとへ連れ戻すようにと仰せです」琉璃は笑って炭も油も絵を描くために使うと教えたが、そこへふもとから使者が駆けつけた。「県令の裴行倹が用あって拝謁を賜りたいと…」裴行倹が昭儀の鳩を発見、万年宮に届けた。皇帝が宝児を探していると知って感業(カンギョウ)寺へ向かったところ、そこで見つけたという。喜んだ武媚娘は裴行倹のもとに駆け寄って鳥籠を受け取りながら、あせらず時機を待つよう警告した。裴行倹は助言に従ってすぐ引き上げることにしたが、その時、激しい雷鳴がとどろく。「この悪天候だし、夜道は危険ね…」武媚娘が機転を利かせると、李治は裴行倹に一晩、泊まっていくよう勧めた。裴行倹が通された部屋は客室ではなく、琉璃が使っていた部屋だった。しかし今は梳粧楼に移り、この雨では訪ねる人もいないという。裴行倹は窓から山頂を見上げると、雨で霞みながらもわずかに明かりが見えた。聞けば琉璃は静寂を好み、皇帝の宴にも参加せず、絵ばかり描いているという。一方、琉璃も窓辺に座り、主殿を見下ろしていた。すると当初、使っていた自分の部屋に明かりがついているのが見える。「彼だわ…間違いない」その時、雷鳴の合間にかすかに地鳴りがした。「大変よ、山津波だわ!」琉璃は侍女たちに大きな音を鳴らして警戒を呼びかけるよう命じた。その時、ふもとに裴行倹がいると思い出し、危険を承知で主殿に戻ることにする。必死に止める鄧七娘を振り切り飛び出した琉璃、するとうっかり足を滑らせ転びそうになってしまう。その時、裴行倹が駆けつけ、琉璃を抱き止めた。七娘は抱き合って涙する2人の姿を目の当たりにし、思わずこのまま逃げろと叫んでしまう。「山津波でたくさんの人が流されるわ!今なら誰にも気づかれない!」一方、万年宮では李治たちが逃げ遅れていた。王伏勝はすぐ裴行倹を呼ぶよう頼んだが、侍女・書蘭(ショラン)の話では部屋にいなかったという。すると李治はこれも天意だと漏らした。「すでに琉璃と逃げたのだろう、それも良い」しかし思いがけず裴行倹が現れる。「陛下、遅くなりました!すぐに避難を!」その頃、琉璃はちょうど倉庫に届いていた油と炭で梳粧楼に火を放ち、避難して来る民たちの道標にしていた。万年山に快晴が戻った。李治は裴行倹の忠誠心に深く感銘を受け、ついに琉璃を手放す決心がつく。そこで山津波から多くの民を救った琉璃の功績を認め、望み通り皇宮を出て愛する者と自由に暮らすことを認めた。それだけでなく妃嬪にのみ許される豪華な宝飾品を授ける。「皇宮を出たらもう守ってはやれぬ、無事で暮らせ」すると李治は最後にようやく裴行倹の玉を琉璃に返した。武媚娘は琉璃を見送りに出た。その様子を李治は王伏勝と一緒に回廊からそっと見守っている。「あの頃にはもう戻れないのだな…」「陛下、後悔しておいでですか?」「2人が幸せなら3人が苦しむより良い」李治はようやく素直に琉璃と裴行倹が結ばれることを願えるようになった。琉璃はついに自由の身となり、裴行倹のもとへ駆けつけた。あの日、一緒になれる唯一の機会をあきらめて皇帝たちを助けに向かった裴行倹、もし皇帝の恩賞がなければ一生、後悔するところだったという。「あなたが大勢の命を犠牲にするはずないと分かっていたわ」「人助けは後悔しない、だが君を失えば必ず悔いが残ったよ 琉璃…君を娶りたい、ずっと一緒にいよう!」「いいわ!」裴行倹は師匠の蘇定方(ソテイホウ)と于(ウ)夫人に琉璃を紹介した。将軍夫妻は琉璃を歓迎、両親を亡くして家族がいない守約(シュヤク)のため、婚礼を自分たちが執り行うという。そこで婚礼前日まで琉璃を蘇府で預かることにした。琉璃は蘇府に迷惑をかけられないと遠慮したが、実はここに留めるのは琉璃だけでなく親族を守るためでもあるという。「琉璃よ、お前がひとたび守約に嫁げば河東(カトウ)公府と中眷(チュウケン)裴一族に目の敵にされるだろう」 最初の妻・陸琪娘(リクキジョウ)は連中に殺されたようなものだ」琉璃は裴行倹が妻をもったことがあると知った。実は裴行倹が琉璃と初めて出会ったのも、科挙と婚約のため上京した時だったという。「黙っていたのは話す機会がなかったのもあるが、それ以上に私にとって心の傷だったからだ」裴行倹の父と兄は隋(ズイ)に刃を向け、王世充(オウセイジュウ)に殺された。その時、裴行倹の母は威望が厚い西眷(セイケン)裴の宗主・魏(ギ)国公を頼ったという。おかげで裴行倹の父は封号を賜り、宗主の口添えで資産の返却まで認められた。資産は婚礼と同時に裴行倹に戻る条件で、母は中眷裴一族を養うため、息子と琪娘の縁談を決めたという。琉璃は魏国公の位を河東公の長子が継いだと知っていた。「確か夫人は陛下の叔母君である臨海(リンカイ)大長公主ですね?」その頃、臨海大公主は裴行倹に再び縁談があると聞いていた。つづく( ゚ェ゚)若作りめいにゃん、無茶してんな〜w
2023.08.16
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第37話「届かぬ想い」皇帝・李世民(リセイミン)が崩御、宮中に崩御を知らせる鐘が鳴り響いた。出家した武媚娘(ブメイニャン)は咸池(カンチ)殿で鐘の音を聞き、叩頭して別れの挨拶とする。「玉柳(ギョクリュウ)、荷をまとめて…感業(カンギョウ)寺へ移るわ」それから一月後、裴行倹(ハイコウケン)がついに都へ戻った。しかし東宮に琉璃(ルリ)の姿はなく、最悪の事態が頭をよぎる。すると回廊で王伏勝(オウフクショウ)と出くわし、実は自分が留守の間に先帝が崩御、李治(リチ)が新帝に即位したと分かった。王伏勝は裴行倹から絶壁雷公藤(ゼッペキライコウトウ)を受け取り、すぐ薬王に届けさせた。実は裴行倹は薬草を手に入れたものの崖から転落してしまったという。幸い蔓に絡まったが2日も昏睡し、偶然、薬草を採りに来た僧侶に救われていた。琉璃の無事を聞いて安堵する裴行倹、しかし皇帝が琉璃を後宮に移して静養させているという。「もし琉璃が伏せっていなければ、今頃は高貴な身分になっていたでしょう」驚いた裴行倹は皇帝に謁見したいと頼んだが、王伏勝はひとまず休んだほうが良いとなだめた。その夜、政務を終えた李治は琉璃の様子を見に行った。すると琉璃は裴行倹が持ち帰った薬草のおかげで一命を取り留め、太医はこのまま静養すれば全快すると報告する。喜んだ李治だったが、そこへ裴行倹が目通りを請うていると知らせが届いた。しかし琉璃と裴行倹の関係を知った李治は謁見を認めず、自分が呼ぶのを待つよう命じる。王伏勝は太極門で待っている裴行倹に琉璃なら回復すると報告したが、謁見はできないと伝えた。「数日すればお召しがあるでしょう」琉璃はついに目を覚ました。知らせを聞いた李治は急いで後宮に駆けつけたが、なぜか宮女たちは外に控えている。「見舞い客がいる間、外で待つよう言われました」驚いた李治が寝殿に入ると、そこには孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)がいた。実は琉璃が2人を呼ぶよう頼み、眠っている間の世の変化を教えてもらったという。李治は人払いし、無事に即位できたのも琉璃のおかげだと感謝した。すでに大理寺には安(アン)氏の事件の再審を命じたという。そこで琉璃が回復したら妃嬪に迎えたいと言いかけたが、話を遮られた。「お願いがあります陛下、感業寺に入り、武才人に仕えることをお許しください」李治は我が耳を疑った。「今なんと?…出家したいと?」「はい陛下、武才人は命の恩人、姉のような存在です 本来なら出家の際にお供すべきでしたが、母の敵討ちを果たすため宮中に残ったのです」しかし李治が即位した暁には武才人を宮中に呼び戻す約束になっていた。「武才人は戻ってくるぞ」「陛下、ならば私を尚服局にお戻しください」…琉璃、分かっている、裴行倹を案じているのだな…朕が与えたいのは妃嬪の身分だけではなく真心なのに、そなたの真心は裴行倹のものだ「いいだろう、尚服局へ戻るが良い」琉璃は皆のために一番良い身の処し方を選んだ。琉璃は孫徳成からすでに皇帝が自分を妃に迎えるつもりで、父親に官職が与えられたと聞いていた。裴行倹も薬草を持ち帰ったあと皇帝に避けられ、焦って不禄院へ相談に来たという。『…陛下はお前たちの関係に気づいたのだろう』その証拠にいつの間にか琉璃の首から裴行倹がくれた玉がなくなっていた。李治は琉璃に拒まれ、その夜、珍しく深酒した。すると窓から宝児(ホウジ)が飛び込んでくる。宝児の背には武媚娘からの文が付いていた。…陛下、権力の頂に立つ者は常に孤独、耐え難い寂しさを抱えて生きなくてはなりません…めいにゃんには何もして差し上げられませんが、悩める時は宝児を飛ばしてください李治の心には琉璃しかいなかったが、自分を気遣ってくれるのは武媚娘だけだった。「めいちゃん、守約(シュヤク)と琉璃にどう接すればいいか教えてくれ…」琉璃は尚服局の大家として復帰、掖庭で母の冤罪事件の判決を聞いた。…卓錦娘(タクキンジョウ)と林(リン)尚服は褘衣(キイ)を作って君主を欺き、無辜の者に罪を着せ、骸まで焼いた…陛下の命を受け大理寺が安大家の無実を公表する…大罪を犯した卓錦娘と林尚服は斬首刑に処する卓錦娘は過ちを認めて琉璃に命乞いしたが、琉璃の目は冷たい。「自業自得よ、阿娘に何をしたか、よく思い出すことね」すると卓錦娘は琉璃と一緒にいた鄧七娘(トウシチジョウ)に師匠を見捨てるつもりかと訴えた。しかし七娘も過去の所業を思えば助けることはできないという。その時、刑執行の時間となった。思えば母もここで無念の死を遂げた。…正体を隠し、宮中で暮らして10年余り、ついに敵を葬り、雪辱を果たすことができた…阿娘、いつも私の幸せを願ってくれたわね…約束するわ、やっと手に入れた平安を大切に、必ず幸せな人生を送ってみせる…阿母も安心して眠ってね琉璃は母の優しい笑顔を思い出しながら、掖庭をあとにした。皇帝はようやく裴行倹を引見した。曹(ソウ)王の陰謀を阻止し、琉璃の命を救った功績は大きく、李治は望む物を与えるという。「ただし婚姻は除く」琉璃との婚姻を願い出るつもりだった裴行倹は呆然となった。「お前は中眷(チュウケン)裴家の後継ぎだ 朕の叔母・臨海(リンカイ)大長公主との恩讐は聞いている お前は家族に不幸をもたらす孤独の星に生まれたと噂だ、分かっている 流言を煽っているのは臨海長公主だろう お前が妻を亡くしたあと、独身を貫いているのも叔母が原因だ 本当は貴族の娘との婚姻を授けるつもりだった、叔母への牽制にもなる しかし先帝の喪中ゆえ、今は都合が悪い」裴行倹は恨み言一つ言わず、皇帝の気遣いに感謝した。そこで李治は実は琉璃が所望した褒美は尚服局に留まり、自分の衣を作り続けることだと明かす。すると裴行倹は特に欲しい物はないと辞退した。「大唐と陛下に忠誠を尽くすことが私の願い、師の教えに背かず、陛下のご厚遇に応えます」裴行倹は笑顔で答えたが、それが返って李治を惨めにした。新帝の李治は自分の基盤が盤石ではないとし、いずれ裴行倹を吏部に移して人材集めを任せるつもりだと話した。そこでまず数年は長安令として経験を積んで欲しいという。しかし皇宮の外で任に就く場合、宮中の出入りができる腰牌を返却する必要があった。こうして李治は裴行倹が琉璃と会えるわずかな機会さえも奪ってしまう。李治は苦しい胸の内を武媚娘にだけ明かしていた。武媚娘の鳥文には想いを手放せば時が解決してくれるとある。…めいにゃんは陛下も知らない許されぬ想いを深く心に刻みつけ、痛みを受け入れ生きてきましたしかし李治は武媚娘の自分への秘めた想いを知っていた。気がつけば自分の1番の理解者となっていた武媚娘、李治は必ず約束を果たし宮中に戻すと決意する。一方、王伏勝は太極門まで裴行倹を見送った。裴行倹は琉璃への伝言を頼みたいと言ったが、断られてしまう。…琉璃、尚服局に残りたいと願ったのは、私が陛下の恨みを買わないためであろう…君にいつかまた会える日が来るだろうか永徽(エイキ)2年、李治の喪が明けた。武媚娘は宮中に戻ることが叶い、昭儀に封じられる。つづく( ゚д゚)ボロボロ裴行倹の衝撃がw
2023.08.15
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第36話「最後の賭け」皇太子・李治(リチ)は医官の豆子(トウシ)が実は安(アン)大家の娘・庫狄琉璃(コテキルリ)だと知った。これまで内侍の豆子に惹かれる気持ちに戸惑っていたが、女子だと分かり喜びを隠しきれない。しかし中毒を起こしていた琉璃は無理な断薬が祟って昏睡状態となり、太医令の蒋(ショウ)太医でも解毒は不可能だった。裴行倹(ハイコウケン)は曹(ソウ)王府から助け出された薬王を皇太子に紹介した。薬王はこれまでの罪滅ぼしに琉璃の解毒薬を作ると約束したが、そのためには書物でしか見たことがない希少な薬草・絶壁雷公藤(ゼッペキライコウトウ)が必要だという。この薬草はその名の通り人が到達できるとは思えない断崖絶壁に生えていた。裴行倹は迷わず自分が取りに行くと申し出たが、李治はあまりに危険な任務のため即断できない。その時、王伏勝(オウフクショウ)が駆けつけた。実は断薬していた蒲巴弩(ホハド)が亡くなったという。「殿下、薬草を探しに行く許可を!」「守約(シュヤク)、そなたに琉璃の命を託そう」琉璃は薬王の薬のおかげで病状が安定した。その夜、裴行倹は出発前に琉璃の顔を見に来たが、偶然にも琉璃が目を覚ます。「琉璃、安心しろ、絶壁雷公藤という薬草があれば解毒できるそうだ」琉璃は険しい道だと察し、自分のために危険を冒さないで欲しいと訴えた。楊(ヨウ)妃と曹(ソウ)王が失脚した今、皇太子が後ろ盾となり母の冤罪を晴らしてくれるはずだという。「もう思い残すことはない…裴行倹、ありがとう、理解し合える人と出会えて幸せだったわ」しかし裴行倹はこれからも琉璃と一緒にいたいと願い、必ず薬草を見つけて戻ると誓った。そこで肌身離さず持っていた玉を琉璃の首にかけ、曹王から取り戻した香袋を返す。琉璃は母の形見を愛おしそうにながめたが、幸運のお守り代わりだった香袋を裴行倹に贈った。「…琉璃、待っていてくれ」すると裴行倹は香袋を大事そうに懐にしまい、琉璃に口づけした。尚服局に皇太子の御言(ミコト)が下った。実は豆子の正体は貞観(ジョウガン)11年に自害した安(アン)氏の娘・琉璃だという。琉璃は非業の死を遂げた母の霊を慰めるため身分を隠し、10年の歳月をかけて真相を明らかにしていた。こうして当時、安氏に謀反の罪をなすりつけた卓錦娘(タクキンジョウ)と林(リン)尚服は掖庭に収監、尚服局は当面、鄧七娘(トウシチジョウ)に管理させるという。一方、如意衣装店にも思わぬ知らせが舞い込んだ。「大変です、太子が安氏の謀反について大理寺に再審を命じたそうです!」小檀(ショウダン)の知らせを聞いた安四郎(アンシロウ)と阿霓(アゲイ)はついに琉璃が敵を討ったと喜んだが、話には続きがあった。「琉璃は生きていたのですね!ただ… 琉璃は重傷を負って昏睡状態のため、正式な判決は回復を待ってからだとか」確かに元気なら自分から報告に来るはず、安四郎と阿霓は琉璃の身を案じた。肺病を患っていた楊妃が亡くなった。皇帝も病が悪化の一途を辿り、今のうち李明(リメイ)の処分をどうするつもりか皇太子に確認する。李治は判断を決めかねていたが、兄弟の情をかんがみ、14弟に機会を与えると答えた。「分を守って生きるなら命は助けましょう」「やはり治児には人徳がある…朕の目は確かだった しかし再び二心を抱いた時は大唐のために容赦なく手を下すのだ」琉璃は少し目覚めては昏睡を繰り返していた。薬王の話では毒が心臓まで達しているため、例の毒薬を飲めば数日の延命が可能だという。王伏勝は皇太子の判断を仰いだ。「最後の賭けだな…毒の回りと守約の帰り、どちらが早いか」孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)は琉璃を不禄院で静養させることにした。そこで東宮を訪ねたが、移動どころか顔を見ることも許されないという。実は皇太子は琉璃を後宮に移し、妃嬪の待遇で養生させていた。後宮には宮女と太医以外が入ることしかできず、当然、孫徳成たちは近寄ることもままならない。仕方なく孫徳成と順子は引き返したが、皇太子が琉璃を妃嬪に迎えるつもりだと気づき、裴行倹を想う琉璃の気持ちを考えるとやり切れなかった。皇太子はわずかな暇を見つけては琉璃を見舞った。しかし琉璃は半分が胡人で父親も官職がなく、妃嬪としてそばに置くのは難しい。李治はまず父親の庫狄延忠(コテキエンチュウ)に手を回すことにしたが、その時、琉璃がうなされながら裴行倹の名を呼んでしまう。聞けば裴行倹は薬草を採りに向かう前、琉璃に会いに来ていた。驚いた李治は琉璃が首飾りをつけていることに気づき、そっと紐を引っ張り出してみる。すると見覚えのある玉がぶら下がっていた。これは確か裴行倹の腰牌…。李治は琉璃と裴行倹の関係に気づき、思わず玉を奪い取ってしまう。慌てた王伏勝は裴行倹には想い人がいるはずだと安心させた。実は以前の腕比べて負傷した時、うわごとで何度も″玉児(ギョクジ)″という名前を口にしていたという。李治は琉璃が街にいる間、女子の姿だったのか、どんな名前を使っていたのか調べるよう命じたが、やはり真実を知るのが怖くなってやめた。その頃、裴行倹は激しい雨の中、岩山の絶壁を登っていた。すでに手は血だらけ、時には足を滑らせ落下しそうになりながら、琉璃のために必死に薬草を探す。やがてついに裴行倹は絶壁雷公藤を発見、手に入れた。翌朝、李治はいつものように皇帝の見舞いに訪れた。そこへちょうど総管・藩秦海(ハンシンカイ)が太医を連れて朝の脈診にやってくる。李治は上掛けから父の手を出したが、皇帝の手はやけに冷たくなっていた。つづく( ゚ェ゚)分かりやすい薬草の名前w
2023.08.14
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第18話「想い人のために」身を以て楼(ロウ)家という虎穴を体験した程少商(チォンシャオシャン)。帰路はすでに日が落ちていた。蕭元漪(シャオユエンイー)は娘が縁談を考え直すきっかけになればと思ったが、少商はどこの家でも多かれ少なかれ揉め事はあるという。「大母や二叔母と不仲でも阿母は嫁いできたでしょう?」「比べられないわ、阿父には軍での功績があり崇められている 私はその庇護があるから君姑や弟嫁とも渡り合えるの でも楼垚(ロウヤオ)は非力よ?あなたを守れるかしら?」「夫婦は一体、一方が頼るものじゃない、阿垚は良い人です、温厚で誠実だし、都の放蕩息子とは違う 阿垚と約束したんです、外地の官職を得たら裕福でなくても自在でいられると…」その頃、楼家二房では楼犇(ロウベン)が夫人の王延姫(ワンイエンジー)から痛快な少商の話を聞いていた。「阿垚はあの妻を娶って大正解よ」楼犇は確かに弟が以前に比べて明るくなったと喜んだが、外地を目指すという楼垚の考えはやはり甘いという。しかし王延姫は世が変われば夫も頭角を表す機会があるはずだと期待した。すると楼犇は雍(ヨウ)王が皇帝に都入りを命じられたが、病と称して応じていないと話す。「政変が起きたのやも…朝廷で己を役立てる時が来たようだ 尺素(セキソ)を交わす旧友と会ってこよう」( ゚ェ゚)Ben、何者?蕭元漪もまた楼垚の仕官が難しいことを知っていた。兄の楼犇が文武両道でありながら官職に就けないのは皇帝の決めた掟があるからだという。実は世襲を打破するため寒門の才子を抜擢し、同族は全員、仕官できなくなった。楼伯夫人は当然、息子の仕官を望み、二房の前途は絶たれてしまう。しかし皮肉なことに楼太傅の2人の息子は凡庸で鳴かず飛ばずだった。程家の馬車は偶然にも警戒中の凌不疑(リンブーイー)たちに止められた。窓から顔を出した程四娘子に気づき、表情が和らぐ不疑。しかし少商が楼家との縁談で出かけていたと知ると急に顔が曇った。そこで蕭元漪は数日後に娘と楼家の婚姻を発表すると教え、凌将軍を宴に誘ってみる。すると不疑は間髪を入れず軍務が忙しいと断り、屋敷まで護送すると言った。程家の家塾の師匠は結局、袁慎(ユエンシェン)に決まった。少商は何とか逃れる手立てはないかと考えあぐねるが、楼垚は自分も善見(シャンジエン)兄の授業を受けたいと熱望する。すると二兄・頌児(ソンアル)が万(ワン)家の萋萋(チーチー)も誘ってはどうかと提案した。ピコーン!(  ̄꒳ ̄)<そうね~親友なら苦楽を共にしなくちゃ!萋萋は家塾のために高価な書卓や金の燭台、獣の皮を張った敷物を提供した。しかし豪華なのは女公子3人だけ、男たちは後ろだと追い払う。「私は真ん中ね、姎姎(ヤンヤン)妹妹は右、少商は左よ」「萋萋阿姐は豪快で気配りも凄い!男なら絶対、嫁いでいたのに~」三兄・少宮(シャオゴン)は思わず少商が嫁がなくても程家の次男が萋萋を娶ると言った。すると慌てた萋萋は頌児に嫁ぐくらいなら少商を娶るという。そこへついに少商の天敵・袁慎が現れた。袁慎の講義は退屈だった。少商はこっそり兵書を読んで終わるのを待ったが、袁慎に見つかってしまう。すると袁慎はそれで文人墨客一門の嫁になれるのかと嫌味を言った。しかし少商は民にとって何の役にも立たない講義だと一蹴、学んで何になるのかとぼやく。袁慎を敬慕する姎姎は古今の論説は無用ではないとかばったが、袁慎は歯牙にも掛けなかった。「はお、では今日から役に立つことを話そう、女公子は間もなく妻となる そこで私が夫婦の話をするついでに詩詞や歌賦(カフ)を学べば未来の夫も退屈すまい」…黄金の屋敷は残るも長門宮に情人はおらずつまり世間の夫婦も出会った時は意気投合し、その縁を分かち難く感じるものだただ結局、情はいつか消え去ってしまうでは赤の他人となるのが男女の最悪の行く末か?否、最悪なのは伴侶が仇敵となり、永遠に恨みが消えぬことだろう自分を最も傷つけたのが、あろうことか添い遂げると誓い合った夫だったとは…実はその頃、何昭君(ハージャオジュン)はまさに袁慎の語る夫婦の悲劇を体感していた。肖(シャオ)世子は何昭君を人質にして何将軍を仲間に引き入れる魂胆だったが、祝宴の当日に肝心の何昭君と何公子の姿がない。血眼になって屋敷を探した肖世子は乳母を捕らえ、妻の居場所を聞いた。「岳父が肖家と行動を共にすれば、我が父が大業を成した暁に報いてやるぞ?」「何家は忠義を貫く…賊と共謀などするものか!逆賊め!」すると乳母は殺されてしまう。何昭君は幼い弟と床下に隠れて息を潜めていたが、その時、乳母の鮮血が顔に滴り落ちた。都に軍報が届き、雍王父子は婚姻の宴で何家の子を人質に取り、何将軍に謀反を迫ったと分かった。その夜、文帝は太子、三皇子、凌不疑らを集め、雍王への対応を協議する。三皇子と小越(ユエ)侯は直ちに派兵して馮翊(ヒョウヨク)軍を平定し、見せしめにすべきと上奏した。↓( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!サプライズ!ガオハンよ!しかし皇太子と楼太傅は相手が功臣の雍王であることから、まず投降を促すよう提案する。確かに勇猛な雍王に対抗できるとすればかつての霍(フォ)家軍だけ、今の朝堂に第二の霍翀(フォチョン)はいなかった。↓あら、江澄が太子!その時、凌不疑が何将軍の長子が昨朝に戦死したと報告した。「長年、旧友と尺素を交わしてきました、旧友は各地を遊歴し、遊侠とも誼を結ぶ この知らせも誼を結ぶ遊侠が危険を冒して送ってくれました」実は何将軍は娘の婚礼のため兵を従えず、馮翊郡に向かった。雍王の野心を知り必死で立ちはだかるも多勢に無勢、長子や甥まで失ってしまう。すると不疑が援軍の要請を上奏、自ら出征したいと名乗りを上げた。皇帝は封土の地図もないことから危険だと反対したが、不疑は馮翊郡の地形を熟知する旧友なら地図を描けるという。「陛下、まず呉(ウー)将軍を救援として送り込み、私が地図を入手後に合流、共に戦います」楼太傅はこの″旧友″が誰なのか気づき、まんまとやられたと苦虫を嚙みつぶしたよう顔をした。翌日、楼家で楼垚と程少商の縁談を発表する宴が開かれた。楼伯夫人は早速、今後は自分がゆっくり掟を教えると少商を威圧、程家は先が思いやられる。宴席では少商を毛嫌いする楼縭と王姈(ワンリン)が待ち構えていた。しかし今日は自分の晴れの舞台、さすがに少商も揉め事は起こせない。その時、突然、凌不疑の来訪を知らせる前触れが聞こえた。すると蓮房(リエンファン)が駆けつけ、少商も凌将軍の詔書を共に拝聴するようにとの伝言だという。「何の詔書なの?」「分かりません」中庭にはすでに楼家と程家が揃っていた。程始は出先につき正式な礼で詔書を受けられないと謝罪、しかし凌不疑は簡素で構わないという。「陛下のお言葉を程四娘子に伝えに来た…程四娘子、詔を受けよ」少商は楼家の家族や賓客の前で表彰された。文では驊(カ)県で民を助け、武では賊の平定に協力、婦女の見本だという。何が起こったのか分からないまま詔書を受け取ることになった少商。すると立ちあがろうとした時、うっかり裳裾を踏んでつんのめってしまう。その時、咄嗟に凌不疑が少商の腕をつかんで助けた。思わぬ失態に慌てて凌将軍から離れる少商、まさか今日の表彰が不疑の真心だとは知る由もない。実は皇帝に楼家の宴の場を借りて少商を表彰したいと頼んだのは不疑だった。『賓客の前で程家を賞すれば楼家の顔も立ちましょう…』つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと!来週は「急転直下」って何?!w
2023.08.12
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第17話「虎穴に入りて」凌不疑(リンブーイー)は脱獄した樊昌(ファンチャン)を追っていた。その頃、樊昌は肖(シャオ)世子の配下に助けられ、都近くの潜伏先へ到着する。安堵する樊昌だったが、配下は口封じのためいきなり斬りかかった。しかし危ないところで凌不疑が駆けつけ救われる。「凌将軍、助けてくれ!何でも話す!」不疑はひとまず樊昌を避難させると、たった独りで賊と渡り合った。側近の梁邱飛(リャンチゥフェイ)と梁邱起(リャンチゥチー)は黙って若主公を見守った。「我々に手出しもさせぬとは…ご機嫌斜めなのか?」「…樊昌が逃げなければ程(チォン)家一行を屋敷まで送れたからな」すると邱飛はむしろ若主公の邪魔立てをした賊が不憫になった。一方、程家では珍しく蕭元漪(シャオユエンイー)が床に就ていた。程始(チォンシー)は夫婦となって二十数年、夫人が初めて寝込んだことに動揺を隠せない。「蕭氏が没落した時も気丈だったのに、たかが娘の縁談のことで倒れるとは…」手持ち無沙汰の少商(ショウショウ)は程姎(チォンヤン)に看病を交代すると声をかけたが、蕭元漪は娘を拒んだ。「やはり姎姎(ヤンヤン)はいい子ね…嫋嫋(ニャオニャオ)の縁談を先に進めるなんて私はどうかしていた 気に入った人がいたら教えなさい、必ず話をまとめてあげる」「婚姻は両親が決めるもの、私は伯母上に従います」少商は居たたまれなくなり、湯を替えてくると口実をつけて寝所を出てしまう。回廊で落ち込む少商、そこへ万松柏(ワンソンバイ)が萋萋(チーチー)を連れて母の見舞いにやって来た。( ゚ェ゚)ママン、もう何なの?少商は大好きな萋萋との再会を喜び、自分の居所で近況を報告した。しかし萋萋は少商の相手が楼垚(ロウヤオ)だと知り困惑する。楼垚と言えば何昭君(ハージャオジュン)に虐げられている姿しか思い浮かばず、おとなし過ぎないかという。「そこが好きなの、あんな従順な夫はいないわ 私が作業する時は助手になり、罰を受ければ酒を届けてくれる」「…でもそれって雑用でしょう?蓮房(リエンファン)にもできる」萋萋は夫婦なら両思いであることが大事だと言ったが、少商にはまだ男女の情が分からなかった。「遊び相手を夫にするのが一番よ!」「そうね…私も従順な夫を探す!」すると頌児(ソンアル)と少宮(シャオゴン)がやって来た。顔を合わせれば喧嘩になる頌児と萋萋。周りは2人がお似合いだと分かっていたが、萋萋は気づかない振りをしていた。すると万松柏を見送りに出た程始たちは偶然、中庭で言い争う頌児と萋萋を見かける。「…この前、狩りで鹿の筋を手に入れたの、弓の弦にして、次は負けた言い訳なしよ!」万松柏は娘が自分ではなく頌児に鹿の筋を贈ったと知り、顔をほころばせて帰って行った。しかし蕭元漪は帰京してから自由奔放な息子たちの様子を心配し、師匠を招いた方が良いと思いつく。「家塾を開き、聖賢の教えを授けないと…」程家は白鹿山から師を招くことにした。この話を知った袁慎(ユエンシェン)は自ら名乗りを上げ、早速、曲陵(キョクリョウ)侯府へ向かう。従者は仕官もせず師匠になるという主に頭を悩ませたが、ちょうど門の前に楼家の馬車が止まるのが見えた。すると楼公子が母親と降りて来る。まさに渡りに船、従者は楼家が縁談の話に来たと伝え、日を改めようと提案した。( ತ _ತ)<…戻るぞ(; ˘ω˘)<やっと諦めた…ホッ( ๑≧ꇴ≦)ノ<誰が諦めたんじゃ!もっと凛々しい衣に着替えて来る!楼垚は母を連れて程伯夫人の見舞いにやって来た。楼二房夫人は少商を気に入った様子、しかし蕭元漪は婚姻を急いでいないと反対の意をほのめかす。すると青蓯(チンツォン)が現れ、今日は吉日なのか賓客がまた訪ねて来たと報告した。程家の家塾の師匠として袁慎がやって来た。驚いた少商は父に楼垚を推薦したが、素直な楼垚は絶世の才を持つ師兄の足元にも及ばないと辞退してしまう。一方、善見(シャンジエン)を敬慕する程姎は思わぬ朗報を耳にし、密かに心を躍らせていた。( ゚ェ゚)善見、マジで何なの?文(ウェン)帝は樊昌の脱獄が実は子晟(ズーション)の罠だったと知った。樊昌を泳がせたところ肖世子の刺客と合流、殺されかけたところを捕まえたという。樊昌は肖世子から連合での謀反を持ちかけられ野心を抱いたと供述、決起したら雍(ヨウ)王が協力し、馮翊(ヒョウヨク)郡と蜀(ショク)で手を組み大事を成す約束だった。命の恩人でもある雍王の裏切りに動揺を隠せない皇帝。かつて建国の際には雍王も都入りさせて国を支えて欲しいと考えたが、本人が辞退し、隠居を申し出ていた。「だから朕は長子を都に呼んで世子に封じただけに留め、望む俸禄も与えたのだ これでも朕は寛大でなかったと?」問題の世子は驊(カ)県襲撃が失敗した後、許嫁と封地に戻って成婚していた。許嫁は驍騎(ギョウキ)将軍・何勇(ハーヨン)の娘・何昭君だという。皇帝は忠臣の何勇まで寝返ったのかと呆然、しかし不疑は恐らく何勇は何も知らずに騙されたのだと安心させた。皇帝はまず都の雍王一派を処罰するよう命じ、子晟の進言通り雍王を都へ呼ぶことにした。拝命した不疑はそこで下がったが、皇帝はふと何昭君という名をどこかで聞いたと思い出す。曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は何勇の娘なら世子に惑わされ、楼家の二公子と破談になったと説明した。今や楼家二公子は程少商に縁談を申し込み、成婚も間近だという。「肖世子め!奴が誘惑などせねば楼垚が子晟の意中の者を奪わなかった! おかげで子晟は今も孤独の身ではないか!万死に値する!」←そこ?w(゚ェ゚(。_。*)コク ←内侍wその頃、程家では袁慎ほどの逸材がなぜ師匠に名乗りをあげたのか、その思惑を図りかねていた。すると夫から袁慎の様子を聞いた蕭元漪が実は袁慎の目当ても少商ではないかと気づく。驚いた程始は早速、少商を呼び、袁慎との関係を聞いた。「いつ知り合った?何度、会った?何の話をした?」「…5、6、7、8回?でもあの人とは無関係です、誓ってもいいわ あの人はずる賢い、どうせろくな魂胆じゃないわ、外から夫子を呼ぶ必要がありますか?」少商は楼垚でも教えられると訴え、未来の君姑も自分を誉めてくれたという。そこで蕭元漪は明日、一緒に楼家へ挨拶に行こうと言った。「浮かれすぎよ、楼家がどんな一族がその目で見れば分かる」( ๑≧ꇴ≦)善見の評価www楼家は名家だけあって立派な邸宅を構えていた。普通なら二房の西院は大房の東院より狭いものだが、遜色ないように見える。しかし母が言った通り、早くに主を亡くした二房は大房に全く頭が上がらないようだった。仲夫人は楼垚の兄・楼犇(ロウベン)夫人の王延姫(ワンイェンジー)を紹介したが、あきらかに大房夫人の顔色をうかがってびくびくしている。すると楼伯夫人は婚姻を認め、巫師を呼んで日取りを決めると言った。安堵した仲夫人は婚約の証しに自分が嫁ぐ時に着けていた玉を渡したが、早速、楼伯夫人が噛みつく。「それは阿犇の妻に与えると思いきや、少商に渡すとはね…少商の方が好きなのかしら?」その時、少商は楼垚から聞いた話を思い出した。「延姫阿姉、阿垚から最も貴重な証しを持っていると聞きました 夫の遊歴先で出会った際、装飾品など持たぬ夫は自ら銅鏡を作って贈ったとか 天下の玉を全て集めてもその銅鏡には敵いませんね」こうして少商は二房の面目を守った。楼垚は少商が来ていると聞いて慌ててやって来た。「少商!」嬉しそうに少商に駆け寄る楼垚、すると楼伯夫人は目上の者に挨拶するのが筋だと厳しく叱り、伯父を呼んで来いと追い出してしまう。少商は大房夫人に叱責される楼垚を見て胸が痛んだが、その時、仲夫人が少商に屋敷を案内するよう延姫に頼んだ。少商は楼垚が出会った当初、どこか物おじしていた理由が分かった。延姫の話では君舅(クンキュウ)が早世し、今の楼家の栄誉は全て伯父頼りだという。「あなたも楼家に嫁いだら肩身の狭い思いをするかも…」「ご心配なく、私は昔から甘んじる性格ではありません」そこへ運悪く楼垚の従妹・楼縭(ロウリー)が通りかかった。楼縭は天敵の少商が楼家に嫁ぐことに猛反発。散々、二房を馬鹿にして悪態をつき、少商など文人墨客の家門に合わないと蔑んだ。そこへ母が蕭元漪と仲夫人を連れて現れる。娘への暴言を聞いた蕭元漪はこの息女が楼伯夫人の愛娘かと確認した。「楼太傅は陛下の命で太子を教え導き、楼伯夫人は名門の出で礼儀を貴ぶ ならば楼娘子もその教えを受けているはずです うちの少商のように無知蒙昧ではないでしょうね…」すると面目をつぶされた楼伯夫人は激怒、思わず娘を引っ叩き、部屋で反省しろと命じた。( ๑≧ꇴ≦)あっちゃん、痛そう~つづく
