2003年05月12日
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8月27日(日曜日)曇り時々雨

先日、入院してきた閉鎖病棟の女性患者(桑名さん)は55歳の挨拶もしない無愛想なオバサンだった。

今朝、彼女が初めて食堂に姿を見せて座った席が何時も市口さんが座っている私の横の席に座ったので「その席はもう直ぐ来る患者さんの占用している席ですから前の席に座って下さい」
と私は云った。
桑名さんは無言で席を変わった。
そしてその瞬間、私の悪戯心が芽生えた。
早速、市口さんの部屋に行き、事前に打ち合わせをしたのだ。
「市口さんよ、君の席の前に新入りのオバサンが座っているので、君を見ると必ずオバサンは驚くはずだから、ニコニコ挨拶せずに黙って前に座ればオバサンは必ず驚いて席を移動するから愛想を振りまかないで黙って席につくように…」と。
そして、市口さんも了解し彼は少し遅れて食堂に来た。
彼は私が云った通りに無言で彼指定の席についた。
桑名さんの表情を観察すると、市口さんを見て一瞬たじろいで席を変わろうとしている様子だ。

それはそうだろう、こんな怖そうな男が前の席で無言で居れば誰でも席を替わりたくなる。
私は作戦成功と思った瞬間、市口さんは桑名さんに醤油や調味料の説明を優しくしだした。
席を替わろうとしていた桑名さんは少し驚いた表情ながら「ありがとうございます」と云って又、同じ席に座り直したのだ。
アホか!これでは何の為に事前に打ち合わせをしたのか判らないではないか!
私はテーブルの下で市口さんの足を蹴飛ばした。
驚いた市口さんは私に対し目で「ご免!」と云っている。
それから市口さんと桑名さんは病院内のことを楽しそうに話し始めたのだ。
食事が終わり桑名さんが席を外した時に私は彼に叱った。
「約束が違う!何故打ち合わせのように黙っていなかったのか…」
私が叱ると彼は「ご免!どうしても自然に話してしまった。約束をその時は忘れていた」と云う。

この男、市口さんは顔や姿は強面だが本質は全く逆で優しい男の為、自然に桑名さんが困っていそうだったので教えたのだろう。
そして、彼は私に申し訳ないから1週間、私の云うとおりの仕事をするから許して欲しいと云った。
私はそれでは、これから1週間私の「パシリ」をしてもらうことにした。(^0^)
そして、私のタバコや飲み物の売店への買い物は総て市口さんに行かせたのだ。
もちろん新入りの桑名さんにも、その事を話すと大笑いしていたが、あの時は本当に怖かったそうだ。
一刻も早く席を変わろうと思ったらしい。
桑名さんは、あの時は禁断症状で挨拶はもちろん話すことも苦痛だったそうだ。

そんな、たわいもない悪戯で入院生活を楽しくしていた。
桑名さんには驚かせて申し訳なかったが…。(^:^)
そしていつの間にか桑名さんも「アダムス一家」の一員になっていた。
アレ?私もいつの間にか「アダムス一家」の一員になっていたの??。
これで、益々病棟が楽しくなる予感がしてきた。





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最終更新日  2003年05月12日 13時16分22秒
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