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2005年09月15日
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中国に清朝末期が舞台の大作です。
末期といえばラストエンペラーですけど、その前の皇帝の頃の話。
あの有名な西大后が活躍(?)した頃のお話です。

主人公はこの西大后に仕えることになった一人の宦官です。
小さい頃に出会った凄腕の占い師に「中華の財宝を手に入れる」と予言されたことに導かれて、
貧しい生活から抜け出すために宦官になったわけ。
後宮に出入りするという役柄、男性であることを「やめて」宦官になるわけですけど、
彼が男をやめて宦官になった理由は「貧しいから」。
お金があれば、勉強をして科挙を受験して官僚として仕えることができるから、
逆にお金のない彼は、頭がいい・悪いの前に科挙は無理なんですね。

対照的に同郷で彼の兄と「義兄弟だ」と仲良くしていた土地の名家の次男坊は科挙をトップで合格。
官僚の道を歩いていくことになり、宦官の彼とは絶縁状態に。
(宦官と官僚は仲良くしてはいけません ということになってたそうで)
しかも、二人は皇帝側と西大后側に分かれることになってしまい・・・。

二人がお互いを思いつつも、立場上相容れなくなってしまうので、
最後まで二人の友情の行方がとっても気になります。


西大后と言えば、悪女・ゴーマン女の代名詞のように使われていますが、
この本では「実はそうでもないのですよ」という観点で書かれています。
この時代は欧米列強が中国をそれぞれ「切り取って」自分のものにしようとしてた時代。
欧米メディアが都合のいいように西大后像を作り上げたとしてお話を書いています。

本当の西大后は、民衆から「老仏爺」と呼ばれたように慈母で生き仏のような人物だったのかも。
彼女の甥っ子であるときの皇帝とも対立なんてしてなかったかも。

清朝という巨大な国が倒れようとしているときに、宿命だとあえて悪者に徹した西大后に対して、
国が倒れては困る官僚・宦官たちが、お互いの利権・利益のために対立したことでどんどん狂ってしまう。
そんな末期の混乱の様子が、沢山の魅力的な人物と一緒にいきいきと浮かびあがってきます。

一人の人間の栄光を掴むまでの話でもあり、友情の話でもあり、歴史の話でもあります。

文句なしのおすすめ作品です。(やんちゃさんありがとう)


蒼穹の昴(上) 蒼穹の昴(下)





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最終更新日  2005年09月15日 09時18分36秒
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