2023.08.12
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第35話「玄武門の変」皇太子・李治(リチ)に謀反の罪を着せ、玄武門で捕らえるつもりだった曹(ソウ)王・李明(リメイ)。しかし玄武門で待っていたのは曹王謀反の知らせを聞いて待ち構えていた大臣たちだった。そこへ李治が裴行倹(ハイコウケン)たちと玄武門に到着、曹王たちを包囲する。「曹王・李明よ、許可なく兵を動かし玄武門を占拠した…逆賊は例外なく討つ!捕らえよ!」そうとは知らず、甘露之殿では曹王府から届いた鳥文に呼応し、楊(ヨウ)妃が動き始めていた。李明は裴行倹の裏切りに困惑しながらも、咄嗟に討たれるべきは李治だと言い返した。皇帝もすでに李治の本性に気づき、皇位を自分に譲ると言う聖旨を下したという。「信じられぬなら共に陛下に拝謁を賜ろうではないか!」すると大臣たちも賛同、皇帝に判断を仰ぐと決めた。楊妃は皇帝に毒薬を飲ませるよう総管・潘秦海(ハンシンカイ)に命じた。その時、侍女・丹青(タンセイ)が駆けつけ、曹王が皇太子や大臣たちを連れて向かっていると報告する。藩秦海はその隙に薬湯を置き、結局、皇帝に飲ませることはできなかった。曹王府の地下牢では琉璃(ルリ)たちが蒲巴弩(ホハド)に協力し、隠し部屋を探していた。するとついに密室にとらわれた老人を発見する。蒲巴弩は事情を話して解毒薬が欲しいと頼んだが、老人は解毒する術はないと明かした。「毒を作れと強要されたが、解毒薬は作らせてもらえぬ」もはや生ける屍となった老人は今さら自由になりたいとも思わないという。想定外に曹王が皇太子や大臣たちを連れて甘露之殿に駆けつけた。楊妃は計画を変更、聖旨を持って外に出ると、自ら皇帝の命を告げる。「李治には謀反と弑逆(シイギャク)の意あり、太子の位を廃し、掖庭に生涯幽閉とする… 朕は臨終にあたり国の危機を救わんがため聖旨を下し、印を授け、李明を太子に立し、帝位を譲る」寝耳に水の李治は猛反発、皇帝に謁見すると言ったが、楊妃は皇帝なら崩御したと伝えた。皇帝崩御の知らせにその場は騒然となった。楊妃は筋書き通り李治が前総管の高全(コウゼン)に毒を盛らせ皇帝暗殺を企てたと訴え、大臣たちに動揺が広がる。しかし褚遂良(チョスイリョウ)と長孫無忌(チョウソンムキ)は顧命大臣に任命された自分たちが皇帝から何も聞いていないと怪しんだ。何よりまず聖旨の真偽を調査すべきだという。楊妃は総管が証人だと訴えたが、藩秦海は恐ろしさのあまりその場にひざまずき、黄泉の国でも皇帝に仕えたいと涙ながらに訴えることしかできなかった。その頃、地下牢では琉璃が老人に助けを請うていた。すると老人は琉璃が母である安(アン)大家の敵を討つため、こんな目に遭ったと知る。「安氏の娘?…なんと、実は年こそ離れているが、安大家は親しい友人だった」実は老人はかつて宮中一の薬師で、安大家とは共に宮中暮らしに嫌気が差し、皇宮を出て普通の暮らしをしたいと願う同志だった。安大家が去ったあと老人も職を辞したが、皇宮を出た途端に曹王に捕まり、それ以来、地下牢で毒を作らされていたという。そのうちすっかり目が見なくなり、命じられるまま毒を作ってきたのだ。「あなたが薬王だったのか?!私は不禄(フロク)院の孫徳成(ソントクセイ)だ」「孫内侍?!覚えているとも!」しかし今は旧情を温める時間はない。琉璃は一緒にここを出て皇帝の前で悪事を暴こうと説得した。「陛下?!…確か曹王は陛下を暗殺するための毒を私に作らせた、今日がその日だ」甘露之殿の前で楊妃と皇太子たちは一触即発の様相となった。藩秦海は怯えて証言などできず、大臣たちも皇太子が謀反を企むなど考えられないとかばう。その時、思いがけず豆子(トウシ)が現れた。「陛下の崩御は嘘です…陛下の御前に行けば誰が謀反を企んだのか分かります」焦った楊妃はでたらめを言った豆子を打ち殺せと命じたが、李治が止める。「楊妃、公然と悪事の口封じをする気か?」すると李治は立ちふさがる衛兵を一喝し、殿内に入った。皇帝・李世民(リセイミン)は寝殿で安らかに眠っていた。やはり李治や大臣の呼びかけに反応がなく、崩御は事実らしい。楊妃は勝ち誇った様子で皇太子たちの嘆く姿を見ていた。それもそのはず、楊妃は怖気付いて薬湯を飲ませることができない藩秦海に業を煮やし、自ら皇帝に毒を飲ませていた。すると李明が皇帝崩御を皇宮に告げ、弔いの準備をするよう命じる。その時、豆子が医官として脈診したいと申し出た。…薬王は曹王から皇帝暗殺のための毒を作るよう強要されていたしかし医者として人を殺めることなどできず、曹王には眠り薬を渡したというただどちらにしても皇帝の寿命はわずか、いつ崩御してもおかしくなかった薬王はこれから参内しても、運悪く陛下が崩じていたら命がないと警告する『それでも行かなくては、太子を見捨てることはできません!』…李明は豆子の申し出を退けた。しかし李治が豆子をそばに呼んで皇帝の脈を見るよう頼む。「…はっ!陛下にはまだ脈があります!」その時、あまりの騒々しさに皇帝が目を覚ました。楊妃は思わず偽の聖旨を床に落とし、へたり込むようにその場で平伏する。すると長孫無忌が楊妃と曹王の暴挙を報告、驚いた皇帝は重い身体を何とか起こした。「…偽の聖旨で治児の廃太子をもくろみ、朕の崩御を宣言したと? このあとはどうする?朕を絞め殺すか?毒殺するのか?!」「陛下、お静まりヲヲヲヲヲ~無知とあまりの悲しみゆえに崩御されたと思い込みました 聖旨は大臣たちが太子の逆心と不孝を信じようとせず、それでやむを得ず… 私が代わりに反徒を罰しようとしただけなのです!」楊妃は皇太子の逆心の証しがあると訴え、外套の下には龍袍を着ていると告発した。そこで李治は皇帝の前で堂々と外套を脱いでみせる。息をのんで見守る琉璃、しかし李治がまとっていたのは確かに四爪蠎袍(シソウボウホウ)だった。…琉璃の別れの言葉の意味を悟った裴行倹は書き付けを改めて確認したおかしなところはなかったが、ろうそくで透かして見ると″計あり″と浮かび上がる東宮へ報告に向かったところ、豆子が届けた四爪蠎袍があった確かに″豆″の刺繍が入っていたが、裴行倹はこれまでの刺繍と違うことに気づき、しかも点が1つ多いと分かる『はっ!蟒(ウワバミ)の爪が5本になっています!』…李治は豆子の機転と裴行倹の知恵に助けられ、危機を乗り越えた。もはや申し開きできなくなった楊妃、その頃、密かに抜け出した李明は宮外に合図を送ろうとしたが、裴行倹に捕まってしまう。陽妃は全て自分が考えたと嘘をつき、李明をかばった。「重病に侵され、もう長くありません…ゲホッゲホッ! 私が死ねば誰が明児の命を守るのでしょうか?どうか息子の命だけはお助けください…」皇帝は最も恐れていたことが起こったと肩を落とした。そこで調査を皇太子に任せ、楊妃と曹王を別々に幽閉するよう命じる。しかし皇家の醜聞が世に漏れ聞こえれば威厳に関わるとし、かん口令を敷いた。李治は豆子を連れて甘露之殿を出た。外では孫徳成と順子が待っていたが、豆子が急に卒倒してしまう。驚いた李治は恩人である豆子を東宮へ引き取り、太医を呼んだ。しかしそこで思わぬ事実が発覚する。「殿下、豆子は女子なので?…重病となると性別を確認せず治療するわけにまいりません」そこへ後始末を終えた裴行倹が現れた。裴行倹は豆子が女子だと明かし、ひとまず治療を頼んだ。驚いた李治は裴行倹を中庭に連れ出し、ようやく琉璃の素性を知る。「どうか琉璃をお許しください」しかし李治は豆子が女子と聞いて嬉しいと笑った。「誰が咎めたりするものか、阿母の敵討ちと冤罪を晴らせるよう手を貸そう …2人にそれぞれ頼みがある」李治はうなされている琉璃に付き添った。「陛下は生きてる…陛下は生きてる…太子の謀反は陰謀なの…」「琉璃、私も陛下も無事だ」すると李治は琉璃のかんざしを抜いて黒髪をほどき、美しい寝顔にそっと触れた。「お前が女子だと気づかぬとは…早く気づくべきだった、こんな美しい男がいるはずないのに」つづく( ゚ェ゚)…で、刺繍ネタは?尚服局はどうなった?どうでもいいのか?w
2023.08.10
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第34話「二重の罠」その夜、約束通り曹(ソウ)王府に現れた裴行倹(ハイコウケン)。偏殿にはすでに琉璃(ルリ)を連れた楊(ヨウ)妃が待っていた。やがて内侍・六子(リクシ)が琉璃を迎えにやって来る。楊妃は念のため琉璃の書き付けを確認し、問題がないと分かって返した。「密かに裴行倹に渡すのよ?曹王の目を盗んで慎重に隠すほど内容を信じるわ」書き付けには″明日の午時、玄武門にて曹王が挙兵″とあった。裴行倹は琉璃の無事な姿を見て安堵した。李明(リメイ)は好き合う者同士、同じ主に仕えるよう命じたが、琉璃は左衛率(サエイリツ)とは無関係だと冷たい。「琉璃…君に恨まれても憎まれても文句は言えぬ、でも毒薬だとは知らなかったんだ」すると琉璃はこれまでのうっ憤が爆発した。「11年前、おみくじの籤(セン)を変え、阿娘の金針を卓錦娘(タクキンジョウ)に渡した それなのにまだ飽き足らず、妙薬だと騙して私に毒を飲ませるなんて!」「確かに何もかも私のせいだ、この命と引き換えにしても君を治して見せる」「裴行倹…まだ分からないのね?」琉璃は裴行倹の胸ぐらをつかみ、怖いのは死ぬことではなく、このまま母の称号を取り戻せず、冤罪も晴らせずに死ぬことだと声を荒らげた。思わず琉璃の手を握りしめる裴行倹、さすがに李明が視線をそらすと、琉璃はその隙に書き付けを裴行倹に渡した。「私がバカだった、慎重に真実を見抜くべきだったわ、裴行倹、私の言葉を忘れないで… 今となってはあなたに何の借りもない」琉璃はこれで2人の縁は絶たれたと言い放ち、出て行った。李明は裴行倹に帰順するよう迫った。裴行倹は解毒薬をもらえるなら期待に応えると約束したが、薬があるなら蒲巴弩(ホハド)を解毒しているはずだと訝しむ。すると李明は功のない者を養うつもりはないと言った。「もし琉璃が死んだら私はクズに成り果てる…約束できるか?」「約束しよう、お前が要求を示せば私もやりやすい」李明は母に琉璃が迫真の演技だったと褒めた。あの様子では裴行倹は琉璃に未練たっぷり、すっかり骨抜きにされているという。楊妃は喜び、あとは皇太子の謀反の証拠となる九龍龍袍(ホウ)を琉璃が刺繍するだけとなった。一方、裴行倹は書き付けが罠だと気づかず、東宮へ駆けつけた。書き付けは確かに琉璃の筆跡だという。皇帝はまだ昏睡状態だったが、目覚めるのを待っていては間に合わない。すると皇太子・李治(リチ)は決断した。「兵の準備を…明日、午時、玄武門を東宮の兵で包囲せよ」楊妃は早速、琉璃に龍袍の刺繍を命じた。しかし一晩で完成させることは難しく、琉璃はちょうど手元にある完成した四爪蠎袍(シソウボウホウ)を利用したいと申し出る。皇太子に許される蟒(ウワバミ)は4本爪、そこに爪を1本増やせば皇帝だけに許される龍に変わる。「これなら一晩で完成します、それに普段お召しの蟒袍なら爪が1本増えても気づかないでしょう」一方、参軍署に詰めていた裴行倹は琉璃からの別れの言葉を思い出していた。…慎重に真実を見抜くべきだった、裴行倹、私の言葉を忘れないで…裴行倹はその意味に気づき、慌てて琉璃の書き付けを調べ始めた。楊妃は琉璃が完成させた龍袍に満足した。しかし琉璃を監視していた侍女の丹青(タンセイ)が刺繍の暗号が入っていると教える。琉璃の話では肌着に毒を仕込まれてから皇太子は″豆″の刺繍がある衣しか着ないというのだ。「隠れて刺繍していたの?」「いいえ、疑うなら楊妃に知らせろと…」楊妃はならば安心だと言ったが、念のため衣を届ける際、曹王府の侍女に尚服局の衣を着せて同行させることにした。翌朝、李治が目を覚ますと豆子(トウシ)から蟒袍が届いていた。確か豆子は曹王に捕まったはず、もし曹王に命じられて豆子が蟒袍を届けたのなら何か企みがあるのだろう。すると王伏勝(オウフクショウ)は豆子と一緒にいた尚服局の宮女が見かけぬ顔だったと思い出した。しかし蟒袍を詳しく調べたが、特に問題はなかったという。「″豆″の字も刺繍されています、ただ豆の″口″の下にある″ソ″が″ツ″に見えるような…」李治は確かに曹王に脅されて刺繍したのなら″豆″の刺繍は入れないはずだと考え、そのまま袖を通してしまう。楊妃は皇帝に付き添いながら自責の念に駆られていた。しかし肺病を患った楊妃の命もわずか、このまま自分たちが世を去れば李明に活路はない。…あの子のためにこうするしかないのです…すると総管の潘秦海(ハンシンカイ)が薬湯を運んできた。そこで楊妃は偽の遺詔を託し、命が惜しければ黙って言うことを聞けと迫る。「今日は2つの大事が起きる、1つは挙兵した太子を曹王が捕らえること もう1つは…陛下の崩御よ その時、総管が陛下の遺詔を読み上げる、太子・李治に代わり曹王・李明を太子にするとね」「そう簡単にはいかないのでは?陛下が顧命大臣を任命し、太子は守られています」藩秦海は謀反など無謀だと諌めたが、楊妃はだからこそ総管の証言が必要だと言った。「高全(コウゼン)は陛下の薬湯に毒を盛っていた、それで陛下は不治の病になったの それを知った陛下が高全に死を賜り、黒幕をあぶり出すために真相を隠して事故死とした 陛下は昨夜、高全が李治の配下だと気づいたわ、それで曹王に位を譲ることになった… 高全が太子びいきなのは周知の事実、どう?隙のない計画でしょう?」一方、孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)は琉璃を探すため、野菜の搬入に来た農民に成りすまして曹王府に入ろうとした。しかし警戒していた門衛にあっさり捕まり、琉璃の牢へ一緒に放り込まれてしまう。すでに薬が切れて発作が始まった琉璃、その時、宮女が現れ、薬を投げ入れて帰って行った。琉璃は飛びつくように薬入れを開けたが、結局、飲まずに薬を牢の外へ投げ捨ててしまう。「すべきことはした、たとえ死のうとももう薬は飲まない!」その頃、東宮に潜入した曹王の間者は、寝殿から正殿に向かう皇太子が確かに龍袍を着ているのを確認した。琉璃は義父と順子に楊妃と曹王の計画を明かした。あの夜、裴行倹に書き付けを渡すよう迫られた琉璃は、こっそり耳飾りの針で紙に穴を開けておいたという。また皇太子へ渡した龍袍の″豆″の暗号はこれまでと違う手法で刺繍し、点を増やしておいた。果たして皇太子と裴行倹は琉璃の本当の伝言に気がつくだろうか。皇太子は裴行倹たちと兵を率いて宣明(センメイ)門を出て玄武門に向かった。報告を受けた李明は逆賊を捕らえると大義名分を掲げ、王府の兵を引き連れ出発する。こうして兵が出払った曹王府、すると蒲巴弩(ホハド)は配膳係の小翠(ショウスイ)を眠らせ、代わりに地下牢へ向かった。蒲巴弩は何食わぬ顔で牢番に薬を入れた食事を届け、眠らせた。その間に琉璃たちの牢を訪ね、もう1人の居場所を教えろと迫る。「この牢には3人しかいない、しかし食事は4つある」孫徳成は自分たちに聞くなと呆れたが、蒲巴弩は裴行倹から頼まれて人探しをしていると説明した。にわかには信じられない孫徳成たち、すると蒲巴弩は琉璃と同じ毒で苦しんでいると明かす。実は琉璃を救う手立てを考えあぐねていた裴行倹は曹王が毒作りの達人を抱えていると読んだ。蒲巴弩は曹王府をしらみつぶしに探したが見つからず、あとはこの地下牢だけだという。黙って聞いていた琉璃だったが、ふと夜更けになると地面から物音が聞こえる時があると思い出した。曹王は門衛を蹴散らし、玄武門からなだれこんだ。すると突然、門が閉まり、四方を衛兵に囲まれてしまう。李明は皇太子に潔く出てこいと訴えたが、城楼から顔を出したのは褚遂良(チョスイリョウ)と長孫無忌(チョウソンムキ)だった。何でも昨夜、2人の元に密告があり、曹王は密かに兵を訓練し、甲冑を調えて謀反を画策、今日の午時に玄武門で挙兵すると知ったという。驚いた李明は皇太子こそ逆賊だと否定したが、こうして玄武門に現れたのが李明である以上、言い訳は通用しなかった。その時、皇太子が兵を連れて到着する。「…殿下、東宮の兵です」「なぜ今頃?」「太子に謀られたようです」つづく|ω・`)相変わらず計画が穴だらけなのよねw
2023.08.09
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第16話「親の心、子知らず」情愛談義で盛り上がった別院の夜。皇甫儀(ホワンフーイー)は子供たちから道理を説かれる始末だが、それでもなお元許嫁・桑舜華(サンシュンホワ)への未練を捨てられずにいた。翌日、県庭に戻った程少商(チォンシャオシャン)は真っ先に三叔母の部屋に向かった。「三叔母!ただいま!」桑舜華は恐らく皇甫儀が嫋嫋(ニャオニャオ)に昔話を聞かせたのだろうと察している。「あの人から何を聞いたの?」「あの人はどうしようもない、三叔母を裏切っておいてどの面下げて未練を?」「悪い人ではないの、ただ天下の男の短所を集めただけ ←三叔母w …嫋嫋、女子にとって婚姻は単に人生の通過点、成功可否も得失が伴う どんな状況やどんな人に出会っても、男のために自分を捨ててはバカを見るわ」「教えは肝に銘じます、でも安心して、阿垚(アーヤオ)とは足るを知って楽しみます!」「この子ったら」少商は楼(ロウ)家との縁談もあり、両親と一緒に帰京することになった。やさしい三叔母と離れがたい少商、しかし程止(チォンジー)はこれでようやく夫婦水入らずで過ごせると安堵している。蕭元漪(シャオユエンイー)はいつまでも別れを名残惜しむ娘の姿を見ながら、都を発つ時は振り返りもしなかったと漏らした。「おや、なぜ振り返らなかったことを知っている?」程始(チォンシー)は妻の揚げ足を取ると、娘に出発の時間だと知らせた。( ;∀;) ブワッ一方、ひと足先に帰京した凌不疑(リンブーイー)は母・霍君華(フォジュンホワ)の屋敷を訪ねた。するとちょうど前庭で崔祐(ツイヨウ)が母の相手をしている。当時の親征では先頭部隊を率いた崔侯。今回も敵情を探って戻ったところ、こうして女君の様子を見に来たらしい。実は君華は正気を失い、現在は少女の頃の記憶の中に生きていた。幼なじみの崔侯のことは覚えているが、息子である不疑のことはすっかり忘れ、甥だと思っている。そこへ招かれざる客が現れた。君華は夫である城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)を不思議そうに見つめていた。しかし急に激高し、つかみ掛かってしまう。「凌益!裏切ったわね!死ぬがいい!」不疑は咄嗟に母を引き離し、侍女に部屋で休ませるよう頼んだ。すると凌益は妻と息子を心配して来たと話し、樊昌(ファンチャン)から手を引けという。兵器の件は廷尉府が審理すべき事案の上、朝廷の功臣たちまで巻き込むことになるからだ。憤慨した崔祐は子晟(ズーション)に味方すると言ったが、凌益は相手が悪すぎると警告した。「1時前に獄が破られ、樊昌は逃走した、どう調べると?これは面倒だ」少商は家族や楼垚と共に無事、都へ到着した。しかし重罪犯の逃亡により城門では厳しい検問を実施中、長蛇の列で足止めを食らってしまう。そこで楼垚は馬を降りて少商の車に差し入れを届け、2人で楽しそうに干し果物を食べた。するとちょうど樊昌の追跡に向かう凌将軍が現れ、城門前が大きく開く。凌不疑は曲陵(キョクリョウ)侯に気づいて挨拶すると、ゆっくり少商の馬車に近づいた。「また会ったな、程四娘子」「凌将軍、傷の具合は?今日もまた軍務ですか?」「些細な傷だ、もう大事ない、傷口も痛まなくなった」そこで少商は前の馬車にいる父に将軍が賊から救ってくれたと伝えた。程始は拝礼して感謝したが、不疑は礼など無用だという。「程四娘子と私は生死を共にし、胸をはだけ治療してもらった仲、他人行儀です」すると不疑は長旅で疲れた少商を気遣い、自ら程家の馬車を城内まで誘導した。え?@父(*´・ω) (ω・`*)え?@母少商は楼垚と城門で別れ曲陵侯府に到着、兄たちや堂姉と再会を喜んだ。しかし早々に母から部屋に来いと命じられ、兄たちは嫋嫋が道中ですでに母を怒らせたと呆れる。少商はおとなしくしていたと否定したが、父も渋い顔をして早く行けと急かした。程始と蕭元漪は凌将軍と嫋嫋の関係を心配した。凌不疑と言えば皇帝が実の息子のように寵愛しており、ただ事ではない。「″胸をはだけ治療し、生死を共にした″とは?」「凌不疑が誇張しただけですよ~(ヾノ・∀・`)イヤイヤ 数回しか会ったことないし…3回、いや4回?…5…6…7…8回?か(汗」一方、文帝も子晟が程四娘子のために城門の検問を解いて自ら先導し、それから樊昌を追いかけたと報告を受けた。西巡では己の深い傷も顧みず、程四娘子の救出のため奔走したと聞いたばかりだ。「あの凌子晟がだぞ?…こたびはただ事ではない」程始と蕭元漪は明らかに凌将軍が嫋嫋を好いていると分かった。しかし少商は例え誰に好かれていようと、求婚してくれたのは楼垚だけだという。「つまり楼家との縁談は諦めないつもりなの?」「凌不疑を使ってでも楼垚に嫁がせたくないのですか?」すると蕭元漪は珍しく冷静に娘を説得した。「凌不疑を勧めているわけではない、いい婚姻を望んでいるの 力の弱い楼家二房に嫁いで楼垚が守れる?良い郎君は多いのになぜ焦るの?」程始も考え直すよう勧めた。「阿父と阿母、三叔父夫婦はお似合いの伴侶です、羨みもする でも私は運が悪い、えり好みをして阿垚を逃せば、それ以上の人は見つからないかも…」「我が子を家に残したのはこの阿母が悪い、年長者の教えも受けぬことでこんな強情な性格に育った」蕭元漪は思わずため息を漏らした。思えば汝陽(ジョヨウ)王府では大喧嘩、万(ワン)府では橋を落とし、こんな性格のまま楼家に嫁げば平穏な結婚生活など到底、送れるはずがない。 「三叔父夫婦には任せられたけれど、楼家に嫁いだら私も守ってやれないのよ?!」しかしまだ若い少商に母の気持ちなど分かるはずもない。「阿垚が外に赴任したら私も同行します、そうすれば阿母ももう苛ついたり、案ずる必要はなくなる 私も阿垚も親の支配から抜け出し、自由に飛び出せる、これが私の望む婚姻です」流石の蕭元漪も言葉を失った。「…はお、分かったわ」蕭元漪は娘に良い相手に巡り合って欲しいだけだった。しかし嫋嫋はまるで母である自分が悪いようにするとでも言いたげだったと深く傷つく。程始は娘が回り道をしないよう仕切ったとしても、婚姻の良し悪しばかりは簡単に判断できないとなだめた。「娘が嫁ぎ先で苦労するのを看過しろと?」「確かに楼家は虎穴だ、だが凌家の内情も楼家に勝るとも劣らない どうやら凌不疑は樊昌の事件を何が何でも調べるつもりだ、どれだけ敵を作ることか… 嫋嫋と関わりがなくて幸いだった、もういい、悲しむな」すると蕭元漪は珍しく夫の胸で泣いた。文帝はようやく子晟が見染めた相手に縁談があることを悔しがった。実直ゆえに敵も多くなる子晟、しかし皇帝は誰より子晟が善良だと知っている。樊昌の脱獄も本来は廷尉府の怠慢だが、朝廷は凌将軍に罪をなすりつけようと必死だった。しかし子晟のこと、必ずや期待に応え、樊昌を捕まえてくれるだろう。あの時、霍兄を信じたように…。つづく( ๑≧ꇴ≦)少商と話す時だけ表情が違う凌将軍w少商はすっかり運が悪いとすり込まれているようだけど、悪運が良いのにねw
2023.08.08
