約40年ほど前に帆船模型に凝っていて、サンフェリッペやヴィクトリーなど、戦艦は合計4隻製作したほか、船型のスマートさに惹かれてカティサークを製作しました。
サイズは全長105cm、全幅55cm、全高65cmです。
イタリアか北欧か、メーカー名は忘れましたが、チークやローズウッドなど素材は素晴らしい反面、
殆どカットされていないうえ、解説書が貧相で、上級者向けとか書いてはありましたが、随分試行錯誤の連続で苦労しました。戦艦に比べて船倉や砲門など船体の製作は比較的楽なのですが、高速船だけに3本マストのロープワークが非常に複雑で、途中で分からないため、神戸商船大学に行って教えてもらったほどです。約8か月間集中して約500時間掛かりました。
その間、6畳の部屋は部品準備、部品加工、塗装乾燥、仮組、本組の工程ごとに仕掛品があふれ、どこまで作っても終わらない製作過程はまさに模型の王様と呼ばれるにふさわしい優雅なものでした。しかし、振り返ってみると、製作中だけでなく、完成後もゆったりとガラスケースに入れて保管しておかないと、帆のマストを引っ掛けようものなら、ロープが外れて全体が一気に緩んで垂れ下がってしまい、修復に多大の時間を要します。絵画や彫刻を飾っておられるような広い部屋がないと見て楽しむこともできないので、時間とともに王様の空間が必要なことも分かりました。
この模型は製作後、別荘のリビングにずっと陳列していましたが、別荘を処分し、72歳になったのでどなたか愛好家の方に引き継いでいただければ、嬉しいです。
最近1か月掛けて、陳列中に生じた損傷個所を修復するとともに、長年のホコリを
筆、刷毛、エアスプレー、カメラレンズクリーナー、ウェットティッシュなどを駆使して、丁寧に
除去した次第です。
別荘からの持ち帰り中に結構マストやロープを損傷していたので、一つ一つ修復しました。
修復が完了した現在の状態です。
完全ではありませんが、完成時の姿が蘇り、ほっとしています。
撮影写真を整理してさらにアップしますので、よろしくお願いいたします。
なお、帆船のもう1隻の戦艦ヒーローに関しては別稿をご覧ください。
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