話飲徒然草(S's Wine)

話飲徒然草(S's Wine)

2021年05月22日
XML
2018年の夏に書いた記事です。記事上では、飲んだワインの本数をカウントした表を添付していたのですが、手元に見当たらないので割愛します。
**********

いや、それにしても暑い。地球温暖化が叫ばれて久しい昨今、少しぐらいの暑さには驚かなくなったが、今年の夏は別格だ。おかげで定期的に通っていた低山ハイキングもすっかりご無沙汰だ。せめてもの運動不足解消にと、週末2時間ほどウォーキングをしたら、軽い熱中症に罹ったらしく、帰宅後酷い頭痛に襲われた。ウォーキングをするのも命がけとは、本当に災害レベルといってよい暑さだよなぁと思ってしまう。
ワイン愛好家たるもの、こう暑いと心配になるのがワインセラーの冷え具合だが、幸い我が家の16年目のサイレントカーブと10年目のユーロカーブはいずれも12~13度の設定温度を保ってくれている。今年はあまりに暑いので、家の中ではほぼ終日エアコンが稼働状態だ。セラーのある部屋も例外でなく、例年よりエアコンの稼働率が高いことが、セラー温度の安定に役立ってくれているのかもしれない。

さて、このような天候ではワインには手が伸びないかといえば、そんなことはない。いつもどおり1週間に2~3本程度のペースで、自宅でボトルを開け続けている。飲むワインの種類については、例年、梅雨明けから7月中ぐらいはもっぱら泡もの中心、8月に入ると、エアコンの効いた室内に体がなじんで、だんだんと赤ワインが恋しくなるのが常だ。しかし、今年はいかんせん暑すぎて、どこまでいっても泡ものにしか手が伸びない。
そもそも、現在私が飲んでいるワインは、1年を通じて泡もの、特にシャンパーニュがかなりの比率を占めている。幅広い食事に合わせやすい万能性、炭酸ガスによる良好な保存性、ボトル差やロット差などにあまり悩まなくて済む均質性、それでいて品種や作り手、地域の違いによる香味の多様性など、私のシャンパーニュへの興味と傾倒はまだまだ収まりそうもない。もっとも、シャンパーニュを積極的に楽しむようになったのはここ数年のことで、それ以前は「ワイン会の乾杯酒」程度にしか考えていなかったものだ。
では、たとえば5年前、10年前にはどのようなワインを飲んでいたのだろうか?ふと思い立って、今年(2018年)と、5年前(2013年)10年前(2008年)の上半期(1~6月)に飲んだワインの種類や内容を比較してみた。

■飲んだワインの本数と赤白比率(単位:本) ※表割愛

まず、各年上半期に開けた本数と赤白泡の種別をまとめたのが上の表(割愛)である。本数については、自宅の晩酌で開けたものと持ち寄り会の際に自分が持ち込んだもののみをカウントして、その他のワイン会や有料試飲で飲んだもの、外食時に店で注文したものなどは数に入れていない。