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第15話「情愛談義」蕭元漪(シャオユエンイー)は嫋嫋(ニャオニャオ)と楼垚(ロウヤオ)の縁談に猛反対。母から夫婦の持つべき真の情とは程遠いと指摘された程少商(チォンシャオシャン)は、楼垚と″情愛″の書を見て研究することにした。しかし従順な妻が夫に媚びる図解を見て驚愕する。楼垚は確かに一昔前の古い考えだとなだめ、世の情愛に定論などなく、意気投合すればいいと笑った。「でも少商、程伯夫人がずっと反対しても、私と一緒になってくれるかい?」「阿垚、反対されてもあなたと肩を並べて歩くわ! でも真面目に考えないと…どう情愛を育めばいいのか」「今、私たちは情愛を育んでいるのでは?」「…そうだわ!」すると少商は使用人の符登(フードン)がかき集めてくれた書を全て書卓から投げ捨てた。蕭元漪は楼垚を好青年だと認めながらも、あの楼家二房に嫁がせるのは娘を地獄に突き落とすようなものだと嘆いた。何より年上の程姎(チォンヤン)がまだ嫁いでおらず、将来もし姎姎の嫁ぎ先が楼家より格下なら葛(ゴー)氏に恨まれるかもしれない。桑舜華(サンシュンホワ)はまたそれかとため息をついた。「言ったでしょう?雀と鷹は育て方が違うのです」すると舜華は頭ごなしに反対すれば返って意固地になると警告し、しばらく嫋嫋の好きにさせるよう助言した。「嫋嫋のこと、うまく行かなければ自ら諦めますよ」少商は楼垚と一緒に郊外の茶畑まで足を伸ばした。そこで思いがけず三叔母の元許嫁と出会う。「素晴らしい笛の音だ…女公子は舜華の姪御かな?」「程少商です、三叔母をご存知で?」「私は皇甫儀(ホワンフーイー)、いつぞやは伝言をしてくれて感謝する」聞けば2人が乗っている車も皇甫儀が足を怪我した舜華のために贈ったものだった。その時、風が吹いて山の雲行きが怪しくなってくる。皇甫儀は雨宿りする場所もないと心配する少商を見て、皇帝も滞在した別院へ一緒に行かないかと誘った。「雨なら仕方がありませんね…」楼垚は今から引き返せば雨宿りは必要ないと気づいた。しかし少商は三叔母の謎めいた過去を知る良い機会だといたずらっぽく笑う。2人はひとまず近くのあずまやへ向かったが、そこには皇甫儀の弟子で少商の天敵である袁慎(ユエンシェン)がいた。しかもなぜか凌不疑(リンブーイー)の姿がある。実は凌不疑は乱を平定した時の傷が治らず、療養中だった。「凌将軍、傷の具合は?」少商はあの時の傷だと気づいて心配そうに声をかけたが、不疑が何か言う間もなく楼垚が報告した。「凌将軍、善見(シャンジエン)兄、奇遇ですね、実は縁談を進めています、少商が未来の私の妻です!」その時、雷鳴がとどろき、ついに雨が降り始めた。↓雷の音に驚く少商を気遣う阿垚( *´꒳`* )凌不疑は自分の馬車を少商に譲り、男たちはそれぞれ馬で別院へ向かうことになった。独りで馬車に乗った少商、すると車の中に自分が凌将軍の肩から抜いた矢尻と、その時に使った″少商の弦″が置いてあることに気づく。一方、不疑は雨が止むのを待ってから驊(カ)県に戻っても城門が閉まっていると考え、すぐ程県令に知らせを出していた。少商と楼垚は別院で一夜を過ごすことになった。すると凌不疑と袁慎は何かと理由をつけて少商と楼垚の仲を引き裂こうとする。不疑は馬車を先導して別院に到着、少商は門で楼垚の到着を待つことにしたが、不疑は衣が濡れているからと侍女に世話を任せ、半ば強引に屋敷へ入らせた。一方、楼垚と遅れて到着した袁慎は色に溺れてはならないと戒め、同窓の兄に変わって学問を疎かにしていないか試験をするという。袁慎は書亭で楼垚と少商の縁談について聞き出した。すると楼垚は少商を敬慕して久しいため、驊県まで追いかけたという。「敬慕するのはあの腹黒さか?それとも抜け目のなさか?」「誤解しています、少商は知謀に長け、誰より聡明です」 少商は賊軍の手中から子晟(ズーション)兄に救われ、傷の治療までしたのです」袁慎は少商と凌不疑が知り合った理由を知り、治療の見返りに護送させたのかと疑った。「善見兄、少商があなたを怒らせた理由を知りませんが、そんなひどい娘ではない」「怒らせたうちには入らないし、親しくもない お前の兄と同窓の誼で警告しているだけだ、見せかけだけの純良さに騙されぬようにな あの女子はたちが悪い、一族と自身に害を及ぼすぞ?」( ๑≧ꇴ≦)おまえは蕭元漪か!夕餉の席に最後に現れたのは身ごしらえした少商だった。楼垚はもちろん少商の美しさに見惚れてしまう凌不疑と袁慎、すると袁慎が席を立ち、少商が楼垚の隣の席に座るのを阻止する。「こちらへ、夫子と話すのに都合が良い」少商は意地悪な袁慎を睨みつけたが、仕方なく皇甫儀の前に座った。皇甫儀は前朝の戾(レイ)帝に迫害され、仕方なく家を出て遊歴、あれから20年経った。「程四娘子、私もそなたの三叔母と同じく少商と呼んでも良いか?」「いかようにも…」すると皇甫儀は一気に杯を空け、ある世家公子の話として語り始めた。…父を早くに亡くすも傑出した才を持ち、名声を博して至る所で誉めそやされた公子その公子には幼い頃から許嫁がいたしかし許嫁は容姿が平凡で、公子は自分にそぐわないと思っていたという一方、許嫁は両親や一族から破談にするよう勧められていたしかし許嫁は信義にもとると退け、若い身空で公子の家族を世話する重責まで負ったという未来の君姑(クンコ)に難癖をつけられる日々、それでも許嫁は成婚の日まで公子の帰りを待ち続け、そのまま7年が過ぎた…少商は思わず待たせたのが間違いだったと口をはさんだ。すると凌不疑も天に道理あらば情人とは別れないという。何やら考え込んでいる楼垚、そこで袁慎は楼垚が同じことをしたら程四娘子は待つのか聞いた。相変わらず意地の悪い袁慎に怒り心頭の少商、その時、楼垚が自分なら少商を待たせないと断言する。喜んだ少商は楼垚と見つめ合い、幸せそうに笑った。…公子は帰郷の途についたその時、かつて公子の亡き父から恩を受けた腕の立つ護衛が公子を護送する役目を買って出たというしかし南下中に護衛は公子を守って命を落とした護衛は死ぬ前、一人娘を公子に託したが、その恩情が良縁を断つことになる護衛の娘は公子が帰郷後に父の生辰を祝って許嫁と成婚すると知り、毒を飲んだ公子は帰郷を延期せざるを得なかったが、何も知らない許嫁は宴の席で一昼夜、公子を待っていたという公子は許嫁の耐え難き悲しみを思い、釈明に戻った数日ほど懇願してようやく面会できたが、許嫁の口から出たのは退婚だったという公子は時が経てば許嫁も落ち着くと思って引き下がったが、やがて他の男に嫁いだという知らせが舞い込んだ『あなたが他を優先したのに、私は他に嫁いで悪い? しがらみは断つわ…これを境にあなたとの縁を切る』しかし公子はどうにも解せなかった許嫁は7年待ちながら、なぜ最後の最後で取るに足らぬことに固執したのだろうか…少商は思わず身を乗り出した。「許嫁が求めたのは公子の心、心に留めてもらいたかっただけ でも公子は薄情で、自惚(ウヌボ)れた恥知らずだった…」少商の遠慮ない批判に皇甫儀が面食らっていると、少商はさらに質問をぶつけた。「もし許嫁と護衛の娘が同時に川に落ちたらどちらを救いますか?」するとすかさず凌不疑が補足する。「程四娘子、これではどうか?許嫁は片時なら水に浮いていられるが、娘は全く泳げない 夫子だったらどちらを救うと?」「それがいいわ!」しかしまた袁慎が水を差した。「凌将軍、あなたならどちらだ?」「チッ!」少商と視聴者は思わず袁慎に舌打ちしたが、不疑は迷わず許嫁を救うと答えた。皇甫儀は護衛の娘を見殺しにして良いものかと首を傾げた。すると不疑は娘が自害したら、護衛の養子を取って昇進させ、供養を続けさせれば良いという。「仕方がないことだ、全ての者に責任は負えぬ」「その通り、阿父を守って死んだ兵は多いけれど、兵の妹や娘は阿父に嫁いだりしない」少商は意外にも凌将軍と意気投合した。「護衛の娘なんて所詮は小悪党です、凌将軍の言う通りだわ、″天に道理あらば情人とは別れない″」しかし不疑は許嫁も公子が護衛の娘に情などないと信じられなかったと指摘した。「信じ合えぬ者が夫婦になれはしない、許嫁はそれを悟り、縁談を断った 破談にしたのは己の容姿が平凡でも心は辱められないと伝えるためでしょう」その夜、少商は回廊で凌将軍と出くわした。不疑は冷えるので自分の外套を着るよう勧めたが、少商に断られてしまう。「…長き人生、正しい者と送る正しい道こそ幸…程四娘子は今の選択が正しいとお思いか?」その時、少商を探してした楼垚がやって来た。「少商?」少商は凌将軍に拝礼し、嬉しそうに楼垚の元へ走って行ってしまう。「少商、外套を持って来たよ、早く羽織って」不疑は自分の外套を握りしめながら、そっとその場を去った。つづく( ತ _ತ)いや何なん?善見、ウザいわ_w師匠も子供さえ分かる道理に気づかず、いつまで引きずるんだかwそれにしても小動物カップル可愛い〜( *´꒳`* )
2023.08.07
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil最終話息山神女(ショクサンシンニョ)・息芸(ショクウン)と長珩(チャンハン)の婚儀が始まった頃、東方青蒼(ドンファンチンツァン)は独り、息山にいた。ここは代々、息山神女が凶神・太歳(タイサイ)を封印していた洞窟、すると予想通り自分の身体を乗っ取ろうと企む太歳が現れる。「…ずい分、待ったぞ、身体と元神を私によこせばお前の望みを叶えよう」「欲しいのならくれてやる」東方青蒼は元神を差し出したが、太歳が元神を乗っ取ろうとした時、すかさず自分の心海に引っ張り込んだ。東方青蒼は太歳を道連れに自分を葬り去るつもりだった。東方青蒼独りの力で太歳を封じ込めることは不可能だが、情の木には小蘭花の痕跡が残っている。太歳は苦しみながらも、東方青蒼の弱みを探った。何事にも動じない東方青蒼、しかし息芸の名前を出すと一瞬、顔色が変わる。「…息芸がお前を忘れても良いのか?」その時、太歳は小蘭花(シャオランファ)を案じる東方青蒼のわずかな心の隙を発見、身体の中に入り込んだ。「うわああぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」水雲天では神仙たちが見守る中、天が定めた息山神女と長珩が永遠の縁を結び、婚礼の儀がお開きとなった。その時、突然、三界に暗雲がたれこめる。小蘭花は太歳がついに身体を手に入れたと気づき、砕霊淵(サイレイエン)にいると分かった。砕霊淵に仙族が集結、すでに東方青蒼は太歳に身体を乗っ取られ、巨大な祟気(スイキ)をまとっていた。雲中君は今さらながら赤地女子(セキチジョシ)の話が事実だったと知り驚愕する。「初代息山神女が太歳を封印した折、太古の祟気も共に息山に封じられた しかし太歳が封印を破った際に解き放たれたのだ…皆で力を合わせ、鎮圧するぞ!」仙族たちは東方青蒼に向かって一斉に霊力を放ったが、祟気を浄化できるのは息山神女だけだった。「私に行かせて」小蘭花は長珩が止めるのも聞かず、激しい祟気の中へ入ってしまう。東方青蒼の身体を手に入れた太歳は力が回復していた。蘇ったばかりの小蘭花はまだ完全とは言えず、勝ち目があるとは思えない。「我々は息山神女のために全力で時を稼ぐぞ!」長珩たちは懸命に霊力を送り続けたが、次第に力尽きた天兵たちが吹き飛ばされた。その時、月族が駆けつけ援護する。実は觴闕(ショウケツ)は月尊から仙族を手助けし、共に凶神・太歳を倒すよう命じられていた。しかし幽王は相手が月尊だけに困惑する。「巽風(ソンホウ)殿下、水雲天のために月尊に手向かうと?」「…そうではない、三界の皆のためだ」こうして仙族と月族は力を合わせ、共に太歳に立ち向かった。小蘭花は祟気を突破、太歳に身体を乗っ取られた東方青蒼の元へたどり着いた。そこで昊天塔(コウテントウ)で出会った時のように唇を重ね、再び東方青蒼の心海へ入ることに成功する。その時、2人の身体からまばゆい光が放たれた。「…小蘭花の至高の霊力が目覚めたのか?」「これは業火(ギョウカ)だ!兄尊が目覚め、業火も戻ったのだ!」しかし雲中君は長珩も巽風も違うと否定した。「これは琉璃火(ルリカ)、太古に失われた慈悲の火だ 七情や八苦の試練を受けても真心を失わず、愛と慈しみを持つ者だけが操ることができる」雲中君は月族の東方青蒼がこの琉璃火を身につけられたことに衝撃を受けた。息山神女の力が心海に広がり、東方青蒼が自分を取り戻した。「小蘭花、私を殺せ…私と太歳の元神は融合している、私を殺せば太歳も死ぬ 早くしろ、もう意識を保つことができぬ」「太歳!東方青蒼を放して!」しかし太歳は息芸が愛する東方青蒼を殺せないと高をくくり、決して手放そうとしない。「小蘭花、殺さなければ太歳は三界に害を与え続ける、お前の努力が無駄になる」「民を救うのは私の使命、あなたではない!」「…お前を救うことが私の使命なのだ」すると東方青蒼は再び苦しみ始めた。「私はもうもたぬ…頼む…早く殺せぇぇぇぇぇ!」小蘭花は覚悟を決め、息山神女の力で太歳を滅ぼした。東方青蒼は自分の使命を果たし、小蘭花の運命を変えることに成功した。全てを引き受け、自分を犠牲にした東方青蒼、すると小蘭花の目の前で身体が消散してしまう。「待って!行かないで!だめよ、東方青蒼!」しかし東方青蒼は小蘭花が握りしめていた手をすり抜け、闇の中へと消えた。すると悲しみに暮れる小蘭花の元に小さな三日月だけが戻ってくる。「世の万物は絶え間なく変わる、だけど愛だけは変わらない」…数万年にも及んだ仙族と月族の戦いしかし三界で最も不思議で最も強い力が最後に全てを変えたそれは愛あれから500年、誰もがその愛により変化を遂げていた誰より己を抑えていた長珩は戦神を辞し、気ままに各地を旅していたすると丹音(タンイン)が雲夢澤にいる長珩を訪ねて来る丹音は幼い頃、赤地女子(セキチジョシ)に憧れて戦神になりたかった夢を思い出し、軍に入ることにしたかつてのわがままな令嬢の面影は消え、今では意志が強く、広い心を持つ「どうやら空いた戦神の座には君が就くようだ」「ご心配なく、すぐです」蒼鹽海(ソウエンカイ)にも愛により成長した者がいたかつて狭量で嫉妬深かった巽風、しかし愛により寛容となり、月尊としての威厳を増している「兄尊はいつか戻られるだろうか…」また人間不信で嘘つきだった結黎(ジエリー)も觴闕の深い愛により、誠実で信頼を得られる者へと変わっていた…司命殿の花壇には東方青蒼が残した小さな三日月が今日も草木の生気を浴びていた。…愛は非情な者に悲しみと思いやりを分からせる…愛する者のために己の命さえ捨てることを教えてくれる小蘭花はいつものように三日月の様子を見て笑顔になると、書斎へ戻ることにした。その時、ふいに気配を感じて振り返る。「戻ったぞ」そこには笑顔の東方青蒼が立っていた。おわり(* ̄0 ̄)<ら〜いぶーじー♪
2023.08.05
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第35話脱獄した容昊(ヨウコウ)は師匠を連れて雲夢澤(ウンムタク)に逃れた。祟気(スイキ)を吸い込んだ赤地女子(セキチジョシ)はようやく我に返ったが、自分の周りに転がる骸に気づいて呆然となる。「阿昊…何をしたの?!」すると赤地女子は衝撃のあまり倒れてしまう。その夜、容昊は師匠を山荘で休ませ、凶神・太歳(タイサイ)と接触した。「祟気に侵された者は一時、残虐になる だが師父のように苦しみ、祟気を求め続ける者はいなかったぞ!」「3万年も元神が祟気で保たれていたゆえ、すっかり祟気に染まってしまったのだ もはや生き長らえるためには祟気を吸い続けねばならぬ やがて元神は祟気に乗っ取られ、霊力も失い、記憶も知識もなく、殺戮を知るのみとなる」容昊は太歳にまんまと騙されたと憤ったが、今さら後戻りはできない。「私があの者の身体を乗っ取り、元神同士が融合すれば苦しみは終わる 融合しても変わらず赤地女子のままだ、お前との過去も覚えているぞ…もはや他に道はない」翌朝、赤地女子は容昊に殺して欲しいと頼んだ。すると容昊は決意を固め、師匠と中庭に出る。「太歳がここへ来ます…太歳と師父の元神を融合し、身体を支配させて師父の苦しみを終わらせます」驚いた赤地女子は自害しようとしたが、容昊に剣を吹き飛ばされてしまう。「阿昊、俗心が強過ぎて太歳に惑わされ、死ぬ運命も分からなくなったの?」「私は人間でした、俗心は消せぬし、生死のことなど分かりません」生まれながら神仙である師匠は三界の民だけを想い、到底、自分の心など分からないのだろう。しかし赤地女子は自分にも俗心があったと明かした。…通りで簫を吹きながら何とか食いつないできた幼い容昊あれは雲夢澤の冬の寒さが一段と厳しい年だった赤地女子は酒楼の2階で3日間も少年の簫の音に聞き惚れていたが、飲まず食わずだった少年はついに事切れてしまう赤地女子は少年を連れて司命(シメイ)を訪ね、生き返らせる方法を聞いた司命は例え上仙でも運命を変えれば災厄が伴うと警告したが、赤地女子はいかなる代償も受け入れるという『そのために決して元に戻れなくなったとしても後悔しない?』赤地女子はうっすら笑みを浮かべたすると司命は少年の運命簿を招喚、命格(メイカク)樹に戻してくれる…容昊は師匠が自分のために俗心を抱いたと知り、涙を流した。そして師匠を強く抱きしめ、望み通り短剣で背中を刺し、殺してしまう。太歳は当てが外れ、容昊が初めから自分を騙すつもりだったと気づき激怒した。すると容昊は自分の元神を犠牲にして太歳を道連れにしようとする。「あと一歩で私は永遠に師父と共にいられる…2度と離れぬ…」その時、息山(ショクサン)では息芸(ショクウン)が太歳の激しい怒りを感じ取っていた。長珩(チャンハン)は赤地女子と容昊を一緒に埋葬し、息芸と東方青蒼(ドンファンチンツァン)と共に弔った。果敢にも太歳に挑んだ容昊だったが失敗、息芸は恐らく太歳が現れ、暴れ回ることになると警告する。「長珩、なすべきことをしなければ…」息芸がひと足先に墓を離れると、長珩はふと昨夜の話を思い出した。…長珩は懐かしそうに霊玉を眺めたするとさすがは息芸神女、これが″奇幻流蛍石(キカンリュウケイセキ)″だと知っている『かつて私は空の星をひとつ取って灯籠にしたいと思った その時、ある友が言ったの、北溟(ホクメイ)の地にある霊玉は天の星のようだと…』それは長珩と小蘭花(シャオランファ)しか知らない思い出だった『やはり君は小蘭花なのか?!』『私は息山神女・息芸であり、小蘭花でもある…実はどちらの記憶もあるの』つまり小蘭花は東方青蒼ではなく自分を選んでくれたのか。長珩は喜んだが、はかない夢に終わった。『かつて東君は息蘭族と盟約を結び、この血脈同士の婚姻のみが霊力を高められる こうして代々、三界を守って来たの、私たちの婚約もそのためよ』小蘭花にとって長珩との婚姻は使命だった太歳が封印を破り三界に危機が迫る今、至高の霊力を得なくては太歳を滅ぼすことができない『あなたの思いがどうであれ、これしか方法がないの』『で、その後は?!初代の息山神女は太歳を倒したが死んだ…』長珩はようやく小蘭花が記憶を失ったふりをして東方青蒼を突き放した理由に気づき、呆然となった『君は死ぬのか…』『その通りよ』『では私は?婚姻しても死に行く君を見送るしかない、私の気持ちは?!』『…ごめんなさい』『謝罪など求めていない、分かるだろう?!』しかし小蘭花は全てを捨てても民を守ると訴え、長珩だけが自分に手を貸せると訴える深く傷ついた長珩は断ったが、小蘭花は協力するよう迫った…( ゚ェ゚)いやなぜ今ばらす?長珩が気の毒だわ長珩は小蘭花を追いかけた。まだ墓の前にいた東方青蒼は2人が何やら話している姿に気づいたが、内容はまでは分からない。「太歳に身体を乗っ取られ耐えられる者は少ない…赤地女子亡き今、次に狙うのは東方青蒼だ …自らを犠牲にしても奴を守るのか?」「私は民を愛し、1人を愛する」明日は息山神女と長珩の婚礼の日、諦めがついた東方青蒼は息芸に別れを切り出した。「ただ息山を離れる前に頼みがあります…」東方青蒼は息芸を連れて相思橋にやって来た。かつてこの場所で小蘭花と愛を誓うはずだった東方青蒼、その手には同心錠がある。「ぶしつけな頼みだが、私と鍵をかけてくれないか?」「小蘭花はいない、一緒にはいられないわ」「違う、小蘭花がいなくても私は永遠に忘れない、思い出を守り続ければ一緒にいるのと同じだ」東方青蒼は今生でも来世でもその先も自分には小蘭花しかいないと訴える。「小蘭花だけが私を愛してくれた、共に困難を乗り越え、私の情を復活させた たとえ世界を敵に回しても私についてきてくれた なのに私は棘のように小蘭花を傷つけるだけのろくでなしだった そして小蘭花は愚か者だ、ろくでなしと知りながら私を許し、抱きしめてくれた 今の私なら小蘭花を守り、もうつらい思いはさせない…そう伝えたいが叶わぬ」「もうやめて」小蘭花は居たたまれなくなり、思わず東方青蒼の言葉を遮った。東方青蒼は息芸を怒らせたと思い、やはり自分独りで来るべきだったと後悔する。「似ていてもあなたは小蘭花じゃない…」東方青蒼は息芸を司命殿に送り届け、別れを告げた。「蒼鹽海(ソウエンカイ)に戻る、君たちの婚姻を祝福するよ、ではこれで…」「待って」東方青蒼の難しい顔を見た息芸はつい手を伸ばし、東方青蒼の口角を上げて笑顔を作ってしまう。驚いた東方青蒼は思わず息芸の腕をつかんだが、息芸は逃げるように部屋に戻った。( ゚ェ゚)だからなぜ今そんなことする?最後まで隠し通せってやはり息芸は小蘭花なのか。東方青蒼はふと司命星君から小蘭花の運命簿をもらったことを思い出した。『息蘭族は小蘭花を種に封印し、私に託した でも私は人像(ヒトガタ)を取るのを助けただけ、運命は動かせなかった』そこで運命簿を出して良く見てみると、驚いたことに新たな運命が現れ始めている。しかしその運命はすぐ途切れた。「(はっ!)太歳を道連れに死ぬ気なのか?!」東方青蒼は今になってやっと司命星君に言われた言葉の意味が分かった。『最後の最後であの子の運命を変えられるのはあなたよ、東方青蒼…』婚礼当日の朝、東方青蒼は小蘭花の部屋の前に立っていた。しかし小蘭花が気配に気づくと姿を消してしまう。小蘭花は中庭に出て東方青蒼を探したが、誰もいなかった。すでに蒼鹽海へ帰ったのだろうか。その時、ふいに東方青蒼が現れ、小蘭花に口づけした。拒むこともできず身を任せる小蘭花、すると東方青蒼は何も言わずに消えてしまう。結黎(ジエリー)は息山神女の身支度を終え、一緒に司命殿を出た。同じ頃、觴闕(ショウケツ)も月尊の支度を済ませ、固い握手を交わし月尊を送り出す。そしていよいよ忘川のほとりで息山神女と長珩の婚儀が始まった。ちょうど同じ頃、東方青蒼は独り太歳がいる息山の洞窟へ向かう。( ゚ェ゚)そして…この巨大なオブジェを装着する必要があるのか?つづく
2023.08.05
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いよいよ配信が始まりました″長相思″今回、お目当てのキャストはいませんが、桐華さんの原作と聞いて配信を楽しみに待っていました″長相思″と聞いて思い出すのはやはり李白の詩?それとも甄嬛と果郡王でしょうか?私は♪かんたん酢ぅ~のCMでした!なぜだ?!(´゚ω゚):;*.’:;.. ブッ!実は ″ちゃん しぃぁん すー″ が ″かん たん す~″ に聞こえて頭から離れなくなり、それ以来、このドラマをかんたん酢と呼んでいます ←いやどうでもいいwよ~く見ると確かに小さく″1季″と書いてありますね続編があるのか、それとも長すぎてただ分割しただけなのか?どうなるのか分かりませんが、とりあえず第1話のあらすじを簡単にご紹介しますネタバレ厳禁の方はご遠慮ください(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾ペコリ长相思 lost you forever第1話ここは西炎国の朝雲殿静養中の西炎王后・西陵纈は2人の孫と前庭にいました静かに書を読むのは王孫の玱玹(チァンシュエン)一方、鳳凰木のブランコで遊んでいるお転婆な娘は外孫の小夭(シャオヤオ)@愛称です玱玹は出征した父がいつ帰るのか祖母に尋ねますが、その時、急に暗雲が垂れ込めました王后はそれが悲しい知らせだと気づき、激しく咳き込んで倒れてしまいます出征していた玱玹の父で四王子・西炎仲意が戦死しかし葬儀に王妃・昌仆の姿がありません待ちくたびれた九王子は墓を閉じようと急かしますが、その時、真紅の衣をまとった昌仆が現れました昌仆は西炎の王子でありながら夫を裏切り大敗させた九弟を断罪いきなり刺し殺して復讐を果たすと、髪に挿していた花を息子に渡し、別れを告げます「愛する人を見つけたらこの若木花を贈るのよ」すると昌仆は参列していた小夭の母・西陵珩に玱玹を託し、自ら胸を刺して夫の墓に身を投げました王后の弟子で王姫となり皓翎(ハオリン)王に嫁いだ西陵珩病が悪化した王后は幼くして両親を失った玱玹を哀れみ、西陵珩に孫の世話を頼みます「師父、どうか安心して静養してください、私は朝雲峰に留まり、玱玹と小夭の面倒を見ます」「皓翎に戻らないと?」「私と皓翎王は別れました、もはや皓翎王妃ではありません」するとついに王后は喀血、亡くなってしまいます祖母も両親も失い途方に暮れる玱玹しかしそばにはいつも小夭がいましたそんなある日、小夭はいじめられている玱玹を助けますが、いじめっ子から父親に捨てられた娘だと揶揄されてしまいます両親が別れたことを知らなかった小夭は激怒、いじめっ子をボコボコにして追い払うのでした小夭は修練して霊力を上げ、玱玹を守ると誓いますこれからもずっと一緒にいられるよう、哥哥と妹妹でいようと約束する2人そんなある夜、ふいに目を覚ました玱玹は書卓で泣いている姑姑に気づきます四王子まで国に身を捧げて亡くなった今、王姫大将軍として西陵珩が出征しなくてはなりませんそこで玱玹に四王子の婚姻の時に皓翎王が贈った短剣を形見として渡し、小夭を守ってやって欲しいと頼みます「小夭は…あの子は皆とちょっと″違う″、だからしっかり面倒見てやってね」そして翌朝、西陵珩は自分の知識を詰め込んだ首飾りを娘に渡し、必ず戻ると約束して旅立ちましたしかし西陵珩もまた戦死してしまいます西炎王は皓翎王に見放された小夭を玉山へ修行に出すと決めます玱玹は小夭と離れたくないと訴えますが、西炎王はこれも小夭を守るためだと言い聞かせました小夭と別れの日、玱玹は必ず小夭を迎えに行くと約束しますそこで小夭は大事にしていた九尾狐の尾の飾りを哥哥に贈り、再会を願って旅立ちましたここで小夭がいきなり銀河鉄道999のごとく馬車で飛んで行くのを見て( ゚ェ゚)あ…これ人間の話ちゃうんや~って、今ごろかっwあれから300年@きみまろエェェェ~!!(゚ロ゚ノ)ノ清水鎮では講談師が幼い王孫と王姫の悲しい物語を聞かせています…上古の時代、西炎・皓翎・辰荣という三大神族が鼎立していた300年前、西炎と辰荣が戦となり、西炎王姫大将軍が辰荣国大将軍・赤宸と血戦2人は共に戦死するも、西炎が辰荣を併呑するこの時、朝雲殿に残されたのが哀れな2人の遺児王姫は王孫に玉を渡して玉山へ修行へ一方、後ろ盾を失った王孫は王叔たちに追われ皓翎王に弟子入りした今ごろは二王姫を連れて遊歴しているという…「渡したのは玉じゃなくて九尾狐の尾だ…」講談を聞いていた医者の小六(シャオリウ)はなぜか王姫が王孫に渡した品が違うと知っていましたそうです、ヤンズーだからですwすると偶然にも身分を隠した玱玹が清水鎮にやって来ますつづく( ๑≧ꇴ≦)また男装スタートかい!と突っ込みながら始まりましたカンタン酢次回は小六が河原で倒れていたボロボロの男を連れ帰り治療、風呂に入れてみたらイケメンだったというお話彼は記憶がないと話し、見兼ねた小六は十七と名付けて、医館に留まることを許しますしかし十七、実は青丘九尾狐・涂山璟璟(ジン)は早々に小六が本当は女だと見抜き、恩人である小六に思いを寄せます次に小六は鷲?に襲われた小さな霊獣を助け、鷲の主である相柳(シィァンリウ)と出会います降りて来た鷲がまあまあデカい、神雕侠侶の鷲前輩以来のデカさではないでしょうか?wちなみに今回の伝書鳥がこちらで、相柳は美しい銀髪を持つ九頭蛇妖、辰荣の残党軍の将軍です実は管理人、どうも相柳と小六のからみがイマイチ苦手演出の問題なのですが、相柳が素敵なだけに残念ですさて、挫折しそうになっては急展開の繰り返しで気がつけば18話まで視聴した管理人ヤンズーはようやく女型wに戻り、元の身分を取り戻しましたいや~男装はねえ~やはり初々しさがあってこそ…ゲフンゲフンヤンミーしかりディリラバしかりヤンズーもすっかり貫禄がついて、男主たちもどちらかというとヤンズーの子弟に見えるw良い意味でも悪い意味でもヤンズーらしいドラマヤンズーが好きならまさにこれこれ〜♪だしヤンズーが苦手ならそうそうこういうところ〜となりそう(  ̄꒳ ̄)見るか見ないかはあなた次第です!これは是非ともLaLaさんに取って欲しい!よろしくお願いしま〜す
2023.08.03
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第33話「明かされた秘密」蒲巴弩(ホハド)は裴行倹(ハイコウケン)の情報と引き換えに曹(ソウ)王・李明(リメイ)から薬を手に入れた。しかし巾着に入っていたのはわずか3個、蒲巴弩は曹王の仕打ちに恨みを募らせる。一方、毒を盛られた琉璃(ルリ)はついに禁断症状に苦しみ始めた。事情を聞いた裴行倹は慌てて不禄(フロク)院に駆けつけたが、琉璃は錯乱して薬を探し回っている。裴行倹は琉璃を点穴してひとまず眠らせたが、孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)は裴行倹の薬のせいだと責め立てた。裴行倹は急いで恒泰(コウタイ)医館へ駆けつけたが、もぬけの殻だった。思えば琉璃の症状は錯乱した蒲巴弩と似ている。まんまと曹王の企みにはまったと気づいた裴行倹。一方、李明は楊(ヨウ)妃に連絡し、板打ちの罰を受けた宮女がいないか調べてもらうことにした。しかし侍女の丹青(タンセイ)が探したところ、最近、罰を受けた宮女などいないという。「でも若い医官が打たれて死にかけたとか…不禄院から尚服局に移った小豆子という者です」豆子は卓錦娘(タクキンジョウ)に腕比べを挑んで負けたが、自分の刺繍を奪われたと主張していた。引っ込みがつかない卓錦娘が打ち殺そうとするも、間一髪で裴行倹が駆けつけ救ったという。「辻褄は合っている、豆子が男だという1点を除けば…」裴行倹は街に出ていた蒲巴弩を発見、横道に入ったところで剣を突きつけた。「解毒薬を出せ」「そんなものはない、生き続けたければ飲むしかない」蒲巴弩はどちらにしても自分も長くないと明かした。「想い人はどんな女子だ?…私にはその女子の苦しみが分かる 早く娘を救う方法を考えるんだな、頼る相手なら分かっているだろう?」裴行倹が宮中へ戻ると琉璃が不禄院からいなくなっていた。驚いた裴行倹は話を聞こうとしたが、孫徳成と順子はけんもほろろで取りつく島もない。実はその頃、琉璃は楊妃の錦楽(キンガク)宮に連れ去られていた。「楊妃にご挨拶を…我々が不禄院へ行くと、すでにこの者は縛られていました」楊妃は豆子がすでに禁断症状で苦しんでいると気づき、裴行倹の想い人が豆子だと確信した。「確かにどの宮女より器量がいいわね」そこでまず豆子の症状が落ち着くよう薬湯に浸けることにしたが、衣を脱がされそうになった豆子が激高し、内侍を引っ叩いてしまう。すると楊妃は豆子が女子だと勘付き、その長い黒髪をほどいた。琉璃は女子の衣装に着替え、曹王の薬を半分飲んで落ち着いた。すると楊妃は武媚娘(ブビジョウ)の寝所にいた娘が琉璃だったと思い出し、武媚娘が送り込んだ間者だと疑う。驚いた琉璃は皇太子と武才人を巻き込まぬよう身分を明かすしかなくなった。「私はあなたたちが罪を着せて殺した安(アン)大家の娘・琉璃よ」「確かに安氏に似ている…腑に落ちたわ」楊妃は琉璃が母親の復讐のため、危険を覚悟で宮中へ入ったと分かった。しかし当時、安氏は独断で褘衣(キイ)を作り卓錦娘に届けさせ、おかげで自分も臣下たちに批難されて散々だったという。「死罪になって当然よ」「阿母は無実です!阿母が職を辞して皇宮を出たのは、争いから離れ、平穏な暮らしを望んだから 皇后でもない楊妃のために命を懸けるかけるわけがありません! 幼かったけれどよく覚えています、あの褘衣は卓錦娘が作り、阿母に手直しを迫った 阿母は家族を守るため応じるしかなかったのです」楊妃は当時のことを思い出した。卓錦娘と林(リン)尚服が勝手に褘衣を作って届けに来たが、運悪く皇帝に見られてしまう。皇帝の逆鱗に触れた卓錦娘は褘衣を作ったのが安氏だと訴え、自分は普段着だと騙されて届けただけだと供述していた。「他人事のようですね?大理寺に徹底的に調べさせるべきだったのでは? 後ろ暗いところがあって口封じに殺したのでしょう?」琉璃は楊妃の関与も疑ったが、楊妃の話では断罪したのは皇帝であり、自分は無関係だという。「私のために働きなさい、そうすれば代わりに卓錦娘を消してあげる」裴行倹は琉璃が陽妃と曹王に捕らわれた可能性があると考え、莫坤(バクコン)に協力を求めた。すると曹王の倉庫を見張らせていた配下が密かに甲冑を運び出すのを目撃して追跡したところ、捕まってしまったと知る。「信頼できる者ですが、我らの配下だと見破られると危険です 曹王は警戒を強めたはず、今、探るのは困難かと…」裴行倹は曹王に謀反の意があるのは明らかだと気づき、急ぎ東宮へ駆けつけた。しかし皇太子がちょうど曹王と談笑している。李明は裴行倹の慌てた様子を見て帰ることにしたが、その時、わざと香袋を落とした。「曹王殿下、巾着が落ちました…美しい巾着でございますね」「これはある絶世の美女が贈ってくれたものなのだ」何も知らない王伏勝(オウフクショウ)は黙って返したが、裴行倹はそれが琉璃の巾着だと気づく。…あれは私への警告だ、琉璃が女子だとばれたか…裴行倹は琉璃を守るため、皇太子に謀反の動きがあると伝えることができなかった。楊妃は一旦、琉璃を監禁したが、使い道を思いついて会いに行った。「太子のために龍袍を刺繍してもらう」皇太子は毒事件から身につける衣は全て豆子に作らせていた。楊妃は皇太子が謀反を企てた確証として龍袍を作ると説明し、実際に兵を挙げるのは裴行倹にやらせるという。「裴行倹はどちらを選ぶかしら…お前か太子か…」一方、裴行倹は曹王府を訪ねた。李明は裴行倹がここまで必死なのも豆子が女子だったからかと鼻で笑い、巾着を放り投げる。「殿下のお望みを伺いましょう」「はお、話が早い」李明は自分の下で働くよう迫り、断るなら琉璃への薬を止めて正体を公にするという。やはりすでに琉璃が安氏の娘だとばれていた。「まず琉璃の無事を確かめたい」「そのつもりであった、亥時に独りで来い」その頃、琉璃は禁断症状が現れ、薬欲しさに楊妃への協力を承諾していた。琉璃は風薫殿に連行された。すると楊妃は素直に従うなら解毒薬を与えてもいいと条件を出し、まずは自分の言葉通り密書を書いて裴行倹に渡せという。「それができたらお前の服従を信用する」「いいわ、言って」「…明日、午時、玄武門にて曹王が挙兵する」驚いた琉璃は思わず筆を落とした。しかし楊妃は今でも裴行倹を案じているのかと笑う。「あの毒は裴行倹が順子に渡してお前に飲ませたのよ?…後ろめたく思う必要はないの」琉璃は裴行倹への恨みを募らせ、楊妃の前で文を書いた。その夜、楊妃は風邪を引いた李明の見舞いと称して外出、曹王府へ琉璃を送り届けた。裴行倹も時間通り、耀徳(ヨウトク)殿に現れる。つづく( ๑≧ꇴ≦)ナザの眉尻が後ろの窓まで突き刺しそうな勢いですw
