【8月】
31)カンボジアのポト派元最高幹部に終身刑
「カンボジアの悪夢」と呼ばれるポル・ポト派(クメール・ルージュ共産主義)政権時代、世界はその実情を知りませんでした。
後でわかったことには、4年間で人口800万人の国の200~300万人の知識人が虐殺されていました。
解放された時の人口の年齢比は、85%が14歳以下の子どもでした(ポル・ポトは純真無垢な子供を優遇したから)。
今で言ったら、「イスラム国」がシリアのアサドと手を結んで、恐怖政治をしていたのを中国が援助していたようなもの?
ベトナム戦争直後のことで、もともとカンボジアはアメリカの支援を得てベトナムと対抗していました。
これもちょっと中東情勢と似てます。
アメリカの傀儡政権(ロン・ノル将軍)に追い出されたシアヌーク国王が、過激派共産主義組織と組み、中国の後押しで逆襲してロン・ノルを駆逐します(国民は国王支持でしたから)。
ところが、シアヌークはポル・ポトに軟禁され、”原始共産主義”を振りかざし文明を否定、知識人が逮捕され虐殺されました(医者・教師・技術者・僧侶・役人・メガネをかけている人・新聞を読める人・・・)。
カンボジアの荒れ地に、白骨が埋め尽くされました。
こんなひどいことをしたポル・ポト派の幹部二人に、35年の時を経て終身刑の判決が下されました。
裁きで時計の針が戻ることはありませんが、人類の教訓として心に深く刻まなければなりません。
32)エボラ出血熱でWHOが緊急事態宣言
1995年制作ダスティン・ホフマン主演アメリカ映画 『アウトブレイク』は、エボラ出血熱をモチーフにした恐怖映画です。
エボラ出血熱の原因となる、エボラウイルスが発見されたのは1972年6月、アフリカ・スーダンのヌザラという町でした。
倉庫番をしていた男性が急な高熱と頭・腹部の痛みで入院、消化器、鼻から出血して死亡しました。
その後、感染が広がり、284人が感染、151人が死亡しました。
同年8月、コンゴ共和国北部で、同じ出血症状を出した男性から、病院内で318人の患者が出て、280人が死亡、エボラ出血熱であったことが確認されました。
その後もアフリカのコンゴ、ザイール、象牙海岸で散発的に流行し、1995年コンゴの病院で315人が発症、280人が死亡しました。
エボラウイルスは患者の血液や体液(排泄物・唾液)で感染し、対処療法以外の特異的な治療法はありません。
通常、細菌やウィルスは、人間の樹状細胞という免疫システムが退治します。
しかし、エボラウイルスはその樹状細胞に取りついて、破壊してしまうのです。
警察や軍隊に悪魔が取り付き、市民を攻撃するようなものです。
映画『アウトブレイク』では、ワクチンが作られ地球の危機は回避されますが、エボラ出血熱ではそういうことはありません(富士フイルムが研究していたインフルエンザ用の、ウイルスの遺伝子を壊す薬は有効かもしれない)。
ちなみに”アウトブレイク”とは、「感染症について、一定期間内に、ある限られた範囲内あるいは集団の中で、感染者が予想よりも多く発生すること。特に、その集団内ではこれまで特に見られなかったような感染症が急激に広まること。「集団発生」などとも訳される。院内感染などもアウトブレイクと呼ばれる。(新語時事用語辞典)」ということで、感染が世界的規模に拡大した状態を「パンデミック」といいます。
33)勢力を拡大する「イスラム国」に米軍がイラクで空爆開始
今年登場した、新しい敵。
イスラム国とは、”ISIS”と呼ばれていたアルカイダ系過激派組織の最高指導者アブ・バクル・バクダディが、6月に樹立を宣言した国。
反欧米ジハードを掲げ、11年に拡大したシリア内戦に加わると、周辺国から流れてきたスンニー派過激派を吸収、シリア、イラクにまたがる地域に勢力を広めています。
その手法は”恐怖”。
住民の目の前で見せしめの公開処刑で恐怖を植えつけ、批判する他国に対しても、捕虜やジャーナリストを残酷な方法で殺害し、ビデオで公開します。