2008年の合計本数は62本とかなり多かったが、5年前の2013年と2018年とを比べると、2018年の方が3本多いという結果になった。最近めっきり酒量が減ったと吹聴しているわりにはペースが落ちていないじゃないかと突っ込まれそうだが、そういうことではない。
表からは判らないが、2013年当時は今より外食で飲む機会がはるかに多かったのだ。
例えば2013年は、上期だけで8回ワイン会に参加していたし(ちなみに2008年は6回、今年は0回)、仕事絡みの会食予定も毎週のように入っていた。
半年で50本前後という本数は、1週間あたりに換算すると2本弱ということになる。現在は自宅でボトル1本を2日か3日に分けて飲み、間に1~2日休肝日を挟むというペースが定着しているが、2013年はそこにワイン会や会食の予定が入っていたわけだ。それでいて自宅で開けた本数が2018年とほぼ同数ということは、今ほど休肝日をきちんととっていなかったということなのだろう。たしかに、この頃は「2週間で1日も休肝日を設けていない」などということがざらにあったような気がする。よく肝臓が悲鳴を上げなかったものだ。
 また、最近シャンパーニュばかり飲んでいるとばかり思っていたが、集計してみると2018年においても泡の比率は25%に過ぎなかった。もっともこれは夏場が含まれていないことによる区切りの問題も多分にあって、通年でカウントすれば泡の比率はもっと上がると思われる。
それにつけても、10年前の2008年には半年間でわずか1本しか泡ものを開けていなかったというのは驚きだ。もっともこの当時は、ワイン会の乾杯時などでプレステージクラスのシャンパーニュを味わう機会は今よりも多かった。我ながら、全くもって「馬の耳に念仏」だったなぁと思う。
 色別の比率を見ると、どの時期においても赤ワインが最大勢力であるのに変わりはない。特に2013年は赤の比率が8割を超えていた。2018年は泡が増えた分、相対的に赤ワイン比率も減ったが、それでも飲んだワインの半数以上が赤ワインだったということになる。2008年については後述するが、いろいろなジャンルや産地を試していた一環で、白ワインを開ける機会も多かったのだと思う。

■産地
次は産地別の表を見てみよう(割愛)。フランス産がもっとも多いのは、この10年間変わっていない。そしてフランスの中でもブルゴーニュの割合が圧倒的に高い。例えば2018年は、ここまで52本開けたうちの86.5%にあたる45本をフランスワインが占め、その68.8%にあたる31本がブルゴーニュ、残りのほとんどはシャンパーニュだった。
2008年を見ると、比較的いろいろな産地のワインを開けているが、これには大きく二つの理由があったと記憶している。
ひとつは前年の2007年にシニアワインエキスパートの資格を取得して、その流れで意識的にいろいろなエリアのワインに接しようとしていたこと。もうひとつは、リーマンショックの影響が深刻化する中、わが家もワイン関連費用を削減しようとしていたことだ。ブルゴーニュだけを見ても、2008年はACブルゴーニュなどの一般広地域名ワイン、俗にいう「裾もの」の比率が51.6%と最も高かったが、そこからさらに踏み込んで、より安価に楽しめるエリアや品種を開拓したいと試行錯誤していた時期だった。国産ワインにも入れ込んでいて、某社がブロガー向けに主催する勝沼ツアーに参加させていただいたりもしたものだ。
とはいえ、この目論見は結局長続きしなかった。ブルゴーニュ以外に目を向ければ、CPが良好で美味しいワインがいろいろあることは頭で理解できても、それらが自分自身の中で確固たるポジションを築くところまでは至らなかったということなのだろう。
5年後の2013年にはブルゴーニュ一辺倒に戻ってしまったのが、表からも一目瞭然だ。この年はなんと、上半期に飲んだ総本数49本のうち41本がブルゴーニュだった。
「裾もの」比率も34.1%と私にしては低めで、自宅で村名以上の銘柄を開ける機会が多かったことを表している。円安が進行する一方でブルゴーニュワインが今ほど値上がりしておらず、07年や08年のような、村名でも4~5000円未満で購入できて比較的早くから飲めるバックビンテージも出回っていた。思い返せばブルゴーニュ好きには良い時期だった。

