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2009.04.25
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カテゴリ: 心理・教育
めがねの先生.gif

 きちんとした厳しい担任の先生が、クラスをびしっとまとめます。
 ところが、その次の年、担任の先生が代わると、クラスが急に乱れ出す・・・そんなことってよくあるように思います。

 このとき子どもに起こっている変化ってなんでしょう。
 子どもの気がゆるむ
 子どもが甘える
 子どもが先生をなめる
 子どもがだれる
 こういったことがあるかもしれません。

 でも、僕はしばしばこんな印象を持ちます。
「子どもがふやけてる」
 「厳しい先生」といってもいろいろあります。おこるとこわい先生、口うるさい先生、宿題忘れをすると執念深くやらせる先生、などなど・・
 でも、子どもにとって本当にこわいのは、きっとこういう先生でしょう。
 自分の意に沿わない、自分の方向性に従おうとしない子どもには、様々な形でプレッシャーをかけ続け、「私の思い通りになろうとしないなら、1年間針のムシロよ」という無言のメッセージを送る先生。
 こういう先生に担任された子どもたちは、嬉々として、顔を輝かせて先生の望む子どもになって行きます。そうなることができない子どもたちは、先生に反抗して、先生の要求をある程度拒絶することで現状と折り合おうとします。しかし、それができない子どもたちの場合、あるいはそれをゆるさないほど先生の圧力が強い場合は、子どもは、自分を「フリーズ」させてしまいます。
 先生が要求することに自分がどう感じるか、本当は自分がどうしたいのか、嫌悪感や好み、嗜好など、「何も感じないように」してしまうのです。それは、兵士が戦場で、かわいそうだと思う感情や良心を感じないようになってしまうのに似ています。自分の感情をフリーズさせて、感じないことで、逆らうことのできないいやな先生と1年間うまくやろうとするのです。もちろん、無意識に。

 ずっと前の話ですが、おもしろおかしいこと大好きな、しょうがないわんぱく坊主A君が、S先生に担任されて、おとなしいいい子になってしまったのにおどろきました。S先生好みの、みんなで歌を何曲か歌って、おとなしいゲームを織り交ぜた、まことにお行儀のよいお楽しみ会に、A君がいい子で参加していたことに、違和感、というよりは気味の悪いものを感じました。
 また、業間の休み時間、子どもたちは外に出ることもせず、いやな顔もせずにあたりまえのように係活動をしていました。あのA君も。
 翌年、その先生のあと、A君は荒れました。荒れるというよりは、わけがわからない感じ。まるで幼くなったみたいで、フニャフニャして収拾がつかない感じでした。A君の他にも何人かはそうでした。

 A君は、S先生に担任された1年間、自分をフリーズさせていい子にしていました。そして、この先生から離れて「解凍」したのでしょう。そして、解凍したA君の心は「ふやけた」感じそのもの。S先生との1年間、A君の心、はフリーズさせていたからぜんぜん成長していなかったのだと思います。
 先生の要求、それに対して自分の内面の感情があり、時には文句を言い、時にはサボタージュし、時には渋々従う。また時には先生の気持ちもわかり、道理もわかり、自分で納得してそれをします。いろいろな場面、いろいろな形で先生や学校生活と自分の間でうまく折り合いをつけ、時には妥協しながらうまくやっていく、そんな作業を繰り返すことで、相手や自分を理解し、社会性を身につける、それが成長でしょう。
 フリーズしていた1年間、彼は全く成長がなかったのだと思います。

 全部が全部じゃないけど、「力のある先生」「学級経営のうまい先生」の中の何パーセントかは、子どもをフリーズさせるだけの先生であるように思います。

 先生が、自分の指導を子どもに徹底させようとするのはいいと思います。やはり教育は先生から子どもに発信するという要素は大きなウェイトを占めるものです。だけど、そういう先生ほど、人間として、どこか弱いところやぬけたところ、穴がないと、子どもにとってつらいと思うのです。 





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Last updated  2009.04.25 21:50:13
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