その残酷な手法にアルカイダからも破門されました。
イスラムの過激派組織なのですが、外国人戦闘員の数が多く、アラブ諸国以外でも欧州や中国人も多く加わっています。
日本人も一人参加しようとして捕まりました。
自国での不満のはけ口に、深い考えもなく、力に憧れて集まるのでしょう。
世界一金持ちのテロ集団と言われるように、資金面でも裕福で、一説では1日3億円の収益があると言われています。
収入源は、制圧した地域の油田からの売り上げ、支配した地域の略奪、人質の身代金などです。
今年の原油価格の暴落は、イスラム国の密輸の対抗策だとの見方もあります。
オバマ大統領は、中東から手を引きたいのが本音ですが、イスラム国が増長することはアメリカの国益を損なうという判断で、しぶしぶ空爆を許可したのでした。
安倍首相の推し進める「集団的自衛権」や「新武器輸出三原則」は、次第に中東の混乱に日本も加わっていく道筋をつけるものです。
銀座や渋谷でテロ攻撃が始まる日も近いかもしれない。
34)米ミズーリ州で警官が黒人青年を射殺
ミズーリ州ファーガソンで、18歳の黒人少年を白人警官が撃ち殺した事件に、住民が抗議行動を起こし、暴動や略奪まで拡大する騒動になりました。
丸腰でホールドアップをしている少年に、6発も銃弾を撃ち込んだということですが、大陪審はこの警官を不起訴にしました。
さらにニューヨークでも、職質を受けた黒人が、数人の警官に抑え込まれ、首を絞められて殺される事件が起きました。
この場面を目撃した通行人が一部始終を録画していて、公開されました。
この映像を見る限り、被害者の黒人は首を絞められて拘束されなければならない行動はとっていないし、抵抗もしていません。
ただ「息ができない」と必死に訴えている声が残っていました。
また、12月にもファーガソンの隣の町で18歳の黒人が白人警官に射殺され、問題はどんどんエスカレートして、暴動も大きくなっています。
僕の子供の頃の印象は、アメリカは差別がひどくて、『アンクルトムの小屋』という小説を読んで黒人の悲劇を知ったし、テレビで『ルーツ』という黒人奴隷の話が話題になり、学校で主人公のクンタ・キンテの物まねをしたりしてました。
少し大きくなって映画を見るようになっても、シドニー・ポアチエは差別と闘っていましたし( http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/200608210000/ )、『マンディンゴ』や『カラーパープル』も衝撃的でした。
『ドライビング・ミス・デイジー』は、人種差別の愚かさを、心温まるストーリーで教えてくれました。
その他、映画の中では”差別”はいけないんだ、人はみんな平等なんだって分かり合えていたと思ったけど、スクリーンと現実とは違う世界なのでしょう。
人種も原因の一つだろうけど、多くは貧富の格差が問題の根底にあります。
この状況を乗り越えるには、社会の努力も必要ですが、個人の考えも変わっていかなくては歩み寄れません。
35)トルコ大統領選でエルドアン首相が当選
大統領の位置づけは、各国で異なります。
アメリカのように、トップとして君臨する場合もあれば、ドイツのように行政は首相が統括し、大統領は象徴として存在するだけの国もあります。
その国の制度が職域を決めていきますが、今回のトルコの場合は、首相を12年間務めて経済発展に貢献したエルドアンが、改正法で直接選挙によって大統領に選ばれたとなると、いままでドイツ型だった存在がアメリカ型の強権型に変わっていくだろうと想像できます。
トルコは中東問題とロシア問題、EU・ギリシャ問題に深くかかわる位置に国土を持つため、強力な大統領はある意味必要だったかもしれません。
それにしても、トルコと聞いて思い出すのは、日韓W杯の試合。
何でコーナーキックでウミト・ダバラをフリーにしたかなぁ・・・。
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