2023.08.03
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第32話「霊薬と毒薬」曹(ソウ)王・李明(リメイ)は護衛の蒲巴弩(ホハド)が裴行倹(ハイコウケン)に捕まったと知り、急いで駆けつけた。聞けば蒲巴弩は正気を失って侍衛らを負傷させたという。李明は自分が厳しく罰すると約束して蒲巴弩を連れ帰ったが、危うく災いを招くところだったと肝を冷やした。蒲巴弩は曹王からもらった薬を飲まず、禁断症状が出ていた。「あれは霊薬ではなく毒薬です…これ以上、飲んだら正気を保てません」しかし李明は飲み続けたらどうなるか誰も分からないが、少なくとも飲まなければ死んでしまうと薬を渡した。李明は錦楽(キンガク)宮に母を訪ね、計画の失敗を伝えた。実は皇太子が急に手が震えると言い出し、自分に薬湯を飲ませて欲しいと碗を押し付けたという。自分たちの企みがどこかで漏れたのだろうか。楊(ヨウ)妃はそれより皇帝が日ごとに衰弱しており、このままでは機会を失ってしまうと焦った。そこで李明は皇帝が崩御したら武力で玄武門を制圧し、偽の遺詔を出そうという。「その方が話が早いわね…」楊妃は自身の余命がわずかなこともあり、息子の大胆な計画を容認した。すると李明は蒲巴弩が使い物にならなくなったと話し、代わりの剛の者を用意するという。どうやらあの霊薬はかなり強力らしい。蒲巴弩は結局、曹王の薬を飲んで落ち着いた。しかし何とか断薬したいと街で評判の名医を訪ねたが、偶然にも恒泰(コウタイ)医館から薬をもらって出て来た裴行倹を見かける。驚いた蒲巴弩は武力で恒泰を脅し、裴行倹がどんな難病なのか教えろと迫った。すると実は患者が裴行倹ではなく女子で、敗血症を患い命の危険があるという。六子(リクシ)は曹王に蒲巴弩の薬が残りわずかだと報告した。しかし李明は用済みとなった蒲巴弩に高価な薬を作る必要などないという。「早急に蒲巴弩の代わりを探せ…奴はもはや捨て駒だ」その話をちょうど耀徳(ヨウトク)殿を訪ねた蒲巴弩が聞いていた。蒲巴弩は居所に戻ると恒泰からもらった薬を煎じた。…この薬を作った人は高名な医師に違いない、会わせて頂けませんか?…恒泰は蒲巴弩の飲んだ霊薬が相反する効果の薬材を巧みに調合してあると感心した。確かに短期間で服用するなら絶大な効果が見込めるが、ただ長期間、飲み続ければ霊薬も毒薬になってしまうという。そこで苦痛を和らげる薬を処方したが、根本的に治すには断薬するしかなかった。…断薬と言っても簡単ではありません、最悪の場合、禁断症状が治る前に命を落とす可能性が…不禄(フロク)院で静養している琉璃(ルリ)は義父・孫徳成(ソントクセイ)や順子(ジュンシ)の献身的な世話のおかげでようやく笑顔を取り戻していた。しかし名医からもらった霊薬が実は裴行倹が届けてくれた薬だとは言えない。一方、死期を悟った皇帝・李世民(リセイミン)は妃嬪や皇子たち、朝廷を召集、改めて皇太子・李治(リチ)を後継者に指名し、褚遂良(チョスイリョウ)と長孫無忌(チョウソンムキ)を補佐役にした。皇帝の詔に李明と楊妃は激しく動揺した。もはや残された道はひとつ、李治が謀反を企て挙兵したという動かぬ証拠を作るしかない。しかし東宮の兵権は裴行倹が握っていた。その時、断薬に失敗して正気を失った蒲巴弩が薬を求めて錦楽宮に乗り込んでくる。騒ぎを聞いた李明は直ちに衛兵を呼んで蒲巴弩を取り押さえ、収監しろと命じた。そこで蒲巴弩は裴行倹の秘密を知っていると訴え、もはや手遅れだとしても見殺しにはしないで欲しいと哀願する。李明は仕方なく霊薬を与え、裴行倹の話を聞くことにした。裴行倹は10年前、初めて琉璃を見かけた大慈恩寺を参拝した。その足で琉璃にお守りを届けることにしたが、偶然、部屋で歩く練習をしている琉璃を見かける。その時、琉璃が転倒、裴行倹は慌てて駆けつけた。「足が動かないとなぜ言わなかったんだ?!」思わず声を荒らげた裴行倹だったが、琉璃を抱き上げ、寝台に寝かせた。「帰って、顔も見たくない!」「…これは大慈恩寺で頂いたお守りだ」「要らないわ、あそこの籤(クジ)は当てにならない」驚いた裴行倹はあの時、偶然、梁の上から琉璃が籤を引くのを見ていたと明かす。実は琉璃が大凶を引かないよう2回ほどつぶてを投げ、そのせいで大吉を引いていた。「武府で会う前から私たちは縁があった…このお守りには私の願がかけてある、きっと良くなる」裴行倹は琉璃の手にお守りを握らせ、ゆっくり養生するようなだめて帰って行った。蒲巴弩は裴行倹が街の名医に女子の治療を頼んでいたと明かした。恐らく特別な仲なのだろう。「まさに天意だな」李明はその女子を利用して裴行倹を脅せば東宮の兵を動かせると考えた。しかし楊妃は忠義に厚い裴行倹が皇太子を裏切るとは思えないという。「いかにも、だが情義に厚いからこそ、愛する女子の苦しむ姿を見たらどうでしょうか?」すると李明は蒲巴弩に薬が入った巾着を渡した。琉璃は恒泰の薬で回復、裴行倹は約束通り恒泰に報酬の3倍を払いに行った。しかし足を痛めていたことを知らず、傷は治ったものの足が治らないと相談する。恒泰はならば筋肉と骨を強くする薬があると話し、霊薬を渡した。「可能なら飲まないに越したことはありませんよ?」それが恒泰のできる精一杯の警告だった。琉璃はめまいがすると言って起きあがろうとしなかった。裴行倹から話を聞いた孫徳成と順子は琉璃が皆に心配をかけまいと足の怪我を隠していたと知り、胸が痛む。そこで早速、裴行倹が届けてくれた霊薬を順子が飲ませることにした。しかしこの薬が琉璃に地獄のような苦しみを味わわせることになる。李明は蒲巴弩から裴行倹が近頃、頻繁に例の薬をもらいに街で出かけていると聞いた。「恐らく患者の女子が中毒になったのに違いありません」「魚がかかったな、釣り上げよう」つづく( ๑≧ꇴ≦)蒲巴弩の霊薬がボーロwwwそれにしても裴行倹ってロクなことしない( ̄▽ ̄;)
2023.08.02
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第31話「曹王の駒」豆子(トウシ)が刺繍した龍袍(リュウホウ)を奪って腕比べに勝利した卓錦娘(タクキンジョウ)。いよいよ采章(サイショウ)署で金針を祭る儀式が始まり、豆子の目の前で″天下第一針″の称号を得る時が来た。琉璃(ルリ)は最後の最後まで抵抗、何があっても卓錦娘の″天下第一針″を認めないと反発し、卓錦娘から板打ち20回を命じられてしまう。一方、裴行倹(ハイコウケン)は琉璃を救うため、急ぎ皇太子に助けを求めた。しかし皇帝の見舞いで妃嬪や皇子らが甘露之殿に集まる中、皇太子の李治(リチ)が抜け出すことはできない。裴行倹は諦めて尚服局へ駆けつけたが、すでに豆子は板打ちの罰を受け、意識が朦朧としていた。裴行倹は皇太子が豆子を呼んでいると嘘をつき、罰を止めた。しかし今日から妃嬪と皇子たちが御前に詰めていると知っていた卓錦娘は嘘だと見抜く。琉璃も裴行倹への恨みが深く、自分に関わるなと突き放した。そこで裴行倹は豆子が皇太子から頼まれた皇帝に贈る外套の龍の刺繍ができなくなると訴え、林(リン)尚服を牽制する。「互いに譲歩するべきでは?強行な姿勢が尚服の特になるとは思えぬが…」その意味を悟った林尚服は豆子の罰がちょうど済んだと認め、解放した。裴行倹は琉璃の安全のため不禄(フロク)院で静養させることにした。心身ともに深い傷を負い、うなされ続ける琉璃。そこへ鄧七娘(トウシチジョウ)が豆子の着替えと寝台の下に隠してあった化粧箱を届けてくれる。箱の中に入っていたのは琉璃と裴行倹に良く似たしんこ細工の人形だった。琉璃の心にも自分がいると知って思わず笑顔になる裴行倹、その時、ようやく琉璃の意識が戻る。安堵した裴行倹は早速、薬を飲ませることにしたが、琉璃は器を払いのけた。「帰って…顔も見たくない」曹(ソウ)王・李明(リメイ)は潘秦海(ハンシンカイ)を総管に登用し、皇帝の毒殺を命じていた。しかし怖気づいた潘秦海はなかなか手を下せず、業を煮やした李明は蒲巴弩(ホハド)に命じて脅しをかける。すると蒲巴弩が潘秦海に褒美と称して父親の指を渡した。潘秦海は親不孝を嘆き、必ず任務を果たすと誓ったが、蒲巴弩にも警告する。「事が成就すれば曹王は禍根を残さぬため口封じする 私も覚悟はしているが、だがお前も無事ではいられまい、お前も曹王の駒でしかないのだから…」裴行倹は皇太子に豆子のため街の名医を呼びたいと頼んだ。豆子は身体の傷より心の傷が深く、何でもその名医は外傷だけでなく心の病も治せるという。李治は許可したが、実は最近、曹王が頻繁に甘露之殿に来ていると話した。「曹王が暴挙に出るやもしれぬ…用心が必要だ」すると裴行倹は前総管・高全(コウゼン)が急死し、すぐ楊(ヨウ)妃が潘秦海を推挙したことも怪しいと指摘する。その時、侍女がやって来た。今日に限ってわざわざ藩総管から皇帝が目覚めたため、甘露之殿に来て欲しいと連絡がきたという。実は追い詰められた潘秦海は皇太子を呼び出し、全てを明かすことにした。裴行倹は腹心の莫坤(バクコン)に留守を頼み、街に出かけることにした。その時、城門で錯乱し暴れている蒲巴弩を目撃、手を焼いている衛兵に加勢し捕縛する。「陛下がご病気の間、秩序を乱す者は厳罰に処す、則を破った蒲巴弩は太子に差し出す」李明は今日も甘露之殿に現れた。皇太子が皇帝に薬湯を飲ませる様子を見守る李明、すると李治が急に思い立ったように手を止める。「ご快復を願って写経をしているせいで、また手が震えてしまって… そうだ、これから陛下のお世話は14弟に任せよう」李明は断ることもできず、薬湯を受け取ったが、咄嗟に器を落とした。李明が甘露之殿を出ると六子(リクシ)が待っていた。「殿下、蒲巴弩が面倒を…薬のせいで暴れ、裴行倹に捕らえられました」「あの役立たずめ!」蒲巴弩は薬の禁断症状が出ていた。裴行倹は曹王が来るまでに蒲巴弩の口から証言を引き出そうとしたが、蒲巴弩も口が硬い。つづく(  ̄꒳ ̄)太子の返し、上手い!まあ〜琉璃の怒りは仕方ないな~裴行倹もせめて最初に説明しておけばね
2023.08.01
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第34話赤地女子(セキチジョシ)は自分に仕えたいと申し出た丹音(タンイン)をいきなり斬りつけた。しかしふと我に返り、それが自分の妄想だったと気づく。赤地女子は過ちを犯さなかったことに安堵したが、自分の異変に気づいて激しく動揺した。「気分が悪いの、もう帰って」その夜、赤地神仙の部屋から怪しい物音が聞こえた。天兵たちは慌てて見回りに駆けつけたが、崇気(スイキ)の怨念に取り憑かれた赤地女子は無意識に衛兵たちを殺してしまう。すると心海に太歳(タイサイ)が現れた。『凶神・太歳か!…お前だな!阿昊(コウ)を惑わせたのは!』『私は希望を与えただけ… もう勝負はついている、お前の身体は間もなく私のものになる、ぶはははは!』雲中君は太歳が現れたと聞いても、錯乱した赤地女子の妄言だと取り合わなかった。長珩(チャンハン)は赤地女子が崇気に侵されていることから、本当に太歳と関わりがあれば大事だと警告する。しかし太歳は初代の息山神女(ショクサンシンニョ)に身体を滅ぼされて以来、歴代の神女に封印されていた。雲中君は太歳にもはや古(イニシエ)の力などないとあなどり、残された魂も蘇った息芸(ショクウン)が抑えてくれるはずだという。「生き残った太古の凶神など水雲天の脅威ではない」長珩は結局、兄にとって大事なのは三界の平安より月族への恨みを晴らしたいという私心だと気づき、失望した。雲中君は赤地女子が弟子の罪を軽くするため太歳を持ち出したと断罪した。神仙たちもいくら戦功があるとは言え、元神が崇気に侵される前に赤地女子を死罪にして災いが広がるのを止めるべきだという。唯一、澧沅仙尊(レイゲンセンソン)だけは反対したが、雲中君は赤地女子の処刑を命じた。その夜、澧沅は娘の寝所を訪ね、寝顔に別れを告げた。すると気配を感じた丹音が目を覚まし、父の異変に気づく。「私に何か隠しているの?」「バカなことを…いいから寝なさい」丹音は黙って父を見送ったが、結黎(ジエリー)の部屋に乗り込んで叩き起こした。「言いなさい、父上はどこへ行ったの?」「なぜ私に聞くの?」「父上はあなたを連れ帰ってから様子がおかしくなった! もういいわ、あなたにとって父親でも何でもないのでしょう?関係ないわね」澧沅は地位を利用して渡業淵(トギョウエン)の護衛を下げ、容昊(ヨウコウ)を訪ねた。そこで解放する代わりに蝶衣(チョウイ)を引き渡せと迫る。「娘を解毒させたのち手出しできぬよう始末させてもらう」「蝶衣は私の腹心だ…苦しまぬよう逝かせてやってくれ」🦋.oO(eeeeee~!澧沅は令牌をはめて結界を解くことにした。その時、駆けつけた丹音が術を放って令牌を吹き飛ばす。「父上!」しかし父娘がもめている間に蝶衣が落ちた令牌を拾って容昊を解放した。澧沅は娘をかばって崇気に倒れ、もはや絶体絶命となる。すると容昊は一刻も早く師匠の元へ向かうため、蝶衣に丹音の始末を頼んだ。丹音は蝶衣に戦いを挑んだが、蝶衣が隙を見て澧沅を人質に取った。仕方なく剣を捨てた丹音、その時、驚いたことに結黎が現れる。結黎は蝶衣の味方のふりをして丹音の剣を奪ったが、その剣で蝶衣を刺した。「…私を殺せばお前も道連れになるぞ」「2度と操られてたまるもんですか!」容昊は寝殿で倒れている師匠を見つけた。「師父…遅くなりました」一方、澧沅は娘たちを寝殿に送り、これから自首すると伝えた。父として丹音を守れず、結黎を解毒できず、2人の母の死に目にも会えなかったと嘆く澧沅、せめてこれからは姉妹で助け合って欲しいという。しかし丹音は父に抱きついて離れようとしなかった。すると結黎が咄嗟に丹音を点穴し、眠らせてしまう。「私に任せて」目を覚ました丹音は父を行かせた結黎を激しく責め立てた。結黎は生きるためだと憎まれ口を叩き、これまでも親友に背き、愛する人を騙したという。「あなたの父親も愚かよ、いい子のふりをしたらひたすら私を気にかけて言いなりになった でもだまして得た愛など何の意味もない…もう騙すのは嫌よ」その時、結黎は解毒薬の効果が切れて急に倒れてしまう。東方青蒼(ドンファンチンツァン)は小蘭花(シャオランファ)が記憶を取り戻す方法がないものか考えあぐねていた。するとめずらしく息芸が会いに来てくれる。東方青蒼は喜んだが、息芸は改めて自分が小蘭花ではないと釘を刺した。「小蘭花と縁があり、婚姻するところだったのね、長珩仙君から全て聞きました でも小蘭花はもう戻ってこない… あの時、司命(シメイ)は私を守るため、平凡な蘭の花に見せかけ守ってくれた 小蘭花はその時の見せかけの存在なのです、記憶も失い、小蘭花は消えたわ」「それは違う、証しがある」東方青蒼は息芸も小蘭花と同じように草花を好み、淡い色の衣を着ていると訴えた。しかし息芸は長珩との婚礼が3日後に決まったと教えて戻ってしまう。丹音は結黎を連れて息山にやって来た。蝕心丸(ショクシンガン)に侵された結黎はすでに経脈が弱まり、歩くこともままならない。「もう放っておいて…」しかし丹音は結黎を背負い、息蘭聖境まで歩いた。司命殿から出て来たのは觴闕(ショウケツ)だった。觴闕は外套を目深にかぶっているのが結黎だと気づいたが、あえて何も言わずに対応する。すると息芸は結黎の解毒に尽力すると約束してくれた。丹音は感謝したが、実は容昊が脱獄したと報告する。驚いた息芸と長珩は丹音から詳しい話を聞くことにした。息芸はもはやかつてのおどおどした小蘭花ではなかった。その威厳はまさしく三界を守る息山神女、丹音は確かに長珩とお似合いだと納得する。結黎は長珩をまだ諦められないのか聞いたが、丹音は小蘭花の素性を明かした時点で諦めがついていたと漏らした。すると丹音は自分と違って結黎は觴闕に愛されているという。「觴闕は私にとって、この世で最も清らかで光り輝く優しい男なの、私では釣り合わない」「そんなことない!あなたは私の妹なのよ?黒龍どころかもっと偉い人でも大丈夫」「分かってないのね…」結黎は自分が丹音のように信頼や愛を得られるような人間ではないと卑下した。「もし得たとしても、どうせ失ってしまう、最初から期待しない方がいい」「臆病なのね」一方、觴闕も臆病になっていた。そこでもう一度、結黎の愛を取り戻すため相思燭(ソウシショク)を使いたいと考えたが、月尊に叱られてしまう。「最初から海市の手先だった、偽りの姿だったのだ、蝋燭を捨てよ」「いいえ、試します!」「現実を見るのだ」「尊上こそ!(はっ!)…失言でした」しかし東方青蒼は黙って觴闕に酒を勧めた。息芸と長珩は念のため太歳の様子を調べに洞窟へやって来た。すると太歳に封印を破られたと知る。恐らく小蘭花が玄虚の境で元神が砕け、力が衰えた隙に封印を破ったのだろう。息芸と長珩はこの機に太歳を滅ぼそうと誓ったが、東方青蒼はまだ2人の婚姻に納得できなかった。丹音は結黎を置いて水天雲に戻り、父の行方を探すことにした。そこで帰り際、思い切って長珩に聞いてみることにする。「心から望んで息山神女を娶るのですか?」丹音は思えば長珩への執着や欲深さから天極鏡(テンキョクケイ)で見た預言を隠して自分を騙していたと後悔した。「あなたにも執着心に取り憑かれて欲しくなくて…」「もう言うな、これは運命なのだ、どれほど受け入れ難くても受け入れなくてはならない」つづく( ๑≧ꇴ≦)もう月尊と觴闕、何やってるの?w
2023.07.31
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第33話小蘭花(シャオランファ)の一縷の元神が自分の元神の中に残っていると知った東方青蒼(ドンファンチンツァン)。…あの子を甦らせるにはその元神を取り出し、息蘭(ショクラン)聖境でしっかり面倒を見て…司命(シメイ)星君から教えを受けた東方青蒼は早速、長珩(チャンハン)と息山へ向かい、小蘭花の元神を取り出すことにした。しかし元神を取り出す時には耐え難い苦痛を伴うため、長珩は中断すれば弱った小蘭花の元神が消えてしまうと警告する。「小蘭花の受けた苦しみを思えば何でもない、始めてくれ」東方青蒼は時折、倒れそうになるも何とかこらえ、長珩は無事に小蘭花の元神を取り出して水雲天に帰って行った。「世話を頼んだぞ、また来る」東方青蒼は息蘭聖草の種を植木鉢に埋め、大切に育てた。毎朝、息蘭聖草が好む夜明けの東から差し込む陽光に当て、必ず朝露を集めて与える。雨の日も晴れの日も、夜も昼も、東方青蒼は鉢植えから片時も離れなかった。やがて息蘭聖草は芽を出し、葉が伸び始める。「小蘭花、お前の師父に会ったぞ、居場所も知っている、師父に会いたいだろう?早く育て」時には小蘭花を心配するあまり、東方青蒼はうなされて目を覚ますこともあった。「まだ私を怒っているのか?…私が悪かった、早く戻って来い」そんなある朝、ついに息蘭聖草の魂が目を覚ました。すると小蘭花の心海に神霊・元亀(ゲンキ)が現れる。『…お久しぶりです、元亀神仙』『どうやら己の運命が分かったようだな… 息山神女(シンニョ)・息芸(ショクウン)として目覚めれば小蘭花だった時のこととは関わりがなくなる あの時の喜びや悲しみを捨て去ることができるか?」『今や私には見るべきものが見えます、失うのはそれが定めだからでしょう』小蘭花は息山神女として三界を守り、使命を担う覚悟だと伝えた。すると元亀は息芸が歴代の息山神女よりも非凡だという。歴代の神女たちは世を知っても民のことまでは知る由もなかったが、三界を巡った息芸は真の愛を理解できていた。『初代の息山神女のように魅力的な新しい世界を築けることだろう…行きなさい』神女の復活で息山の草花がにわかに活気づいた。ちょうど朝露を集めていた東方青蒼は小蘭花が復活したと気づき、急いで聖地に戻る。するとそこには確かに人像(ヒトガタ)に戻った小蘭花が立っていた。「小蘭花!」東方青蒼は愛しい小蘭花の元へ駆け寄ったが、抱きしめることも叶わず、いきなり一撃を浴びせられてしまう。「あなたは誰?」「やはり怒っているんだな、確かにお前を傷つけた、怒るのも無理はない …私を殴っても剣で刺しても構わない、だが避けないでくれ」「私は息蘭族の神女・息芸、小蘭花ではない」憤慨した息芸は涼亭に戻って結界を張り、東方青蒼を締め出してしまう。一方、水雲天では崇気(スイキ)に冒された赤地女子(セキチジョシ)の身に異変が現れ始めていた。東方青蒼は小蘭花に記憶がないと知り、深く失望した。觴闕(ショウケツ)は元神が回復すれば思い出すと励ましたが、東方青蒼は悩み抜いた末、ふとあることに気づく。「そうだ、私はかつて小蘭花を欺き、傷つけ、苦しめた… 小蘭花が記憶を失ったのなら、その忌まわしい思い出も共に忘れているはず これは天意だ!全てを元に戻し、初めからやり直せる!」東方青蒼は再び小蘭花の愛を得るため、かつて司命殿にいた時のように息山神女に尽くそうと決めた。東方青蒼は小蘭花のために作った司命殿を息山へ持って来た。「人違いで困らせたお詫びにこれを運んできました」息芸は花壇を見ても表情ひとつ変えなかったが、中庭に上がると気に入ったと言ってくれる。「ではここに住まわれてはどうです?…これも何かの縁です、私にお世話をさせてください」そこで東方青蒼は大強(ダーチァン)と名乗り、仙族だと嘘をついた。息芸は仙気がないことに気づいたが、息蘭族は三界の者を区別しないため留まることを許すという。しかし息芸は小蘭花と全く好みが違った。東方青蒼は小蘭花がかつて自分の集めた朝露を温め、花の蜜や草の香りを加えて飲んだことを思い出した。そこで同じように作って息芸に差し入れたが、甘いものが苦手な息芸は下げてくれと冷たい。觴闕から蘭花仙子が寂しがり屋だったと聞けば、中庭で修行する息芸に付き添い、邪魔にならないよう瞑想を始めた。しかし息芸は孤独が好きだと言って姿を消してしまう。何とか距離を縮めようと必死な東方青蒼、喜びそうな話もしてみたが、息芸はけんもほろろで取りつく島もない。「かしずかれるのは嫌なの、煩わせないで」觴闕は小蘭花を何とか振り向かせようと奔走する月尊に胸が痛んだ。「尊上…私が思うにあの方は蘭花仙子とはもはや違う方です この数日、私もそばで見ていましたが、表情や好み、行動もまったく違います」しかし東方青蒼は諦められなかった。東方青蒼は水天雲で小蘭花と朝日を見に行ったことを思い出し、早速、翌朝、迎えに行った。やはり朝寝坊の小蘭花、まだ眠っているのか返事がない。「部屋の外で何をしているの?!」東方青蒼が驚いて振り返ると小蘭花が立っていた。「あ、お誘いに来たのです、息山で一番高い揺光(ヨウコウ)峰で日の出を見ませんか?」「日の出?…朝一番の日の光ならとっくに息山に差したわ」実は息芸はすでに揺光峰で瞑想し、朝日を浴びて戻ったところだった。東方青蒼は途方に暮れた。どうやら本当に小蘭花ではないのかもしれない。「小蘭花は食いしん坊で朝寝するのが好きだ 気が小さくて暗闇を怖がり、孤独を恐れる、そのくせ強がって見せるのだ 私のために深く傷つき、何度も苦しんでいたが、それでも私に笑顔を見せてくれた だが息山神女は違う、百花の羹(アツモノ)も朝露も好まぬ 私がそばにいることも、朝寝坊も嫌っている 笑顔も見せてもらえず、そばにいても無駄だ、煩わせているだけ…」かつて小蘭花は笑えば辛くないと教えてくれたが、東方青蒼はそれが間違いだと分かったという。その時、長珩が現れた。「東方青蒼、小蘭花が蘇ったならここを去るべきでは?お前が傷つけたから小蘭花は拒むのだ」「…あれは小蘭花ではない」あの天真爛漫だった小蘭花はどこか近寄り難い雰囲気だった。「東君(トウクン)の末子、長珩仙君ですね?…初めまして」息芸はこの3万年、封印されていたが、再び目覚めた今、正式に婚姻を進めたいという。「…なぜ急にそんな話を?」「息蘭族は東君一族と共に三界の平和を守る、それが太古からの約束です」息芸は早く長珩と婚姻して三界を鎮め、民を守る責務を果たしたいと訴えた。東方青蒼は慌てて帰ろうとしていた長珩を呼び止めた。「よい気分だろう? 小蘭花は私のことはすっかり忘れたのに、お前の許嫁だということは覚えていた 望み通り婚姻できるな?」「あの様子を見て私が喜ぶとでも?私が愛したのも小蘭花だ」「だが少なくともお前は一緒にいられる」すると長珩は蒼鹽海(ソウエンカイ)で小蘭花を手放し、東方青蒼に託したはずだと言い返した。「守れなかったのはお前だ…私も小蘭花が戻るのを望んでいる」一方、丹音(タンイン)は憧れの赤地女子が復活したと知り、ぜひお仕えしたいと申し出た。しかし崇気に犯された赤地女子は上の空、やがて剣を抜いて丹音を斬りつけてしまう。つづく (Ŏ艸Ŏ)ヒィィィィ〜!丹音?!それにしても小蘭花、衣装までレベルアップするのかーいw
2023.07.30
