サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2010.11.24
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 「国家の根幹を揺るがす事態」というのが、「領土問題」ではなく「国家体制の改変」であったとき、それは全面戦争の可能性を含むものである(すぐに実体的な戦争を始めるということではありません、それも選択肢に入るという捉えかた)とすれば、「フジタ社員拘束」という事態もあるいは理解できる。「戦争」となれば諸外国との体面ではなく、当面の敵を倒すのになりふりかまわない(手段を選ばない)というのは、当然出てくる考えかたです。

 つまり我々から見れば、自国内でおきた違法操業、公務執行妨害について、司法当局が法を執行するのが、当然のことであるのに、あちらではまず「司法の独立」という概念が、国家の根幹的な概念としてない。加えるに(向こうの言いぶんでは)領土問題で争っている場所での事件に、国内法を適用するのはおかしい(身勝手ですが)、というつながり方をしている。
 おそらく、こうした事態が起こった場合でも、政治が介入して「超法規的」に船長を解放する(現にそうなったのですが)だろう、くらいの読みがあったのではないか?前原さんが「粛々と法の手続きを進める」と言ったとき、中国政府は自国の「国家体制の改変」を強要して来た(つまり、戦争を仕掛けてきた)、と取ったと思うのです。「司法の独立」を国家の基幹体制の一つとしている国が、それを盾に法の執行を続けていく時、「司法の上位に政府組織を置く」国がそれを看過することは、そのまま自国の体制の正当性を否定することになる、ということです。

 なぜ私がこんなことを考えるのかというと、今回の一連の「尖閣問題」で、国際的に途中までより多く傷を負ったのは中国であって、決して日本ではなかったということなのです。レアアース禁輸処置で中国が蒙った国際的信用の失墜は、そのあとのノーベル平和賞の選定にかなり大きく影響を与えましたし、体面という点ではずいぶん値打ちを下げたでしょう。
 しかし、そのようにいくら外聞が悪かろうと、無理無体を押し付けようと、何が何でも守るべき事柄とは何か、と言えば、それはあちらの「国のかたち」でしかない。要は、この問題は日本と中国の「国のかたち」の争い、つまり「戦争」なのでした。戦争政策のオプションに「人質」が含まれてくるのは当然の発想で、通常の人権とか法的保護とかは、その政策下ではすべて除外される。すべては相手国を倒す、つまり自国の「国のかたち」を押し通し、相手国の「国のかたち」を潰す、という目的だけを以って事が進められるわけです(結果、その通りになりました)。

 というふうに理解すると(私の場合は、ですよ)、こうした国際紛争が起きた時、日本と中国の温度差というか、国としてのリスクのあり方に、ずいぶん開きのあることが分かりますね。日本は「弱腰外交」と「無責任な姿勢」で、現政権を倒すことなど、マスコミも政治家も、要は日本人のほとんどは何とも思ってない(日本の「国のかたち」がこれで変わるとは、ここから先も思ってない)のですが、中国の場合はそれが有り得る。たんに胡錦濤体制という現政権が退陣する、ということではなくて、現在の中国の共産主義独裁という「国のかたち」そのものが崩れる、という危険が常に付きまとっているのです。
 このあたりの温度差というか、リスクの背負いかたの決定的な違い、というのは、もっともっと理解していた方が良いのではないか(何も、だから「中国に対して弱腰であれ」と言っているのではないですよ)?彼らが外交を仕掛けてくるときの背中に背負った「国のかたち」の重みは、敗戦後日本のほとんどの歴代政治家は負ったことがない。多分そもそもの発想の基点にない、とさえ思える。

― つづく ―





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Last updated  2010.11.24 08:23:14
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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