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2012年06月30日

部活のノリ　販促演出　消費者参加型　塩こうじＰＲ

カレーにナン、豆腐サラダ、インド料理のサブジ、カスタードパイ、ヨーグルト飲料のラッシー－。　塩こうじやしょうゆこうじ、甘酒で味を調えた料理ばかりがテーブルに並んだ。しょうゆの町、金沢市大野町の「ひしほ蔵」で開かれたこうじ料理パーティー。アイデア料理を五十人が味わった。
　パーティーを企画したのは、女性十二人でつくるヤマト糀（こうじ）部。販売促進サービスを手掛けるウーマンスタイル（金沢市）が運営する“クラブ活動”だ。パーティーを締めたのは、ウーマンスタイル社員でもある和多利智絵部長（３８）の「目指せ、発酵食美人！」という掛け声。全員でこぶしを振り上げた。
　塩こうじを作る老舗メーカーのヤマト醤油味噌（しょうゆみそ）（金沢市）から依頼され昨年十一月に発足したビジネスでもある。プロジェクトの目標は「塩こうじをもっと広めること」。ウーマンスタイルとしても初めてになる消費者が参加する部活動型のプロモーションを思い付いた。
　「学生時代みたいなノリで新しいこうじ料理を考えれば、ただの料理教室より盛り上がる。食に対する女性のパワーはすごい」。こうじという奥深い発酵食品の魅力もあり、自信があった。発案者としての責任で部長に就いた。
　どうせなら徹底的にと、ヘッドコーチ役をこうじ料理研究家の小紺有花さんに依頼。月一回の料理教室が始まった。部員たちには家庭でオリジナル料理に挑戦してもらい、ブログやツイッター、フェイスブックによる情報発信を義務付けた。
　初期メンバー十人の部員集めこそ苦労したが、塩こうじブームもあり、すぐに参加希望者が殺到した。飽きないよう、部員が個々につくっている塩こうじを食べ比べ、学び合う環境づくりに心を配った。料理教室のたびに「目指せ、発酵食美人」と唱和し、一体感も演出した。
　ヤマト醤油の山本晴一社長は「料理で自己表現をしたいという女性の欲求に火を付けた」と評価する。十月までの一年間で打ち切る予定だ
が、惜しむ声は多い。
　ウーマンスタイルには酒造会社などからも部活動型のプロモーションに問い合わせが相次いでいる。クラブ活動と販売促進のコンビネーションがもっと広がるかもしれない。　