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第14話「私の選び方」殉職した驊(カ)県県令は二等関内侯に追封され、多くの民に見守れながら出棺した。楼垚(ロウヤオ)は程少商(チォンシャオシャン)と一緒に県令を見送りながら、自分も家門を汚さぬ父母官を目指し、2度と家族を失う子を生まないと誓う。少商も両親が自分を捨てたのではなく、民を守るために出征したと理解し、母に対する思いも変化していた。そんな2人の様子を詔書を届けにきた凌不疑(リンブーイー)が複雑な面持ちで眺めている。一方、師匠に同行した袁慎(ユエンシェン)も横道からこっそり少商を見つめていた。するといつの間にか師匠の姿がない。皇甫儀(ホワンフーイー)は夫に寄り添う桑舜華(サンシュンホワ)の姿を見て居たたまれなくなり、結局、2度と会うまいと決めて帰ることにした。そんな中、何とか生き長らえていた県令の孫娘が少商と楼垚に看取られ亡くなった。…私が持っている幸運を阿姉にあげる、きっと幸せになれる…少商は雨の中、孫娘の墓前で笛を吹いた。すると楼垚が駆けつけ、傘を差し出す。結局、阿妙(アーミャオ)も県令も助けられず、孫娘の命も守れなかったと嘆く少商。「両手を血に染めている人たちが憎い…でも私に何ができるというの?!私は非力だわ」しかし楼垚は民を奮起させ、町を立て直した少商を非力だとは思わないと励ました。何より少商に最も影響を受けた楼垚は、外地での仕官が叶った暁には少商と共に太平の地を築きたいという。「少商、君を敬慕している…これからは己の足で立ち、弱々しい自分を捨てるよ」少商と楼垚は同じ志を持つ者同士、互いに信頼し合い、同じ道を歩もうと約束した。「過去や是非は問わない、肩を並べて進むんだ」「はお」凌不疑は少商を探して程家の墓に向かった。しかしそこで思いがけず少商と楼垚の誓いを聞いてしまう。結局、不疑は引き返し、そのまま驊県をあとにした。「彼女も私に会いたがらないだろう、殺戮に明け暮れる者にはな… この両手は血で染まっている」。・゜・(ノД`)・゜・。ウーレイが失恋なんて…楼垚は早速、県丞夫婦に少商との縁談を申し込んだ。程止(チォンジー)はさすがに時期尚早だと困惑したが、楼垚はすでに兄に文を送り、母の代理を頼んだという。(; ̄▽ ̄)<普段と違って手際がよいな…すると知らせを聞いた程始(チォンシー)が馬を駆けて驊県へ駆けつけた。程始は娘の無事な姿を見て安堵した。すでに都で楼太傅と話はついていたが、まずは娘婿がどんな郎君なのか気になる。そこで程始は楼垚と2人きりで話すことにした。正直なところ程氏が名家の河東(カトウ)楼氏と釣り合うとは思えない。しかし思いがけず楼垚は少商の良さを理解している好青年だった。「夫婦になれたら私の幸であり、楼氏の幸です!」「見る目があるな!」夫からの知らせを読んだ程伯夫人・蕭元漪(シャオユエンイー)は怒り心頭だった。自分の意見を聞くと言いながらまるで事後報告、すでに曲陵(キョクリョウ)侯府には楼家から聘礼(ヘイレイ)の品が届いている。「母である私には文だけで終わり?!だいたい楼垚は二房の息子よ?!」楼氏一族は大房が強く、楼垚の父も早逝していた。夫は大房の楼太傅が楼垚の父代わりとでも思って話をつけたのだろうか。「二房がどんな立場か考えなかったのかしら?どこが良い縁談よ!」相変わらず手厳しい蕭元漪、しかし実は楼家が虎狼の巣だと知っていた。程老夫人は楼家から届いた聘礼品に大喜び、早速、金のかんざしを挿せるだけ挿してみた。すると蕭元漪が現れ、この縁談に反対なので全て送り返すという。老夫人は激怒、意地でも聘礼を返すものかと箱の上に座り込んで抵抗した。しかし蕭元漪の命令で武婢たちに羽交い締めにされ、部屋に連れて行かれてしまう。↓老太太wwwww少商は三叔母から母まで驊県に来ると聞いて度胆を抜かれた。すると舜華は本当に楼垚の求婚に応えるつもりなのかと心配する。「もっと良い人がいると考えたことはない?」「私は一番を選んだことはない、その時に合うものを選ぶの」一方、凌不疑の追撃で捕まった樊昌(ファンチャン)は自供し、死を以って謝罪したいと血書を書いた。かつては皇帝と共に敵を陥落させた樊昌、それがまさか十数年に反逆するとは皇帝も衝撃を隠しきれない。結局、情が厚い皇帝は再度、機会を与えようとしたが、凌不疑は反対した。「樊昌が家族を隠してもいないのは、暗殺に出ても一族皆殺しを恐れなかったからだ つまりこたびの暗殺が成功して朝廷が混乱し、責を逃れられると踏んだ 最初から策を講じていたのです」不疑は樊昌を都へ護送し、必ず黒幕を捕らえると進言したが、皇帝はそれよりまず傷を治せと叱った。「戦いや拷問ばかりでは娶った妻を震えさせるぞ?」すると供述書を届けた紀(ジー)大人が凌将軍も慶事かと聞いた。「何?他家にも慶事があるのか?」「楼家二房の二公子です、程娘子を追って驊県へ行き、その美談は県中に伝わりました 程将軍と楼太傅はすでに縁談を決め、聘礼を届けたとか…」皇帝は子晟(ズーション)が難しい顔をしている理由を知った。そこで子晟が下がったあと、紀大人に程始には何人、娘がいるのか尋ねる。「1人だけです」「なぜ1人なのだ!程始、使えぬヤツめ!」蕭元漪は驊県見庭に到着、するとちょうど中庭にいた少商と楼垚に噛みついた。「楼公子、どうか伯父上と母上に縁談を断るよう伝えてください これもあなたと少商のためです …今後は楼公子との仲を疑われぬよう、会うことは禁じます!」一方的にまくし立てられる少商と楼垚、仕方なく程始はひとまず楼垚を帰したが、蕭元漪の怒りは収まらない。「将軍、やってくれたわね?!」「…阿母が嫌いなのは阿垚?それとも私?なぜ邪魔するんです?」「私の娘でなければ自由に嫁いで結構!」少商は今回の生死を経て、少しは母との距離が近づいたと思っていた。しかし結局、母は何も変わらない。その夜、少商は部屋を抜け出し、こっそり楼垚と会った。「阿母はあなたを責めているわけじゃないの、私を許せないだけ、誰に嫁ごうと同じ態度よ」しかし運悪くちょうど三叔母と回廊を歩いてきた母に見つかってしまう。楼垚は自分が軽率だったと程夫人に謝罪、少商に母親と良く話し合うよう言い聞かせて帰った。桑舜華は嫋嫋(ニャオニャオ)を必死にかばった。驊県への道中では命も危うかったが、嫋嫋のおかげで生き延びることができたという。さらに嫋嫋は町の再興を助け、家を建て直したり、農具まで改造していた。しかし蕭元漪は娘の功績を認めず、運が良かったに過ぎないという。「三叔母、無駄です、阿母の目には堂姉だけ、私の小手先など認めやしません でもなぜ嫁ぐなと強いるのですか?」「嫁ぐなとは言ってない、嫁ぐ時期と相手を考えて…」「では堂姉でもこれほど反対しますか?」「姎姎(ヤンヤン)ほど心配をかけなければ反対はしないわ!」「私がいつ心配をかけましたか?!…いえ、阿母にとって私に心配する価値がありますか?」驚いた蕭元漪はならば楼垚に本当の情があるのかと聞いた。2人の馴れ初めは舜華の文で知ったが、とても夫婦の持つべき真の情とは程遠いという。少商は夫婦の情と言っても千差万別、相棒のように手を携えて生きるのもまた情だと言い返した。「何も分かっていないくせに!」「いつもそれですね、何も分かっていない… 確かに私は無知です、躾けられなかったのですから 娘を捨てておきながら、今頃、戻ってきて躾ける資格があるとでも?」「はお、では見せてもらう、あの楼垚とどうやって人生を歩むのか!」 つづく( ತ _ತ)あ___せっかく楽しかったのに、ママンのキンキン声を聞いていると滅入るわ___というか娘が戦に巻き込まれたのに、全然、心配するシーンがはないことに驚くw
2023.07.29
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第13話「再興への活力」程止(チォンジー)は新任の驊(カ)県県丞として県庭に到着した。しかし父のように慕っていた県令が城外で殉職したと知り、あやうくまた倒れそうになる。一方、文(ウェン)帝は深手を治療せず放置したままだった凌不疑(リンブーイー)に怒り心頭だった。「半日、戻るのが遅れたら命も危うかったぞ?!」このまま妻帯もせず殺し合いばかりでは看取ってくれる者もいないとぼやく皇帝。すると不疑は4年前のように裕昌(ユーチャン)郡主を娶れと強いるなら、今度は敵地まで攻め込み散り果てると脅した。「お前というヤツは!…息子同然に育てたお前が身体を粗末にするとはどういうつもりか? 朕とお前の舅父(キュウフ)は実の兄弟同然で、幼き頃から寝起きを共にした仲 だが舅父は国のため一家の命を犠牲にした 救えなかった無念から朕は霍(フォ)一族の栄誉をお前に授けたのだ、しかと生きてもらうために それがお前は妻子も持たず、戦に明け暮れ、身体を顧ぬ 母方霍氏の血脈を己の手で断つ気か?!」しかし不疑は舅父のように愛する人を娶りたいと訴えた。「城陽(ジョウヨウ)侯のごとく節操なく母を捨て、遺恨だけが残るなら独り身で構いません」( ゚ェ゚)<ウォレスフォのフォ! ←関係ないw皇帝は軍医に凌不疑の治療を任せ、梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)から事情を聞いた。すると実は子晟(ズーション)が県丞の身内の女子を救出するため、傷の手当てが遅れたと知る。「矢を抜き、治療した女子?…それは誰だ?!」「曲陵(キョクリョウ)侯・程始(チォンシー)の娘、少商(シャオション)です」皇帝は初めて聞く子晟の浮いた話に目を輝かせた。「容貌は?」↓今回の皇帝は良い人そうw一方、程止は自分が寄り道したせいで県令が犠牲になったと自分を責めていた。桑舜華(サンシュンホワ)はそんな夫の無念さを思いやったが、少商は華甲(カコウ)を超えた齢の県令がなぜ無謀にも城外へ出たのか分からない。しかし三叔母は15年前の戦で嫋嫋(ニャオニャオ)の両親が孤城へ向かったように、乱世では能ある者が責を担うのだと教えた。楼垚(ロウヤオ)は少商のそばに付き添い、何かと気配りしていた。すると少商が殉職した県令の孫娘の見舞いに行くことになり、同行する。しかし孫娘は胸を蹴られて重体、医盧(イロ)には他にも重傷で生きる希望を失った民たちがいた。県令の一族は全て城外に出て討ち死にし、孫娘が唯一の生き残りだった。「大父…父上…兄上…みんな戦いに行ってしまうの?…置いていかないで…」孫娘のうわ言を聞いた少商は自分の境遇と重なって胸が痛み、そばに付き添った。やがて孫娘は目を覚ましたが、すでに一族が亡くなったと知っている。少商は自分を納得させるかのように、家族も望んで孫娘だけ残したわけではないと慰めた。しかし孫娘は家族を責めているわけではなく、城内の民を助けるために命を落としたと理解している。「皆が大父たちを英雄だと言ってくれる…でも英雄でなくてもいい、ただ大父たちと話したいだけ」少商は思わず良ければ自分が話を聞くと申し出た。少商は孫娘の思い出話を聞きながら、ふいに涙がこぼれた。「泣かないで…」すると孫娘が兄からもらった飴糖をくれる。「食べるのが勿体ないの、だからあげる…食べたらつらくないよ?」少商は幼い頃、幼なじみたちに飴糖を奪われた時の悔しさを思い出し、何ともやるせなくなった。少商は孫娘を救うため、医者に処方箋を書いて欲しいと頼んだ。「どんなに貴重でも探し出します!一族のためにも生き延びなくては…」そこで自暴自棄になる他の患者たちにも、程一族や犠牲となった家族が救ってくれた命を大切にするよう叱咤する。すると今まで諦めていた患者たちは生きる希望を持ち、治療や薬を積極的に受け入れるようになった。↓小動物系カップル(๑´ω`๑)県庭に戻った少商は驊県を復興させるため、家屋の修理に必要な材料を書き出した。しかし楼垚は計算したところで府庫の予算では足りないという。そこで自分が持っている高価な玉やわずかな銭を寄付することにしたが、そのお陰で少商は資金を集める方法を思いついた。少商は金持ちたちが欲しがる名声に目をつけた。そこで三叔父の書斎に駆けつけ、商賈(ショウカ)から寄付を募り、見返りとして賞状や扁額を贈ろうと提案する。「数貫の扁額を贈るだけで数百貫に化けるんですよ?!」少商の話を聞いた程止は誰からそんな知恵を教わったのかと聞いたが、少商はあっけらかんと答えた。「こんな知恵、教わるまでもない」少商は得意な大工の腕を生かし、町の復興に尽力した。県令の孫娘も気力が戻り、祖父や父たちが生きていた頃の驊県をもう一度見たいという。「その頃には、少商姉がどこよりもきれいな家を作っているはず…」「きっと見られるわ」「そうさ、小妹、阿垚哥哥も少商姉と一緒に驊県を昔の姿に戻すよ」一方、療養中の凌不疑も驊県に寄付していた。梁邱飛は怪我がなければ若主公自ら渡せたと残念がり、程四娘子は数日で驊県の民心を奮い立たせたと報告する。「見事な手腕です!寄付した者は誇っていますよ? でも若公主が口止めしたため、程四娘子は一番寄付したのが誰かも知りません」しかし不疑は自分の身分を明かせば商賈たちが寄付を強いられたと誤解するため、あえて匿名にしたという。「力になれただけでいいのだ」( ˶´꒳`˵ )ふふふ、ウーレイったら ←違うw楼垚は少商の好物を探し回り、次々と差し入れた。喜んだ少商は何でも手に入る楼垚を絶賛したが、楼垚は褒められたのが初めてだという。「だって災難後でもこんなに美食を用意できる、やり手だし気配りもできるわ」「君には負ける、民を奮い立たせ寄付を募り、驊県を救ったんだ」「ふふ、あなたは見る目がある」少商は父と楼垚だけが自分を評価してくれると喜び、父と楼垚は必ず気が合うと太鼓判を押す。「君の阿父に会わせてくれるのか?! 決めたぞ!将来、父母官になって君が建築と生産を指南、私が支える!暮らしを向上できるよ!」そんな若い2人の夢を回廊で程止と舜華が聞いていた。少商は結局、一番寄付してくれた匿名の者が誰か分からなかった。自分を助けて驊県を救ってくれた恩人が気になる少商、しかし三叔母はそれが誰であろうと楼垚には及ばないと笑う。その頃、皇帝は驊県から届いた報告書を受け取っていた。県丞の程止の名を見た皇帝はふと例の四娘子のことを思い出し、奥殿で休んでいる子晟に聞こえるよう大きな声で話し始める。「…姪も実に賢いらしいな、負傷者を助け、生産の復興に励んでいるとか 婚姻の相手はいるのだろうか?そんなに聡明なら婚姻を求める者が列を成しておるな~」そこへ突然、凌不疑が現れた。「陛下、県令は子孫と殉職しました、その忠義を褒章すべきでは?」「子晟、起きたのか?w」皇帝は思った通りだとほくそ笑み、ともかく追封の詔書を届けさせると決めた。すると不疑は自分が直接、届けに行くと申し出る。「回復が早いな?(ボソッ」皇帝は子晟の嬉しそうな顔を見逃さなかった。一方、皇甫儀(ホワンフーイー)もかつての許嫁・桑舜華を心配していた。すると使用人が駆けつけ、やはり程家の一行が戦に巻き込まれていたと報告する。「しかも程家四娘子までいたとか」袁慎(ユエンシェン)は少商まで一緒だと知って動揺した。しかし凌将軍に救われ、無事に驊県に到着したという。皇甫儀はすぐ舜華に会いに行くと決め、袁慎も同行すると申し出た。「天下に女子は多いが、なぜ一人、不運なのか…」つづく
2023.07.28
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第30話「奪われた称号」武媚娘(ブビジョウ)は出家することで楊(ヨウヒ)妃らの魔の手から逃れることに成功。しかし皇帝・李世民(リセイミン)の病状が再び悪化すると、曹(ソウ)王・李明(リメイ)の怒りの矛先は皇太子派の高全(コウゼン)総管に向かった。「武媚娘は名ばかりの霊薬で命拾いしたのだな? お前の密告で武媚娘が命の危機を知った、高全、どぼけても無駄だぞ?」一方、鄧七娘(トウシチジョウ)は師匠が密かに出入りしている隠し部屋を突き止め、地下牢に閉じ込められた豆子(トウシ)を発見した。「助けに来たわ!」七娘は鍵を壊せる物がないか探したが、琉璃(ルリ)は逃げないと拒む。「ここにいても卓錦娘(タクキンジョウ)を負かすことができます」そこで豆子は七娘にある物を持ってきて欲しいと頼んだ。皇帝は昏睡し、残された時間はわずかとなった。李明はこのまま皇帝が崩御すれば皇太子・李治(リチ)がおのずと即位し、自分を殺すに違いないと焦る。「今こそ覚悟を決めなければ…」追い詰められた李明は義母に皇帝を毒殺し、その罪を皇太子に着せようと提案した。さすがに楊妃はためらったが、李明は非情でなければ権力は握れないという。その時、楊妃は激しく咳き込み、李明は慌てて背中をさすった。「大丈夫よ、座って…」楊妃は李明を安心させたが、手巾についた鮮血を見て決心した。「いいわ、あなたの思う様にやりなさい」李明は副総管の潘秦海(ハンシンカイ)を呼びつけ、母の信頼の厚い潘秦海を内侍総管に登用すると言った。実は高全が転倒して頭を打ち、急死したという。潘秦海は拝命したが、高全の死が曹王の仕業だと知って動揺を隠せなかった。しかも皇太子に皇帝暗殺の罪を着せるため、潘秦海が皇帝に毒薬を飲ませて欲しいという。潘秦海は驚愕、どんな命令でも従うが、人を殺めることだけはできないと涙ながらに訴えた。しかし断れば高全の後を追うことになる。潘秦海は結局、毒薬を受け取るしかなかった。七娘は豆子に頼まれた品を渡し、急いで戻った。すると夜も更けた頃、卓錦娘が差し入れを届けにやって来る。腕比べまであと二時、そこで卓錦娘は衣桁にかけてある龍袍を柵の間から渡し、早く完成させろとせっついた。琉璃は薄暗くて針が刺しづらいと嘘をつき、卓錦娘に燭台を集めさせている隙に七娘がくれた粉を龍袍へ振りかける。「あれ?何だ?龍の頭が変だ…」琉璃は卓錦娘に龍袍を返し、明るい場所で確認してくれと頼んだ。仕方なく卓錦娘は豆子に言われるまま燭台の近くで龍の刺繍を見たが、確かに龍の顔に褐色の汚れがついている。卓錦娘は汚れを叩き、息を吹きかけて飛ばした。その時、ろうそくが龍袍に飛び火、燃えてしまう。琉璃は燃えやすい燐(リン)を七娘からもらい、龍袍に振りかけていた。これで琉璃が刺繍した龍袍は台無し、卓錦娘の作品は未完成のため提出するものがない。卓錦娘は怒り心頭だったが、急に失笑した。「燃えたのは私の龍袍よ…あははは~!」そこで卓錦娘は包みから琉璃の龍袍を出して見せた。「毎日、昼間はお前の刺繍を見て学び、夜は戻って見た通りそっくり真似ていたの 完璧ではないけれど八分どおり覚えたわ、私を騙したい一心で気づかなかったのね? …まさか焼くとは思わなかったわ 阿碧(アヘキ)の目ざとさに助けられたのよ、七娘の裏切りに気づいてくれたわ」卓錦娘は阿碧から七娘がこの密室に気がついたと聞いていた。しかし豆子がなぜか逃げ出さず、自分のために龍袍の刺繍を続けていることに違和感があったという。「何か裏があると思ったわ、それで用心のため、完成していた龍袍の目を解いておいたの そしてお前が寝ている間にすり替えておいた、おかげで罠にはめられずに済んだわ」卓錦娘は自分が″天下第一針″になる瞬間を豆子に見せるため、解放することにした。総管となった潘秦海は甘露之殿で皇帝に付き添っていた。いよいよ皇帝の薬の時間、すると皇太子が見舞いに現れ、父に生涯かけて仕えた高全を手厚く葬って欲しいと頼む。「薬は私が差し上げる」潘秦海は皇帝に毒薬を飲ませる機会を失った。しかし曹王の護衛・蒲巴弩(ホハド)が甘露之殿に張り付き、潘秦海に早く任務を果たせと迫って来る。そこで潘秦海は皇太子が頻繁に見舞いに来て皇帝に薬を飲ませるため、その薬に毒薬を混ぜると報告した。尚服局では卓錦娘が見事な龍袍を披露していた。太妃たちは卓錦娘が安(アン)氏から受け継いだ染色、仕立て、刺繍の技術、いずれも神業の域に達していると絶賛、″天下第一針″の称号にふさわしいと認める。しかしそこに豆子の姿も龍袍もなかった。采章(サイショウ)署で金針を祭る儀式が始まった。七娘は憔悴した豆子を心配して儀式があると教えなかったが、卓錦娘が豆子の姿がないことに気づく。仕方なく七娘は昨夜から豆子が高熱を出して下がらず、休んでいると報告した。卓錦娘は豆子がいざ罰を受けることになったら逃げ出したと非難、七娘に豆子を呼びに行けという。その時、豆子が現れた。琉璃は高熱でふらふらになりながら工房へやって来た。そこで金針を祭るために用意された祭壇を指さし、制衣の始祖の前で正直に答えろと卓錦娘に迫る。「腕比べに勝った龍袍は誰が刺繍した?! …あなたは私が刺繍した龍袍を奪って太妃を欺き、天下第一針の称号をだまし取った!」一方、七娘は隙を見て尚服局を飛び出し、東宮へ駆けつけた。しかし一介の宮女では皇太子に謁見できず、門衛に追い返されてしまう。その時、運良く任務を終えた裴行倹(ハイコウケン)が戻って来た。琉璃は林(リン)尚服に秘密の地下室に閉じ込められていたと訴えた。確かにこの数日、豆子が姿を消していた間、卓錦娘もあまり見かけていない。林尚服は思えば龍袍の刺繍も今までの卓錦娘の作品とは全く趣が違っていると指摘した。焦った卓錦娘は林尚服に近づき、豆子をかばえば楊妃を敵に回すことになるとささやく。林尚服は安氏事件の苦い経験を思い出し、楊妃と反目すれば命がないと気づいた。裴行倹は皇太子に助けを求めることにした。しかしちょうど皇帝が目覚めたため、妃嬪や皇子たちが甘露之殿に集まっているという。王伏勝(オウフクショウ)は仕方なく殿内の様子を見て来ることにしたが、その頃、尚服局では林尚服が保身のため態度を一変させていた。七娘が急いで戻ってみると林尚服は正式に卓錦娘の勝利を認め、天下第一針であると宣言してしまう。衝撃のあまり倒れそうになる琉璃、そこへ七娘が駆けつけ身体を支えた。すると卓錦娘はこの機に怠け者の七娘に変わって阿碧を弟子にしたと公表する。つづく( ๑≧ꇴ≦)ナザも卓錦娘もイっちゃってるwwwww
2023.07.27
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第29話「恩人への誓い」裴行倹(ハイコウケン)が才人・武媚娘(ブメイニャン)に授けた起死回生の策は出家だった。ちょうど甘露之殿を訪ねた曹(ソウ)王・李明(リメイ)は偶然にも武才人が仏門に入ることを条件に自分の血で霊薬を作らせ、皇帝を救ったと知る。皇帝はすでに剃髪した武才人の覚悟に感服、出家を認めたが、自分が崩じるまでは咸池(カンチ)殿で修行するよう命じた。…武媚娘め、保身のために仏門に入るとは…李明は武才人の大胆な決断に驚きながら、自分が即位すれば容赦しないと憎しみを募らせた。一方、裴行倹から武才人の出家を聞いた琉璃(ルリ)は何とか力になれないものかと考えあぐねていた。その時、一斉に部屋の戸や窓が閉まったかと思うと、外から鍵をかけられ、出られなくなってしまう。「何するの?!…阿碧(アヘキ)、あなたね?!」「小豆子(トウシ)、あなたに勝たれたら尚服局の皆が困る!大家の性格を知っているでしょう?」しかし阿碧のこの作戦が裏目に出てしまう。腕試し第2戦、豆子はいつまで経っても采章(サイショウ)署に現れなかった。鄧七娘(トウシチジョウ)は探して来ると申し出たが、卓錦娘(タクキンジョウ)が邪魔し、代わりに足の速い阿碧に行かせるという。するとしばらくして戻った阿碧は見つからなかったと嘘をつき、結局、卓大家の不戦勝となった。太妃たちはこれで決着がついたと思ったが、林(リン)尚服はまだ1勝1敗の引き分けのため、3戦目を行う必要があるという。実は誰もが卓大家の作品だと思っていた第1戦の美しい披帛(ヒハク)は豆子が染めたものだった。「小豆子は実力があるのね、ならば恐れて逃げたとは思えない」そこで太妃たちは豆子が戻ったら真相を聞き出し、裙子(クンシ)を見せに来るよう命じる。こうして勝負は第3戦に持ち越されたが、次のお題は″龍袍(リュウホウ)への刺繍″という難題だった。武媚娘は東宮に皇太子を訪ね、俗世を離れることになったと伝えた。李治(リチ)はこれまで自分を支えてくれた武才人に心から感謝し、即位した暁には必ず皇宮に連れ戻すと誓う。「本当ですか?!」「本当だ」すると李治は深々と頭を下げ、別れを惜しんだ。琉璃はようやく部屋を抜け出したが、真っ先に咸池(カンチ)殿へ向かった。すると寝殿から荷物が運び出され、すでに髪をおろして出家した武媚娘の姿がある。「これからはまた武姉姉と呼んで」「…こんなの嫌です、宮中で私はますます独りになってしまう」媚娘は側仕えとして咸池殿に来ないかと誘った。宮中の争い事から離れて心穏やかに暮らし、機を見て皇宮から琉璃を出すという。しかし琉璃は卓錦娘から金針を取り返して母の敵を討つ必要があると断った。媚娘は復讐より生きる道を選ぶよう説得したが、琉璃は母も争いから逃れて宮中を出ながら結局、命を落としたという。「私は悟ったのです、悪い奴を打ち負かしてこそ自分を守れるのだと…」「分かったわ、ここであなたの無事を祈っている」そこで琉璃は武媚娘に薬草を入れた香袋を贈った。「″平安″の2文字が並んで福に見える…よく考えた図案ね 私も結局、求めたのは平安だった、安らかな心で生きられたら幸せよ」琉璃は恩人との再会を約束して拝礼し、咸池殿を後にした。すると武媚娘と玉柳(ギョクリュウ)だけを残し、正門は固く閉じられてしまう。林尚服は卓大家と豆子を連れて太妃を訪ね、第2戦の裙子を披露した。卓大家の裙子は目がくらむほど華やかで苦心の作であることは一目瞭然だったが、太妃たちは豆子の無地の裙子に惹かれるという。「内面の美しさを代弁しているかのよう…小豆子のほうが一枚上手ね」そこで林尚服は豆子に第2戦を棄権した理由を聞いた。卓錦娘は豆子が閉じ込められたと訴え出れば厄介だと焦ったが、琉璃は疲労のせいで倒れてしまったと嘘をつく。すでに負けが決まった以上、下手に言い訳しては返って誤解されると思ったのだ。太妃たちは豆子の才能からわざと棄権する必要がないと気づき、今回ばかりは豆子の言い訳を信じることにした。「第3戦で力を発揮して勝負をつけなさい」林尚服は卓大家の邪魔が入らないよう豆子に刺繍部屋をあてがった。次第に追い詰められて行く卓錦娘、そこでその夜、豆子の作業場を突き止め、隙を見て忍び込む。すると豆子の刺繍はまさに本物の龍のごとく、力強く躍動しているように見えた。…こんな針運び、今まで見たこともないわ…卓錦娘はこのままでは負けてしまうと気づき、何としてでも勝たねばならないと奮起する。その時、刺繍糸を取りに出かけていた琉璃が戻ってきた。卓錦娘は思い余って部屋に入ってきた琉璃の頭を殴りつけてしまう。翌朝、卓錦娘と豆子は工房に現れなかった。阿碧は七娘に師匠の居場所を聞いたが、七娘も知らないという。その頃、卓錦娘は琉璃を地下の隠し部屋にある牢に閉じ込めていた。するとようやく琉璃が目を覚ます。「この密室を知っているのは私だけなの、誰も助けに来ないわよ」卓錦娘は豆子の技術を盗むため、生きてここから出たいなら龍袍を完成させろと命じた。呆れた琉璃は潔く負けを認めるよう迫ったが、卓錦娘は宮中で勝敗を決めるのは技ではないという。「師父の安(アン)大家の話を覚えている?比類なき技の持ち主で見事な衣を仕上げた でも最後はどうなった?!尚服局を牛耳ったのは私、天下第一針の称号を手に入れるのも私よ 世間で安氏は謀反を企てて死んだただの極悪人…考えてご覧なさい、どちらの勝ちだと思う?」琉璃は腸が煮えくり返る思いだったが、平静を装った。「そうだな、死ぬくらいなら刺繍するよ、でも空腹だと刺繍できないことは知っているだろう? それから集中できるように離れていてくれ、馬鹿じゃないんだ、見ていれば習得できるだろう?」卓大家を探していた七娘は偶然、付近を警戒しながら食事を運んでいる師匠を見つけた。そこであとをつけてみると、師匠は物置部屋の床を開け、地下へ降りて行く。しかしそんな七娘の様子を阿碧が見ていた。卓錦娘は豆子に差し入れを届け、柵の間から豆子の針の差し方を観察した。しかし次第に豆子の刺繍している姿が師匠の安氏と重なり、動揺してしまう。一方、一時は持ち直した皇帝だったが、いよいよ臓腑が弱り、太医にも手の施しようがなかった。つづく( ̄▽ ̄;)卓大家…ここまで来ると浅はかすぎてちょっと哀れに思えてきたw
2023.07.26
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第28話「哀しき代償」曹(ソウ)王・李明(リメイ)の狙い通り、皇帝・李世民(リセイミン)は丹薬を献上した純陽散人(ジュンヨウサンジン)に絶大な信頼を置いた。そこで上奏を認めて未来を占わせることにしたが、降臨した神が信じられないお告げを残す。…唐は3代続いたのち、武(ブ)氏の女が主となる…純陽散人は後宮に武氏の妃嬪がいるなら、すぐ手を打って禍根を断つよう進言した。高全(コウゼン)総管は占いの結果を案じ、密かに武才人の耳に入れた。驚いた媚娘(メイニャン)は皇太子に相談、恐らく楊(ヨウ)妃と曹王が手を回したのだろう。李治(リチ)は皇帝がこんな馬鹿馬鹿しい話を信じるとは思えなかったが、媚娘は病で弱っている皇帝が些細なことでも災いの芽を摘んでおこうと考えるのは当然だと危惧した。確かにお告げは真実とも嘘とも証明できないところが難しい。媚娘は死期が近い皇帝が自分の殉死を決めたのではないかと不安を募らせた。しかし裴行倹(ハイコウケン)が大胆な策を思いつく。お告げによれば武氏が主になるのは3代続いた後、李世民は唐の2代目の皇帝のため存命中には武才人を殺す必要がないわけだ。そこで裴行倹はまず皇帝に最期がまだ先だと思わせるよう助言する。武媚娘は早速、自分の血で作った霊薬を献上して疑心暗鬼になった皇帝の心を和らげたが、裴行倹の策には勇気が必要だった。一方、尚服局では卓錦娘(タクキンジョウ)が腕比べの準備に追われていた。第2戦では第1戦で作った披帛(ヒハク)に合う裙子(クンシ)を作る。しかし第1戦を落とした卓錦娘はこれも鄧七娘(トウシチジョウ)が監視を怠ったせいだと八つ当たり、追い払った。すると今度は阿碧(アヘキ)が豆子の身辺を探り始める。結局、阿碧は何の手がかりも見つけられず、恐らく豆子がいつも背負っている包みの中ではないかと報告した。「最近の豆子は皆と一緒に作業しません、ただ寝不足なのか目が真っ赤でした」「寝不足ですって?作業の早い豆子が一日中、縫っているなんて…かなり細かい刺繍なのね」お題では簡素な形を求められたが、豆子は自分を出し抜いて豪華な裙子を作り、圧倒するつもりなのだろう。そこで卓錦娘は自分に忠心を尽くせば必ず抜擢すると約束、阿碧に豆子の監視を任せた。その夜、鄧七娘は豆子の居所を訪ねた。実は師匠が自分を疑って追い払い、阿碧を右腕にしたという。「あなたの裙子について探っている、気をつけてね」「私に味方すれば怒られますよ…」七娘は豆子が自分を気遣ってくれたことで、すでに許してくれたと分かった。すると琉璃(ルリ)が七娘は金針のことを知らず従っただけで、憎むべきは裴行倹だという。琉璃は卓錦娘の邪魔が入るのを恐れ、不禄(フロク)院で作業していた。用心のため裙子を常に持ち歩き、食事中や就寝中まで離さないという。七娘も豆子が徹夜で作る裙子に興味津々、しかし琉璃は特別ではなくただの白い裙子だと教えた。「構成を考えた結果です、赤い披帛に裙子まで豪華だと赤が引き立ちませんから… 実は作業なんてしていません、これも卓大家を欺くための作戦なんです」琉璃は卓錦娘が焦って凝った刺繍をすればするほど、敗北に近づくと分かっているという。そんな2人の様子を裴行倹がこっそり見守っていた。武媚娘が献上した丹薬のおかげか、皇帝はすこぶる体調が良くなった。皇帝は政務に復帰、武才人に褒賞を与えると決めてすぐ呼んでくるよう頼む。しかしその頃、媚娘は生き長らえるため、裴行倹の提案を受け入れる決意を固めていた。武媚娘は頭を剃ってから皇帝に謁見した。実は霊薬を作る時、自分の血を使うことの他に出家することが条件だったという。「陛下が回復した折には髪を剃り、出家して仏に仕えると誓いました 約束を破れば薬の効力も消えてしまうでしょう」李世民は若い身空で美しい髪を失った媚娘の姿に心を痛めながら、その献身に深く感謝した。その夜、李治と裴行倹は武才人を訪ねたが、武媚娘は面会を断った。李治は励ます言葉もなかったが、これで終わりではないと寝殿に声をかけ帰って行く。生きるための決断とは言え、まさか自ら尼になる日が来ようとは…。涙に暮れる媚娘だったが、玉柳(ギョクリュウ)はそんな主を抱きしめ、死ぬまでそばにいると約束した。一方、阿碧は卓大家の工房を訪ね、ようやく豆子が眠ったようだと報告した。「裙子が完成したのでは?」すると卓大家の裙子が花の刺繍で今にも埋め尽くされそうだと驚く。「それ以上はいささかやり過ぎでは?」しかし卓錦娘は豆子に対抗するためにも持てる技術を全て使っていると自慢した。阿碧は卓大家の機嫌を損ねまいと、さすが天下一の技術だと持ち上げるしかない。「そうよね、私が負けるはずないわ~」その頃、琉璃は明日の第2戦を控え、なかなか眠れずにいた。「阿娘…明日、必ず金針を取り返してみせる、あと一晩の辛抱よ、吉報を待っていて」翌朝、阿碧は作業を終えたまま眠り込んでいた卓大家を起こした。飛び起きた卓錦娘は慌てて裙子の火熨斗(ヒノシ)を任せたが、作品を見た阿碧は困惑する。そこで豆子の居所の様子を探りに行くと、ちょうど豆子の作品が見えた。…さすが豆子だわ、あの裙子は完璧にお題を満たしている、このままでは卓大家がまた負けね…その時、誰かの足音が聞こえた。豆子が第2戦へ出かける準備をしていると裴行倹が現れた。「琉璃…」「何か用?」裴行倹は公務でしばらく皇宮を離れるため挨拶に来たという。「何かあったても無茶をせず、私の帰りを待ってくれ」しかし琉璃はけんもほろろでとりつく島もない。「そうやって私を遅刻させるつもりなの?」「…ではもう行くよ、君の勝利を願っている、そうだ、もう一つ、武才人が後宮を出る」「武才人が?どこへ行くの?」李明が甘露之殿に挨拶に向かうと、皇帝がちょうど道士・玄霊(ゲンレイ)と引見していた。何でも玄霊の霊薬のおかげで皇帝は病が癒えたという。「恐れながら陛下の運勢を占ったところ、今の病を乗り越えればまだ数十年の寿命があります」すると李明は御前で頭巾を取らない不届き者は誰かと聞いた。「殿下、あれは武才人です」つづく( ゚д゚)めいにゃん…思い切ったな~
