サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2007.04.10
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 ときどきちょっとつついては、休んでいる淡海(近江)の話ですが、今回の統一地方選挙で滋賀県議会議員の勢力図が逆転して、嘉田由紀子知事派の「対話の会」が躍進したことで、少し話題になっていますね。
 従来、長野や徳島でみられた革新知事と保守系議会のねじれ現象が、今回の滋賀県では一応解消されたことで、新幹線新駅凍結やダム建設の見直しを掲げる嘉田さんの政策には、おおいに追い風となるでしょう。前に「淡海幻想」とは別のところで触れたことがあるのですが、武村正義県政時代(もう30年近く前の話です)の「粉せっけん」運動以来、滋賀県はECO先進県のイメージがあって、それまでの保守王国とは一線を画するところがあったのでした。

 私の感じるところは、滋賀県の県民性が進歩的とか、先見性があるとかいったことではなく(もともとの県民性は紛れもなく保守的ですよ)、県外からの流入人口が極めて多いこと、その滋賀県に移り住む人たちの感覚にECOに対して思い入れの強い人たちが多いんじゃないかということでした。
 それが証拠に大津草津近辺に住む新興住宅地の人たちは、私が大津営業所で仕事をしていた当時、ほとんどが京都大阪からの転入組なのに、この人たちが京都大阪のいわば習俗慣習をそっくりもとの地に置き捨てて、滋賀県に移り住んでいるように感じたことでした。これは私が京都、大阪、奈良の各営業所支店にも居る機会があって感じたことなので、早い話、奈良の近鉄沿線などは大阪からの流入人口が大半を占めていて、文化もそのまま大阪ふうを持ち込んだ感じがあります。
 地域性を概括的に決め付けるのは危険で、奈良にいて私の感じた大阪ふうというのは、もともと奈良にあった風土性なのかも知れず(河内弁の元祖は葛城だという話があります。実際、橿原より南、吉野口あたりの人たちとしゃべっていると、これは河内どころかひょっとすると近畿の原風景ではないかと思わせられたことがあります)、あまり軽々しく話するのはちょっとひるむところがありますが。

 仕事の付き合いですから、当然ゼニカネ損得の話題が中心となるのですが、大阪や奈良ではゼニカネ損得が何の衒いもなく、ストレートに表に出る(お葬式の香典返しの中味を「これ何やろ」と人前で開けてみる)のに対し、京都というところはミヤビの牢固たる伝統のせいか、ゼニカネを前面に出すのを嫌う、何だかどこまで商売しているのか、人品の批評をしているのか分からないところがあって、はなはだ居心地が悪い。京都は昔から商売のしにくい町とよく言われます。
 同じ商売の話でも、滋賀県というのは鄙びた感じがあって、かつて近江商人で栄えた先見性など、どこにも感じられないのですが、もし一つ特色をあげるとすれば、 物事に対する感謝の感覚 ということでしょうか。こういうのは現地の販売員の女性に報酬を払ったときに、モロに出てくるもので、大阪や奈良ではもらって当然という顔で、こちら側としては何だか支払い甲斐がない気分になるのですが、滋賀の人は割合素直に会社の評価を受け入れてくれる。
 会社の方針や計画を説明しても、奈良や大阪だとその裏を嗅ぎ取る感じがあって、しゃべっていても油断がならない。滋賀県ではみんな取り合えず賛同してくれますが、逆に反駁されるときは極めて正当な論拠であることが多く、手練を駆使した大阪方式ではうまくいかない場合が多い。販売員の裏の裏を読んで、目標数値やキャンペーンを設定するなどということは、滋賀の場合はあまりよくないようです(だからあっちはダメでこっちは良い、という話ではありません。実際の販売力では奈良大阪のほうが、いろいろ問題はあったにせよ?はるかに上でした)。

 ところで、そうした私自身の思い込みから言うと、今回の滋賀県議会議員選挙の結果は、少し意外な感じがしなくもありません。というのも私の概念から言うと、嘉田さん支持派は当然人口流入の多い大津草津が中心となるということになるのですが、結果からいうと「対話の会」支持は、むしろ彦根や浅井郡のような郡部に多くみられるので、このあたりやはり固定観念にはまった考え方はダメだなと思わせられます。どうやら都市部は大阪京都と同じく、無関心層が増大しているみたいで、このままだといずれ滋賀も京阪神の近郊都市文化に組み込まれてしまいそうです。
 保守色の強いと思われる郡部に幅広い嘉田支持派がいるということは、取りも直さず京大湖沼研究所の研究員以来、県内をくまなく歩いてこられた嘉田さん人気の層の厚みを示しているので、このあたり滋賀県人の人をみる目というのは、手練を駆使して損得を嗅ぎ分ける都市の文化とはやはり違うような気もします。
 そしてもちろんその背景に琵琶湖という巨大な風景が横たわっていることも間違いないところでしょう。滋賀県人にとって30年前の南湖の赤潮の映像は、よほど強烈な県民の恥だったのかもしれません。これは最初草津の新規参入組の女性から始まったECO運動が、今では相当全県に浸透していることを表わしているのですが、地の人、新規参入組の人関係なく、琵琶湖というのはその存在があるということだけで、民意を統一してしまう、それほど大きいのかもしれません。象徴的に言えば琵琶湖を味方につけたほうが勝ちということでしょうか。
 何だかちょっとナイーブな話になってしまいました。





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Last updated  2007.04.10 13:36:52
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
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