■購入価格やセラー保存年数など

今度は切り口を変えて見てみたい。飲んだワインのうち、購入価格が概ね5000円を超えるものを(記憶している範囲で)カウントしたのが上の表の列「①」、3年以上自宅または寺田倉庫のセラーで保存していたボトルの数と割合が列「②」だ。(表はいずれも割愛)
通常、我が家の晩酌ワインは概ね3千円台までを目安としているが、1~6月という期間でみれば、正月休み、上の子の誕生日(1月)、結婚記念日(4月)、カミサンの誕生日(4月)、ゴールデンウイークなど、普段よりもよいワインを飲みたくなるタイミングがいくつかある。これらのボトルの多くはそうした休日や記念日にかこつけて開けたものか、もしくは持ち寄りワイン会等に持参したものだ。
2008年はリーマンショックの影響か、5000円以上のボトルは全体の1/4以下(24.2%)に抑えられていた。一方、2018年は36.5%と高めだった。
②の「3年以上セラー保存」のボトルの比率は、どの年においても2割を少し上回る程度だが、これらのボトルは相対的に高額なものが多い(でなければ3年も待たずに飲んでしまう)ので、実質的にほとんどのアイテムが「5000円以上のボトル」と重複している。
たとえば、2008年は「3年以上セラー保存」も「5000円以上のボトル」も15本と同数だった。あらためて内訳を調べてみると、そのうち14本が同一銘柄だった。
ところが2018年になると、「3年以上セラー保存」が11本なのに対して、「5000円以上のボトル」は19本と開きが大きくなった。裾ものですら5000円を超える銘柄が増えてきたことや、セラー内の比較的新しい(3年未満の)ボトルを積極的に開けたことなどが原因だ。
表の右端列「③」は、飲んだボトルのうち、福袋やセットなどのセール品の本数と割合だ。なんと2018年はトータル52本のうち、4割弱にあたる20本が「セットや福袋で購入」したボトルだった。具体的には、年初に購入したシャンパーニュの福袋、ACブルの赤白それぞれのセット、自然派ワインの福袋などだ。
これらの一本当たりの金額を計算すると、2600円程度とコストパフォーマンス的には良好だった。しかし、セラーに保存したワインたちが、記念日等を除いてなかなか消費されないまま、寺田倉庫の保管料が毎月引き落とされ、その一方で日常消費用のワインを別途セールでちまちまと購入しているというのは、健全な姿とは言い難い。
そう、これがまさに我が家のワイン消費の構造的な問題なのだ。

■わが家のワイン消費の問題点
例えばブルゴーニュワインであれば、毎年新しいビンテージの村名や地域名の銘柄を手広く購入してセラーに保存しておき、ビンテージや生産者、畑の特性などにより、徐々に飲みごろを迎えたボトルから日々の晩酌で開けていく。そうしたサイクルを自宅で実現できることが理想だ。ところが、我が家の場合はどうしても「セラーで長期保存するワイン=高額なワイン」という発想になってしまい、村名クラスのボトルなどは、熟成させるところまでいかずに早開けしてしまうということの繰り返しだった。片や特級クラスなどのボトルは、寝かせておいてもなかなか飲み頃は訪れないし、ようやく飲みごろを迎えても、そうしたボトルたちに対して日常の晩酌では役不足の感がある。といって、最近はワイン会にも出かけないし、一年の中で記念日がそうそうたくさんあるわけでもないので、これらのボトルの出番は滅多に回ってこない。こうしてセラーの中身の大半が不動のラインナップと化して循環せず、一方で日常消費用のワインはセラーの中にはほとんどないので、別途日々購入するというパターンが続いているのだ。まあ、そういう視点で見れば、2018年の上半期などは、比較的セラーのボトルを消費したほうではあるのだが。

そろそろ終わりの見えてきた私自身のサラリーマン生活と照らし合わせた時、毎月引き落とされ続けている寺田倉庫のロッカー費用をなんとかしておかねばならないという思いは常にある。さらには、購入後それぞれ16年と10年になる我が家のセラーがいったいいつまで現役でいられるのかという問題もある。(どちらかが壊れたときは1台にまとめるようにとカミサンから厳命されている。)
自分でワイン会を主催して、手持ちのワインたちをどんどん開けていくとか、飲む予定のないボトルをオークションなどで処分するとか、抜本的な対処法を考えなければならない時期に来ていることは、頭ではわかっていることなのだが、なかなか重い腰を上げられずにいる。ミニマリスト的なワインライフに変えていくのが、今後の私のテーマだと毎回のように書いているが、実はこれって結構難しいことなのかもしれない。