2023.07.25
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第32話小蘭花(シャオランファ)を失った東方青蒼(ドンファンチンツァン)は絶望し、自分の元神(ゲンシン)で作り上げた幻想世界に閉じこもった。夢の中では愛しい小蘭花と結婚し、司命(シメイ)殿で幸せな生活を送っている。巽風(ソンホウ)、觴闕(ショウケツ)、幽王たちは懸命に起こそうとしたが、月尊自身に戻る意思がなく、夢を見続けるため元神を燃やし続けてしまう。このまま元神を消耗すれば、やがて元神は砕け、東方青蒼は心身共に灰と化してしまうだろう。觴闕たちは途方に暮れたが、時間を稼ぐため危険を承知で自分の元神を月尊に注ぎ込み始めた。一方、長珩(チャンハン)はまだ小蘭花をあきらめていなかった。丹音(タンイン)が天極鏡(テンキョクケイ)で見た未来では自分と息山神女(ショクサンシンニョ)が婚姻するはず、ならば小蘭花は必ず蘇るはずだ。そこで蒼鹽海(ソウエンカイ)に東方青蒼を訪ねた。巽風は戦神が瀕死の兄にとどめを刺すつもりだと慌てたが、長珩は東方青蒼を助けに来たという。「夢に入って起こして来る、ただしこの香が燃え尽きる前に目覚めなければ、もう手はない」すると長珩は自分の元神を東方青蒼の幻想世界へ送り込んだ。…東方青蒼の夢の世界に突如、長珩が現れた長珩は東方青蒼が小蘭花の死を受け入れられず、現実逃避しているだけだと叱咤する『小蘭花は蘇るんだ!』実は東方青蒼も天極鏡で小蘭花の未来を見ている『お前の助けが必要なのだ、私と行こう、司命殿を出れば目が覚める』その時、小蘭花が現れた東方青蒼は小蘭花なら生きていると言い張ったが、長珩は本当の小蘭花ではないと指摘する『よく考えろ、彼女はお前の執着が生み出しただけ、ここに留まれば元神を使い尽くして死ぬ!』しかし東方青蒼は長珩の元神を夢から追い出してしまう…長珩の元神が戻った。もはや東方青蒼を目覚めさせる手立てはなかったが、觴闕や巽風たちはあきらめずに元神を注ぐ。しかし手遅れなのか、東方青蒼の元神が一層、激しく燃え始めた。「兄尊!戻ってくれ!」「月尊!目を覚ましてください!」実はその頃、東方青蒼の幻想世界は崩れ始めていた。『最初から分かっていた、お前は本物ではないと…これはただの夢、私は行くよ』『行かないで!私を捨てるの?永遠に離れないって約束したわ!』小蘭花は自分を蘇らせても他の人に嫁ぐ運命だと号泣したが、東方青蒼は必ず小蘭花を助け出すと誓った。すると燃え盛っていた青い炎が小さくなり、ついに東方青蒼が目を覚ます。…小蘭花…その時、ちょうど香が燃え尽きた。♪ジュェ ビィェ デァ ア~ィ (꒦ິ⌑꒦ີ)ダー一方、容昊(ヨウコウ)は師匠・赤地女子(セキチジョシ)と水入らずで過ごしていた。するとうたた寝していた時、心海に邪神・太歳が現れる。『ここは私の心が純粋だった頃に作った場所…入れぬはずだ!』しかし師匠を復活させるため悪事をやり尽くし、拭い去れない罪を師匠になすりつけた負い目を太歳は見逃さなかった。『違う…違う!』容昊がうなされながら目を覚ますと、師匠がいた。「阿昊?また悪い夢でも見たのね?」「師父がまた去ってしまう夢を…」東方青蒼が無事に目を覚まし、蒼鹽海(ソウエンカイ)にも平穏が戻った。觴闕はようやく当時の経緯を知り、蘭花仙子が自害したのは結黎(ジエリー)が連れ出したせいではないと知る。すると巫医(フイ)が通りかかり、蝶毒に当たったこともあり酒は控えた方がいいと助言した。「先日、将軍を診た時、首の後ろに毒の痕がありました すでに解毒されていたので申し上げなかったのです」觴闕はふと結黎が自分の首元を調べたことがあったと思い出し、もしや自分を助けてくれたのかと困惑した。赤地女子は容昊と隠棲して静かに暮らしていた。しかし弟子の剣術や笛の音に邪気を感じ、隠し事があると気づく。「何があったの?」「言えません…師父を苦しめたくない」憤慨した赤地女子は剣を招喚して結界を破ると、実はそこは殺伐とした竹林の中だった。「…師父、あれから3万年が経ったのです」赤地女子は呆然と立ちすくんだが、ふいに歴劫での辛い記憶が蘇り、苦しみ始めてしまう。驚いた容昊は師匠の転生での記憶を封じ込めたが、ついに自分の罪を明かした。容昊は師匠を蘇らせるため息山神女をはじめ息蘭族を滅ぼしていた。赤地女子は師匠として深い自責の念に駆られ、容昊を連れて雲中君に罰を乞う。「指導を怠った師父の私も同罪、私たちを誅仙(チュウセン)台にお送りください」しかし敵兵の封印が解かれた今、雲中君は戦神まで失うわけにいかないと訴えた。「大局を重んじて引き続き水雲天を守って欲しい」赤地女子は罪を免れたが、容昊は渡業淵(トギョウエン)に収監された。蝶衣(チョウイ)は倒れていた結黎を発見、解毒薬を飲ませて助けた。そこで澧沅仙尊(レイゲンセンソン)との約束を違え、もう一度、首領を解放しなければ娘を返さないと脅す。澧沅は2度目はないと決着をつけることにしたが、蝶衣は娘が毒に冒されていると明かした。「私を殺せば娘も死ぬわ」するとそこに何も知らなかった結黎が現れる。結黎は愛する妻・星落(セイラク)とそっくりだった。「生きたまま娘を渡してやってもいい、娘まで目の前で死んでもいいのか?」丹音は父から双子の妹を紹介された。結黎はあの曲水(キョクスイ)が姉だったと知り、どうりで親近感を覚えたはずだと納得する。しかし母が人間だと聞いていた丹音は受け入れられず、月族を捕えてくれと父を困らせた。その頃、長珩と東方青蒼は導かれるように″万天の虚″にたどり着いた。すると驚いたことにここにも司命殿がある。実は千年前、司命星君は罪囚・長淵(チョウエン)を逃がして夫婦になり、罰として雲中君にここへ閉じ込められていた。この事実を知る者はわずか、弟子の小蘭花さえ師匠は遊歴に出たと信じている。長珩は知っていたが、小蘭花を悲しませないよう真実を明かさなかった。ここは三界の外で運命の果てる場所、長珩にも司命星君の生死が分からなかったという。東方青蒼は以前、小蘭花から聞いた話を思い出した。師匠の″画魂筆(ガコンヒツ)は三界の万物を描き、その絵は本物になるという。この司命殿はもちろん、ここへ導いた蛍虫(ケイチュウ)や2人を乗せた小舟も司命星君が描いたのだろう。「それから舟にあった鮮花(センカ)餅も…小蘭花が手作りしたものとすっかり同じだった 知っていたのだ、何もかもな…」確かに司命星君は2人がここへ来ることを知っていた。東方青蒼と長珩は司命殿の中庭へ上がった。すると東方青蒼は1人の男を見つける。「来たか…」「あなたが司命星君か?」男は何も答えなかったが、その時、美しい女神仙が現れた。「長淵…一発、お見舞いして」(; O_O)<グフッ…!「堂々たる月尊がなぜ避けなかったの?」「…元はと言えば俺が悪いんだ、一掌くらい何でもない 彼女を甦らせることができるなら、俺の命でも何でも差し出すさ」「未来は限りなく流動的、死路のようでも助かる一路が見つかることもある あなたにそこまでの覚悟があるなら小蘭花にも復活する希望があるわ」「星君、ご教示ください」「この幸運はあなたたちの最初の出会いが幸いしたのね」「初めて出会った時?」それは昊天(コウテン)塔で小蘭花と東方青蒼が正面衝突し、思いがけず唇を重ねたことだった。「あの時、あの子の神女の力があなたの元神と融合したの」「…そうだ、初めて会った時から彼女は俺をずっと救ってくれた それなのに俺は彼女を傷つけてばかりだった」「ふん、今さらそんなことを言って何になるの? 幸いにも小蘭花の一縷の元神があなたの元神の中にある あの子を甦らせるにはその元神を取り出し、息蘭聖境でしっかり面倒を見て そして人像(ヒトガタ)に変わるまで待つの…いいわね、行きなさい」すると長珩が聞きたいことがあると言った。「もう一つ、司命星君に教えて頂きたいことが…」「話して」「東方青蒼と丹音仙子は天機鏡で… 天機鏡で私と小蘭花が忘川のほとりで結婚する映像を見たそうです 私は何度、試しても見ることができなかった、天機鏡には何も映らないのです」「鏡が示すのは全て預言、婚縁を進めるきっかけになる人だけが預言を見ることができるの」東方青蒼は思わず口を挟んだ。「天機鏡の未来を変える方法は本当にないのですか?」「ええ、方法はない」長珩と東方青蒼は司命星君に感謝して帰ることにした。すると司命は東方青蒼だけ呼び止め、運命簿を託す。「これは小蘭花のものよ」司命はふと小蘭花と過ごした日々を懐かしんだ。…あなたが平凡ですって?まさか!…10万本の蘭の花の中にいたとしても、私はすぐにあなたを見つけられるわつづく※司命@イートンの場面は配信当時の管理人の直訳です
2023.07.24
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第31話東方青蒼(ドンファンチンツァン)はわざと小蘭花(シャオランファ)が自分を憎むよう仕向けた。しかし小蘭花は急に冷たくなった東方青蒼を怪しみ、何か訳があると食い下がる。すると東方青蒼は小蘭花がくれた腕輪を引きちぎって投げ捨て、赤地女子(アカチジョシ)の元神が必要なくなった今、小蘭花など用無しだと言い放った。深く傷ついた小蘭花は逃げるように飛び出して行ったが、東方青蒼は巽風(ソンホウ)に万一のことがないよう小蘭花を見張るよう頼む。…私への愛が薄れれば骨蘭は壊れる、私を愛させないことが小蘭花の命を救う唯一の方法だ…巽風は独りで悲しみに暮れる小蘭花を責めた。元はと言えば小蘭花が兄に情を取り戻させたことが原因、このままでは兄は祟気(スイキ)で元神がむしばまれ、生きる屍になってしまうという。すると小蘭花は巽風に承影(ショウエイ)剣が欲しいと頼んだ。「玄虚(ゲンキョ)の境へ行くわ」玄虚の境で仙族軍と月族軍が対峙した。巽風の思惑通り小蘭花は愛する東方青蒼を助けるため、巨大な朔風(サクホウ)剣の上で自害すると決める。「私が承影剣で自害すれば10万の月兵が帰れるのね?東方青蒼も平穏無事でいられる…」「そうだ」小蘭花はついに覚悟を決めて剣を首に当てたが、その時、突然、何者かに連れ去られてしまう。戦神・長珩(チャンハン)は月族を率いる東方青蒼の姿をとらえた。その時、祟気に魅入られた東方青蒼は邪神から最後の決断を迫られる。『私は凶神・太歳だ、三界で最も古く、最も強大な神である 私なら兵の封印を解き、百戦百勝させることができる、どうすべきかお前には分かるな?』すると巽風が駆けつけ、封印を解けなかったと謝罪した。「構わぬ、別の手がある…ここを頼んだぞ」仙族と月族の戦いの火ぶたが切られた。朔風剣に駆けつけた東方青蒼は10万の兵の封印を解くため、邪神の祟気を使ってしまう。一方、海市(カイシ)主・容昊(ヨウコウ)は師匠の元神を守るため、小蘭花を連れ去った。そこで承影剣を取り上げ真っ二つに割り、小蘭花を祟気で捕える。「まだ死なせぬ!この時をどれほど待ったことか…」すると東方青蒼は同心呪で小蘭花の苦しみを感じ取り、ふいに我に返った。「小蘭花…」長珩は仮面の男に捕まった小蘭花を発見、いきなり背後から斬りかかった。驚いた容昊は咄嗟に逃げ出したが、長珩が追いかけてくる。容昊は仮面を外して長珩と対峙、他に道はなかったと訴えた。「長珩、お前は私の唯一の友だ…」「いいや、容昊…今これより我らは友ではない」玄虚の境では激戦が繰り広げられ、両軍は共に全滅の危機を迎えていた。その頃、意識を失っていた小蘭花は目を覚まし、視線の先に承影剣を見つける。…ここで死んでは駄目、私が承影剣で死ねば東方青蒼は生き残れる、皆が救われる…力を振り絞り、懸命にはって行く小蘭花。その頃、同心呪で同じ痛手をこうむった東方青蒼は小蘭花の姿を見つけたが、ばったり倒れてしまう。小蘭花はついに承影剣をつかんだ。するとまだ愛が何かも分からなかった頃、″愛は理屈ではない″と教えてくれた師匠の言葉を思い出す。…善人だろうと悪人だろうと、神仙でも人間でも愛する時は愛してしまうの…小蘭花にはよく意味が分からなかった。『そういう運命なのですか?』『そうではない、全ては定められている、でも愛だけは違うのよ』東方青蒼はふいに同心呪が解けて目を覚ました。視線の先にはこちらを振り返る小蘭花の姿が見える。「小蘭花…今、行く」しかしその時、小蘭花はすでに自分の腹に剣を刺していた。「小蘭花ぁぁあ!」小蘭花はうっすら笑みを浮かべると、剣を一思いに深く差し込んだ。すると息山神女(ショクサンシンニョ)だけが持つ凄まじい霊力があたり一面に広がり、東方青蒼だけでなく長珩と容昊も激しい衝撃波で吹き飛ばされてしまう。その時、玄虚の境に起死回生の光が降り注いだ。封印された10万の兵は解放され、全滅した両軍の兵士たちが目を覚ます。もはや仙族も月族もなく、両軍は全ての命を救ってくれた息山神女に敬意を表して拝跪した。容昊はこれで全て水の泡になったと落胆していた。しかし小蘭花が亡くなった代わりに骨蘭から師匠の元神が戻って来る。一方、意識を失っていた東方青蒼は目を覚まし、舞い降りて来た小蘭花を抱き止めた。「日の光を…浴びたい」「分かった」東方青蒼は虫の息となった小蘭花を抱き上げ、朔風剣の上に登った。「泣かないで…笑って…」すると小蘭花はいつものように東方青蒼の口角を指であげる。「大魔頭…嫌われても…私はあなたが好き…」東方青蒼は必死に首を横に振って否定しようとした。その時、ついに事切れた小蘭花は消散、東方青蒼の手からこぼれ落ちるように消えてしまう。觴闕(ショウケツ)が目を覚ますと結黎(ジエリー)と暗松林(アンショウリン)にいた。「兵の封印は解かれ、100年の休戦が決まったわ、蒼鹽海(ソウエンカイ)中が喜びにあふれている…」結黎は初めから海市の人間だったと明かし、全て偽りだったと認めた。しかし觴闕は信じないという。「一緒に帰ろう」「どこまで馬鹿なの!私は誰でも騙し、平気で嘘をつくの!」「でも私に嫁ぐと約束した…それも嘘だと?」「嘘よ!もう務めは果たした、だからもう騙す必要はないの」觴闕は咄嗟に剣を突きつけたが、どうしても殺すことができなかった。「私を忘れて…行くわね」すると結黎は出ていってしまう。赤地女子は蘇り、目を覚ました。「おかしいわ、私は3万年前に死んだはずよ?」「息山神女が師父を治してくれました、でも元神が傷ついて物忘れが激しくなった もう何度も説明しましたよ?」一方、東方青蒼は小蘭花を失った衝撃から、夢の世界に閉じこもった。夢の中で東方青蒼は小蘭花と結婚、司命殿で幸せな結婚生活を送っている。つづく。・゜・(ノД`)・゜・。
2023.07.23
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第12話「古琴の弦」猟師小屋で眠れぬ夜を過ごす程少商(チォンシャオシャン)たち。その頃、驊(カ)県は賊軍に包囲され、民を人質に開門を迫られていた。追い詰められた県令は自分がおとりとなって敵を引きつけると決断、その間に足の速い将兵が突破して援軍を要請するよう指示する。しかし一族の男たちと官兵が一斉にひざまずき、共に戦うと嘆願した。一方、嫋嫋(ニャオニャオ)を手厳しく追い出した蕭元漪(シャオユエンイー)、しかし悪夢にうなされ、ふいに目を覚ました。「にゃおにゃお!(はっ)」気まずい蕭元漪だが、青蓯(チンツォン)は出征の時も女君がうたた寝をしては娘の名を呼んでいたと知っている。「私の前で体裁を気にしてどうします?」すると蕭元漪は娘を案じても、外の世界に出なければ本当に哀れな者や、自分たちがどうやって生きてきたかも知ることができないと話した。驊県の県令たちは城外で応戦するも全滅、固く閉ざした城門がついに破壊された。城内に一気になだれ込んだ賊軍は殺戮と強奪を繰り返し、民は逃げまどう。そんな中、勇敢にも県令の孫娘が落ちていた剣を拾い、賊の背中を突き刺した。しかし少女の力では鎧を貫通することも叶わず、敵兵に蹴り飛ばされてしまう。賊兵は剣を振り上げ少女に襲いかかったが、その時、首に矢が命中した。凌不疑(リンブーイー)率いる黒甲衛(コクコウエイ)が驊県に駆けつけた。驚いた賊軍たちは慌てて撤収、かろうじて城は陥落を免れる。不疑は倒れていた娘を抱き起こすと、少女は小さな箱を渡した。「…阿兄が新しく来た県丞?これは大父から頼まれたの」少女は祖父から書房にある赤い箱を隠し、新しい県丞へ渡すよう命じられたという。「分かった」その時、残党が矢を放った。不疑は少女をかばって咄嗟に避けたが、背中に矢を受けてしまう。深手を負った凌不疑は梁邱飛(リャンチゥフェイ)に娘を任せた。少女から預かった箱は梁邱起(リャンチゥチー)に頼んだが、実は新しい県丞が程将軍の三弟・程止(チォンジー)で、夫人と四娘子も随行していると知る。「本来なら一行は昨日、到着するはずでした 周囲には樊昌(ファンチャン)の一味もいます、もしや一行も…」驚いた不疑は自ら背中の矢を切り落とし、手当てもせず馬に飛び乗った。少商はいつの間にか眠っていた。すると激しい物音で目を覚まし、急いで外へ出る。その時、ちょうど賊軍が門を突き破ってなだれ込んで来た。「外へ伝えたか?!」「それが怖いのね?匪賊ではないから…」「あの女と同じ末路を辿ることになるぞ?」少商は阿妙(アーミャオ)が殺されたと知り、命で償わせると短剣を抜いた。それを合図に激しい戦いが始まり、少商めがけて男が馬で駆けて来る。少商は馬を避けようとして転倒し、絶体絶命。その時、凌不疑が放った長槍が賊の身体を貫通し、男は吹き飛ばされて行った。「大丈夫、私がいる!」少商は率先して負傷者を手当てした。しかし慣れない血生臭さで気分が悪くなり、思わず外へ飛び出してしまう。すると凌不疑が現れ、手巾を差し出した。「安神(アンシン)薬を含ませてある、口と鼻に当てるといい」「ありがとうございます」少商は手巾を受け取ると、行軍を遅らせないためにも負傷兵をここへ置いていくよう勧めた。「私がお世話します」「…なぜ配下だけ?私は残れないのか?」凌不疑は右肩に矢が貫通していた。少商は凌将軍が一睡もせず、手当てもしないまま救出に駆けつけてくれたと知る。しかし凌将軍の肌から突き出した矢は半寸にも満たないため、抜くには傷を開かねばならなかった。ここには難しい手当ができる者はおらず、軍医を呼ぶにも数日はかかる。その時、少商が自分に考えがあると言った。「ただうまく行くかどうか…」「うまく行く」不疑は少商を無条件で信頼した。少商は首飾りの玉を全て外してから紐をよった。「その紐は?頑丈なのか?」「普通の紐じゃないの、少商(ショウショウ)の弦よ、私の名前の由来なの」「そうであったか…ではよろしく頼む」少商は慎重に矢尻に弦を引っ掛けた。「その少商の弦は…意中の者が贈ってくれたのか?」「確かに好きな人よ…萋萋(チーチー)姉姉からもらったの」不疑は想い人ではないと知って安堵したが、矢を抜く時はさすがに激痛で顔をゆがませた。少商は見事に矢を抜いた。「手当をお願い!」すると少商は慌ててその場を離れ、今さらながら背中を向けて着替えを待つ。凌不疑は少商が落とした血まみれの弦を拾うと、早速、矢尻を調べた。「これは軍で最も新しい鉄器だな、董(ドウ)倉管が管理していたが、賊の手に渡っていたとは…」「蜀(ショク)は二心を抱き、兵器を集め、謀反を企んだ…彼らは匪賊ではなく賊軍よ」少商は思わず口を挟み、慌てて憶測だと言葉を濁した。「凌将軍、外にいる逆賊たちをどうするの?」外には形勢が不利と見て投降した賊兵たちが捕縛されていた。凌不疑は誰が武器を売ったのか聞いたが、賊兵は知らないという。「そうか…では連行して斬れ」驚いた賊兵は樊昌将軍に脅され仕方がなかったと釈明、樊昌は蜀を守ることが不満で兵器を盗用していたという。すると少商は我慢ならなくなった。「仕方がなかった?権力と財にすがったのでしょう?自業自得のくせに哀れみを乞うつもり?」しかし降卒を殺すのは不吉と言われていた。「なら私がやる、私には投降していないから…」少商は自分をかばって殺された阿妙や使用人、馬引きの敵をどうしても討ちたいと訴えた。結局、不疑は賊兵を処刑すると決めたが、少商にはこのまま残るよう説得する。「初めて見る光景だろう、悪夢を見る」「見届けたいの!」「だめだ、ここにいろ…君はよくやった」不疑は裏山で処刑を終えたが、物陰で全てを見ていた少商に気づいた。凌不疑は念のため梁邱起たちを護衛に残して戻った。少商たちも出発の準備を始めたが、そこへようやく三叔父と楼垚(ロウヤオ)が到着する。程止は嫋嫋の無事を確認すると、馬車の中で夫人と再会を果たした。実は臆病な楼垚が道中で気絶したため遅れてしまったという。「援軍を呼ぶのが遅過ぎない?」さすがに少商は呆れたが、楼垚の話では気絶したのは自分ではなく三叔父だという。聞けば三叔父は合流した楼垚から賊に遭遇したと聞いて倒れ、その後、賊に襲われ壊れた馬車を見て倒れ、さらに途中で捨ててあった荷物を見て倒れていた。結局、楼垚たちは少商たちを探して一日と一晩、山道を辿っていたという。(๑ ・᷄ὢ・᷅)<賊は君たちを包囲していたから、私たちは安全だった…(*ತ _ತ)<…三叔父ってやっぱり強運よね、かすり傷ひとつないなんて一方、凌不疑は山道で葉についた血を見つけた。「まだ乾いていない…樊昌は近くにいるな、先を探す!」不疑は手についた血を拭くため手巾を取り出したが、少商に貸したことを思い出し、大事そうにしまってしまう。すると梁邱飛は首を傾げた。「その手巾は…その~深手の身で程四娘子を救った上、なぜ大兄に護送まで?」「まだ残党がいるやもしれん、警戒しないと…」「それだけですか?」「…悪いか」不疑は阿飛の袖で血を拭くと、独りでここを守れと命じた。梁邱起は少商たちを驊県に送り届け、そこで別れた。しかし無事に到着したものの城外一帯は血の海、兵士たちの亡骸で埋め尽くされている。城内では家族を失った民の泣き叫ぶ声が響き渡っていた。少商も楼垚も乱世の現実を目の当たりにし、ただ呆然とたちすくんでしまう。つづく(; ̄▽ ̄)三叔父のオチで何とか救われた12話何しろルースーが上手い!からの颯爽とウマーで駆けてきて片手で配下を止めるウーレイ!カッコいい!それにしてもママン、まさに獅子は我が子を千尋の谷に落とすですな〜
2023.07.22
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第11話「猫を追う鼠」三叔父夫婦と一緒に驊(カ)県へ旅立った程少商(チォンシャオシャン)。程止(チォンジー)は少商の強情さに呆れながらも、男なら大成できただろうと残念がった。すると桑舜華(サンシュンホワ)は嫋嫋(ニャオニャオ)の傷を見たが、蕭元漪(シャオユエンイー)は手加減していたと教える。夫婦で出征する蕭元漪が本気で罰すれば、嫋嫋の命はなかっだろう。その時、使用人の符登(フードン)が馬車に声をかけた。「大人、夫人、後ろから馬が追ってきました、女公子に用があるそうです」少商を追いかけてきたのは楼(ロウ)家二房の次男・楼垚(ロウヤオ)だった。楼垚は程大人に挨拶し、少商が驊県に無事に到着するのを見届けたいと話した。しかし楼家は何(ハー)家と破談になったばかり、程止は誤解を招く行動だと諭したが、楼垚はやましいことはないという。その時、後ろの馬車にいた少商が楼垚と話がしたいと言った。少商は楼垚に追いかけてきた理由を聞いた。すると驚いたことに楼垚は万(ワン)家で偶然、少商が橋の木を抜き取っているところを見たという。「あの時、君が止めてくれたから私は橋に行かずに済んだ 灯会(トウエ)でも私を守ってくれたね でももう許嫁はいない、破談になったんだ、何昭君(ハージャオジュン)は来月、雍(ヨウ)王府に嫁ぐ」少商は破談になった楼垚が自分を恨み、自分の弱みを握って脅すつもりだと早合点した。しかし楼垚はそんな少商に心惹かれたと明かし、追いかけてきたという。少商は突然の告白に気が動転し、慌てて馬車を出すよう頼んだ。少商は楼垚を追い払ったが、楼垚は根気強く一行についてきた。さすがに数日後には程止が戻るよう説得することにしたが、思いがけず楼垚から仲立ちを頼まれてしまう。少商が三叔母と馬車で待っていると、三叔父の声が聞こえた。「嫋嫋?山の頂に猟師小屋がある、行軍の際に建てた臨時の軍営だ、見に行ってみるか?」喜んだ少商は戸を開けたが、三叔父と一緒に楼垚がいた。すると少商は無言で戸を閉めてしまう。「少商?大兄が昔、遊歴で清(セイ)県や驊県を通り、自ら地図も描いたんだ 君が通ると知ってこっそり持ち出した、私が案内するよ」「結構よ、どこにも行きたくない」少商は自分が従順な妻にはなれないため、優しくて何でも言うことを聞いてくれる三叔父のような夫が欲しいと言った。しかし舜華も程止に嫁ぐとは考えもしなかったという。「あの頃、私には許嫁がいたの…でも縁がなかったのね」当時、舜華の許嫁は事情があって7年も家を離れ、世界も広がり、人生で新たな節目を迎えたという。少商はその許嫁こそ伝言を頼んだ袁善見(ユエンシャンジエン)の師匠だと気づき、師匠が薄情だから弟子も義理を欠くのだと呆れた。その頃、その薄情な師匠と弟子は皇帝の西巡への同行を辞退し、驊県近くの山荘にいた。皇甫儀(ホワンフーイー)は程止が驊県県丞(ケンジョウ)の任に就くことを思い出し、桑舜華も一緒だろうかと思いを馳せる。すると袁善見はさすがにこれ以上は旧友を偲ばぬ方が良いと諫言した。「…琴と笛の音が聞こえてくるかのようだ」ちょうどその時、舜華は馬車の中で笛を吹いていた。舜華はあの時の無駄な7年があったからこそ、程止という価値のある人に気づけたという。しかし少商は昔から運のない自分なら逃した以上の人に巡り合うのは難しいと言った。「心に沿う人がいれば決して離さない、逃したら最後です …武将には絶対に嫁がない、一生びくびくして暮らすなんて勘弁」そこで琴棋書画に疎い少商は三叔母から笛を習うことにした。程止は食事をしたら引き返すよう楼垚を説得したが、楼垚はあきらめなかった根負けした程止は警戒心の強い少商も内心は愛を求めていると話し、思い続ければいつか通じると助言する。その時、休憩している武婢(ブヒ)の歌声が聞こえてきた。美しい歌声と舞を披露していたのは母の武婢・阿妙(アーミャオ)だった。すると少商は三叔母にこれこそ自分が望む暮らしだという。「山で笛を吹き、歌を合わせる…自由自在で最高だわ! 見て!大きな鷹よ!私も広大な大地を心のまま自由に飛び回りたい!」程止は旅の途中、旧友がいる清県に立ち寄ることにした。しかし高台から見たところ城外は荒れ果て、ひと目見て様子がおかしいと分かる。程止は下僕を1人だけ連れて様子を見てくると決め、舜華と嫋嫋を先に驊県に向かわせることにした。すると楼垚が命懸けで2人を守ると約束する。少商は気になることがあったが、程止は話を聞かずに出発した。舜華は程止が心配で心ここにあらずだった。そこで少商は父から三叔父が吉相ですこぶる運が良いと聞いたと話し、引き返そうと提案する。「私はずっと運に見放されているから」すると外から楼垚の声が聞こえた。実は皇帝一行がこの地を通り、羽林(ウリン)虎賁(コフン)軍や凌不疑(リンブーイー)の黒甲衛(コクコウエイ)も随行中のため安心だという。( ತ _ತ) .oO(あの死神も?しかししばらくすると馬車が急に止まった。先頭にいた武婢が馬蹄の跡を見つけた。少商と楼垚が駆けつけると、阿妙は軍がこんな小道を通るはずがないという。「大変だわ…引き返して回り道を」少商は危険を察知したが間に合わなかった。竹林から匪賊が現れ、武婢たちが応戦、その時、流れ矢に驚いた馬が暴れて車が横転し、車に残っていた舜華が巻き込まれてしまう。使い手の武婢たちは匪賊を片付けた。しかし少商は挟撃を恐れ、急いで逃げることにする。そこで楼垚の大兄が描いたという地図を受け取り、楼垚には救援を呼んで来るよう頼んだ。楼垚は後ろ髪を引かれる思いで出発、すると少商は阿妙に三叔母の手当を頼む。「女は皆、馬車に乗り、乗れなければ荷は捨てて」「でも将軍が女公子にと…」「命を優先して!」少商は地図で近くにある猟師小屋を確認、馬で誘導することにした。乗馬はあの時以来、しかし覚悟を決め、凌不疑が教えてくれた言葉を思い出す。…良馬は人の心を読む、強くなれば畏敬の念を払う…「ジィア(駕)っ!」少商は掛け声と共に馬の腹を蹴ると、一行を誘導して山の頂にある猟師小屋に避難した。猟師小屋には行軍が残していった荷が残っていた。道中で兵書を読んでいた少商は念のため仕掛けを作り、援軍が来るまでの時間稼ぎにする。すると予想以上に早く匪賊が現れた。矢倉にいた少商はぎりぎりまで敵を引きつけてから合図、その時、地面に埋まっていた紐が飛び出し、馬は足をとられて転んでしまう。しかし後方にいた匪賊が縄を切り、今度は馬を降りて走り出した。「ファンジィェン(放箭)!」少商の合図で武婢や下僕たちが一斉に矢を放ったが、あっという間に矢を使い切ってしまう。仕方なく少商は近寄れば死ぬと叫んだ。その時、煽られた匪賊の頭が馬で矢倉へ接近、少商に向かって鞭を放つ。阿妙は咄嗟に女公子を助けたが、鞭が身体に巻きつき、そのまま引きずり下ろされ、連れ去られてしまう。その夜、少商は責任を感じて眠れなかった。父と一緒に出征していた母もこんな事は日常茶飯事だったのだろうか。舜華は乱世では命はちっぽけなものだと嘆いた。嫋嫋の両親が娘を置いて孤城で戦ったのも、そんな乱世を終わらせる責を担っていたからだという。すると武婢が駆けつけ、女公子が予想した通り匪賊が負傷した仲間を救出したと報告した。「進撃も撤退も秩序があった…捨ててきた財物にも見向きもしない 匪賊じゃない…兵だわ」あの時、凌不疑は横流しした兵器が蜀(ショク)に運ばれたかもしれないと言っていた。恐らく二心を抱いた蜀は西巡中の皇帝の暗殺を決めたのだろう。そんな折に斥候隊が自分たちと遭遇、敵は発覚を恐れて口封じするつもりだ。つづく( ๑≧ꇴ≦)阿垚が来たわ~!と思ったら、何この展開?! (Ŏ艸Ŏ)
