サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2010.11.30
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 「好い人」とはどういう人か?
 自分自身の政策実現力(あるいは民間なら仕事遂行力)に自信がない、自ら泥をかぶり、リスクを引き受ける度胸のない人が、周囲(主として部下)に屈服して愛想を振りまき、ご機嫌を取ることに一生懸命なような人のことを指します。
 で、得てしてこういう人は、彼の上部組織ないし直属上司に対しての不満を、周囲(主として部下)に漏らす。この人たちは管理者あるいはリーダーというポジションが、すでにしてその位置にあることによって、周りとフリクション(摩擦、小競り合い)を起こす立場であるということが、分かっていない。指導というのは、紛れもなく「敢えてしんどい事をさせる、イヤなことを言う」立場であるということです。たとえクソジジイと影で謗られても、敢えて部下の嫌がることをさせるのが、真の意味で仕事遂行能力のある人でしょう。

 何も万事、周囲に嫌がられるように振るまいなさい、ということではありません(嫌がられるだけだったら、例えばボサボサ頭に、ヨレヨレのスーツを着て出社すればよろしい。その日からとくに女子の部下はあなたに近づかなくなるでしょう)。管理者の立場というのが、周囲(主として部下)にとって、煙たがられる存在であるかどうか、自分は煙たがられているのかどうか、つと胸に手を当てて考えて御覧なさい。
 もし周りがあなたに対して、さしあたって多少の遠慮とか、躊躇をまるきり感じていないようだったとしたら、あなたは管理者の資格がないというか、管理者である理由がないということです。
 何だか偉そうにしゃべっていますが、私自身のつたない仕事経験でも、部下に嫌われる上司と人気のある上司とでは、おおむね嫌われる上司のほうが、キチンと仕事実績をあげていたような気がする。かく言う私はズルかったですから、新しい支店などに赴くときは、「コワくて無慈悲な恐ろしい上司」というガセネタを、前もって銅鑼を打ち鳴らすように振りまいておいてから行ったものです(そのほうが、後がラクですから)。まあ、これはヨタ話ですね。

 分かりやすい例は、やはり軍隊組織で、軍隊では上官の命令は絶対で、しかも敢えて死地に突撃させる場合だって当然あり得る。これが「任務遂行」の究極的な本義でしょう。弾雨をおかして前進させるには、管理者はある意味で「無慈悲」である他ないのです。こうした場面で、日頃周囲(主として部下)に阿諛追従している指揮官が、まったく当てにならない(頼りにならない)事は誰でも分かるでしょう。任務遂行可能性、つまりより多くの兵士が助かるチャンスは、一見無慈悲な命令によってのみ達成されるのだ、と私は思う。
 このあたりの心の機微は、意のある部下ならたいてい気付くし、それに気付いた部下だけが、本当の意味で、使える部下だということにもなるのです。

 旧日本軍では、そのあたりの組織の考えかたが不徹底だったようで、現場指揮官で「陣頭指揮」を執って戦死した例が多かったようです。「陣頭指揮」と言えば、聞こえは好いのですが、おそらく実際は現場の指揮は、事実上古参兵(軍曹、伍長など)に握られ、彼らは部下を率いる術としては、真面目な指揮官ほど自ら体を張ることしかようしなかった。指揮命令系統の核が真っ先にいなくなっては、結局その部隊は全滅するしかない。
 冷たいようですが、現場指揮官のありようとしては、ある意味一番楽な選択をしたのかもしれません。このあたり、今でもかん違いして、「何が何でも現場主義」という人がいますが、自らものを見詰め思考を巡らすマインドを持たない人が、いくら現場に張り付いていても何にも解決しませんよ。要は二項対立的な貧しい思考態度で、あれこれ考えても打開策は出てこないのです。

― つづく ―





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Last updated  2010.11.30 14:14:08
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
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