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2012年03月15日

花粉症対策メガネ　他社の低価格品との競争激化も

メガネ専門店「JINS」を運営するジェイアイエヌは花粉症対策用のメガネ「JINS 花粉Cut」を１月30日に発売した。目を守るというコンセプトで考え、昨年９月から展開している機能性アイウエア「プロテクトシリーズ」の１つ。日本人の平均的な頭の形を研究しフレームのカーブを顔に沿うようにしたことで、メガネをかけていない場合に比べ目に入る花粉の量を90％程度減らせたという。

　外見もゴーグルのような花粉症対策メガネと異なり通常のメガネとほぼ同じデザインにし、おしゃれを気にする人がかけやすくした。フレームは超軽量弾力素材を用い、レンズには紫外線カット機能をつけた。メガネをかけない人やコンタクトレンズを使う人の需要も見込む。
　価格は度なしが3990円、度付きは8980円。販売目標は非公表。

【日経産業地域研究所研究員の視点】

花粉症の人にはつらい季節。デザインに配慮した対策用メガネを待ちわびている人も多いだろう。対象品は「日本人の目を守る」をコンセプトとする同社の機能性アイウエア「プロテクトシリーズ」にはうってつけの商品だ。花粉や紫外線の高いカット機能と日常使いもできるシンプルなデザインを備え、「普段メガネをかけない人にもかけてもらえるのでは」（マーケティング室）と期待する。

　もっとも、「ゴーグルのようなメガネではなく、もっとかけやすいものを」というニーズはここ数年高まっており、今年はデザインを工夫した他社のメガネも多く出回っている。マスクをしても曇らない特殊レンズを使った三城のベンチマーク品のほか、メガネ専門店「ゾフ」を運営するインターメスティック（東京・渋谷）の「花粉プロテクター」シリーズなどだ。花粉プロテクターは度なしが3150円とJINSより安い。

　メガネの着用は花粉の飛散がピークになるほんの数週間だけと割り切る人は、価格のより低いものを志向する可能性が強い。超軽量弾力素材を使ったフレームと低価格でメガネ業界に一大旋風を巻き起こしたジェイアイエヌも安穏とはしていられないだろう。

【ベンチマーク商品】

三城が１月１日に発売した「花粉らくらく君」。普段使いのメガネと同じようなデザインにし、マスクをしても曇らない特殊レンズを使用した。４月末までは度なし・度付きとも5800円の特別価格で販売。５月以降の価格は未公表。