2023.07.21
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第27話「″天下第一針″を懸けた戦い」庵(イオリ)で″天下第一針″の証しである金針を手に入れた卓錦娘(タクキンジョウ)。ならば奥義書もあったはずだと迫ったが、尼僧は琉璃(ルリ)が持っていたのは金針だけで、奥義書はなかったという。一方、裴行倹(ハイコウケン)は興奮した琉璃を点穴して寝かせ、日が暮れる頃に起こした。そこで金針は必ず自分が取り戻すと誓い、尚服局ではくれぐれも注意するよう警告する。しかし琉璃は母の形見を黙って敵に渡した裴行倹への怒りが収まらず、今後は自分に関わるなと突き放した。卓錦娘と鄧七娘(トウシチジョウ)は夜になって宮中へ戻った。すると宮道にふいに不禄(フロク)院の孫徳成(ソントクセイ)が現れる。「腰牌を返してくれないか?」孫徳成は弔いをしているところに卓錦娘が現れ、慌てて立ち去る時に腰牌を落としたと嘘をついた。あの日は安氏の命日、豆子が夢の中で弈心(エキシン)宮の仙女から刺繍の技を伝授してもらったと聞き、安氏が成仏していないと分かったという。「安氏に負い目があり弔ったのだ、まあ~あんたのせいだがな 11年前、あんたが安氏の火葬を強いたせいで五体満足で土に返してやれなかった」「腰牌など知らないわ、他を探して」卓錦娘は激しく動揺し、逃げるように帰ってしまう。鄧七娘は去り際に孫徳成に挨拶した。すると孫徳成は七娘の協力に感謝し、金針のために危険を冒さないよう豆子へ伝言を託す。尚服局に戻った七娘は早速、豆子を説得することにしたが、豆子は聞く耳を持たなかった。…裴行倹、阿翁、七娘姉姉、信頼する人たちが私を騙して親不孝をさせた…味方を失い孤独に苛まれる琉璃。その夜、裴行倹は琉璃を慰めるように尚服局の屋根の上で笛を吹いたが、今の琉璃には苦痛でしかなかった。林(リン)尚服は急に卓大家に招かれ、采章(サイショウ)署にやって来た。実は師匠亡き後、紛失していた金針が見つかり、金針を祭る儀式を行うことにしたという。「待ってください!」琉璃は母の敵が″天下第一針″の称号を名乗ることがどうしても我慢できず、皇帝が″天下第一針″と認めたのは安大家の絶技であり、金針を継承した者ではないと指摘した。「最も才能がある者が″天下第一針″となるべきです! …安大家はあなたに奥義を伝授しなかった、なのに尚服局で一番の腕だというのですか?」激怒した卓錦娘は豆子を追い出せと命じたが、琉璃は一歩も引かなかった。「尚服局を納得させたいのなら私と勝負してください!まさか私の挑戦が怖いと? …林尚服、尚服局の長として公正にご判断ください」林尚服は豆子の後ろ盾が皇太子と才人・武媚娘(ブビジョウ)だと思い出した。何より金針を手に入れた卓大家は鼻持ちならない。そこで確かに豆子の暴言と反抗的な態度は罰に値するが、公然と挑戦を受けながら断れば世の中が納得しないと言った。「堂々と戦って勝ってから豆子を罰すればいいわ…それで丸く収まる 儀式はひとまず中止よ、金針と称号が誰に帰するかは腕比べで公正に決めましょう」七娘は真っ先に裴行倹に報告した。すでに内侍院にも報告され、高全(コウゼン)総管はこれが繍女たちの技の向上にもつながると評価しているという。腕比べは2日後、染め・刺繍・仕立ての技を競い、2勝した者を勝ちとする。審判は人望の厚い後宮の太妃に頼むらしい。裴行倹はむしろ正々堂々と琉璃が金針を取り返せる好機だと喜んだが、七娘は師匠が必ず策を弄するはずだと警告した。そこで裴行倹は豆子が危険な時には知らせて欲しいと頼んでおく。しかし七娘が予想していた通り、豆子は卓錦娘の嫌がらせで早速、行き詰まっていた。第1戦の染めのお題は「赤」だった。琉璃は正しい染料と工程で染めていたが、なぜか思うような色が出ない。すると材料庫で受け取った紫膠(シコウ)がしけっていると分かった。そこで取り替えてもらうよう交渉したが、尹(イン)内侍は保管庫に責任はないの一点張り、しかも在庫は切らしているという。「なら最近、紫膠を受け取った人は誰ですか?」「お前だけだ」その話をちょうど師匠の染料を取りに来た七娘が聞いていた。…おかしいわ、さっき師父の部屋に行った時、確かに紫膠の箱があった…豆子は七娘が声をかける間もなく帰って行った。そこで試しに七娘も紫膠を頼んでみたが、尹内侍はやはりないと言う。「困るわ、紫膠がなければ赤が出せない、師父に叱られてしまう」「大丈夫ですよ」七娘は慌てて豆子を追いかけ引き止めた。「紫膠がある場所が分かったわよ」しかし豆子はすでに卓錦娘の企みだと気づいていた。「自分で何とかします」琉璃は東宮を訪ねた。皇太子は留守だったが、王伏勝(オウフクショウ)は豆子の思わぬ頼み事に笑ってしまう。「お前というやつは…太子殿下に果物をねだるなどお前だけだぞ?」すると王内時は喜んで葡萄を分けてくれた。琉璃が幼い頃、母はどんな困難にぶつかっても、必ず解決の手段が見つかると教えてくれた。…阿娘、知恵と勇気をありがとう、天から見守っていてね…そして翌日、卓大家と豆子の腕比べが始まった。琉璃は腕比べの際、誰の作品かを明かさず判断を頼みたいと嘆願、すると卓錦娘は太妃たちの公平性を疑うのかと非難する。「まさか!…負けた際に″豆子をひいきした″と卓大家に言われないためです」太妃たちは思わず失笑し、確かに名前を聞かない方が公平であり、面白みも増すと了承した。皇太子・李池(リチ)はあれ以来、豆子と距離を置いていた。今日は裴行倹と修練に励んでいたが、王伏勝が駆けつけ、皇帝が高熱のため寝台から降りることができないと報告する。李池は着替えてから見舞いに行くことにしたが、その時、王伏勝がふと思い出した。「そうだ!豆子が天下第一針の称号を賭けて卓大家に挑んだそうです」何も知らなかった李池は驚いた。王伏勝の話では先日、豆子が訪ねてきた際に何も言ってくれなかったという。「太子殿下に心配をかけたくなかったのでしょう」「そうだったか…気概も度胸もあるな、結果を恐れず存分に戦えと伝えよ」すると裴行倹が忙しい王内侍に代わって自分が行ってくると申し出た。裴行倹が尚服局を訪ねると、ちょうど第1戦が終わったところだった。どうやら名前を明かさぬ勝負のため、繡女たちは恐らく勝ったのは卓大家だと噂している。そこで裴行倹はこっそり采章署の2階に上がってみた。すると、卓錦娘が負けて激怒している。「小豆子!お前が何か策を使ったわね?!」「もちろん勝つために策を考えました でも私が紫膠を使えないよう材料庫番と結託したのは卓大家の策では?」「出まかせよ!…大体しけった紫膠でこんな美しい茜色が出せるはずないわ!」卓錦娘は興奮してうっかり口を滑らせた。「白状しましたね?でも紫膠が手に入らなかったおかげで葡萄の汁を使う手法を思いつきました」林尚服は度量の狭い卓大家に呆れる一方、豆子の知恵に脱帽した。卓錦娘は豆子が太妃たちを誤解させるため、わざと名前を隠そうと提案したのだと分かった。すると琉璃は高みから落ちれば傷が深いからだという。「高みに登らせてから一気に谷底へ突き落とします」「ふん、今日は油断しただけよ」琉璃は下作を練る暇があったら真面目に作業してはどうかと挑発し、自分の披帛(ヒハク)を回収して出て行った。琉璃が居所へ戻ると中庭で裴行倹が待っていた。「今の話を聞いていた、卓大家はまた陰謀を画策するぞ? 近々、太子殿下の命で出かけるから守ってやれぬ、心配で見に来たのだ」裴行倹は意地を張らず七娘の力を借りるよう勧めたが、琉璃はこうなったのも裴行倹のせいだと冷たかった。「私にはもう関わらないで」皇帝の病状は悪化の一途をたどった。ようやく目を覚ました李世民(リセイミン)は枕元に集まった皇太子たちに気づいて大袈裟だと呆れたが、実は丸3日も眠っていたと知る。李世民は太医院の薬では効果がないと落胆し、以前に服用した純陽散人(ジュンヨウサンジン)の丹薬を所望した。太医院を手中に収める楊(ヨウ)妃と曹(ソウ)王・李明(リメイ)は皇帝の死期が近いことを知った。焦った楊妃は皇太子を支える武媚娘と裴行倹を始末しようと決めたが、寵愛を失って久しい。そこで李明は純陽散人を取り込むことにした。純陽散人は皇帝に丹薬を献上した。そこで明日の子時が100年に一度の吉時のため、未来を占ってはどうかと進言する。つづく( ゚ェ゚)無駄に挟まれる裴行倹と皇太子の修練シーンw
2023.07.20
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第26話「弈心(エキシン)宮での弔い」豆子(トウシ)のために裴行倹(ハイコウケン)を始末しようとした孫徳成(ソントクセイ)。庫狄琉璃(コテキルリ)は誤解を解くため不禄(フロク)院に義父を訪ね、すでに裴行倹は自分が女子だと知っていると教えた。しかも才人・武媚娘(ブビジョウ)には素性を明かしたという。「もう危ない真似はしない、だから裴行倹に敵意を持たないで、武才人にもね」「お前と来たら、仕方がない」琉璃は約束通り卓錦娘(タクキンジョウ)に夢の中で習った刺繍を見せた。それは確かに安(アン)氏の技である錯針(サクシン)繍、これは卓錦娘も習ったが、誰にも伝授していない。「仙女は初歩から順番に教えてくださるそうです 錯針繍だけでなく乱針繍とかいう技や、網(ワン)繍や満地(マンチ)繍も…」卓錦娘はどれも自分が習った技だと驚き、その仙女が安氏ではないかと疑った。「仙女はどんな姿だった?生きていた時の名前は?」「はっきりと見えません、それに年齢や名前をこちらから尋ねるのは失礼かと… 私には天賦の才があるとかで、数ヶ月で基本が身につくそうです そうしたら人間界で途絶えた絶技を全部、教えてくださるとか…」にわかには信じられなかった豆子の夢話、しかしこれで一気に信憑性を帯びてきた。卓錦娘は仕事に復帰したが、まだ長くは座っていられなかった。そこで鄧七娘(トウシチジョウ)は完成が遅れている楊(ヨウ)妃の枕覆いを引き継ぐと申し出たが、卓錦娘は七娘では無理だと一蹴、豆子に任せると決める。それにしても安氏の技を引き継ぐ豆子は一体、何者なのか。その時、卓錦娘はまだ師匠の奥義書と金針が見つかっていないと思い出した。豆子は回廊へ出た七娘を引き止め、自分の代わりに枕覆いを作ってはどうかと勧めた。「どれも私が教えた技法ばかりですよ?実践する良い機会です!」七娘はしみじみ自分にとって豆子こそ本当の師匠だと漏らした。すると豆子は卓大家が本当は残酷で情がないと明かし、そばにいるなら気をつけるよう警告して戻ってしまう。…豆子ったら、自分の方が危険なのに私の心配なんかして…ある夜、卓錦娘は安氏の夢を見て飛び起きた。七娘は灯りをつけて安心させたが、卓錦娘は安氏から命で償わせると脅されたという。「なぜ師父の命を狙う必要が?」焦った卓錦娘はあくまで悪を裁いただけだと正当化したが、明らかに後ろ暗さから取り乱していた。そこで七娘は香をあげて弔ってはどうかと提案する。卓錦娘は確か今日が安氏の命日だと思い出し、安氏に取り殺されると怯えた。「そうね七娘…そうするわ」しかし宮中で私的な弔いは禁忌、そこで人けのない弈心宮で供養しようと決めた。その頃、弈心宮では琉璃が母を弔っていた。母に尚服局へ入ったと報告、敵を討ったら金針と奥義書を預けた青年を探すという。「そして阿娘の絶技を後世に伝えるわ…」裴行倹はその様子を屋根から見守っていた。その時、運悪く卓錦娘と七娘が入ってくるのが見える。驚いた裴行倹は咄嗟に豆子を連れて隠れたが、供養の途中だったため、祭壇がそのままだった。卓錦娘は誰かが供養に来たと気づき、しかも安氏の好物が供えてあると驚愕する。「安氏に関わる者が来たのよ…急いで立ち去ったのね、まだ近くにいるはず!」卓錦娘と七娘は手分けして供養した者を探した。すると七娘が寝殿の中に隠れていた豆子と裴行倹を見つける。しかし七娘は事情を聞く間もなく外に飛び出し、師匠を遠ざけて2人を見逃した。翌日、裴行倹が琉璃の居所を訪ねてみると、卓錦娘と七娘が部屋の中をあさっていた。卓錦娘は琉璃が金針を持っていると疑い、自分の地位を奪うため尚服局へ来たのだと怯えている。七娘はここには何もないとなだめたが、卓錦娘は金針が見つからない限り豆子への疑惑も晴れないと声を荒らげた。「もし豆子が安氏の弟子なら不倶戴天の敵よ!」卓錦娘は采章(サイショウ)署に戻ると、豆子に枕覆いが出来たか聞いた。そこで豆子はすでに完成し、確認のため鄧七娘に預けたと嘘をつく。七娘は恐る恐る自分が刺繍した枕覆いを渡したが、卓錦娘は豆子が刺したと信じて疑わなかった。七娘は豆子を呼び出し、安氏の弟子なのか尋ねた。琉璃は確かに自分の刺繍は安氏の技法だと認め、七娘に教えたのも同じだという。「やはり奥義書があったのね、金針は持っている? 師父があなたに疑いを抱いていて、居所を探ったわ」「安心して、私の元にはない、奥義書も失くしたけれど全部、頭に入っている」七娘は疑り深い師匠が信じるとは思えず、何とかして宮中を出るよう説得した。しかし琉璃はどうしても宮中を離れられないという。するとその夜、宮道を歩いていた七娘は裴行倹に呼び止められ、豆子を守るため本人には内緒で力を貸して欲しいと頼まれた。七娘は快諾、そこで裴行倹は次に孫内侍を訪ねる。孫徳成はまだ裴行倹を信じられなかったが、裴行倹は″琉璃″を助けるための相談だと言った。七娘は裴行倹の指示通り織物店にやって来た。店主の話では昨日、尼僧が尚服局の阿監が当店を利用していると聞いて訪ねて来たという。「何でも病院の治療のために大金が必要になり、宝物を売りたいそうです しかし買い手がつかず、尚服局の方なら価値を分かるはずだと…」七娘は宮中に戻ると早速、師匠に報告した。「尼僧が金針を売ると言って庵(イオリ)の場所を残していったそうです」裴行倹は七娘に頼んで弈心宮に琉璃を呼び出し、ようやく預かっていた荷物を返した。母の奥義書と自分の手巾を見た琉璃はついに恩人の青年が裴行倹だと知り、思わず抱きついて涙する。しかし肝心の金針がなかった。「琉璃、落ち着いて聞いてくれ…」「琉璃?なぜ私の名を?確か阿娘の事件を調べていたと聞いたわ…私の素性を知っていたの?」「知っていた、それに君が卓錦娘に復讐するつもりだと…」実は裴行倹は卓錦娘が固執している金針が琉璃の命取りになると気づき、卓錦娘の手に渡るよう工作していた。琉璃は母の形見を奪われ逆上、金針を失うくらいなら殺してくれという。「卓錦娘には絶対に渡せない…」裴行倹は琉璃を引き止めたが、暴れる琉璃に腕を噛まれてしまう。すると裴行倹は取り乱す琉璃を点穴し、眠らせた。卓錦娘は七娘を連れて尼僧を訪ねた。結局、金針の持ち主は薬を買えないまま亡くなっていたが、庵の祭壇にある琉璃の位牌の前に小さな箱がある。卓錦娘は箱の中から10年、探し続けた金針を発見、ついに天下第一針であるという証しを手にした。尼僧の話ではある日、庵の門を開くと少女が倒れていたという。全身が血だらけで高熱があり意識もなく、哀れに思った尼僧が介抱すると、琉璃という娘は骸の山からはい出して来たと分かった。「それ以外は話しませんでした、11年の間、床に就き、薬で長らえてきたのです 貧しい庵ゆえ薬代もなくなり、その時、琉璃が金針を出してくれたのですが…」すると卓錦娘は金針と一緒に奥義書があったはずだと食い下がる。つづく( ̄▽ ̄;)卓大家がキンキンうるさ過ぎる
2023.07.19
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偷偷藏不住 Hidden Love(全25話)現代劇はあまり見ることはありませんが、ルースーのドラマにハズレなしということで視聴してみました最初は子役が出て来るゴリゴリのティーンドラマさすがに恋に恋する物語にはピンと来ませんでしたが、何しろルースーが上手い!さて物語は女主・サンジー(桑稚)が14歳の時、思いがけず兄の友人と出会うことから始まります大学生の兄が帰省したと知り、友だちがいるとも知らず部屋に飛び込んだサンジー「お兄ちゃん?整形したの?!」しかしそれは大学生の兄の親友・ダァンジィアシュ(段嘉許)でした中学時代はルースーではなく子役が出てきます子役さんも上手でしたが、少女時代の話がこのまま続くのかと思うとややうんざりしたところでルースー登場!いくら童顔とはいえやはりちょっと厳しいか…でも挫折せずに済んだのは5歳年上の兄・サンヤン(桑延)の存在が大きかったと思います兄妹の掛け合いが面白おかしく、兄妹喧嘩も微笑ましかった↓兄役の馬伯騫親友の妹を可愛がり、何かと面倒を見てくれるジィアシュ哥やがて年頃になったサンジーは自然とジィアシュ哥に淡い恋心を抱きます優しくてカッコいいジィアシュ哥、確かにこれじゃ好きになっちゃうわなルースー演じるサンジーのドキドキ感がこちらまで伝わってきて、何だか自分までジィアシュ哥が好きなのか?という錯覚に陥ってしまいますwしかしそんなサンジーの初恋は思わぬ誤解から7話で終わることに…いや~胸が痛みました( ; ; )ルースー上手い! ←こればっかりw↓妹を慰める兄と「そうじゃないのよ〜」@視聴者8話ではサンジーが念願の大学に合格し、実家を離れて寮へカラオケ店で偶然にもゲーム制作会社で働くジィアシュ哥と再会しますそこからジィアシュ哥とサンジーの距離がぐっと近づくわけですが、ジィアシュ哥のバックグラウンドが思いのほかヘビーでちょっと凹みました( ̄▽ ̄;)ジィアシュ哥はお金の工面に苦労したり、ストーカーに悩まされたりしていますが、その裏に悲惨な事件が…でもそれを知ったサンジーが誰より強くてしっかりしていてカッコいい!あ、ドラマですからねw17~18話とラブラブな時間が流れ、ちょっと早すぎやしないかと老婆心wそしてついにお兄ちゃんに2人の交際が知られるところとなりますさらに実家帰省中に両親にも知られることに…ジィアシュ哥は確かに良い人なんです、でも親からすると心配なのは分かりますね~そこでジィアシュ哥は両親を安心させるためある決断を下し、時間をかけて説得することになります話の展開は24話まで、最終話はまとめと言ったところでしょうかドラマはサンジーの大学卒業で終わります管理人はてっきり大人になったサンジーで終わると思っていたため、ちょっと肩透かしでした↓サンジーの卒業写真とジィアシュ哥の卒業写真これは視聴する年代で評価が分かれそうですドラマなので現実離れしている点は仕方がありませんが、本国ではどうなんでしょう?でも最後にオチがあり、そこは上手いな~と思いました何しろルースーの演技が逸材サンジーがジィアシュ哥の胸に顔を埋めると、まるでジィアシュ哥の体温まで伝わって来るようです陳哲遠ももちろん素敵でしたが、BTSでルースーが彼に演技指導している場面を見ると、やはりかなり彼女の影響が大きかったのでは?ただ時々、ルースーが上手すぎてかえって年相応に見えちゃうこともありましたwこればっかりは仕方がありませんが、若さだけはどうしてもね…ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー↓女主:趙露思と男主:陳哲遠ちょっと( ತ _ತ)メンドクセーと思いますが、まあ若い子向けのドラマのため注意勧告ということで…「偷偷藏不住」の原作は同名小説小説の設定はサンジー13歳にジィアシュ哥20歳、ドラマでは14歳と19歳に変わっています何でも配信後に一部で少女と成人男性の出会いが犯罪を助長していると叩かれたようで、しかも子役が当時11歳だったというのも問題になったとかでもジィアシュ哥の過去が分かって初めて色々と腑に落ちるストーリーなんですね、これ大人への階段を上りながらジィアシュ哥への思いを成熟させていくサンジー一方、心に深い闇を抱えた青年がサンジーという少女と心を通わせながら自分を取り戻していくイチャイチャを削ってこのあたりをもう少ししっかり描いてくれたら良かったかも?まあそもそもドラマなんで、んなワケあるか!なのは仕方がないかな…( ̄▽ ̄;)海外ではすでにNetflixで配信が始まっています日本でもいずれ視聴できると思いますので詳細は省きました少し時間が経って辛口になりましたが、配信当時は久しぶりにハマって楽しかった!これからも2人のご活躍をお祈りしています
2023.07.18
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第25話「早朝の猫捜し」卓錦娘(タクキンジョウ)は豆子(トウシ)を呼びつけ、長孫(チョウソン)皇后の衣に刺繍した双面繍(ソウメンシュウ)をどこで習ったのか聞いた。以前、帳面に書かせた図案は死に装束の物ばかりだったが、今回はごまかされないという。すると琉璃(ルリ)は夢の中で仙女から伝授されたと説明した。「本当です、無実の罪で死んだ後宮の女官だと言いました 生前に心残りがあって姿を現したそうです、弈心(エキシン)宮に住み着いたとか… 私には見込みがあると言って教えてくれたのです 信じないとおっしゃるなら、次に夢で教わったことをお話しします」卓錦娘は馬鹿馬鹿しいと思いながらも、本当に安(アン)氏の絶技を習えるなら損はないと気づいた。本心では母の敵に教えたくない琉璃だったが、生きるためには仕方がない。そんな2人の話を回廊で鄧七娘(トウシチジョウ)が聞いていた。…師父は疑り深い、このままでは済まないはずだわ…豆子を見守る孫徳成(ソントクセイ)は安大家の事件を調べ始めた裴行倹(ハイコウケン)を警戒していた。そんな中、裴行倹が豆子を襲った刺客を見逃したと誤解し、早めに手を打つと決意する。すると豆子の周辺を見張らせていた福子(フクシ)と桂子(ケイシ)から裴行倹が豆子を訪ねてくると聞いた。孫徳成はある策を思いつき、汁物を作って順子(ジュンシ)に持たせることにする。「裴行倹にも勧めるんだ、いいか、縁が緑の碗が裴行倹だ、くれぐれも間違えるな」薬の量は務めを終えて皇宮を出てから効くよう加減してあった。「もし露見したとしても全ての罪を私が背負う」裴行倹は豆子の居所を訪ね、皇太子の差し入れを届けた。2人は仲良く食べ始めたが、そこへ順子が現れ、師匠が作った竜眼(リュウガン)の汁物を勧める。「ちょうどお菓子があるの、甘い汁物と合うわ」何も知らず喜ぶ琉璃、すると順子は汁物を取り分け、緑の縁の碗を裴行倹の前に置いた。「…うん、美味いよ」曹(ソウ)王・李明(リメイ)は咸池(カンチ)殿を追い出された松濤(ショウトウ)を呼びつけた。松濤の偽の動向のせいで大恥をかいた楊(ヨウ)妃、しかし松濤は聡明な才人が内通を見破っていたと釈明する。そこで李明は見逃す代わりに武媚娘(ブビジョウ)の弱みを教えろと迫った。松濤は武才人に弱みなどないと困惑したが、ふと武才人と裴行倹が入内前からの知り合いだったと思い出す。「2人が古い知り合いだと?(ピコーン!」務めを終えて宮中を出た裴行倹、しかし汁物を飲んだせいで次第に身体の調子が悪くなった。孫徳成と順子は裴行倹を追跡し落馬するのを待ったが、突然、刺客が現れ、裴行倹に襲いかかる。すると裴行倹は身体に力が入らず、あっさり拉致された。「手強いと聞かされていたが、これほど容易に手に落ちるとは…」刺客たちも困惑したが、ともかく任務を終えることにした。順子は早朝から豆子を呼び出し、裴行倹に2度と付きまとわれることもないと安心させた。実は自分たちが手を下す前に誰かが始末してくれたという。「裴行倹が誰かに捕まったんだ、もうお前を調べる暇もない」一方、裴行倹は武媚娘の隣で目を覚ました。驚いた裴行倹は慌てて寝台から飛び出し、武媚娘に毒を盛られて拉致されたと釈明する。「その後のことは記憶にない」武媚娘はようやく冷静になり、自分と侍女たちも毒を盛られたと分かった。そうでなければ誰にも気づかれず裴行倹をここへ運び込むことはできない。「私たちをまとめて始末したい者の仕業ね、敵はあなたが出てきたところを捕らえようとするはず…」実はその頃、楊妃が李明を連れて咸池殿に向かっていた。皇太子・李池(リチ)は宮道でばったり曹王と楊妃に出くわした。何でも皇帝から賜った猫が逃げ出し、息子と一緒に探しているという。「猫は咸池殿の方へ走って行ったとか」…早朝から大挙して武才人を訪ねるとは猫探しなどではないな…李池はまた曹王の陰謀だと気づいたが、李明から一緒に探しに行こうと誘われてしまう。…太子にも証人になってもらおう、密通現場を目撃すればかばい切れない…一方、琉璃は義父たちが裴行倹に毒を盛ったと聞いて驚愕した。しかも誰かが裴行倹を武才人の寝殿に運び込む様子を黙って見ていたという。「師父は全て豆子を守るためだと言っていた」「彼は恩人よ?!」夜番だった玉柳(ギョクリュウ)たちはうっかり寝殿の前で眠っていた。まさか毒を盛られたとは知らず、玉柳は目を覚まし慌てて才人に声を掛けたが、そこへ楊妃たちがやって来る。「陛下のお気に入りの猫がこちらへ逃げ込んだようなの、探させてもらうわね 私たちは中で待たせてもらいましょう」楊妃は皇太子と李明を連れて寝殿に入ろうとしたが、玉柳は才人の身支度がまだだと止めた。武媚娘は急いで着替えてから寝殿を出た。そこで猫が見つかるまで離れで待つよう勧めたが、楊妃は自分の目で探したいと譲らず、強引に寝殿へ入ろうとする。その時、突然、豆子がやって来た。「…武才人、お直しする衣を引き取りに参りました」「またお前か?」李明は何かと邪魔をする豆子に憤慨したが、琉璃は衣を引き取ればすぐに下がるという。もちろん豆子に衣の直しなど頼んでいない武媚娘、しかし豆子が助けに来てくれたと考え、咄嗟に床几(ショウギ)の上にあるので持って行くよう頼んだ。裴行倹が寝所の奥に隠れていると、なぜか豆子が入って来た。驚いた裴行倹は琉璃が誤解しないよう誰かに陥れられたと訴えたが、琉璃は信じていると安心させる。「話している時間はない、言う通りにして、助けるから…女の身を使う時が来たわ」楊妃は豆子が入ったことを訝しみ、もしや寝所に見られて困るものでもあるのかと疑った。すると李池は楊妃が強引に踏み込めば才人への侮辱だと思う者もいると指摘、黙って待つべきだと助け船を出す。その時、寝殿から豆子が現れた。しかし山積みになった衣が邪魔で顔が見えない。李明は裴行倹だと疑い確認したが、当てが外れ本当に豆子だった。「あ、曹王殿下が衣をめくったせいで気がつきました、足りないものが…取りに戻ります」楊妃はいらだちを隠せず、才人をどかせろと命じた。しかし李池が侍女たちを止め、李明と一触即発の様相になる。豆子は再び寝殿を出ると、衣を持って急いで帰って行った。すると痺れを切らした李明が皇太子の腕をつかんで引き止め、侍女たちが才人を囲んで邪魔し、楊妃は強引に寝所へ入ってしまう。楊妃は武才人の密通現場を取り押さえるため、寝所へ向かった。すると寝台で確かに誰かが寝ている。楊妃は帷(トバリ)を開けたが、驚いたことに美しい娘が起き上がった。「姉姉?…どなたですか?」「楊妃、ご無礼を…妹なのです、昨夜は遅くまで話し込んでしまい、それで寝坊したのです」楊妃はまたしても武媚娘に裏をかかれた。しかし李明は四方に見張りを忍ばせており、地面に潜りでもしなければ逃げられないはずだという。「多くの目が光っていた中で、どうやって逃げたのだ?」一方、武媚娘は寝台で妹のふりをしたのが豆子だと気づいた。それにしてもなぜ豆子は自分と裴行倹が危ないと知ったのか。琉璃は通りかかっただけだと誤魔化したが、危険を冒してまで助けたのは恩返しだと明かした。「通りかかった?…小豆子、今日こそ真実を教えて欲しいわ 卓大家が巾着のことで問い詰めた時、あなたに秘密があると気づいていた 私には関係ないと思って追及はしなかったけれど、今回はそうもいかない」武媚娘はこれを機に豆子が味方か敵かをはっきりさせたいという。追い詰められた琉璃は武媚娘を安心させるため、身分を明かすしかなくなった。「実は以前、お会いしています、11年前に2度も命を救ってくださいました」武媚娘は豆子が花嫁衣装を届けてくれた少女だと気づいた。確かあの時、屋敷から逃すため裴行倹に預けたが、あれから少女は掖庭(テキテイ)に入れられ、不禄院の孫内侍に仮死の薬で救われたという。その後、琉璃は母の遺体と共に燃やされそうになったが、当日は武媚娘の入内の日で葬儀が禁止となり、命拾いしていた。「琉璃なのね?母親は安大家…生きていたのね!」2人は積もる話もあったが、皇帝の使いが武媚娘を呼びに来たため、琉璃はひとまず帰ることにした。つづくʕ•̀ω•́ʔ✧<今度こそ抜かりはありません!って李明、もうやめとけってw
2023.07.18
