少し間が空いてしまった。前回の続き。
ワイン通とワインオタクとの間には微妙だが distinct な差が有る。前者がマズローの第四段階の承認欲求の段階に止まるのに対して後者は第五段階の自己実現の欲求まで達している。実際私が今まで出会ったワイン好きを自称する人は殆どワイン通の段階に留まっているように思える。勿論、原資が潤沢に有る人は有名どころを自腹で買って開け SNS でアップしているが(非常に稀だが)、よく見ると counterfeit だったり事も結構多い。結果俄ワイン通、エチケット飲みで有る事を自ら露呈し、マウンティングを仕掛けてカウンターマウンティング状態と大変微笑ましい結果になっている事もある。
ワインオタクはワイン通とは一線を画する。この段階からは自分の評価軸をしっかり持ち、無知の知という悟りに達し改めて勉強しなおすという求道者の側面を持つ。女史なき後の DRC や神なき後の Rouget を法外とも言える値段で買う事を美学的に拒否し(それはあたかも高価な免罪符を通して、ワイン通としての他人の評価を買うようなものだ)、レア物や評価が定まっていないものを自分の評価軸で発掘して収集する事で、自己達成を図る。勿論それは承認欲求という目的もあるが、それはあくまでも副次的なもので主目的は自らの探究心を満たす事だ。この状態で初めてエチケットの束縛から脱し、ワイン本来の凄みというものが分かってくるように思う。
(この項続く)
Intermezzo 2022/09/04
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