シャンパーニュをブル白で割った方が美味しいとの確信に至り、半年前にこのブログを書いた訳だが、その後も割り続けている、というか割らずには飲めない体になってしまった。
シャンパーニュの作り方を勉強すればする程この割って飲むのが正解であるように思う。
結局のところ、シャンパーニュの主目的は肌理が細やかで綺麗な泡を出し、特別感を演出することのように思う。勿論味や香りも大事で有るがそれは副次的目的だ。この主目的に沿ってシャンパーニュ方式が編み出され改良されて来たと言えるだろう。優れたテロワールの元で栽培、醸造方法に拘り、味わい、香りだけを追求して来たブルゴーニュと比較するべくもない。栽培に関してもブルゴーニュでは質を決める重要なファクターとしてビオや仕立て方等既に確立されているが、シャンパーニュは20年程遅いように感じる。
そしてシャンパーニュの複雑な醸造方法。概要として一次アルコール発酵、マロ、二次アルコール発酵と三回の過程を経る事は良く知られているが詳細は怪奇とも言える程複雑だ。(私も含めて)シャンパーニュの製法を詳しく知っている人は余り居ないであろう。
第二次発酵でアルコール度が上がりすぎないようにする為、安全を見て第一次発酵はアルコール度 10 度程度で止めるとの事だ。勿論ステンレス槽での発酵(例外的に樽も有るが古樽)。ブルゴーニュに於いてステンレス発酵で作りアルコール度 10.5 度と言えば Coteaux Bourguignon クラスだ。そしてマチエールもテロワールを考えれば結局のところ Coteaux Bourguignon と大差がないだろう。そして Coteaux Bourguignon といえば軽い、シャバシャバしたワインだ。これが réserve ワインも含めたシャンパーニュの元ワインだ。
次はマロ。今やシャンパーニュでもマロは当たり前になったが春になり気温が上がり自然にマロが始まるブルゴーニュと違い、シャンパーニュでは人為的に乳酸菌を追加。マロの後は二次アルコール発酵だが、その為にアッサンブラージュの他に補糖、酵母(多くは培養酵母)を人為的に追加、そして零下4度で1週間放置して(或いは酒石酸、 CMC の投入)酒石を析出させる。泡立ちを良くする為に不純物を減らす訳だが、ここで風味も飛び単純なワインになってしまうことは容易に予測できる。
勿論貶める積りは無いし真面目に作っている人もいる事は承知だが、シャンパーニュの酒質を粗く感じるのはこの為だろう。そしてそれが故に良質のブル白をシャンパーニュで割ると上品で奥行きのある果実が加わり、シャンパーニュ単体で飲むよりずっと美味しく感じるのだ。
個人の感想です。
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