そうこう言っているうちに、子供たちが酒を飲める年齢が近づいてきたので、子供のビンテージのワインを開ける機会は増えそうですが。気付いたら子供達にガンガン飲まれていたりして・・笑





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2021年05月22日 20時24分50秒
コメント(0) | コメントを書く
[ワインコラム3(RWGコラム拾遺集)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Comments

shuz@ Re[1]:今になって新型コロナ感染(8日目)1週間ぶり出社(04/25) うまいーちさんへ お久しぶりです。コメ…
うまいーち @ Re:今になって新型コロナ感染(8日目)1週間ぶり出社(04/25) コロナですか。お大事に。 私もなりました…
shuz1127 @ Re[1]:【竹橋ランチ】マンマ・ミーヤ再び(娼婦風)(02/09) maki5417さんへ コメントありがとうござ…
maki5417 @ Re:【竹橋ランチ】マンマ・ミーヤ再び(娼婦風)(02/09) スパゲッティーは、材料費が安くお店にと…
shuz1127 @ Re[1]:【悲報】東京アスリート食堂ランチ値上げ(02/08) Henryさんへ なんと、そうだったんですか…
Henry@ Re:【悲報】東京アスリート食堂ランチ値上げ(02/08) アスリート食堂は、昨年8月に親会社(バル…
shuz@ Re[1]:2024年あけましておめでとうございます(01/01) Sugar7さんへ 本年もよろしくお願いしま…
成山裕治@ Re[1]:柴又帝釈天~その2(12/30) ダイアパレスさんへ

Category

カテゴリ未分類

(6)

お知らせ・リンク集

(21)

ワイン新着情報

(443)

ワインコラム

(342)

ワインコラム2(話飲徒然草拾遺集)

(74)

ワインコラム3(RWGコラム拾遺集)

(28)

都内近郊散策

(224)

こんな店に行った

(295)

B級グルメ・カフェ

(242)

健康

(195)

エッセイ

(69)

ひとりごと・備忘録

(521)

カミサン推薦ネタ

(28)

語学・資格・学び直し

(76)

山歩き・ハイキング

(122)

アクアリウム・ガーデニング

(336)

育児・教育

(88)

PCネット時計カメラ

(118)

音楽・オーディオ

(69)

リフォーム引越し

(49)

こんなワイン買った

(128)

ボルドー

(95)

ブルゴーニュ・ジュブレシャンベルタン

(90)

ブルゴーニュ・モレサンドニ

(40)

ブルゴーニュ・シャンボールミュジニー

(45)

ブルゴーニュ・ヴォーヌロマネ・ヴジョ

(56)

ブルゴーニュ・NSG

(58)

ブルゴーニュ・その他コートドニュイ

(63)

ブルゴーニュ・コルトン・ポマール・ヴォルネイ

(30)

ブルゴーニュ・ボーヌ周辺

(56)

ブル・ピュリニー・シャサーニュ・ムルソー

(21)

ブルゴーニュ・その他コートドボーヌ

(26)

ブルゴーニュ・裾モノイッキ飲み!

(217)

ブルゴーニュ・その他地域

(34)

ボジョレー再発見プロジェクト

(32)

シャンパーニュ

(194)

ロワール・アルザス・ローヌ

(53)

その他フランス

(15)

イタリア

(76)

スペイン・ポルトガル

(36)

ニュージーランド・オーストラリア

(49)

USA

(40)

安泡道場(シャンパーニュ以外)

(37)

その他地域・甘口など

(37)

日本ワイン

(56)

ワイン会・有料試飲

(173)

Favorite Blog

山梨県南部町にある… New! ささだあきらさん

アルマン・ルソー … mache2007さん

ルフレーヴ / 2002年… hirozeauxさん

5月のワイン yonemuさん

食堂light ミユウミリウさん

ワイン&ジョギング … Char@diaryさん
道草日記  旅・釣… 道草.さん
鴨がワインしょって… うまいーちさん
Wine Lover margaux1966さん
ワインと絵画がある… busuka-sanさん

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: