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トルストイが自著の中で述べているように、直接的な労働をしない者が一番が偉い。とすると、わたしはどうなる?ウルトラマンは悩んだ。怪獣と戦って、蹴る、投げる、走る、飛ぶと肉体労働ばかり、もっとも直接的な労働しかしていない。小さい時から、親の真似をして、何の疑問を持つことなく肉体ばかりを鍛えてきた。年を取ってきたせいなのか、自分の今までの行き方に疑問を感じるようになったのである。ろくに本を読んだり、計算をしたことがない。自分の給料の明細を見ても、どうもその算出方法が理解できない。一時は、その優れた身体能力がもてはやされたが、結局、ろくに昇進もできず、いつまで経っても単身赴任の地球勤務だ。もっとも、特別手当が出るし、大体、時たま3分間だけ戦えばいいから、楽といえば楽なのだが。しかし、老後を考えるともっときちんと勉強をしておけばよかったという思いはある。子供にはしっかりと教育を受けさせようと彼は思った。さて、また、出動か。とりあえずは、今日をうまくしのぐことだ。将来のことをくよくよ考えてもし方がない。(頭を切り替えて、ウルトラマンが飛んで行く!)#204
Jun 27, 2011
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戦いが終わった後、びゅっと飛んでいくけれども、ほかの人に気づかれないようにするためにいつも自宅から相当離れた田舎に着陸するから、帰るのが大変だし、大体、正義の戦いと言ったって、要は、ぼこぼこと蹴ったりなぐったりするだけだ。相手をやつけて地球の平和を守ったとしても、誰もわたしの生活費を出してくれるわけではない。 怪我でもしようものなら健康保険に加入していないから、高額の医療費を請求される。こんなことでは老後が心配だ。 おとうさんは自分の道は自分で決めなさいと言っていたから、きっと許してくれるにちがいない。もう昔と違うんだ。テレビだって放映してくれない。 やはりこういうことは、警察や自衛隊に任せておいた方がいい。地球に住みついたウルトラマンのひ孫はそう思った。明日からきちんとした定職を探して、お金を貯めて親孝行のひとつもしてやろうと、彼は星空に誓った。#203
Jun 19, 2011
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彼はもはや存在していないらしい。複写機のコピー台に顔を押し付け青白い光のスキャンにも眼を開けたままにして自分の顔をコピーしていた彼がその特徴的なくるくるした眼ともどもいつのまにか、逝ってしまっていたらしい。大学を出て25年特に親しかったわけででもない同級生の噂がびくっと私の心を震えさせる。#201
Jun 12, 2011
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叫びたいと人々が外に出て行きもう何千人、何万人と行方不明になったというのに誰も捜索に行こうとしない。とても冷たい透明な雪が彼らを濡らし、冷凍されたまぐろのようにかちかちになって若者や老人が転がっている場所があるかもしれないというのに。雪が降った後は、空気が透き通る。こんなときこそ、通りに出てきてぎらぎらの太陽もしくは満天の星に向けて思念を送るべきなのだ。なのに、もう誰もささやきもしない静かな街!#199
Jun 5, 2011
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