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第30話蒼鹽海(ソウエンカイ)に不穏な空気が流れる中、小蘭花(シャオランファ)は何も知らずに婚礼の準備を進めていた。すると侍女から名家にとって冠は一族を象徴するもので、歴代の月主は自分で用意したと聞く。小蘭花は花や草で編もうと思いつき、それより觴闕(ショウケツ)との縁談が決まった結黎(ジエリー)にも衣装を作って欲しいと頼んだ。しかし結黎はいらないと断り、急に怒って出て行ってしまう。小蘭花は結黎を追いかけた。後ろ暗い結黎はこれまで親友の振りをしていたが、騙して薬を売りつけるためだったと突き放す。「腐った根が治るはずないのに、信じるなんてバカよ」「そんな昔の話?いいのよ、私も望んで騙されていたんだから、ふふふ」何度、騙されようと自分を責めない小蘭花と觴闕、結黎はそんな2人の優しさに思わず涙した。東方青蒼(ドンファンチンツァン)は2度と小蘭花を騙さないと誓った以上、真実を伝えなければならなかった。そこで小蘭花に月族と仙族の戦が始まると明かす。「玄虚(ゲンキョ)の境で食い止めなければ敵は九幽になだれ込んでくる 今、月族の兵力は8万ほどに過ぎず、しかも私は業火(ギョウカ)を失った…」「戦まで何日?」「5日ほどだろう」「なら良かった…私たちの婚礼は明後日でしょう?」「小蘭花、長珩は雲中君に許され、戦神の座に戻った」東方青蒼は小蘭花だけでも逃すつもりだったが、小蘭花は予定通り東方青蒼の妻となり、どこにも行かないと拒んだ。東方青蒼は骨蘭(コツラン)の解決法を見つけられないまま、その夜も小蘭花の枕元に付き添った。ぐっすり眠っている小蘭花、その頃、小蘭花は夢の中で謝惋卿(シャワンケイ)と再会を果たす。しかしそこには謝惋卿と瓜二つの女子が大勢いた。実は全てが輪廻での記憶だという。『説明している暇がないの…私が意識を保てるのは一瞬だけ、早く逃げて、危ないわ 私たちは片方が得たら他方が失う関係、私が蘇ればあなたは死ぬ、秘密はその中よ…』一方、居眠りしていた東方青蒼は小蘭花のうわ言に気づいて慌てて手を握りしめた。その瞬間、骨蘭の祟気(スイキ)によって暗闇の世界へ引き込まれ、邪神が現れる。東方青蒼は呪術を解こうと剣を振り回したが、業火が使えないため逃れることができなかった。『今のお前は何もできぬ、なぜ骨蘭のことをあの女子に話さぬのだ? …どちらも選べぬから苦しいのだろう、私ならあの女子を救い、兵の封印を解く方法を教えられる 私と手を組めば、月族か愛する者かを選ばねばならぬ袋小路から抜けられる』胸の内を見透かされ呆然とたたずむ東方青蒼、その時、ふと目が覚めた。するといつの間にか目を覚ました小蘭花が自分の顔をのぞき込んでいる。「また悪夢を見たの?実は私も夢を見たのよ」どうやら謝惋卿は骨蘭の秘密を小蘭花に教えようとしたらしい。しかし東方青蒼はただの夢だとごまかし、わざと笑い話にした。(  ̄꒳ ̄)<私の夢も教えようか?…お前は太った豚に姿を変えていたぞ?(´゚艸゚)∴ ブッ!長珩が小蘭花を迎えに来た。驚いた小蘭花は蒼鹽海が自分の家であり、明日は東方青蒼との婚礼だと拒否する。長珩は婚礼ならできないと伝え、嫌がる小蘭花を息山まで連れて行った。「史書で読んだはずだ、3万年前の大戦で月族は息蘭族を皆殺しにした この場所には息蘭族の血が染みている 小蘭花、君の本当の名は息芸(ショクウン)、息山神女だ、月族は君の敵なんだぞ?!」しかし小蘭花には記憶がなく、両親のことも一族のことも覚えていなかった。確かなのは東方青蒼を愛し、そして愛されているということだけだという。小蘭花はふと倒れた石像に触れると、突然、太古の神霊・元亀(ゲンキ)に招喚された。…どうやら自分の正体を知ったようだな…元亀は小蘭花の真身を見せた。残念ながら明日の婚礼は息芸の定めではなく、息山神女の使命は世の恨みを消し去り、民を守ることだという。しかし小蘭花は納得できなかった。「東方青蒼の妻になることとどんな関係が?!なぜ民を愛するのに1人を愛せないのですか?」すると元亀は小蘭花と会うのが早過ぎたと分かった。どうやらまだ見るべきものを見ておらず、失うべきものをまだ失っていないらしい。…帰るがよい、また会えるだろう…長珩は小蘭花が元亀と会って考え直してくれると期待したが無駄だった。小蘭花は運命には従えないと拒み、長珩が止めるのも聞かず東方青蒼のもとへ帰ってしまう。觴闕は長珩が月主を連れ去ったと報告した。しかし東方青蒼は焦る様子もなく、小蘭花は帰ってくるという。仙月大戦は明日に迫っていた。巽風(ソンホウ)は寂月宮に戻った小蘭花を捕らえ、偽の司命殿に監禁した。東方青蒼の命令だと聞いてもにわかには信じられない小蘭花、そこで巽風は花壇の花をめちゃくちゃにしてしまう。「兄尊が言った、冠は必要ないため花は不要だと…これならどうだ?」巽風は小蘭花が眠れない東方青蒼のために贈った蘭の鉢植えを招喚、目の前で投げ捨てた。すると今度は太古の神剣・承影(ショウエイ)剣を見せる。「これでお前を殺せば同心呪(ドウシンジュ)が解ける 仙族との戦が始まれば、兄尊はこの剣を用いて自らお前を血祭りに上げるだろう」結黎は衛兵になりすまして司命殿に忍び込んだ。理由は分からないが月尊が小蘭花を監禁したのは事実だという。結黎はこの機に小蘭花を連れて宮殿を脱出、忘川に逃げた。しかし觴闕が現れ、一緒に戻ろうと止める。「結黎、月尊にもお考えがあるのだ」すると結黎が海市の毒を浴びせ、觴闕は身体がしびれて膝をついてしまう。「結黎、よくやったわ」その声は蝶衣だった。結黎は小蘭花を渡す前に解毒薬を要求したが、蝶衣は小蘭花を先に引き渡せと迫った。そこで結黎は霊宝閣から盗んだという蝕金粉(ショクキンコ)を招喚し、三界で唯一、骨蘭を壊せると教える。「私は愛する者に背き、一番の友を裏切った、もう生きる場所がない なぜ骨蘭が必要なのか知らないけれど、それほど大事なら永遠に手に入らなくするまでよ」驚いた蝶衣は仕方なく觴闕の毒薬を先に投げ渡した。すると結黎は小蘭花を置き去りにして觴闕と逃げてしまう。しかし小蘭花はただの蘭で、蝕金粉は砂糖だった。仙族はすでに忘川や北溟(ホクメイ)の境界に集結していた。追い詰められた東方青蒼は心の闇を見抜かれ、再び祟気に操られてしまう。『また来ると分かっていた… 私は殺戮や恨みの化身ではない、私は太古に生まれ、至る所に存在している あらゆる者の心の奥底に潜む最も暗い欲望なのだ 東方青蒼、お前が私を呼んだ お前は分かっているはず、愛する女子と民を救えるのは私だけだと…』『黙れ!』東方青蒼は剣を振り回し、我に返った。その時、小蘭花が現れる。「東方青蒼!何があったの?!心配したのよ?!」すると小蘭花を探していた巽風が追いかけてきた。東方青蒼は祟気を放って小蘭花を突き放した。小蘭花と巽風は業火を使えなくなった東方青蒼が祟気に手を出したと知り呆然、極めて邪悪な祟気は魂まで侵すと警告する。しかし東方青蒼は身体も元神も滅しない自分なら祟気を操れると訴え、誰も自分を阻めないと自信を見せた。「長珩から素性を聞いたのだろう?私も知っていた、その力を利用するため優しくしたのだ 骨蘭の中にある赤地女子の元神が整えばお前は死ぬ、初めから何もかも策略だったのだ」小蘭花は夢で聞いた謝惋卿の話を思い出した。ようやく謝惋卿の言いたいことが分かった小蘭花、しかし東方青蒼の自分への愛が嘘だとは信じられない。すると東方青蒼は小蘭花に恨まれるよう、自分が息蘭族を皆殺しにしたと言い放った。「嘘つき!なら私の目を見て言ってよ!…愛したことなどないって!」つづく(  ̄꒳ ̄)なぜ元亀だけ手抜き?少しくらい動いてもよくない?w
2023.07.17
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苍兰诀 Love Between Fairy and Devil第29話小蘭花(シャオランファ)は自ら希望して弗居洞(フッキョドウ)での試練に臨んだ。一方、東方青蒼(ドンファンチンツァン)は寝宮で小蘭花の無事を祈ることにしたが、小蘭花の苦痛を感じて激しい痛みに襲われてしまう。觴闕(ショウケツ)は慌てて駆けつけ、九幽一夢(キュウユウイツボウ)を飲んだはずだと困惑した。しかし東方青蒼は薬酒を飲んだと思わせ、小蘭花の見えないところでこっそり吐き出したという。「夫婦とならば死ぬまで寄り添い、喜び苦しみを共にする… 代わりに引き受けることができなくとも、小蘭花だけを苦しませるわけにはいかぬ」巽風(ソンホウ)は弗居洞に駆けつけ、小蘭花に諦めて出て来るよう訴えた。しかし返事はなく、長老たちも弗居洞に入ったら本人の意思でしか出ることは叶わないと教える。その頃、小蘭花は想像を絶する痛みに耐えながら、朦朧とした意識の中で東方青蒼との幸せな日々を思い出していた。やがてのたうち回っていた東方青蒼はふと苦しみから解放され、小蘭花が試練を乗り越えたと知る。こうして3日後、弗居洞から生還した小蘭花は月主として迎えられた。水雲天(スイウンテン)では長珩(チャンハン)が雲中君から死罪の宣告を受けていた。逆徒となった長珩は戦神の任を解かれ、神仙の座も剥奪、水雲天の系譜から永遠に除かれるという。その時、突然、丹音(タンイン)が駆けつけた。実は小蘭花こそ長珩の許嫁・息山神女(ショクサンシンニョ)、その証拠に雲夢澤(ウンムタク)で見た祟気(スイキ)を浄化する小蘭花の姿を映し出しす。「息蘭聖印か…」丹音は長珩が小蘭花を救おうと奔走したのは私情ではなく宿縁を感じたからだと訴えた。実は司命殿の天極鏡で長珩と小蘭花が人間界と仙界で2回ほど婚礼を挙げると知っていながら、これまで黙っていたという。「私は長珩仙君をお慕いしていました、そのため小蘭花との婚姻を恐れ、隠していたのです」丹音は罰せられるべきは長珩ではなく自分だと訴えたが、雲中君は息山神女を見つけた功績を認めて罪を帳消しにした。また長珩の反逆も義挙だったと誤解が解け、早速、戦神に復帰させる。するとそこへ収監された容昊(ヨウコウ)の供述書が届いた。容昊の証言では月族が3000の天兵を殺したという。長珩は容昊が全て月族の責任にして戦を起こすつもりだと分かった。そこで獄中の容昊を問い詰めたが、実は兄が出兵する名目のために容昊の嘘を容認したと知る。これまで東方青蒼の業火(ギョウカ)で手も足も出なかった仙族、しかし東方青蒼が業火を操れなくなった今が好機だった。「お前が望まなくともこれで戦が起きることになる、お前も戦う定めなのだ」「私をまだ友だと思うなら本当のことを言ってくれ、誠に先の戦神を蘇らせるためだけなのか?」「長珩、どうやらお前の目は誤魔化せぬ、だが知らぬ方が良いこともあるぞ」海市(カイシ)の間者だった結黎(ケツレイ)は觴闕を巻き込まないよう避けるようになった。すると業を煮やした觴闕は強引に結黎を引き止め、穴蔵の鍵を渡す。「ここに蓄えた俸禄がある、これからの俸禄も君のものだ」觴闕は結黎を妻にしたいと告白した。これまで素直になれなかった結黎、しかし觴闕の誠意にほだされ、思わず承諾してしまう。仙族は同胞の敵討ちのため蒼鹽海(ソウエンカイ)に攻め込むことになった。澧沅仙尊(レイゲンセンソン)も準備に追われていたが、突然、物陰から蝶衣(チョウイ)が現れる。「かつて首領に家族を救われ、恩返しを約束しましたね?」「約束はしたが相手は容昊であり、海市主にではない」澧沅は悪事に加担しないとつっぱねたが、その時、蝶衣が壊したはずの星落(セイラク)の形見を見せる。「もしや…」…星落は容昊に助けられたおかげで無事に双子の女の子を出産したしかしこのままでは娘たちは仙族にも月族にも受け入れてはもらえないそこでひとまず1人ずつ引き取ると決め、星落は玉を2つに割って娘たちに持たせた…その後、産後の肥立ちが悪かった星落は逃げる途中で亡くなった。実はもう1人の娘を育てたのは容昊だという。澧沅は娘を人質に取られていると知り呆然となった。「…簡単なことです、首領を渡業淵(トギョウエン)から連れ出すだけ」月主となり月族からの尊敬を集めるようになった小蘭花。しかし友だった觴闕まで仰々しく拝礼し、戸惑いを隠せない。「そうだ、最近の結黎、変じゃない?」小蘭花は結黎が急に結婚祝いをくれたり、これまでのツケを帳消しにすると言ったと教えた。すると觴闕も確かに自分の求婚を受け入れてくれたと明かす。小蘭花はようやく結黎が変わった理由が分かった。これまで海市で苦労して来た結黎だったが、今や愛する觴闕や自分という親友がいる。「これから寂月(セキゲツ)宮が結黎の家ね?境遇が変わると心も自然と変わるのね」「これまでの千倍、結黎に尽くすよ」そんな2人の話を結黎が聞いていた。その夜、巽風の前に蝶衣が現れた。蝶衣から兄の業火が回復しない理由を聞いた巽風は慌てて兄の元へ急ぐ。するとちょうど東方青蒼と小蘭花が一緒にいた。しかし東方青蒼は小蘭花が偽物だと見抜き、咄嗟に方術で眠らせてしまう。実は骨蘭には赤地女子(セキチジョシ)の元神が入っていた@26話。東方青蒼は自分の血を使って骨蘭の腕輪を作った。情がなければ腕輪は身を守る道具に過ぎないが、小蘭花が永遠の愛を誓ったことで外せなくなったという。「無理に外せば命が危ない」赤地女子の元神は骨蘭に侵入し、小蘭花の元神の力を取り込んで復活を待っていた。このまま外さなければ10日もしないうちに赤地女子の元神が回復し、小蘭花は衰弱して死ぬことになるだろう。しかし小蘭花の命を守らなければ東方青蒼の命も危なかった。巽風は承影(ショウエイ)剣の最後の一片を見つけ、すでに鋳(イ)直してあると報告する。「密偵の報告によれば水雲天は兵を整え、戦に備えているそうです 10万の兵が戻らなければ月族は滅亡の危機にさらされます!」「小蘭花を犠牲にはせぬ!他の手立てを考える!」すると巽風は兄に深く失望し、どうりで父が兄の情を断ったわけだと口を滑らせた。「東方青蒼、ゆっくり手立てを考えればいい… 業火は情愛を断って得るもの、愛に溺れて情が蘇れば当然、業火は失われる 今の兄上はもはや万人が崇める強者ではない!」東方青蒼は巽風に何も言い返せなかった。業火が使えない理由には気づいていたが現実と向き合えず、再び兄弟の間に亀裂が入ってしまう。結黎が暗松林(アンショウリン)で觴闕を待っていると蝶衣が現れた。驚いた結黎は護衛が増えたため小蘭花を連れ出せないと言い訳したが、蝶衣から罰せられてしまう。「ふん、深い友情だこと…だが親友と男のどちらかしか選べないとしたら?」実は觴闕は蝶衣の鱗粉(リンプン)に当たっていた。「蝕心(ショクシン)丸の解毒薬を3日分やろう それまでに息山神女を連れ出せなければお前も男も毒が回る」觴闕が何も知らずにやって来た。結黎は真っ先に觴闕の首の周りを確認、まだ毒が回っていないと知って安堵する。実は觴闕は帰り道、結黎のために菓子を買っていた。しかし包みを開いてみると、菓子が割れて粉々になっている。「あれほど気をつけたのに砕けてしまった…不吉な予感」「バカね、そんなこと考えないで」觴闕は月尊と月主のことで心配が絶えなかったが、詳しいことは明かせなかった。「戦に行って戻れなかったら君を守れなくなるな…」「聞いて、必ず無事に年を取るまで生きるの!約束して!」すると觴闕はそっと結黎を抱きしめた。仙族の大軍が押し寄せようとしていた。しかし月族の長老たちは月尊の業火さえあれば怖いものなしだと勝算を信じて疑わない。東方青蒼は仙族に対抗できる手立てがないまま、追い詰められていた。つづく( ゚ェ゚)業火はないけど、息山神女で何とかなりそうなのにね…
2023.07.16
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第10話「意地の張り合い」凌不疑(リンブーイー)は肖(シャオ)世子の屋敷に曲者を放ち、騒ぎになったところで捜索を口実に乗り込んだ。後ろ暗い肖世子は気が気でなかったが、黒甲衛(コクコウエイ)は何も見つけられず早々に引き上げる。すると家職が凌将軍は自分たちを疑い始めたのかもしれないと警告した。「今、渡しては奴に尻尾をつかまれる、樊昌(ファンチャン)には待ってもらおう」万(ワン)家で老夫人の生辰を祝う宴が開かれた。少商(シャオシャン)も家族揃って祝いに駆けつけたが、蕭元漪(シャオユエンイー)から再び騒ぎを起こせば板打ちにすると脅されている。しかし今日は少商自ら手を出す必要がなかった。少商は腹痛を訴え、少し休むと断って萋萋(チーチー)と別れた。その間に密かに庭園の橋の下に潜り込み、柱を外しておく。一方、萋萋は令嬢たちの宴席に挨拶にやって来た。すると犬猿の中の王姈(ワンリン)もちゃっかり来ている。実は裕昌(ユーチャン)郡主を始め名家の令嬢たちは、宴に集まる凌将軍や袁(ユエン)公子ら子息たちが目当てだった。少商は橋を細工してから何食わぬ顔で萋萋を呼びに来た。すると楼縭(ロウリー)は少商を引き止め、慌てて逃げるのは十一郎を避けているせいかと揶揄する。そこへ楼垚(ロウヤオ)が現れた。楼垚は悪口をやめて伯母の席へ戻れと妹を叱ったが、王姈は楼縭をかばって楼垚が何(ハー)家から破談されると暴露してしまう。しかし少商は婚約解消などよくある話だと援護、楼垚は程四娘子に感謝した。一方、郎君たちの宴席では袁慎(ユエンシェン)たちが投壺(トウコ)で盛り上がっていた。すると珍しく凌将軍が現れる。そこで袁慎は試しに一投どうかと矢を渡した。凌不疑は玩具の矢を入れても自慢にはならないと言ったが、一瞥もせずに投げた矢は見事に壺へ入る。➰⚱️カランコロ~ン! ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<おおおお~凌不疑は令嬢たちを橋に誘き出すため、郎君たちに花でも愛でようと言って回廊へ出た。十一郎と袁公子がいると知った令嬢たちは大騒ぎ、橋の上からなら良く見えると気づいて殺到する。しかし少商は萋萋と楼垚だけ引き止めた。すると予想通り令嬢たちは家職たちの制止を振り切り、橋に登って嬉しそうに郎君たちに手を振る。少商は凌不疑と目配せ、その時が来るのを待った。「サン…R…イー!」その時、橋が崩れ落ち、令嬢たちは池に落下してしまう。子息たちは急いで助けに向かったが、気がつくと凌将軍の姿はなかった。少商の計画に綻びはなかったが、万老夫人だけは見破っていた。万松柏(ワンソンバイ)は母から橋を落としたのが嫋嫋(ニャオニャオ)だと聞いたが、到底、信じられない。しかし老夫人は嫋嫋が橋の構造を見破り、令嬢たちに報復したと気づいていた。嫋嫋はあらかじめ家職に危険を知らせる札を立てさせており、そのお陰で万家にお咎めはない。老夫人も嫋嫋を責めなかったが、ただ蕭元漪にはこの件を伝えた。「己の行動の責任を取れないなら早く手を引いて地道に暮らした方がいい」少商の計画は万老夫人の密告で程家の知るところとなった。程始(チォンシー)は妻の手前、嫋嫋に罰を与えると決めて青蓯(チンツォン)に嫋嫋を呼ぶよう命じる。嫋嫋に目をかける程止(チォンジー)と桑舜華(サンシュンホワ)は体罰に反対したが、実は程始にはある筋書きがあった。まず嫋嫋が来たら蕭元漪が雷を落とし、怒りのあまり杯を割る。その音を合図に三弟夫婦が駆けつけ、嫋嫋の命乞いをし、蕭元漪は仕方なく許すというものだ。しかし少商は今回は誰も自分を救えないと覚悟を決めていた。少商は橋を細工して鬱憤を晴らしたと認め、責任を取って罰を受けると言った。全く怯まない娘に逆上した蕭元漪は軍法で裁くと脅したが、少商は意地でも非を認めず、自ら台の上に横になってしまう。軍棍(グンコン)で打たれれば男でさえ耐えられない。しかし少商は自分で手巾を噛んだ。「阿母、存分にどうぞ!」「はお!よくぞ言ったわ、お前を服従させずして一家を従わせられる?!」すると蕭元漪は引っ込みがつかなくなり、ついに打てと命じた。中庭で隠れていた程始たちは異変に気づき、慌てて駆けつけた。すると嫋嫋は激しく打たれ、意識も朦朧としている。「やめんか!嫋嫋!」「阿…父…やっと来てくれた…」程始は哀れな娘の姿に涙し、今回ばかりは妻を厳しく責めた。これには桑舜華もさすがにやり過ぎだと非難し、すぐ医者を呼ぶ。程止はこれが自分の娘への仕打ちかと嘆き、打ち据えても子供は何も学ばないと呆れた。しかし蕭元漪は自分だけが不条理なのかと憤慨し、ちょうど驊(カ)県へ赴任する三弟に嫋嫋を連れて行けという。「この子を2度と躾ける気はないわ!」その時、少商が顔をあげた。「分かりました…阿母、二言はなしですよ」程始は嫋嫋を寝かせて母屋に戻った。しかし痛ましい姿の嫋嫋を思うと、妻の機嫌を取る気分ではない。「医者が薬を塗る時、嫋嫋は震えていたぞ?」蕭元漪の心も深く傷ついていた。素直になれず意地を張り合った母と娘、もはや2人の亀裂は修復不可能に思えた。翌日、萋萋が見舞いに来た。萋萋は少商が自分の鬱憤を晴らしてくれたと喜び、昨日は郡主たちの惨めな姿に笑いが止まらなかったという。「でも変ね~どうして阿母にバレちゃったの?」すると少商は真っ先に凌不疑の顔が思い浮かんだ。「あの死神め…協力したのに裏切るなんて…」その時、蓮房(リェンファン)が現れ、凌将軍から薬が届いたという。「軍の刑罰後に使う薬で、3日後には必ず治るそうです」「…なぜ罰のことを知っているの?」少商は凌不疑の密偵がいると気づいた。程四娘子に薬を差し入れたのは梁邱飛(リャンチゥフェイ)だった。「若主公、程四娘子は人の厚意を何だと思っているのでしょうか?薬を捨てるとは!」「肖世子の監視が必要なくなって暇なのか?」「その…つい好奇心で少しだけその場に…」凌不疑はそれより皇帝の西巡を知って黒幕が動くことを期待した。「最小限の犠牲で尻尾をつかむのだ」「じゃあこの薬は…」すると梁邱起(リャンチゥチー)が慌てて梁邱飛を連れて下がった。「自分で使え」数日後、程止と桑舜華は嫋嫋を連れて赴任先へ出発することになった。少商は父や兄たちと別れを惜しんだが、結局、母は最後まで姿を見せない。その頃、蕭元漪は旧宅に探し物があると口実をつけ外出、横道に馬車を停めてこっそり娘を見送っていた。長旅を心配して桑舜華に自分の武婢を随行させたが、青蓯はこれも娘を守るためだと分かっている。「…あの子は全く容赦がない」「女公子は女君にそっくりです、冷徹に見えて情にほだされる…」つづくやったー!・:*+.\(( °ω° ))/.:+*:・これでしばらくママを見なくて済むのね〜w
2023.07.15
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星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第9話「万家探訪」蜀(ショク)の堪輿(カンヨ)図を求めて万松柏(ワンソンバイ)を訪ねた凌不疑(リンブーイー)。しかし万将軍は持っていないとの一点張りで、仕方なくその夜は帰ることにした。見送りに出た万松柏は社交辞令で食事はいいのか確認したが、護衛の梁邱起(リャンチゥチー)が他家では常に断っていると遠慮する。その時、思いがけず程(チォン)家の四娘子・少商(シャオシャン)が現れた。少商は中庭で苦手な凌将軍とすれ違った。なぜ万家にいるのか分からなかったが、ちょうど外に出ていた万伯父に助けを求める。万松柏は嫋嫋(ニャオニャオ)が母親に叱られたと気づき、笑って萋萋(チーチー)なら奥にいると行かせた。すると帰ると言ったはずの凌不疑がいつの間にか戻って来る。( ̄꒳ ̄)<夜も更けた…屋敷の厨房には誰もいまい、万府の世話になるしかないな…(; ゚ェ゚)え?万老夫人は事情を聞いて少商の滞在を認めてくれた。12人の孫娘たちは嫁いで今は帰京した萋萋だけ、ちょうど良い勉学相手ができたという。萋萋は勉学より馬に乗りたいと困惑したが、少商が咄嗟に空腹だと口実をつけて逃げ出した。すると入れ違いで侍女がやって来る。実は家主が泥酔してすでに書房で休んでしまい挨拶に来れないという。「で、凌の十一郎は帰ったの?」「いいえ、客房に泊まるとのことです」万老夫人は凌不疑が酔っていないにも関わらず泊まって行くと聞いて顔色が一変した。少商は萋萋の部屋で老夫人の武勇伝を聞いた。萋萋の話では祖父が死んだ時、父はまだ10歳にも満たず、親戚たちは祖母が再嫁して祖父の商いや財産を他の男に明け渡してしまうと焦ったという。万老夫人は再嫁しないと誓いを立てたが信じてもらえず、自ら左耳を切って投げつけ、黙らせたのだった。その時、ちょうど客房へ向かっていた凌不疑が回廊を通りかかる。不疑はそこで思いがけず四娘子の結婚観を知ることになった。「まさに″君 国士の如く我を遇すれば 我 必ず国士としてこれに報う″ね~」少商は万老夫人が貧しい出の自分を軽んじることなく敬い愛してくれた夫に報いたのだと敬服したが、自分にそんな英雄が現れないことを知っていた。母が世家(セイカ)の系譜を教えようとしないのも、自分が世家の嫁になれないことを知っているからだろう。「いつか平穏な人と平穏な人生を送れれば十分よ」「甘んじて普通の人に嫁ぐの?」「そりゃそうよ、生まれた時から甘んじるしかなかったんだもの…」一方、許嫁に振り回される楼垚(ロウヤオ)は一大決心して大兄の部屋を訪ねた。しかしなかなか戸を叩くことができず、引き返そうとしたところで楼犇(ロウベン)が出て来る。…楼垚、程四娘子でさえ喧嘩する度胸があるんだぞ…楼垚は思い切って大兄に破談にしたいと訴えた。気性が激しい何昭君(ハージャオジュン)とは性格が合わず、今や彼女と肖(シャオ)世子との仲を都中が知っているという。すると楼犇は意外にもあっさり賛成した。「二房には私がいる、お前が犠牲になる必要はない、どんな選択でも支持するよ」翌朝、少商は庭園の橋を修理している家職たちを見つけた。しかしどの木を動かしても全体に影響するため、結局、新しく建て直すことになりそうだという。萋萋の話ではこの池の水は東の郊外から引いており、水路だけで1万貫も使っていた。「大母の生辰の時は王姈(ワンリン)たちに自慢するの、汝陽(ジョヨウ)王府に負けないんだから!」すると少商はある計画を思いつき、萋萋を先に馬場に行かせて橋の下を調べることにした。凌不疑は万松柏と中庭を歩きながら、改めて蜀の堪輿図を見たことがないのか聞いた。しかし万松柏はあくまで知らないという。その時、凌不疑が池にかかる橋を渡ろうとした。万松柏は慌てて危ないと止めたが、凌不疑は橋の下に誰かが隠れていると気づく。「危ない橋だったか?…では気をつけないと」萋萋が馬場で買ったばかりの馬に乗っていると、ようやく少商がやって来た。しかし侍女から母が呼んでいると言われ、萋萋は少商に馬を預けて帰ってしまう。少商は試しにおとなしい馬に乗ってみたが、突然、馬が暴れ出した。その時、凌不疑が颯爽と駆けつけ、馬にまたがり御してくれる。すると馬を降りた不疑は少商の裳裾が濡れていることに気づき、橋の下に隠れていたのが四娘子だと分かった。「良馬は人の心を読む、怖がればいじめられるぞ? 人が強くなれば畏敬の念を払う、馬を馴らす極意だ、この世も大抵、同じ道理だな…」少商は急に男が近づいて怯えただけで、馬とは関係ないと強がった。「私から近づいたとすれば…君を久しく慕うからだ、しかし君は全く興味がない」「凌将軍、あれはでたらめよ?気にしないで それに将軍も父に言ったわ?私がまるで廷尉(テイイ)府で拷問する人みたいだと…」「君は橋の下で機密を盗聴した、拷問される側だ」凌不疑は四娘子を連れて橋の下に来た。少商は何も聞いていないと否定したが、不疑は自ら事情を明かしてしまう。「陛下の命で堪輿図を探しに来た、董(ドン)倉管の事案で兵器が蜀に運ばれたやも… 陛下が西巡に向かうため堪輿図が必要なのだ、しかし万将軍は隠している」すでに老夫人の居所以外は全て探ったが見つからず、四娘子だけが頼りだという。「万一族を救うためだと言ったら信じるか? …見つけてくれたら四娘子の計画のことは黙っていよう」不疑は少商の企みを見抜き、意味ありげに橋を叩いた。「助けてくれた暁には、その計画を必ず成就させてやる」少商は派手な出で立ちで萋萋に成りすまし、老夫人の居所に忍び込んだ。しかし運悪く老夫人が戻って来てしまう。物陰に隠れて息をひそめる少商、しかし老夫人は柱の影から見える裳裾に気づいた。「萋萋や、いい年をしてかくれんぼかい?」すると老夫人はかんざしを外すので書棚の箱に入れてくれと頼んだ。少商は仕方なく帷(トバリ)の陰から手を伸ばしてかんざしを受け取ったが、突然、老夫人に手をつかまれてしまう。「いいこと?花が彫ってある黄花梨(オウカリン)の箱に入れておくれ 黒紫檀の箱には触らぬこと、阿父が″宝物″を入れているから…」老夫人は凌不疑が帰ったと聞いて胸を撫で下ろした。しかし万家一族を危機にさらした息子に激怒、折檻する。萋萋はなぜ少商が急に帰ると言い出しのか分からなかったが、少商は家が恋しくなったと嘘をつき、伯父の悲鳴を聞きながら逃げるように出て行った。程始(チォンシー)は嫋嫋を優しく迎えたが、蕭元漪(シャオユエンイー)の怒りはまだ収まっていなかった。そこで少商は凌不疑が怖くて戻ったと明かし、何でも蜀の堪輿図を探していたらしいと話題を逸らす。「偶然、聞いたのです、奪われた兵器が蜀に売られたとか何とか…」程始と蕭元漪は娘が国の機密を知っていることに呆然、決して口外してはならないと言い聞かせた。すると程始が秘密にするなら罰を帳消しにすると甘やかし、嫋嫋を逃してしまう。凌不疑たちは堪輿図を手に入れ廷尉府に戻った。しかし梁邱飛(リャンチゥフェイ)はなぜわざわざ四娘子に借りを作る必要があったのか分からない。梁邱起は若主公が自ら捜索すれば万将軍が隠蔽した罪に問われてしまうからだと教えた。そのため万老夫人は騙されたふりをして程四娘子の手を借り、贈呈したことにして難を逃れたという。それより問題は皇帝の動きで蜀の者が警戒することだった。次の一手を躊躇すれば尻尾をつかむのが難しくなるだろう。今回の皇帝の西巡は警告のためだったが、後ろ暗い者たちがそう思うとは限らない。「陛下が一網打尽にする気だと思わせればどう出るかな?」「窮鼠猫を噛み先手に出ると?」不疑はまずは慌てさせろと命じた。ある夜、肖世子の屋敷に曲者が潜入した。結局、曲者には逃げられたが、重要な物は盗まれていないと分かって安堵する。そこへ使用人が慌てて駆けつけた。「世子!凌将軍が黒甲衛(コクコウエイ)を連れ包囲を…」肖世子が急いで正門へ向かうと、凌不疑が待ち構えていた。↑悪役は顔芸ができないとねwつづく(´-ω-`)うむ…武骨な凌将軍、すっかり四娘子に嫌われてるのに分かっていないのか?でも確かに管理人も今のところ阿垚派だわw弟は土3つで兄は牛3つ…え?どうでもいいですか?w
2023.07.14
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